ある日、突然 花嫁に!!

ひろろ

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それは、突然です!

ヤバ過ぎでしょう……

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「おはようございます」

「おはよう、折原君」

 ここは、折原 匠海が勤めているRST本社だ。


「あれ?松山さん、村田さんが まだ来ていないなんて、珍しいですね。

 今日はお休みなんですか?」


「そうさ、今日は娘さんの結婚式なんだから、当然、休みさ!」

 匠海の先輩、松山が答えた。


「へぇ、結婚式ですか。

 それで、どこで行うんですか?」

 匠海は、何の気なしに聞いたのだった。


「ああ、確か、カレンダホテルとか言っていたな……」


「 ! 」

 何だって?カレンダホテルで?

 それは、非常に困る!

 きっと、丸山さんは出勤しているよな……。

 どうしたものか……そうだ、智也がホテルにいるかも!電話、電話!


「うん?折原君、どうした?顔色が悪いな。

 大丈夫なのか?」

 深刻な顔をしている匠海を見て、松山が心配したのだった。


「あっ、お腹の調子がちょっと……トイレに行ってきます」


 松山さん、心配かけてすみません。

 匠海、頼む電話に出てくれ!

 呼び出し音を聞きながら、焦る匠海。

「はい、西崎です。匠海、今、仕事中だから……」


「あ、智也、ごめん。緊急なんだよ!
 村田さんが結婚するけど、丸山さんと鉢合わせすると、偽妻がバレちゃうんだ!」


「おい、いきなり、何を言ってるんだよ?」

 匠海は、焦るあまり、メチャクチャに言ったのだった。


 「なあ、智也、何とか、助けてくれ!頼む!

 お父さんの会社の部下からだって、花束を渡しに行って、丸山さんに“上司の村田さん”って、話して欲しい。頼む、プツ……」


「あっ、おい、匠海!電話を切るなよ!おいっ!

 あ、アイツめっ!まったく、俺は仕事中だぞ!」


「わか、何かあったんすかぁ?」

  花屋スタッフの後藤が聞いた。
 

「ああ、うん、友人が花束を今、作って届けてくれって言ってきたんだ!勝手なんだから!」

 村田さんの結婚式?うん?この会場で披露宴をするのは、須山家と村田家だったよな?

 上司の村田さん?そういえば、バスハイクで偽妻をやって、上司の人と話したとか、言っていたな……!

 偽妻だったって、バレちゃうかも?そういう事なのか?

 じゃあ、急いで作らないと!

 智也は、焦って花束を作ろうとしていると、側にいた川口が言う。


「西崎さん、私が花束を作りますから、やりかけの花を生けて下さい。

 お任せでいいですよね?」


「川口さん、ありがとうございます。

 どんなのでもいいです。お任せしますから。

 余計な仕事で、すみません」

 
 そして、川口は本当に素早く花束を作ってくれて、智也に渡したのだった。


「わか、こっちは、ほとんど終わっているし、花束を届けてあげて下さいよ」

 近頃、後藤は、西崎と呼ぶ事が面倒らしく、“わか”になってしまっているが、智也は好きに呼ばせていた。諦めたのだ。

「後藤君、川口さん、ありがとう。

 じゃあ、行ってきます。後はお願いします」

…………………

今日の挙式は、午前10時からで、新婦は午前7時からブライズルームで、支度をしている。


 新郎が、そろそろホテルに来る頃だろうから、ブライズルームへ挨拶に行こうかな。

 柚花は、スタッフルームを出て、ブライズルームへと向かう。

…………………


 あっ、行くって言ったけど、俺はどこに行けばいいんだ?


 智也は、取り敢えず会場から出た……。


「あっ、お花屋さん!おはようこざいます。
 本日も、お疲れ様です」


 会場の状況を見に来た軽米が挨拶をしたのだった。

「ああ、おはようございます。
 ちょうど良かった!柚……丸山さんの居場所を知っていますか?」


「ええと、多分、今ならブライズルームへ行ったところだと思いますが、何か、御用ですか?

 電話を掛けてみましょうか?」


「はい、是非!お願いします」


 軽米は、柚花に電話を掛けてみるが、出ないのだった。


「あら?出ませんね。お客様とお話しをしているのかもしれません。すみません」

 
 智也は、以前行ったことのあるブライズルームへ急ぐ。


 匠海からの依頼の花束を抱えて、柚花のために急ぐのだった。
 
……………………

「あ、ちょっと……」


 ブライズルームの前にいた柚花が声を掛けられた。


「はい?」


 振り向いた先に、黒のモーニングを着た男性と留袖の女性がいたのだった。

 新郎か新婦のご両親だろう。


「ちょっとお姉さん、花嫁の支度部屋はどこにありますか」


 あ、新婦側のご両親なのか。


「はい、こちらの部屋でございます」


「おお、なんだ、そこだったのか!

 お姉さん、ありがとうございます」


 新婦の父親が言いながら、柚花の近くまで来たのだ。


 あれ?この人、どこかで、会ったことがある……。


 誰だっけ?


「あれ?お姉さん、どこかで会ったことないですか?うん?」


 新婦の父親と柚花は、互いに考えている。


「あっ!」

 まずい!声を出してしまった!

 たっ君の上司の村田さんだーーー!

 どうしよう!偽妻だったって、バレちゃうよ!

 私の姿は、どこからどう見てもホテルのスタッフだもの!

誤魔化すことなんて、もう無理だ!


「思い出した!あなたは、折原君の……あれ?
変だな、旅行代理店に勤めているんじゃなかったっけ?」


 たっ君、ごめんなさい!

 バレちゃったみたい!本当の事を言ってもいいかしら?

 はぁ、どうすればいいの?


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