「破滅フラグ確定の悪役貴族、転生スキルで「睡眠無双」した結果、国の英雄になりました」

ソコニ

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第7話「立ったまま眠る決闘」

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「エドガー様、お選びになるなら、こちらの青のジャケットが良いかと」

フレデリック執事は、一郎の前に何着もの豪華な衣装を広げていた。今夜は一郎の功績を祝う王宮の宴。彼は生まれて初めての「主役」として、すでに胸焼けを起こしかけていた。

「どれでもいいよ…」一郎は憂鬱そうにベッドに座っていた。「そもそも、こういうパーティー慣れてないし」

「前世では、こういった機会はなかったのですか?」執事は好奇心いっぱいに尋ねた。

「会社の飲み会くらいかな」一郎は苦笑した。「それも、上司のお愚痴を聞くだけの苦行だったけど」

執事は首を傾げた。「上司?お愚痴?」

「ああ、説明が難しいな…」一郎は頭を掻いた。「要するに、前世では目立たないよう、波風立てないよう生きてきたんだ。それなのに、この世界では…」

彼は窓の外を見た。リヒター邸の前には、すでに彼に会いに来た貴族や市民たちが列を作っていた。中には「エドガー様に会わせてください!」と叫ぶ若い女性たちもいる。

「人気者になるのも大変ですね」フレデリックは微笑んだ。

「冗談じゃないよ…」一郎はうめいた。「俺なんて、ただ寝ているだけなのに」

「その謙虚さこそが、人々を惹きつけるのでしょう」執事はそっと青いジャケットを一郎に手渡した。「さあ、準備を」

一郎は渋々と着替え始めた。「でも本当に、俺が何もしていないって気づかれたらどうなるんだろう」

「エドガー様」執事は真剣な表情で言った。「あなた様は確かに『眠っている』だけかもしれません。しかし、その結果として起こる奇跡は本物です」

「そうかな…」

「それに」執事は少し意地悪な笑みを浮かべた。「今宵は王女様との素敵な時間もお過ごしになれるでしょう」

一郎の顔が赤くなった。「そ、そういうんじゃないよ!」

「いえいえ、わかっております」執事は知らん顔で身支度を整えた。「では、宴に向かいましょうか」

---

王宮の大広間は、かつて見たこともないほどの賑わいだった。貴族たちは最高級の衣装に身を包み、陽気な音楽が響く中、美酒に酔いしれていた。

一郎が入場すると、会場に静寂が広がり、次いで大きな拍手が起こった。

「エドガー・フォン・リヒター伯爵!」
「眠れる交渉人!」
「王国の英雄!」

一郎は照れくさそうに手を振り、深々と頭を下げた。国王アルバート3世が大広間の中央から彼に向かって来た。

「リヒター伯爵、今宵はお前を称えるための宴だ」国王は大きな声で宣言した。「お前の『瞑想の力』が王国に平和をもたらした」

「恐縮です、陛下」一郎は丁寧に答えた。「私は特別なことは何も…」

「謙遜するな!」国王は彼の肩を強く叩いた。「さあ、楽しめ!美酒を飲み、美女と踊るがよい!」

そう言って、国王は一郎をアイリス王女の方へと押し出した。アイリスは紫色のドレスに身を包み、周囲の貴族たちと会話していた。

「あ、王女様」一郎は慌てて会釈した。

「エドガー伯爵」アイリスは優雅に微笑んだ。「今宵はあなたのための宴です。楽しんでくださいね」

彼女の隣には、昨日茂みから飛び出してきた女性貴族ローズマリーを含め、何人もの若い貴族の娘たちが集まっていた。彼女たちは一郎を見るなり、興奮した表情になった。

「リヒター伯爵様!」
「一緒にお話ししてください!」
「私とダンスを!」

一郎は窮地に陥った。「あ、えっと…」

アイリスが彼の腕をそっと掴み、救いの手を差し伸べた。「申し訳ありませんが、最初のダンスは私と約束しているのです」

女性たちはがっかりしたが、王女には逆らえない。アイリスは一郎をダンスフロアへと導いた。

「ありがとうございます」一郎はほっとして言った。「でも、ダンスなんて踊れません」

「大丈夫」アイリスは彼の手を取った。「エドガーの体は覚えています。任せてください」

果たして、彼の体は自然とワルツのステップを覚えていた。前のエドガーは社交ダンスの達人だったらしい。

「すごい、体が勝手に動く」一郎は驚いた。

「どうやら体の記憶までは転生で失われなかったようですね」アイリスは軽やかに彼とステップを合わせた。「あなたの世界にもダンスはありましたか?」

「ありましたけど、俺はやったことないです」一郎は苦笑した。「会社の同僚の結婚式で、二次会の余興でダンボールのロボットのモノマネをしたくらいですかね…」

「ダンボール?ロボット?」アイリスは首を傾げた。

「あ、説明が難しいな…」

二人が楽しそうに会話しながら踊る様子を、宴会場の端からキース・ヴァンガード将軍が冷たい目で見つめていた。彼の隣では、メルトン伯爵が不満そうに呟いた。

「リヒター小僧が…たかが睡眠で英雄だと?」

「瞑想だ」キースは自動的に訂正した。「少なくとも、皆はそう呼んでいる」

「あの小僧が本当に変わったとでも?」メルトン伯爵は鼻で笑った。「昨日まで平民を虐げていた悪党が、今日は国の英雄?笑わせるな」

キースは黙って観察を続けた。彼は軍人として、目の前の事実を受け入れる訓練を積んでいる。エドガーの力が本物であることは、昨日の訓練場で目の当たりにした。しかし、その力の正体は未だに謎だった。

「何かがおかしい」キースは静かに言った。「彼は…別人のようだ」

メルトン伯爵は嘲笑した。「別人?馬鹿な」

ダンスが終わると、アイリスは他の貴族たちと社交するために一郎から離れた。すると、待っていたかのように女性貴族たちがわっと一郎に群がった。

「リヒター伯爵様、ぜひダンスを!」
「私の父はカルスト男爵です!紹介させてください!」
「私はハーブティーを特別にご用意しました!」

一郎は慌てふためいた。「あ、えっと、順番に…」

彼は何とか一人ずつと会話し、ダンスをこなそうとしたが、女性たちの熱意は止まらなかった。

「伯爵様、私の屋敷の庭園をご覧になりませんか?」
「私は占星術が得意なんです!あなたの星を見させてください!」
「この前の交渉のことを詳しく聞かせてください!」

あまりの熱気に、一郎の体に疲労感が襲ってきた。「すみません、ちょっと休憩を…」

しかし女性たちは彼を取り囲み、逃げ場がなかった。「待ってください!」「まだお話が!」

緊張と疲労から、そろそろあの睡魔が襲ってきそうだった。「ま、まずい…ここで寝たら…」

その時、一人の男が彼の前に立ちはだかった。

「リヒター伯爵、一言よろしいか」

キース・ヴァンガード将軍だった。彼の登場に、女性たちは少し距離を取った。

「将軍…」一郎は安堵のため息をついた。「どうしました?」

「お前の『瞑想の力』だがな」キースは皮肉っぽく言った。「本当に誰でも強くできるのか?」

「それは…」

「試してみないか?」キースは挑戦的な笑みを浮かべた。「今ここで」

宴会場に静寂が広がった。キース将軍が国の英雄に挑戦状を叩きつけたのだ。国王が急いで二人に近づいた。

「キース将軍、宴の場で何を言っているのだ?」

「陛下、お許しください」キースは一歩も引かなかった。「これは正式な決闘の申し込みではなく、単なる力試しです」

「力試し?」

「はい。リヒター伯爵の『瞑想の力』は、訓練場の兵士たちを強くしました」キースは説明した。「その力が私にも効果があるのか、ここで試してみたいのです」

国王は困惑した表情を浮かべたが、一郎は静かに頷いた。

「構いません、陛下」

「おい、本気か?」国王は驚いた。

「はい」一郎は微笑んだ。「将軍の疑問に答えるのは私の義務です」

実のところ、一郎はこれを「熱狂的な女性たち」から逃れる絶好のチャンスだと思っていた。さらに、キースが本当に自分の力を認めてくれるなら、強力な同盟者になるかもしれない。

「よし、では広間の中央で」国王は渋々と許可した。

宴会の客たちが円形に並び、中央にキースと一郎が立った。キースは剣を抜き、構えを取った。

「心配するな、実際に斬りつけたりはしない」彼は言った。「私は木剣を持った兵士たちと戦い、お前はただ『瞑想』するだけでいい」

「わかりました」一郎は深呼吸した。「では、始めます」

彼は目を閉じ、緊張を高めようとした。しかし、宴会場の熱気と騒がしさの中では集中するのが難しい。

「緊張して…眠らないと…」

アイリスが彼の背後に立ち、小声で言った。「彼はあなたの力を疑っています。証明するチャンスです」

その言葉が、一郎の責任感を刺激した。彼の意識が遠のき始める。

「ありがとう…」

そして彼は、宴会場の中央で、正装のまま立って眠りに落ちた。彼の周りに青い光が漂い始める。

「始めよう!」キースは大声で言った。

部下たちが木剣を持って広間に入ってきた。キースは彼らと対峙し、戦い始めた。いつもなら余裕で対処できる相手たちだが、今日は何かが違った。

部下たちの動きが、先日の訓練場と同じように流れるように滑らかになっている。そして何より、キース自身の体が異常なほど軽く感じられた。

「なんだこれは…」

彼は驚きながらも、木剣の攻撃を次々と受け流した。通常なら5分もかからず終わるはずの模擬戦が、10分、15分と続いた。部下たちの動きが予想をはるかに超えていたのだ。

「凄い…」観客たちがささやいた。「将軍でさえ苦戦している…」

キースは最終的に全ての部下を打ち負かしたが、いつもより遥かに時間がかかった。彼は息を切らし、一郎を見つめた。

眠ったまま立っている一郎の周りには、確かに青い光が漂っていた。それは幻ではない。実際に目に見える現象だった。

「これが…お前の力か」

ちょうどその時、一郎は目を覚ました。彼は周囲の状況を把握すると、キースに向かって頭を下げた。

「お役に立てましたか?」

キースは剣を鞘に収めながら、複雑な表情で答えた。

「認めよう。お前の『瞑想』には確かに力がある」

観客たちから歓声が上がった。国王は満足げに頷き、アイリスは優しく微笑んだ。

「では、力試しはこれで終わりだ」国王は宣言した。「宴を続けよう!」

音楽が再び流れ始め、宴会は元の賑わいを取り戻した。キースは一郎に近づいた。

「まだ全てを信じたわけではない」彼は小声で言った。「だが、お前の力が王国の力になるなら…それを認めざるを得ないだろう」

「ありがとうございます、将軍」一郎は誠実に答えた。

キースはうなずいて立ち去ろうとしたが、急に立ち止まった。

「それと、一つ質問がある」

「はい?」

「なぜお前は『瞑想』中に『タピオカミルクティー…美味しい…』と呟いていたんだ?」

一郎の顔が真っ赤になった。「え?寝言を?」

「ああ。皆、不思議な祈りの言葉だと思っていたようだが」

「そ、それは…」一郎は言葉に詰まった。「異世界の…いや、神秘的な飲み物の名前です」

キースは眉を上げた。「神秘的な飲み物?」

「はい、瞑想を深める時に想像するものです」一郎は必死で取り繕った。

「ふむ…」キースは半信半疑の表情だったが、それ以上追及せずに去っていった。

アイリスが一郎に近づき、くすくすと笑った。

「タピオカミルクティー?それも前世のものですか?」

「はい…」一郎は恥ずかしそうに答えた。「日本の若者に人気の飲み物です。透明なカップに入った甘い紅茶に、黒い小さな…」

「興味深いわ」アイリスは目を輝かせた。「いつか飲んでみたいです」

「作れたらいいんですけどね」一郎は苦笑した。

二人の会話に、再び女性貴族たちが近づいてきた。今度はさらに多くなっていた。

「リヒター伯爵様!」
「私とダンスを!」
「あなたの瞑想を間近で見たいです!」

一郎は悲鳴を上げそうになった。「王女様、助けて…」

「さあ、逃げましょう」アイリスは彼の手を取り、宴会場の隅へと導いた。

そこには、フレデリック執事が待機していた。彼は隠し通路の扉を開けていた。

「エドガー様、こちらへどうぞ」

「これは?」

「王宮の裏通路です」アイリスが説明した。「幼い頃によく使っていました。宮殿の庭園に出られますよ」

「素晴らしい!」一郎は心から感謝した。

三人は通路に入り、宴会の喧騒から逃れた。通路を抜けると、月明かりの下で美しく手入れされた王宮の庭園が広がっていた。

「ここなら少しは落ち着けますね」アイリスは満足げに言った。

「はい」一郎は深呼吸した。「女性たちが怖いです…」

「まるで野生の獣に追われるウサギのようでしたね」フレデリックは笑いを堪えた。

「笑い事じゃないよ!」一郎は抗議した。「前世でも女性にモテたことなんてないのに」

「でも、王女様には心を開いているようですね」執事は意地悪な笑みを浮かべた。

「フレデリック!」一郎とアイリスは同時に声を上げた。

「失礼しました」執事は頭を下げたが、その顔には満足げな表情があった。

庭園のベンチに座り、三人は穏やかな夜を楽しんでいた。しかし、それもつかの間。ほどなく宴会場から探しに来た貴族たちの声が聞こえ始めた。

「リヒター伯爵はどこだ?」
「王女様も見えないぞ!」

「ああ、また始まった…」一郎はうめいた。

「心配しないで」アイリスは立ち上がった。「私が先に戻り、あなたは別の場所にいると伝えます」

「それでいいのですか?」

「ええ」彼女は微笑んだ。「今夜はもう十分、あなたは皆を楽しませました」

アイリスは執事と共に宴会場に戻り、一郎は庭園に一人残された。月明かりの下、彼は静かに星空を見上げた。

「不思議だな…」彼は呟いた。「こんな異世界で、俺が英雄として祭り上げられるなんて」

彼の周りに、微かな青い光が漂った。それは彼が気づかないうちに、夜空に向かって舞い上がっていった。

「でも、こうして一人きりで静かにしていると、ちょっと眠くなるな…」

彼は庭園のベンチで目を閉じた。ただ、疲れて自然に眠ったのだ。「睡眠無双」ではなく、普通の眠り。

しかし、不思議なことに、彼が眠りにつくと、庭園の花々が突然咲き始めた。季節外れの花が次々と開花し、甘い香りが辺りに広がる。

庭師がそれに気づいたのは翌朝のことだった。

「奇跡だ!リヒター伯爵が庭園で眠られた場所の花が、一夜で咲き誇った!」

こうして、「眠れる交渉人」の伝説にまた一つ、神秘的なエピソードが加わることになった。

―― 第7話 「立ったまま眠る決闘」 終 ――
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