オールスペルキャスター、全属性の魔法を使える男〜異世界転生した俺は、圧倒的な魔法の才能で辺境の貧乏貴族から成り上がる〜

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第九十五話

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「うおおおおおおお!!!」

ディンが気合の声を上げる。

攻撃はその数と威力をだんだんと増していった。

だが、依然として俺が簡単に対応できる範囲内だ。

俺は全方位から体を包み込むようにして自信を守る。

守護魔法を改変して作った球体の盾。

この中に入って終えば、基本的にどのような攻撃
からも身を守れる。

「くっ…守ってばかりで…勝てるのかなっ!?」

ディンは攻撃の手を緩めない。

俺に反撃の隙を与えないつもりらしい。

「攻撃を続けていれば……君はその盾の中から出てこれない…!!そのうちに魔力も尽きるだろう!!そうなったところを狙い撃ちだ!!」

防戦一方の俺を見て、ディンは守るのに精一杯だと捉えたらしい。

勘違いも甚だしい。

俺はただ単にディンの実力を見極めていただけだ。

戦闘が始まって5分。

早い段階からさまざまな手を明かしてきたディンの底が、そろそろ見えてきた。

結論から言うと…

「いや、別に守りながらでも攻撃は出来るぞ」

「な、何ぃ!?」

ディンは俺よりは明らかに弱い魔法使いだ。

「ぐはっ!?」

球体の防護魔法の一部に穴をあけて俺はそこからディンに対して魔法攻撃を行った。

隙をつかれたディンは、まともに攻撃をくらい、背後に吹っ飛んだ。

「な…な…なんだそれは…!?」

追撃を恐れたのか急いで体制を立て直し、一部に穴の空いた俺の魔法の盾を指差してワナワナと震える。

「盾の一部に穴を開けた。素早く一瞬だけ、な。こうすれば防御と攻撃、同時に行えるだろ?」

球体の魔法の盾の任意の場所に一瞬だけ穴を開ける。

そしてそこから魔法攻撃を相手に向かって打つ。 

相手は守護魔法のどこに穴ができるのか、わからないため攻撃は出来ない。

逆にこちらは、任意のタイミングで自信を守りながら一方的に反撃ができる。

俺が学院生活を送る間に生み出した、攻防一体のアレンジ魔法だった。

「そ、そんな器用なことが…くそっ…」

ディンがペッと血の混じった唾を吐く。

「だったら…その盾もろとも君を破壊する…!!」

「お…」

そして絶え間なく防御を固める俺に攻撃をするという戦法から、一発の大魔法で一撃の元に沈めるという戦法に変化する。

「見せてやる…!帝国魔道士団の魔法使いの本気を…!!」

「…」

ディンが今日1番の大魔法を練り上げ始めた。



「すげぇ…」

「なんだこの戦い…」

「異次元すぎる…」

「アリウスすげぇ…帝国魔道士団の魔法使いと互角に戦ってるぞ…」

アリウスとディンが、もはやこれが試験だと言うことも忘れてぶつかる中、それを離れた安全な場所から見守っている生徒たちは、口々に驚きの声をあげていた。

自分達と同級生のアリウスが、帝国最高峰の魔法使いと互角の戦いを繰り広げている。

そのことが彼らには未だ信じられなかった。

「アリウスってあんなに強かったのか…?」

「や、やっぱりアリウスの実力は本物だったんだ…」

「たまにポカをやるのは…ひょっとして演技だったんじゃないのか…?」

「ありうる…あいつ、あんまり目立ちたいタイプじゃないし、もしかしたらわざと実力を隠して…?」

今や生徒たちはアリウスの本当の実力に気付きつつあった。

「どっちが勝つんだ…?」

「アリウスが勝ったら大変なことだぞ…」

「で、でも…ディンさんの方はかなり焦っているように見えるぜ…」

「あ、あぁ…アリウスには余裕がある…」

「ひょっとして、マジで倒しちまうんじゃないのか!?」

生徒たちは、アリウスが勝つというまさかの可能性を信じて、固唾を飲んで勝負の行方を見守るのだった。



「この一撃で仕留める…!!覚悟しろ!!」

「おぉ…結構魔力注ぎ込みましたね。大丈夫なんですか?」

俺を一撃の元に葬り去るべく、ディンが魔法を練り上げ、完成させつつあった。

相当濃密な魔力の気配を感じる。

おそらくディンの残り魔力の大部分を注ぎ込んだのではないだろうか。 

「自分の心配をしたらどうだい!?君は今から僕に負けるんだから…!!」

「どうでしょうねぇ…それよりもそっちは、今まで生徒を相手してきてただでさえ魔力を減らしている。その魔法がもし俺に防がれたら、いよいよまずいんじゃないですか?」

「そう言うことは防いでみてから言ってみな よ…!!行くよ…!!」

ディンが魔法の詠唱を完成させる。

貫通生の高そうな、巨大な槍の形をした炎魔法だ。

「行け…!!敵を仕留めろ…!!」

やがてディンが魔法を解き放った。

チュドォオオオンン!!!

爆音と共に、魔法がこちらに飛来する。

「ライトニング・パーフェクト・ガード」

俺は守護範囲を狭める代わりに、より強度の上がった守護魔法を自らの前方に展開する。

バァアアアン!!

凄まじい衝突音。

ディンの魔法が俺のシールドと正面から衝突する。 
「行けぇええええええ!!」

もうほとんど自分が試験官ということを忘れていそうなディンが、気持ちの入った声を上げる。

「ふむ…」

俺は相応の魔力を盾に注ぎ込みながら、顎を撫でた。

「思ってたより弱いかな」

「な…!?」

次の瞬間、ディンの魔法が俺の盾に完全に跳ね返され、打ち消された。
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