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第19話 7時じゃないけど全員集合!
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「……なんだと!?」
魔王は衝撃のあまり上げた声が魔王の部屋に響き渡った。
正直予想していなかった事態だ。
もう少し時間が経てばそんなこともあるかもしれないと警戒はしていたものの、流石にまだ早いと油断していた。
ルナティアのケガは快方に向かっていたのは事実だが、まだ歩くのがせいぜいくらいの状態のはずだった。
魔人や魔獣に遭遇さえしなければ、魔界を抜け人間界に戻れる可能性もなくはないが、流石にリスクが大きすぎると魔王自身考えていたし、それはルナティアも分かっている事だろう。
「申し訳ありません! 私がついていながら……」
ミーニャが魔王に大きく頭を下げ謝罪する。
確かにミーニャにはそれとなくルナティアの事を見ていておいて欲しいと頼んでいたが、24時間見張りに張り付けと言っていたわけではない。
というよりもミーニャ一人で24時間体制の見張りなどいくら魔人のミーニャといえど不可能である。
完全に監視を行うのであれば、他に数人の魔人に命令し、交代で行わなければいけなかったのだ。
「いや、悪いのは俺だ。流石に今、魔王城から逃げ出すとは思ってもみなかった」
魔王はそう言って、部屋から出ていこうとするのをミーニャが呼び止める。
「魔王様、どこへ?」
「決まっている。四天王全員をすぐに会議場に呼べ。それと手の空いている魔人全てだ」
「はっ! すぐにでも!」
そうして、魔王は部屋を出て、会議場に向かうのであった。
魔王が会議場に来て、数分の事だった。
シュトライゼンとグラガドが同時に会議場にやってきた。
「魔王様、ルナティア様が魔王城から消えたと聞きましたが」
シュトライゼンが魔王にそう言った後、すぐに魔王にグラガドが頭を下げた。
「魔王様、申し訳ありません。我が娘が監視についていながら……」
「それについては俺の落ち度だ。ミーニャにも気にするなと伝えておけ」
「はっ!」
魔王にそう言われ、グラガドが頭を下げる中、2人の魔人が会議場へと入ってきた。
1人は女の魔人。
吊り上がった目が少しきつい印象を思わせるが、凹凸のはっきりとした体つきと少し日焼けした肌で妖艶さが際立つ美女だ。
もう一人は男の魔人。
シュトライゼンやグラガドの武人っぽい印象とは違いメガネかけた知性的な男である。
とはいえ、その体から漏れ出る魔力からその男がただの優男ではない事を物語っている。
「お待たせいたしました、我が君。本日はどのようなご用件で?」
女の魔人がそう言った後、男の魔人も続けて魔王に挨拶すると魔王は2人もルナティアが魔王城からいなくなったことを告げた。
「ルナティアが魔王城から消えたのだ。お前達にはその捜索をしてもらいたい」
魔王がそう言うと女の方の魔人の表情が明らかに厳しいものとなる。
男の方も少し怪訝そうな表情だが、女ほど露骨に態度には出す事はなかった。
「魔王様、失礼を承知で申し上げます。ルナティア様と言いましたか? その女は自分から出て行ったのでしょう? なぜ連れ戻す必要があるのですか?」
「俺がそうしたいからだ。それでは不服か?」
連れ戻して、魔王城から逃走した理由が聞きたかった。
昨日の喧嘩が理由か。それとも、元々から計画していたものだったのか。
魔王には昨日の喧嘩がルナティアと魔王の袂を分かつ決定的なものには思えなかった。
修復は十分可能だし、これから長い時間をかけ説得するつもりだった。
このままでは魔王が納得できるはずもない。
だが、女の魔人に続けて男の魔人も魔王に異論を唱えた。
「魔王様、不服とは申しませんが、正直私には魔王様がなぜあの方を妃にすると言ったのか理解できません。……あの方は人間でしょう? 魔人にも魅力のある女性は大勢おられます。例えばそこにおられるリエン殿など私から見ても十分魔王様に相応しい女性かと思うのですが」
不意にそう言われた女の魔人リエンは顔を真っ赤にさせながら男の魔人の肩をバンバン叩き始めた
「ちょ、マティス殿。私などが魔王様のお妃様なんて!」
そう言いながらバンバンと男の魔人マティスの肩をバンバン叩きながら魔王の顔をチラチラと見ている。
マティスとしては別にリエンが魔王の妃となればいいとも思ってはいないが、人間であるルナティアが魔王の妃になるのに内心で反対している。
あの会議の場でも自身が魔王軍四天王という立場になければ、真っ先に反対を表明しただろう。
それをしなかったのは周りの魔人に魔王に反対する自分の姿を見せたくなかったからである。
そんなマティスの思惑をよそにシュトライゼンは静かな口調で2人に忠告する。
「そろそろやめておいた方が身の為だぞ。リエン殿、マティス殿」
リエンとマティスはシュトライゼンにそう言われ、ハッと魔王の周囲の異様な魔力の流れに気づいた。
なぜ今まで気づかなかったのか不思議に思うほどの凄まじく凝縮された魔力が魔王の周囲を覆っていたのだ。
それは故意に魔王が発したものではなかった。
魔王の感情の激しさに比例してただ漏れ出した魔王の力の一端である。
「お前たちのつまらない話に付き合っている暇はない。——ところで聞くがお前たちはまさか俺とルナティアの結婚に反対しているのか?」
シュトライゼンとグラガドから見ればどう考えてもリエンとマティスは魔王とルナティアの結婚に反対しているようにしか見えなかったが、あえて2人はそれを口にしなかった。
そして、ついさっきまで明らかにルナティアの捜索に反対する素振りを見せていたリエンとマティスも魔王の凄まじい圧力に押され魔王の問いを否定する事しかできなかったのである。
「いえ、そういうわけではないのですが……」
「ですが——なんだ?」
魔王は更にリエンとマティスに睨みを利かせると2人は焦ったように魔王に言った。
「な、なんでもございません。すぐにルナティア様の捜索を開始します」
そういうとリエンとマティスはそそくさと会議場を出て行ったのだった。
魔王は衝撃のあまり上げた声が魔王の部屋に響き渡った。
正直予想していなかった事態だ。
もう少し時間が経てばそんなこともあるかもしれないと警戒はしていたものの、流石にまだ早いと油断していた。
ルナティアのケガは快方に向かっていたのは事実だが、まだ歩くのがせいぜいくらいの状態のはずだった。
魔人や魔獣に遭遇さえしなければ、魔界を抜け人間界に戻れる可能性もなくはないが、流石にリスクが大きすぎると魔王自身考えていたし、それはルナティアも分かっている事だろう。
「申し訳ありません! 私がついていながら……」
ミーニャが魔王に大きく頭を下げ謝罪する。
確かにミーニャにはそれとなくルナティアの事を見ていておいて欲しいと頼んでいたが、24時間見張りに張り付けと言っていたわけではない。
というよりもミーニャ一人で24時間体制の見張りなどいくら魔人のミーニャといえど不可能である。
完全に監視を行うのであれば、他に数人の魔人に命令し、交代で行わなければいけなかったのだ。
「いや、悪いのは俺だ。流石に今、魔王城から逃げ出すとは思ってもみなかった」
魔王はそう言って、部屋から出ていこうとするのをミーニャが呼び止める。
「魔王様、どこへ?」
「決まっている。四天王全員をすぐに会議場に呼べ。それと手の空いている魔人全てだ」
「はっ! すぐにでも!」
そうして、魔王は部屋を出て、会議場に向かうのであった。
魔王が会議場に来て、数分の事だった。
シュトライゼンとグラガドが同時に会議場にやってきた。
「魔王様、ルナティア様が魔王城から消えたと聞きましたが」
シュトライゼンが魔王にそう言った後、すぐに魔王にグラガドが頭を下げた。
「魔王様、申し訳ありません。我が娘が監視についていながら……」
「それについては俺の落ち度だ。ミーニャにも気にするなと伝えておけ」
「はっ!」
魔王にそう言われ、グラガドが頭を下げる中、2人の魔人が会議場へと入ってきた。
1人は女の魔人。
吊り上がった目が少しきつい印象を思わせるが、凹凸のはっきりとした体つきと少し日焼けした肌で妖艶さが際立つ美女だ。
もう一人は男の魔人。
シュトライゼンやグラガドの武人っぽい印象とは違いメガネかけた知性的な男である。
とはいえ、その体から漏れ出る魔力からその男がただの優男ではない事を物語っている。
「お待たせいたしました、我が君。本日はどのようなご用件で?」
女の魔人がそう言った後、男の魔人も続けて魔王に挨拶すると魔王は2人もルナティアが魔王城からいなくなったことを告げた。
「ルナティアが魔王城から消えたのだ。お前達にはその捜索をしてもらいたい」
魔王がそう言うと女の方の魔人の表情が明らかに厳しいものとなる。
男の方も少し怪訝そうな表情だが、女ほど露骨に態度には出す事はなかった。
「魔王様、失礼を承知で申し上げます。ルナティア様と言いましたか? その女は自分から出て行ったのでしょう? なぜ連れ戻す必要があるのですか?」
「俺がそうしたいからだ。それでは不服か?」
連れ戻して、魔王城から逃走した理由が聞きたかった。
昨日の喧嘩が理由か。それとも、元々から計画していたものだったのか。
魔王には昨日の喧嘩がルナティアと魔王の袂を分かつ決定的なものには思えなかった。
修復は十分可能だし、これから長い時間をかけ説得するつもりだった。
このままでは魔王が納得できるはずもない。
だが、女の魔人に続けて男の魔人も魔王に異論を唱えた。
「魔王様、不服とは申しませんが、正直私には魔王様がなぜあの方を妃にすると言ったのか理解できません。……あの方は人間でしょう? 魔人にも魅力のある女性は大勢おられます。例えばそこにおられるリエン殿など私から見ても十分魔王様に相応しい女性かと思うのですが」
不意にそう言われた女の魔人リエンは顔を真っ赤にさせながら男の魔人の肩をバンバン叩き始めた
「ちょ、マティス殿。私などが魔王様のお妃様なんて!」
そう言いながらバンバンと男の魔人マティスの肩をバンバン叩きながら魔王の顔をチラチラと見ている。
マティスとしては別にリエンが魔王の妃となればいいとも思ってはいないが、人間であるルナティアが魔王の妃になるのに内心で反対している。
あの会議の場でも自身が魔王軍四天王という立場になければ、真っ先に反対を表明しただろう。
それをしなかったのは周りの魔人に魔王に反対する自分の姿を見せたくなかったからである。
そんなマティスの思惑をよそにシュトライゼンは静かな口調で2人に忠告する。
「そろそろやめておいた方が身の為だぞ。リエン殿、マティス殿」
リエンとマティスはシュトライゼンにそう言われ、ハッと魔王の周囲の異様な魔力の流れに気づいた。
なぜ今まで気づかなかったのか不思議に思うほどの凄まじく凝縮された魔力が魔王の周囲を覆っていたのだ。
それは故意に魔王が発したものではなかった。
魔王の感情の激しさに比例してただ漏れ出した魔王の力の一端である。
「お前たちのつまらない話に付き合っている暇はない。——ところで聞くがお前たちはまさか俺とルナティアの結婚に反対しているのか?」
シュトライゼンとグラガドから見ればどう考えてもリエンとマティスは魔王とルナティアの結婚に反対しているようにしか見えなかったが、あえて2人はそれを口にしなかった。
そして、ついさっきまで明らかにルナティアの捜索に反対する素振りを見せていたリエンとマティスも魔王の凄まじい圧力に押され魔王の問いを否定する事しかできなかったのである。
「いえ、そういうわけではないのですが……」
「ですが——なんだ?」
魔王は更にリエンとマティスに睨みを利かせると2人は焦ったように魔王に言った。
「な、なんでもございません。すぐにルナティア様の捜索を開始します」
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