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第16話 それは愛がゆえに
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ルナティアのやんわりとした回答にミーニャはふふっと笑みを溢した。
「優しいですね。ルナティア様は。貧弱な私と屈強な肉体を持つ父上。余りにも違いすぎるではありませんか。子供の頃はそれでよくからかわれたものです」
あ、そっち?
ていうか多分男子にからかわれたんだろうけど間違いなくミーニャに構ってほしかったんだと思うよ。
私が男子でもそうするから。ふへへ。
ミーニャは更に話を続ける。
「私の母は魔界の辺境の弱小部族の出身でした。すばしっこいのが唯一の取り柄で屈強な魔人か魔物に狙われたらそれこそひとたまりもないそんな小さな部族です。そんな母ですが、父と出会ってすぐ2人は恋に落ちました。父の一目惚れだったそうですが、周りの人たちには猛反対されたそうです。理由というのが父がその時すでに魔王軍四天王の一人で辺境の弱小部族の只の娘である母とは釣り合いが取れないというものでした」
人間界に置き換えればそれこそ大国の国王とド田舎の村娘が恋をするくらいの話だろう。
魔王を除けば魔界の頂点に立つ4人が魔王軍四天王である。
四天王グラガドの周りの魔人からすれば反対するのは考えるまでもない事だ。こういう所もいちいち人間界と同じようだ。
「それでも父と母はゆっくりと愛を育み、父は周りの反対する魔人達を説得しました。まぁ最終的には結婚が許されないというのなら四天王を辞して領土を出ると脅しまで使ったらしいですけど。流石にそんな事をされては魔王軍内での一族の立場がなくなると逆に母と一緒に説得されたみたいですね。その話を母はよく私に聞かせてくれたんです。それはとてもいい笑顔で」
娘の前でデレるとは中々のものだ。
余程グラガドはミーニャママに愛されているのだろう。
「なんでその話を私に?」
「ルナティア様も魔王様に人間界侵攻作戦とは関係なく愛されているということを伝える為です」
言いたいことは分かる。
魔王という立場にある者が人間でしかも勇者のルナティアに求婚するとはそういう事なのだろう。
しかし、魔王にはグラガドの時とは違い、人間界侵攻作戦の阻止という確固たる目的がある。
グラガドの時のように愛を成就させるだけが目的な訳ではないのだ。
ルナティアがそう言おうと口を開く前に更にミーニャが言った。
「父はシュトライゼン様を除けば四天王の中で一番早くこちらにやってきました。魔王様の相談に乗るためです」
「なんの?」
普通に考えれば、人間界侵攻作戦の阻止するための作戦会議か何かだろう。
だが、ミーニャは真剣な表情ではっきりと言い切った。
「どうすれば魔王様がルナティア様のハートを射止められるかの作戦会議です」
「はぁ? えっ? はぁー?」
魔王と四天王が2人集まって何の話をしているんだって話だが、ルナティアはひとまずそれは置いておくことにする。
「なんでそんなことミーニャが知ってるのよ?」
「私も参加していましたから。父上が若い女性の意見も聞いた方がいいでしょうと言ったようで」
それで魔王の恋愛相談に娘を呼ぶか? なんとも仲の良い家族である。
恐らく、最初にグラガドが呼ばれたのは豊富な恋愛経験を買われての事だろう。
会議の場でも魔王はグラガドのアドバイスを素直に聞いていたので信頼しているのは目に見えて分かっていた。
(まぁシュトライゼンはそういうの興味なさそうだしね)
「私の目から見ても魔王様は本当にルナティア様を愛されているのだと感じました。人間界侵攻作戦を別にしてもです。会議の場で魔王様がルナティア様の故郷に手を出す者は前に出ろと仰っていたのを覚えていますか?」
そんなことを言っていた気がする。
「そりゃあぁ言えば口出しできないでしょ?」
「それがそうでもないのです。そもそも魔王様の発言が絶対なのであれば会議の場でも魔人達の喧嘩は発生しなかったでしょうし、そもそもの話ルナティア様との結婚話を持ち出さなくても人間界侵攻作戦の阻止は可能だったはずです」
確かによく考えればミーニャの言う通りだ。
人間界侵攻作戦中止のようにどうしても納得できない話であればいくら魔王の言葉でも反発する魔人もいるのは事実なのだろう。
だとしたら、あの場で仮に魔王の前に立ちふさがっていればどうなっていたのだろうか?という疑問がルナティアの頭をよぎる。
その答えはミーニャの口からすぐにもたらされる事になった。
「魔王様はあの場で誰かが立ちふさがれば、その者をあの会議の場で本当に殺す気でいらっしゃいました。相手にもよりますがそんな事をすれば魔王様が恐れていた内乱に発展した可能性もあったでしょうし、人間界に勝手に侵攻する者達も現れたでしょう」
魔王は内乱や人間界侵攻の阻止の為に動いていたのにそれでは本末転倒ではないのだろうか?
ていうか殺す必要まである?
適当にボコれば済む話にルナティアには思えたが、ミーニャは更に話を続けた。
「あの方は人間界侵攻作戦阻止の為にルナティア様を利用したのではありません。むしろ今はルナティア様の為に人間界侵攻作戦を阻止しようとしていて、ルナティア様とのご結婚を邪魔する者は全て排除する考えでいらっしゃいます。それほどまでにあの方はルナティア様を愛しておられるのです」
「優しいですね。ルナティア様は。貧弱な私と屈強な肉体を持つ父上。余りにも違いすぎるではありませんか。子供の頃はそれでよくからかわれたものです」
あ、そっち?
ていうか多分男子にからかわれたんだろうけど間違いなくミーニャに構ってほしかったんだと思うよ。
私が男子でもそうするから。ふへへ。
ミーニャは更に話を続ける。
「私の母は魔界の辺境の弱小部族の出身でした。すばしっこいのが唯一の取り柄で屈強な魔人か魔物に狙われたらそれこそひとたまりもないそんな小さな部族です。そんな母ですが、父と出会ってすぐ2人は恋に落ちました。父の一目惚れだったそうですが、周りの人たちには猛反対されたそうです。理由というのが父がその時すでに魔王軍四天王の一人で辺境の弱小部族の只の娘である母とは釣り合いが取れないというものでした」
人間界に置き換えればそれこそ大国の国王とド田舎の村娘が恋をするくらいの話だろう。
魔王を除けば魔界の頂点に立つ4人が魔王軍四天王である。
四天王グラガドの周りの魔人からすれば反対するのは考えるまでもない事だ。こういう所もいちいち人間界と同じようだ。
「それでも父と母はゆっくりと愛を育み、父は周りの反対する魔人達を説得しました。まぁ最終的には結婚が許されないというのなら四天王を辞して領土を出ると脅しまで使ったらしいですけど。流石にそんな事をされては魔王軍内での一族の立場がなくなると逆に母と一緒に説得されたみたいですね。その話を母はよく私に聞かせてくれたんです。それはとてもいい笑顔で」
娘の前でデレるとは中々のものだ。
余程グラガドはミーニャママに愛されているのだろう。
「なんでその話を私に?」
「ルナティア様も魔王様に人間界侵攻作戦とは関係なく愛されているということを伝える為です」
言いたいことは分かる。
魔王という立場にある者が人間でしかも勇者のルナティアに求婚するとはそういう事なのだろう。
しかし、魔王にはグラガドの時とは違い、人間界侵攻作戦の阻止という確固たる目的がある。
グラガドの時のように愛を成就させるだけが目的な訳ではないのだ。
ルナティアがそう言おうと口を開く前に更にミーニャが言った。
「父はシュトライゼン様を除けば四天王の中で一番早くこちらにやってきました。魔王様の相談に乗るためです」
「なんの?」
普通に考えれば、人間界侵攻作戦の阻止するための作戦会議か何かだろう。
だが、ミーニャは真剣な表情ではっきりと言い切った。
「どうすれば魔王様がルナティア様のハートを射止められるかの作戦会議です」
「はぁ? えっ? はぁー?」
魔王と四天王が2人集まって何の話をしているんだって話だが、ルナティアはひとまずそれは置いておくことにする。
「なんでそんなことミーニャが知ってるのよ?」
「私も参加していましたから。父上が若い女性の意見も聞いた方がいいでしょうと言ったようで」
それで魔王の恋愛相談に娘を呼ぶか? なんとも仲の良い家族である。
恐らく、最初にグラガドが呼ばれたのは豊富な恋愛経験を買われての事だろう。
会議の場でも魔王はグラガドのアドバイスを素直に聞いていたので信頼しているのは目に見えて分かっていた。
(まぁシュトライゼンはそういうの興味なさそうだしね)
「私の目から見ても魔王様は本当にルナティア様を愛されているのだと感じました。人間界侵攻作戦を別にしてもです。会議の場で魔王様がルナティア様の故郷に手を出す者は前に出ろと仰っていたのを覚えていますか?」
そんなことを言っていた気がする。
「そりゃあぁ言えば口出しできないでしょ?」
「それがそうでもないのです。そもそも魔王様の発言が絶対なのであれば会議の場でも魔人達の喧嘩は発生しなかったでしょうし、そもそもの話ルナティア様との結婚話を持ち出さなくても人間界侵攻作戦の阻止は可能だったはずです」
確かによく考えればミーニャの言う通りだ。
人間界侵攻作戦中止のようにどうしても納得できない話であればいくら魔王の言葉でも反発する魔人もいるのは事実なのだろう。
だとしたら、あの場で仮に魔王の前に立ちふさがっていればどうなっていたのだろうか?という疑問がルナティアの頭をよぎる。
その答えはミーニャの口からすぐにもたらされる事になった。
「魔王様はあの場で誰かが立ちふさがれば、その者をあの会議の場で本当に殺す気でいらっしゃいました。相手にもよりますがそんな事をすれば魔王様が恐れていた内乱に発展した可能性もあったでしょうし、人間界に勝手に侵攻する者達も現れたでしょう」
魔王は内乱や人間界侵攻の阻止の為に動いていたのにそれでは本末転倒ではないのだろうか?
ていうか殺す必要まである?
適当にボコれば済む話にルナティアには思えたが、ミーニャは更に話を続けた。
「あの方は人間界侵攻作戦阻止の為にルナティア様を利用したのではありません。むしろ今はルナティア様の為に人間界侵攻作戦を阻止しようとしていて、ルナティア様とのご結婚を邪魔する者は全て排除する考えでいらっしゃいます。それほどまでにあの方はルナティア様を愛しておられるのです」
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