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用意、スタート!
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「はい、桂木です。
えっ?あー、はい。
その日なら、大丈夫だと思います」
私、桂木 琴音は、スーパーマーケットで働いている、今年26歳になる彼氏無しの独身女だ。
今の電話は、お隣の県の店舗で働いている、先輩の天羽さんから。
私と天羽さんの公休日が同じだし、尚且つ、有休も取って、泊まりで遊びに来ない?というお誘いだ。
何も予定が無い私は、もちろんOKの返事をしたのだった。
本人曰く、この宿泊御招待の件は、先日、私との食事中に、意中の彼から伝えられ、そして、パニックになった、と。
なるほど、それであの日、突然、様子がおかしくなったのか。
それにしても、天羽さんの年頃で、誘われて動揺するなんて……。
もしかして、私と同類?
恋愛経験が乏しいのかな?
そうだよね、きっと仲間だよ!
ちょっと、親近感が湧いちゃいます。
でも、ペアの宿泊券を渡されたという事は、私が行くべきではない気がする。
プレゼントをした彼からしたら、私は、完全なるお邪魔虫でしかない?
心配をする私に、天羽さんは言う。
「ちっがーう!
全然、違う!悲しいくらい違うから!
そんな心配は、しなくていいよ」
「 ? 」
…………………
「天羽さん、こんにちは。
お久しぶりです。
今日は、私まで御招待をして頂いて、すみません」
待ち合わせた駅のロータリーに、天羽さんが車でやって来た。
「いえいえ御招待と言っても、遊びじゃなくて、ごめんね。
この前、サクッと説明をしたけど。
私だけで、覆面調査員をするのは無理かも、って言ったら、お友達と一緒にお願いします!って、言われて。
宿泊券2枚、受け取ったからさ。
悪いけど、協力をお願いします」
「はい……。
私に出来るかな?
ミステリーショッパーかぁ。
いつも調査される側だし……。
けど、たまには調査する側になるのもいいかな?
はい、頑張ってみます」
「じゃあさ、ホテルに行く前に、何処かで作戦を立てよう!
取り敢えずは、私達のNG食材をホテル側に伝えてあるけど、他に試す事を考えないとね。
普通に泊まっただけだと、どんな対応をしてくれるのか、分からないもの。
そうでしょ?」
「えっ、天羽さん、その顔、その顔ヤバいです!
悪人顔してますよ!
すっごいノリノリですよね?」
「やだなぁ、心苦しく思っているよぉ。
こんな事、したくないけどさ、仕方ないでしょ。
頼まれたからには、キチンとやらないと!」
「そうですね。
で、その人、ホテルのどこの部署で働いているんですか?」
「えっ?あ、そういえば知らない。
でも、きっと宿泊の部署だと思うけど?
あ、あそこのカフェに入ろうか」
天羽さんは真剣に、全力で調査をする気なんだな。
この人は、ミステリーショッパーの方に指摘をされた事は、直ちに改善努力をする人だもの。
お店をより良くしよう!ってのが、口癖だし。
やるとなったら、徹底的にやり抜くものね。
私も、全力で協力を致します。
こうして私は、無い知恵を絞り出した後、ホテルへと向かったのだった。
…………………
「えっと、これが車専用入口かな。
まだ、チェックインには少しだけ早いね。
正門は、向こうみたいだから、車を置いたら見に行こうよ」
「はい!
これがカレンダホテルですか……。
なかなかお洒落な感じ。
こんなオフィス街に、大きなホテルがあるんですね、びっくり」
「だね。うちの店から車で来れば、そう遠くない所にあったんだね。
カレンダホテルか……知らなかったよ。
なんかさ、ドキドキしてきたな」
「天羽さん、私もです」
車を降りた2人は、はしゃぐように正門へと向かった。
「天羽さん、天羽さん!
ほら、噴水がありますよ。
きゃあ、なんかゴージャスですよね」
「桂木さん、ちょっと落ち着いて。
まあ、確かに素敵だね。
それに木々にも電飾がつけてあるから、夜はロマンチックかな?
暗くなったら、見に来ようよ」
「あっ、天羽さん、ホテルの案内図がありますよ。
へえ、チャペルがありますね。
色々、探検しましょうよ」
「そうだね。でも待って、荷物をフロントに預けてからにしよう」
天羽さんに従い、館内に入ると、想像以上に豪華なロビーだったから、私は感動した。
「わっ、花、凄っ!花瓶、デカっ!
キラキラ、シャンデリア!綺麗!」
思わず声に出してしまい、田舎者丸出しを反省する。
天羽さんは、澄ました顔でフロントの人に言う。
「本日、宿泊をする天羽と申しますが、チェックインには少し早いので、荷物だけを預かって欲しいのですが」
フロントは男女で、2名だ。
天羽さんの対応をしているのは、男性でネームは戸塚さん。
なかなかのイケメンだ。
この宿泊が縁で、この人に見初められちゃう、とかあったら最高なんだけど。
あーあ、カレシ欲しいよ。
はっ!
いかん、いかん!
今日は、こんな目的で来ているわけじゃないし!
ちゃんとに、スタッフの対応をチェックしないとね。
そんな事をぐるぐると考えていると、イケメンが言葉を発した。
「恐れ入りますが、天羽様の御予約は本日ではないようです……」
「 ! 」
は?
このイケメンは、今、何と言った?
えっ?あー、はい。
その日なら、大丈夫だと思います」
私、桂木 琴音は、スーパーマーケットで働いている、今年26歳になる彼氏無しの独身女だ。
今の電話は、お隣の県の店舗で働いている、先輩の天羽さんから。
私と天羽さんの公休日が同じだし、尚且つ、有休も取って、泊まりで遊びに来ない?というお誘いだ。
何も予定が無い私は、もちろんOKの返事をしたのだった。
本人曰く、この宿泊御招待の件は、先日、私との食事中に、意中の彼から伝えられ、そして、パニックになった、と。
なるほど、それであの日、突然、様子がおかしくなったのか。
それにしても、天羽さんの年頃で、誘われて動揺するなんて……。
もしかして、私と同類?
恋愛経験が乏しいのかな?
そうだよね、きっと仲間だよ!
ちょっと、親近感が湧いちゃいます。
でも、ペアの宿泊券を渡されたという事は、私が行くべきではない気がする。
プレゼントをした彼からしたら、私は、完全なるお邪魔虫でしかない?
心配をする私に、天羽さんは言う。
「ちっがーう!
全然、違う!悲しいくらい違うから!
そんな心配は、しなくていいよ」
「 ? 」
…………………
「天羽さん、こんにちは。
お久しぶりです。
今日は、私まで御招待をして頂いて、すみません」
待ち合わせた駅のロータリーに、天羽さんが車でやって来た。
「いえいえ御招待と言っても、遊びじゃなくて、ごめんね。
この前、サクッと説明をしたけど。
私だけで、覆面調査員をするのは無理かも、って言ったら、お友達と一緒にお願いします!って、言われて。
宿泊券2枚、受け取ったからさ。
悪いけど、協力をお願いします」
「はい……。
私に出来るかな?
ミステリーショッパーかぁ。
いつも調査される側だし……。
けど、たまには調査する側になるのもいいかな?
はい、頑張ってみます」
「じゃあさ、ホテルに行く前に、何処かで作戦を立てよう!
取り敢えずは、私達のNG食材をホテル側に伝えてあるけど、他に試す事を考えないとね。
普通に泊まっただけだと、どんな対応をしてくれるのか、分からないもの。
そうでしょ?」
「えっ、天羽さん、その顔、その顔ヤバいです!
悪人顔してますよ!
すっごいノリノリですよね?」
「やだなぁ、心苦しく思っているよぉ。
こんな事、したくないけどさ、仕方ないでしょ。
頼まれたからには、キチンとやらないと!」
「そうですね。
で、その人、ホテルのどこの部署で働いているんですか?」
「えっ?あ、そういえば知らない。
でも、きっと宿泊の部署だと思うけど?
あ、あそこのカフェに入ろうか」
天羽さんは真剣に、全力で調査をする気なんだな。
この人は、ミステリーショッパーの方に指摘をされた事は、直ちに改善努力をする人だもの。
お店をより良くしよう!ってのが、口癖だし。
やるとなったら、徹底的にやり抜くものね。
私も、全力で協力を致します。
こうして私は、無い知恵を絞り出した後、ホテルへと向かったのだった。
…………………
「えっと、これが車専用入口かな。
まだ、チェックインには少しだけ早いね。
正門は、向こうみたいだから、車を置いたら見に行こうよ」
「はい!
これがカレンダホテルですか……。
なかなかお洒落な感じ。
こんなオフィス街に、大きなホテルがあるんですね、びっくり」
「だね。うちの店から車で来れば、そう遠くない所にあったんだね。
カレンダホテルか……知らなかったよ。
なんかさ、ドキドキしてきたな」
「天羽さん、私もです」
車を降りた2人は、はしゃぐように正門へと向かった。
「天羽さん、天羽さん!
ほら、噴水がありますよ。
きゃあ、なんかゴージャスですよね」
「桂木さん、ちょっと落ち着いて。
まあ、確かに素敵だね。
それに木々にも電飾がつけてあるから、夜はロマンチックかな?
暗くなったら、見に来ようよ」
「あっ、天羽さん、ホテルの案内図がありますよ。
へえ、チャペルがありますね。
色々、探検しましょうよ」
「そうだね。でも待って、荷物をフロントに預けてからにしよう」
天羽さんに従い、館内に入ると、想像以上に豪華なロビーだったから、私は感動した。
「わっ、花、凄っ!花瓶、デカっ!
キラキラ、シャンデリア!綺麗!」
思わず声に出してしまい、田舎者丸出しを反省する。
天羽さんは、澄ました顔でフロントの人に言う。
「本日、宿泊をする天羽と申しますが、チェックインには少し早いので、荷物だけを預かって欲しいのですが」
フロントは男女で、2名だ。
天羽さんの対応をしているのは、男性でネームは戸塚さん。
なかなかのイケメンだ。
この宿泊が縁で、この人に見初められちゃう、とかあったら最高なんだけど。
あーあ、カレシ欲しいよ。
はっ!
いかん、いかん!
今日は、こんな目的で来ているわけじゃないし!
ちゃんとに、スタッフの対応をチェックしないとね。
そんな事をぐるぐると考えていると、イケメンが言葉を発した。
「恐れ入りますが、天羽様の御予約は本日ではないようです……」
「 ! 」
は?
このイケメンは、今、何と言った?
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