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番外編(小ネタ、小話、小説)
彼方と奏
しおりを挟む『彼方(奏の犬)』
奏が久しぶりに帰省した時(春・夏・冬しか会えない)
彼「奏坊っちゃんっ!!」歓喜
彼「ああ坊っちゃん!僕は坊っちゃん不足で死にそうでした!」ぎゅうぎゅう
「彼方、落ち着け。苦しい」
彼「もう一時も離れたくありません!」すりすり
「だから、苦しい。頬擦りやめて離れろ。あと煩い。叫ぶな」
彼「坊っちゃん大好きです愛してます!」
「聞け!」脛を蹴る
彼「いっ!痛いです、坊っちゃん…」
「落ち着いたか?」
彼「はい…。申し訳ありません」
「……(すぐに許したらダメだ。躾ないとな)」つーん
彼「奏坊っちゃんにお会いすることができて、とても嬉しくて…つい…」しゅん
「……(しゅんとするな、撫でたくなるだろ。…甘やかしたらダメだ)」
彼「僕のこと…嫌いになりましたか…?」不安げに
「…嫌いなわけないだろ。彼方は、俺の可愛い犬だ」なでなで
彼「坊っちゃん…っ!」じーん
彼「ぼっちゃぁぁぁん!」ぎゅぅ~っ!
「ぐっ…!苦しいつってんだろーが!離れろ!」
彼方は、怒られても脛を蹴られても離さないので、毎回根負けする奏(いつまで経っても満足しない彼方だが、「…お腹空いた」と空腹を訴えたら、すぐに料理を作ってくれる)
もし彼方が奏の現状を知ったら
現在奏が制裁されていることを知った、彼方。
キラキラ笑顔から一転し、真顔でブチ切れ。
彼「坊っちゃん…。不届き者の処分についてですが、如何致しましょう?暗殺ですか?闇討ちですか?」
「あのな、彼方…(何言ってんだ)」
彼「大丈夫です。僕は、どちらも得意なので。証拠も―いえ、痕跡すら残しません」
「……(そういう問題じゃない)」遠い目
彼「坊っちゃんに手を上げるだなんて、絶対に許せません」
彼「…ただで済むと思うなよ」ボソッ。狂犬ちらり(目が据わっている)
「彼方」
「ありがとう。心配してくれて」
彼「奏坊っちゃん…」
「俺は大丈夫だから、何もしなくていい」
彼「しかし…」
「報復は自分でする。お前は、手を出すな」
彼「…はい」
見た目は人畜無害の優男(銀髪銀眼の綺麗な顔立ちで、いつもは静かに微笑んでいる。大好きな主に対してのみ、人懐っこい笑顔を浮かべる)
長身痩躯(着痩せするタイプ。実は、脱いだら凄いんです、な細マッチョ。無駄のない筋肉がついている)
奏至上主義。
奏命。奏ラブ。奏以外どうでもいい(自分も)
忠犬。場合によって、狂犬。
奏に危害を加える輩には、冷酷無慈悲。
腹黒いわけではなく、ただ残酷になるだけ。
(特殊な生い立ちの為)倫理と罪悪感が欠如している。本来の彼方は、感情の起伏が乏しく、ドライ(人間らしさが皆無。彼方にとって、人と動物、物に違いはない。好きも嫌いもない。彼方個人としては、奏以外の全てが等しく無価値だから)
ただし、奏に対してのみ、感情豊かになる(倫理も罪悪感もあるので、一気に人間らしくなる)
ちなみに、彼方の優先順位(存在価値)
奏>越えられない壁>奏の大切な人>奏が好きな動物>奏にとって有益な人間>他はどうでもいい(相手が何であれ、奏を害するものは、存在することすら許さない。死んでも壊れても絶対に許さない)
重要なのは、奏にとって、いるか、いらないか、だけ。
あくまでも奏が基準。
…ブレない彼方。
特技は、執事仕事全般(家事・雑事、何でもお任せあれ)
一番得意なのは、暗殺と闇討ち(複雑な過去がある)
彼方にとって、奏は最愛の人であり、主で、恩人で、かけがえのない存在。
お互いが特別。
二話で言った、「可愛げのある駄犬」は彼方のことでもある。
奏の犬好きは筋金入りで「俺の犬」は最上級の言葉。
「犬」呼ばわりしてほしいと言い出したのは彼方(奏の特別が欲しかった為。「坊っちゃん」呼びも、自分だけに許された―相当渋っていたが、懇願して許してもらった―もの)
「特に、俺の!俺の、ですよ!ここが大事なんです!あぁ、坊っちゃん…僕は世界一幸せ者です!」
感極まって、泣く彼方。
…これでいいのか、24歳。
彼方は雪見家の養子です。
奏とは義兄弟(戸籍上だけ。血の繋がりはない)
彼方を正式に引き取ったのは奏なので、主従関係(最初の雇い主は奏の父親だが、元々奏の護衛の為に彼方を用意しただけで、「彼方が了承するなら、好きにしろ」と任された。当時、彼方には戸籍がなかった為、どのみち何処かの養子になる手筈だった)
奏は「彼方は特別な存在だけど、家族ではない。…家族の次に大切」彼方は「僕が奏坊っちゃんと兄弟なんて烏滸がましい(おこがましい)…。何人もいる使用人と同列では物足りないので、やっぱり犬扱いが良いです!可愛がってもらえますし、何より人間の犬は僕一人だけ!最高です!」と思っている。
※湊という(犬の)ライバルが現れたことを彼方は知らない。
『ある夏の日(小学五年生の奏)』
「彼方、少し出掛けてくる。―あ、付いて来るなよ?夕方には戻るから」
「はい…!? ぼ、坊っちゃん!」
「ん?」
「ダメです!その服装で、外出しないでください!」必死
「何で?」(珍しく)不思議そうな顔
「えっと…(最悪の場合、襲われるから―なんて言えない)」
「ただ散歩して、アイス食べるだけだぞ。どこか行くわけじゃない」
「そういう問題では…(場所は関係ないんです、坊っちゃん)」
「何か、おかしいのか?…夏だし、普通だろ」
「(だ、だめだ。もう我慢できない!)奏坊っちゃん、ご自身のお顔、ご存知ですか?美少年なんですよ!ちゃんと自覚してください!(薄着でうろつくなんて、襲われたいんですか!?それなら僕が襲いますよっ!)」
「(俺が美少年って…。大袈裟だな。普通より少し上くらいだろ。良くて、そこそこ良いの間違いだ。むしろ、俺よりもお前の方が美少年…いや、青年か。綺麗だと思うけど。―俺のことになると、彼方は盲目的なんだよな…。仕方ない、とりあえず頷いておこう)あー、うん、分かった(しまった、適当な返事になった。まあでも、演技するほどのことでもないから、別にいいか)」
「(この様子だと、全然分かってない…。とりあえず着替えてもらおう)とにかく!絶対ダメです!着替えて下さい」
「ああ(そうか、もしかして。子供とはいえ、見苦しいのかもしれないな。彼方は気を遣って言わなかったんだろう)」
奏(当時10歳)の服装は、青色のタンクトップと短パン(ジーパン系。かなり短い)
変装をしていないので、美少年のまま。
この後、青色のタンクトップ、水色のパーカー(半袖)、ハーフパンツ(やや膝上)に着替えて、出掛けた。
「ああ、坊っちゃん…。やっぱり心配だ。よし、付いていこう。―気付かれなければ平気のはず」
過保護な彼方は尾行した。
最終的に勘違いしている奏。
奏は自分の容姿に無自覚(彼方に何度も言われて「普通より少し上」から「そこそこ良い」の認識に変わったが、未だに疑問には思っている。両親が絶世の美男美女だった為、奏にとっては二人が美の頂点で、あの美貌に比べたら、俺は「ちょっと良い」くらいじゃないか?というのが主張)
彼方は、奏のことが好きなだけでショタコンではない(奏以外の全てに興味ない。ちなみに、奏なら、少年でも青年でもオッサンでもお爺さんでも構わないという強者。どんな奏も愛している)
「お爺さんになるまで坊っちゃんと生きられたら、それだけで幸せです…。出来れば穏やかに余生を過ごしたいですね、二人で。ああそうだ、田舎で暮らしましょうか。坊っちゃんの好きな犬や猫を飼うのも良いですね。…坊っちゃんに提案してみよう。実現するかもしれない。老後は静かに生きたいな、って呟いてたし」
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