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揺れる想い
匠海と智也
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私、丸山 柚花、28歳 独身。
カレンダホテルでウェディングプランナーをしている。
去年は、失恋して打ちのめされ、自分の見る目の無さを痛感した。
まっ、こんな経験をしたから、人間的に成長したかもしれない……という事にしておく。
今年は、とうとう三十路手前かぁ。
もしかして、一生独身かもしれない……。
そんな事が真実味を帯びてきたから、先日から小銭貯金を始めた。
小銭かよ!って突っ込みがありそうだが、毎日無理なく、出来そうな事から老後の準備を始めるのだ。
そんな私なのだが、今晩、会いたいというイケメン 智也さんからの誘いがあった。
しかしながら、私に先約があったので、軽米を含めて4人で会うことにした。
先約相手の匠海は、柚花に御礼をしたいとのことだが、智也については何の用があるのか、柚花は知らないのだ。
場所は、いつものファミレス。
……………………
「いらっしゃいませ。2名様ですか?」
「いえ、待ち合わせなので4名です」
店員に聞かれ柚花が答えていると、匠海がやって来た。
「丸山さん、軽米さん、こっちですよ」
匠海に連れられて、窓際の席に行った。
座っていた智也にも挨拶をした2人は、席に着こうとする。
窓側奥の席に軽米が座ったから、柚花もその隣に座ろうとしたら、何故か匠海がその隣に座ったのだ。
少し戸惑いながら柚花は、智也の隣に座った。
柚花の正面には匠海がいて、軽米の正面は智也であった。
何だこの斬新な座り方!
妙な感じだわ……と柚花は思ったが、軽米も思うところがあるのだ。
(何、この座り方!まるで丸山さんを取り合う様な感じ、私をブロックしているの?
私がお邪魔虫ってこと?
いや、その逆もある!狙われているのは、私?
……な、はずはないかっ!)
「丸山さん、軽米さん、何にする?
僕がご馳走するから好きな物を頼んでね」
匠海が言ったら、智也も言う。
「えっ?匠海、ここは俺が出すからいいよ。
匠海の分も、奢るからさ」
「はあ?僕が出すって言ってるだろう!
御礼がしたいから誘ったんだから、ここは僕が払う」
「俺は、柚花に頼みがあって誘ったんだから!
ここは、出すよ!」
匠海に対抗して、智也がムキになって言った。
柚花と軽米は、口を挟めない雰囲気にドン引き状態だ。
「えっ?柚花?何それ?
どうして、智也が呼び捨てにしているんだよ?」
智也が柚花と友達同士になっていることを知らない匠海は、不愉快になっていた。
「どうしてと言われても、ほら、去年の12月上旬辺りだったかな?何日か忘れたけど、和希から、仕事帰りにカレンダホテルに行ける?って、聞かれなかったか?
匠海にも聞いたって言っていたぞ。
で、俺は行けるよって答えて……」
智也が言うと、匠海も思い出したが、不思議そうな顔をして言う。
「え?そういえば、僕も大丈夫だと答えて、用事を入れないでおいたけど、和希から何も連絡が無かった……」
げっ!ここで、その話しですか!
私が智也さんを指名したという事が、バレる!
軽米さん、この状況を打開せよ!
私は、メニューを軽米に差し出して目で合図をする。
何とか誤魔化しなさい!
メニューを受け取りながら軽米は、首を横に振った。
「俺が柚花の恋人役をしたから、その流れで友達になったんだよ。
そんなに匠海が、怒ることか?」
智也は、不満そうに答えた。
「何それ、知らない!丸山さん、僕に頼んでくれたら良かったのに!
丸山さんの為なら、頑張ったのにな。
どうして、恋人が必要だったの?」
匠海が凄く不満そうに聞いたのだ。
「えーもう言いたくないのになぁ。
恋人を元彼に見せつける為に頼んだの……。
もう、この話しはおしまい!」
柚花は、簡単に言って終わりにした。
匠海は、マズイ事を聞いてしまったと後悔しているようだった。
ありゃ、ヤバい、この変な空気を変えないと!
「じゃあ、今日は おふたりにご馳走になるって事でいいかな?
ねっ、智也さん?たっ君もいい?」
柚花は、自然に たっ君と呼んだ。
自分では、気づいていないが言葉遣いもフレンドリーになってきている。
(何、智也……さ、ん?)匠海が引っかかった。
(何、たっ君……だと?)智也が引っかかった。
(随分、親しいみたいだな……)と匠海と智也は互いに思うのだった。
(うわっ、丸山さん、余計な事を言ったみたいですよ!なんか、男達は険悪な雰囲気だ。
もしかして、本当に この2人、丸山さん狙いなのかも?
だとしたら、凄い事ですよ!モテモテですよ!
きゃあ、超面白い感じ!見学させて頂きます)
「軽米さんは、何にする?
私は、このステーキにしようかな……あっ、辞めよ。
こっちの海老フライセットにする!」
ステーキと言ったが、 切らずに食べたステーキの事を 智也に思い出されると嫌だから、変更したのだった。
「海老フライもいいけど、私はステーキかな。
この和風ステーキにライスは大盛りにします」
えっ?軽米さん、大盛りって、男性と来ているのに?あなたは、それでいいの?
よく食べるのに痩せていて羨ましいわ、はぁ。
軽米の大盛りという言葉に驚いた男性たちは、吹き出した。
「ええー、凄いですね。大盛りか。
なら、僕も大盛りにするかな。1人じゃ、恥ずかしいでしょう?」
匠海が言うと、軽米は「恥ずかしい?全然、いつもだから普通です」とケロリと答えたのだった。
「そうなんだね、じゃあ、俺もステーキにしよう……ステーキ……。ぶっ、ぶぶぅ」
智也は、思い出し笑いをしながら言った。
智也さん……きっと私がステーキにかぶりついていたのを思い出したんだな。あーあ。
「それじゃあ、僕は海老フライセット、ご飯は大盛りにしよう。
で、皆んな ドリンクバー付きでいいよね?」
匠海が言ったのだった。
……………………
智也さんは、黙々と食事をしている。
たっ君と言い合ってはいたが、その後、私や軽米さんとは、特に会話はしていない。
それに比べて たっ君は、私たちと会話をしていて、あまり食べていない。
ホストに徹しているみたい。
逃げた花嫁の春菜さんと一緒にいる時は、無口な人だと思っていたけど、別人みたいだ。
式の準備もほとんど春菜さんがしていたし、上手くいっていなかったのは、何となく感じていたけど、男女の問題はわかりません。
あれ?そう言えば、さっき智也さんが私に頼みがあるとか言った気がするけど?
「……それで、和希がキリンにペロンってされちゃって、うぎゃあ クサッって言って逃げたんだ。
和希のあの顔、忘れられないよ」
「あはは、面白い。その姿、見てみたかったな。
ねえ、丸山さん」
「うん、そうだね。
あっ、そう言えば、さっき智也さん、私に頼みがあるって言わなかった?」
柚花が突然、言い出したから、水を飲んでいた智也はむせてしまった。
ゴホ、ゴホ、ゴホッ!
「あっ、ゴホ、そうだった。
実は俺の恋人になって欲しい」
その言葉を聞いた柚花は、固まった。
えっ?そんな事、突然に言うなんて!
「智也、それここで言う事か?」
ちょっとムッとして匠海が言った。
「あっ、違う、違う、フリをしてほしいんだ。
恋人のフリでいいんだ。お願いできないかな?」
「あ……やっぱりそういう事ね……だと思った」
少しガッカリした柚花なのだった。
カレンダホテルでウェディングプランナーをしている。
去年は、失恋して打ちのめされ、自分の見る目の無さを痛感した。
まっ、こんな経験をしたから、人間的に成長したかもしれない……という事にしておく。
今年は、とうとう三十路手前かぁ。
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そんな私なのだが、今晩、会いたいというイケメン 智也さんからの誘いがあった。
しかしながら、私に先約があったので、軽米を含めて4人で会うことにした。
先約相手の匠海は、柚花に御礼をしたいとのことだが、智也については何の用があるのか、柚花は知らないのだ。
場所は、いつものファミレス。
……………………
「いらっしゃいませ。2名様ですか?」
「いえ、待ち合わせなので4名です」
店員に聞かれ柚花が答えていると、匠海がやって来た。
「丸山さん、軽米さん、こっちですよ」
匠海に連れられて、窓際の席に行った。
座っていた智也にも挨拶をした2人は、席に着こうとする。
窓側奥の席に軽米が座ったから、柚花もその隣に座ろうとしたら、何故か匠海がその隣に座ったのだ。
少し戸惑いながら柚花は、智也の隣に座った。
柚花の正面には匠海がいて、軽米の正面は智也であった。
何だこの斬新な座り方!
妙な感じだわ……と柚花は思ったが、軽米も思うところがあるのだ。
(何、この座り方!まるで丸山さんを取り合う様な感じ、私をブロックしているの?
私がお邪魔虫ってこと?
いや、その逆もある!狙われているのは、私?
……な、はずはないかっ!)
「丸山さん、軽米さん、何にする?
僕がご馳走するから好きな物を頼んでね」
匠海が言ったら、智也も言う。
「えっ?匠海、ここは俺が出すからいいよ。
匠海の分も、奢るからさ」
「はあ?僕が出すって言ってるだろう!
御礼がしたいから誘ったんだから、ここは僕が払う」
「俺は、柚花に頼みがあって誘ったんだから!
ここは、出すよ!」
匠海に対抗して、智也がムキになって言った。
柚花と軽米は、口を挟めない雰囲気にドン引き状態だ。
「えっ?柚花?何それ?
どうして、智也が呼び捨てにしているんだよ?」
智也が柚花と友達同士になっていることを知らない匠海は、不愉快になっていた。
「どうしてと言われても、ほら、去年の12月上旬辺りだったかな?何日か忘れたけど、和希から、仕事帰りにカレンダホテルに行ける?って、聞かれなかったか?
匠海にも聞いたって言っていたぞ。
で、俺は行けるよって答えて……」
智也が言うと、匠海も思い出したが、不思議そうな顔をして言う。
「え?そういえば、僕も大丈夫だと答えて、用事を入れないでおいたけど、和希から何も連絡が無かった……」
げっ!ここで、その話しですか!
私が智也さんを指名したという事が、バレる!
軽米さん、この状況を打開せよ!
私は、メニューを軽米に差し出して目で合図をする。
何とか誤魔化しなさい!
メニューを受け取りながら軽米は、首を横に振った。
「俺が柚花の恋人役をしたから、その流れで友達になったんだよ。
そんなに匠海が、怒ることか?」
智也は、不満そうに答えた。
「何それ、知らない!丸山さん、僕に頼んでくれたら良かったのに!
丸山さんの為なら、頑張ったのにな。
どうして、恋人が必要だったの?」
匠海が凄く不満そうに聞いたのだ。
「えーもう言いたくないのになぁ。
恋人を元彼に見せつける為に頼んだの……。
もう、この話しはおしまい!」
柚花は、簡単に言って終わりにした。
匠海は、マズイ事を聞いてしまったと後悔しているようだった。
ありゃ、ヤバい、この変な空気を変えないと!
「じゃあ、今日は おふたりにご馳走になるって事でいいかな?
ねっ、智也さん?たっ君もいい?」
柚花は、自然に たっ君と呼んだ。
自分では、気づいていないが言葉遣いもフレンドリーになってきている。
(何、智也……さ、ん?)匠海が引っかかった。
(何、たっ君……だと?)智也が引っかかった。
(随分、親しいみたいだな……)と匠海と智也は互いに思うのだった。
(うわっ、丸山さん、余計な事を言ったみたいですよ!なんか、男達は険悪な雰囲気だ。
もしかして、本当に この2人、丸山さん狙いなのかも?
だとしたら、凄い事ですよ!モテモテですよ!
きゃあ、超面白い感じ!見学させて頂きます)
「軽米さんは、何にする?
私は、このステーキにしようかな……あっ、辞めよ。
こっちの海老フライセットにする!」
ステーキと言ったが、 切らずに食べたステーキの事を 智也に思い出されると嫌だから、変更したのだった。
「海老フライもいいけど、私はステーキかな。
この和風ステーキにライスは大盛りにします」
えっ?軽米さん、大盛りって、男性と来ているのに?あなたは、それでいいの?
よく食べるのに痩せていて羨ましいわ、はぁ。
軽米の大盛りという言葉に驚いた男性たちは、吹き出した。
「ええー、凄いですね。大盛りか。
なら、僕も大盛りにするかな。1人じゃ、恥ずかしいでしょう?」
匠海が言うと、軽米は「恥ずかしい?全然、いつもだから普通です」とケロリと答えたのだった。
「そうなんだね、じゃあ、俺もステーキにしよう……ステーキ……。ぶっ、ぶぶぅ」
智也は、思い出し笑いをしながら言った。
智也さん……きっと私がステーキにかぶりついていたのを思い出したんだな。あーあ。
「それじゃあ、僕は海老フライセット、ご飯は大盛りにしよう。
で、皆んな ドリンクバー付きでいいよね?」
匠海が言ったのだった。
……………………
智也さんは、黙々と食事をしている。
たっ君と言い合ってはいたが、その後、私や軽米さんとは、特に会話はしていない。
それに比べて たっ君は、私たちと会話をしていて、あまり食べていない。
ホストに徹しているみたい。
逃げた花嫁の春菜さんと一緒にいる時は、無口な人だと思っていたけど、別人みたいだ。
式の準備もほとんど春菜さんがしていたし、上手くいっていなかったのは、何となく感じていたけど、男女の問題はわかりません。
あれ?そう言えば、さっき智也さんが私に頼みがあるとか言った気がするけど?
「……それで、和希がキリンにペロンってされちゃって、うぎゃあ クサッって言って逃げたんだ。
和希のあの顔、忘れられないよ」
「あはは、面白い。その姿、見てみたかったな。
ねえ、丸山さん」
「うん、そうだね。
あっ、そう言えば、さっき智也さん、私に頼みがあるって言わなかった?」
柚花が突然、言い出したから、水を飲んでいた智也はむせてしまった。
ゴホ、ゴホ、ゴホッ!
「あっ、ゴホ、そうだった。
実は俺の恋人になって欲しい」
その言葉を聞いた柚花は、固まった。
えっ?そんな事、突然に言うなんて!
「智也、それここで言う事か?」
ちょっとムッとして匠海が言った。
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