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文化祭2
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「た、拓人!大変よ」
「どうしたの、菜緒」
「こよみが攫われたって…。どうしよう。もし発作が出たら…」
「落ち着いて、菜緒。いい、まず冷静に判断しよう。犯人の可能性が高い人物は…?」
「…松平花織。なら早く行かないとっ…」
「待って。じゃあ、今邪魔が入らずに鍵がかかる場所。そして人が寄り付かない場所。どこだと思う?」
「…旧校舎と、部活棟と、体育館周辺」
「そうだね。でも旧校舎はグラウンドから距離が近いから人が来る可能性がある。部活棟は今日は鍵は先生が持ってる。もちろんスペアキーもマスターキーもね」
「じゃあ、体育館周辺よね。鍵がかかるのは…あ。体育館倉庫!!」
「うん、行こう!」
二人は駆け出した。
「________________ん…」
誰かの話し声がする…。ゆっくり目を開けるとそこは冷たいコンクリートに囲まれた部屋。
「あ、起きた?アリスちゃん。まだ薬が効いてるかな?」
だれ…?くらくらするしぼーっとする。
「あれ、忘れちゃった?昼にも会ってるんだけどなぁ」
この匂いは…香水。
「ナンパの人…」
少しずつ意識が覚醒していく。そして私は今自分が置かれている状況を理解した。
「ごめんね、頼まれてんだよね」
だれに…。連絡しないとみんなに。ポケットを探ろうとするも腕が縛られている。
「あら、お目覚め?私のこと知ってるよね?」
突然女の子の声がした。この子は…
「誰だったっけ…。ごめんなさい、人との付き合いが悪いもので…」
うそ。本当は知ってる。でも、こんな風にボケてないと泣きそうになる。松平のお嬢様ね。
「私に何か用ですか…?」
「なんなの、私達から明くんを取ったくせに」
「取ってない」
これは本当のこと。私は誰からも明を取ってない。だって明は明のものだから。
「ああ、ほんっとムカつく!いいわ、あなた達こいつを好きにやっちゃって!!」
え、それってまさか…。
「いや俺たちも得したな」
「ああ、こんなに可愛いの頂けるとはなぁ」
さすがに後ずさりする。誰か…早く…。明!!
その時大きな音を立ててドアが開いた。…訂正、外れた。月光に照らされて三人のシルエットが浮かび上がる。
「だれっ!!」
「誰なんてわかっているくせに。月に…じゃないこよみに変わってお仕置きするわよ」
「菜緒、それは古いぞ…」
「君たちこのオトシマエどうつけてくれるの?君たちのせいで俺の菜緒が悲しんじゃったんだけど」
安心する声。助けに来てくれたんだね…。
「おい、いい加減にしろよ?」
そう言って明は男二人に何かを耳打ちした。するとたちまち二人は謝って逃げ出した。
何て言ったんだろう。
「ちょっと、待ちなさいよ!」
「待つのはあなたの方よ、松平花織さん。自分のした事わかってんの?」
菜緒が凍てつくような目で松平さんを睨む。さらに明にも睨まれ、とうとう泣き出してしまった。
「羨ましかった。お嬢様で明くんが恋人で素敵な友達もいて。明くんなら唯一……私を認めてくれると思ったの…」
最後の言葉はみんなの耳には届かなかった。この子は、きっと悪い子じゃない。そう思った。
「松平、こよみに言う事があんだろ」
「…ごめんなさい、坂倉さん」
「うん。もういいよ。でも、この先こんな事はもうしてはダメだよ。友達が欲しいなら私が…仲良くするから…。その時まで…だけど」
「うん、ありがとう…」
彼女は優しく笑った。
______そしてこの日は私が元気だった最後の日だった。
「どうしたの、菜緒」
「こよみが攫われたって…。どうしよう。もし発作が出たら…」
「落ち着いて、菜緒。いい、まず冷静に判断しよう。犯人の可能性が高い人物は…?」
「…松平花織。なら早く行かないとっ…」
「待って。じゃあ、今邪魔が入らずに鍵がかかる場所。そして人が寄り付かない場所。どこだと思う?」
「…旧校舎と、部活棟と、体育館周辺」
「そうだね。でも旧校舎はグラウンドから距離が近いから人が来る可能性がある。部活棟は今日は鍵は先生が持ってる。もちろんスペアキーもマスターキーもね」
「じゃあ、体育館周辺よね。鍵がかかるのは…あ。体育館倉庫!!」
「うん、行こう!」
二人は駆け出した。
「________________ん…」
誰かの話し声がする…。ゆっくり目を開けるとそこは冷たいコンクリートに囲まれた部屋。
「あ、起きた?アリスちゃん。まだ薬が効いてるかな?」
だれ…?くらくらするしぼーっとする。
「あれ、忘れちゃった?昼にも会ってるんだけどなぁ」
この匂いは…香水。
「ナンパの人…」
少しずつ意識が覚醒していく。そして私は今自分が置かれている状況を理解した。
「ごめんね、頼まれてんだよね」
だれに…。連絡しないとみんなに。ポケットを探ろうとするも腕が縛られている。
「あら、お目覚め?私のこと知ってるよね?」
突然女の子の声がした。この子は…
「誰だったっけ…。ごめんなさい、人との付き合いが悪いもので…」
うそ。本当は知ってる。でも、こんな風にボケてないと泣きそうになる。松平のお嬢様ね。
「私に何か用ですか…?」
「なんなの、私達から明くんを取ったくせに」
「取ってない」
これは本当のこと。私は誰からも明を取ってない。だって明は明のものだから。
「ああ、ほんっとムカつく!いいわ、あなた達こいつを好きにやっちゃって!!」
え、それってまさか…。
「いや俺たちも得したな」
「ああ、こんなに可愛いの頂けるとはなぁ」
さすがに後ずさりする。誰か…早く…。明!!
その時大きな音を立ててドアが開いた。…訂正、外れた。月光に照らされて三人のシルエットが浮かび上がる。
「だれっ!!」
「誰なんてわかっているくせに。月に…じゃないこよみに変わってお仕置きするわよ」
「菜緒、それは古いぞ…」
「君たちこのオトシマエどうつけてくれるの?君たちのせいで俺の菜緒が悲しんじゃったんだけど」
安心する声。助けに来てくれたんだね…。
「おい、いい加減にしろよ?」
そう言って明は男二人に何かを耳打ちした。するとたちまち二人は謝って逃げ出した。
何て言ったんだろう。
「ちょっと、待ちなさいよ!」
「待つのはあなたの方よ、松平花織さん。自分のした事わかってんの?」
菜緒が凍てつくような目で松平さんを睨む。さらに明にも睨まれ、とうとう泣き出してしまった。
「羨ましかった。お嬢様で明くんが恋人で素敵な友達もいて。明くんなら唯一……私を認めてくれると思ったの…」
最後の言葉はみんなの耳には届かなかった。この子は、きっと悪い子じゃない。そう思った。
「松平、こよみに言う事があんだろ」
「…ごめんなさい、坂倉さん」
「うん。もういいよ。でも、この先こんな事はもうしてはダメだよ。友達が欲しいなら私が…仲良くするから…。その時まで…だけど」
「うん、ありがとう…」
彼女は優しく笑った。
______そしてこの日は私が元気だった最後の日だった。
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