俺とお前、信者たち【本編完結済み/番外編更新中】

知世

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本編(小話)

社 自由(ド天然ルームメート)

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「雪見。せっかくだから、今日は名前で呼び合いたい。どうかな?(せっかくの初デートなのに、名字呼びなんて味気ない)」

「分かった。今日は出来る限り、社のしたいことを叶えるから、好きにしてくれて構わない(あの時、社に捕まったことで俺たちは助けられたし、今日は社の要望にこたえよう。荷物持ちでも調べ物でも討論でも勉強会でも、何でもこい)」

「雪見!そんなことを軽々しく言ったらいけない!自分を大事にしてくれ(そういう意味じゃないことは分かっているが、相手に付け入る隙を与えるのはいただけない。これだから雪見は…危なっかしくて心配だ)」

「あ、あぁ…(自分を大事にしろなんて、大袈裟だな…。そんなに怒って心配させるようなことは言ってないと思うんだが…。なんか彼方みたいだな)」

「さて。じゃあ、奏。今日は一日宜しく頼む」

「ん。宜しく、自由(社の名前は両親が自由に生きろって意味で、そのまま名付けたらしいけど、本当に自由人に育ったよなぁ…)」

「っ…(雪見に名前で呼んでもらえた…!いつもどこか一歩引いて接してくる、あの雪見に!)」じーん、と感動する社

「(ん?なんか嬉しそうだ。相変わらず社のツボは分からない)」

デート気分の社と遊び気分の奏(お付き合い…交際と交友という、認識の違い)

初恋の人とデートができて浮かれている社は、奏に手を繋ぎたいとお願いする

「奏、君が嫌じゃなければ、手を繋ぎたいんだ」

(今日の社は、いつになく、はしゃいでるな…。目を離したらいなくなってる、なんてこともありそうだ。この人込みで逸れたら面倒だし、しょうがないか)

手を繋いで行動したが、冴えない外見の二人なので、誰も気に止めないのが(奏にとっては)救い(手を繋ぐなんて、子供じゃあるまいし…と結構恥ずかしかった)

せめて失敗しないように、と在り来りなデートプランで過ごしたが、最後は予約したレストランの個室に入る(この時、社の希望により、奏は変装を解いた。外からは全く見えないようになっている個室で、カメラもないので、承諾した。社も目元を隠していた前髪をピンで留め、素顔をさらした)

※社は、切れ長の涼しげな目、綺麗でカッコいい顔、少し長い髪を一つにまとめた、細身のお色気男子。口元のほくろがチャームポイントでいやらしい。男らしいエロさ(自分の容姿をきちんと自覚しているので、余計な面倒を避ける為、前髪で目元を隠して生活している。奏と同様、存在感を消している。長髪なのは散髪に行くのが面倒で放置した結果。手入れをしていないけれど綺麗なので見苦しくはない。でも、最近邪魔になってきたから、そろそろ切る予定。バッサリ切って、伸びたらまたバッサリ切る、その繰り返し。容姿に無頓着。見苦しくなければ、それでいいだろう?という感じ)

(やっぱり社は美形だな。ちょっと残念な、がつくけど。…治療薬がない全ての病の新薬を開発したい、という夢は立派だと思うし、その為に日夜勉強漬けで努力していて、尊敬している。本当に凄い。だけど…生活能力皆無で、研究の為の勉強以外興味がなくて、しかもその勉強に没頭するあまり食事も風呂も睡眠すら忘れたりする、根っからの研究人間だ)

(立派で凄いけど、色々問題ある天然自由人なんだよな、社は)

※社は役職持ちではなく、一般生徒だが、中学・高校それぞれで、授業免除申請をして、その為に出されたテストや課題を提出し、授業免除が認められており、中間・期末テストの試験をクリアすることと、学校行事参加が、卒業の条件になっている

レストランで夜景を眺め、社と三年間の思い出話をしながら、楽しいディナー

食べ終わった後、社は真剣な顔で奏を見つめた

「雪見。聞いてほしいことがある」

「ああ」

「俺は今まで、君に何度も好きだと伝えてきた」

「そうだな」

「…雪見は親愛の意味だと思っているだろうが、それは違う」

「…!」

「俺は、雪見奏という人間のことが、恋愛感情で好きなんだ」

「社…」

「君の優しいところや可愛いところが好きだ。言葉遣いが荒い人は好ましくないはずなのに、そんなことはどうでもよくなるほど、好きになった」

「過大評価だ。…俺は…優しくなんかない。自分のことしか考えてないし、弱い人間だ(だから強くなりたい。もう二度と、大切な人を失わないように。誰よりも、強く)」

「自分のことしか考えてない人間は、大して親しくない同室者の看病なんかしないさ。ちなみに俺はしない。するとしたら雪見だけだ」

「…あの時の社は高熱だったから」

「医者の手配だけでなく、甲斐甲斐しく看病してくれたな。ありがとう」

「大したことはしてない。食事は寮のシェフに作ってもらったし、他は買ったものだ」

「いや、大したものだよ。自力では無理だと言ったら、食べさせてくれたり、飲ませてくれたじゃないか。体の汗も拭いてくれて、トイレも肩を貸して連れて行ってくれたし、氷嚢や氷枕も用意してくれたな」

「…悪化したり、倒れられたら、同室者の俺も困るから、しただけだ」

「そうなのか」

「そうだ」

「分かった(素直じゃないな。そういう照れ屋なところも好きだけど、これ以上言うと不機嫌になりそうだから、黙っておこう)」

「話を戻そうか。―俺は雪見が好きだ。付き合ってほしいと思っている」

「―社。ありがとう。でも、気持ちには応えられない」

「…断られることは分かっていたから、気にしないでくれ。雪見がそういう意味で俺を好いてないことなんて、知っていたからな。…そろそろ出ようか」

「奏。デートは部屋に戻るまでだ。…もう一度だけ、俺と手を繋いでくれるか?」

「…分かった」

「ありがとう。…そうだ。食後の運動がてら、散歩がしたい。少し遠回りしてもいいかな?」

「ああ」


部屋に着いて、手を離す

「雪見」

「何だ」

「彼らの言動は目に余る」

「社」

「雪見は関わるなと言ったが、もう我慢できない。俺を巻き込みたくないという、雪見の優しさは嬉しい。だけど、俺は好きな人であり、友人でもある君が傷付く姿を見たくないんだ。…これ以上、俺を不甲斐ない男にしないでほしい」

「…俺はお前が傷付く方が辛い。社の想像以上に学園も人も荒れている。何が起きてもおかしくない状況なんだ。それなのに、面倒事に自ら首を突っ込むのか」

「何があっても後悔しないさ。…大切な人が傷付くのを、何も出来ずに黙って見ているより、辛いことなどない」

「…分かった。好きにすればいい。―ただ、忘れるなよ。これは俺の問題だ。俺が売られた喧嘩は、俺自身が片を付ける」

「余計な手出しは無用、だろう。分かっている。俺がするのは制裁の邪魔くらいにしておく。…こういう時に親の力は役立つな。自分の力じゃないのは情けないが」

「社財閥を敵に回す奴は、あまりいないだろうな」

「影が薄くて気付いてない人間も多いけど、こう見えて分家ではなく本家の人間だからな」

「そういえば、跡取りは辞退したと言っていたな」

「家督を継いだら、研究ができないだろう。俺は夢を諦めるくらいなら、家を捨てる。勿論、相応の恩は返してからだが」

「社のそういう潔いところは好ましい(親が泣くぞ…いや、あの人たちは喜びそうだな)」

「あ、ありがとう…(雪見に好ましいと言われた…)」

「(急に照れるなんて変な奴だな。…あっ。もしかして、口に出してたのか、俺)」


不本意ながら、社(財閥)がバックについた





社のド天然っぷりが発揮されませんでした…(無念)

初デートは真面目に、と社が緊張してたから、ですね…敗因は(別に勝ち負けはないけど)

残念イケメン、社 自由(やしろ じゆう)

奏に色々お世話されてます(彼方に知られたら、確実に嫉妬されるくらいには)

奏曰く「(普段の生活は)駄目過ぎて、放っておけない人間」


社は引きこもって勉強ばかりしている為、強制イベントの新歓に参加するまで、学園や奏の状況について、何も知りませんでした

久しぶりに外に出たら、「おや?何かおかしいな…。え?転入生が問題児で、学園が荒れているだけでなく、雪見も巻き込まれている…!?」と事態を把握し、驚愕しました

すぐさま奏を問い詰めたら、渋々事情を話してくれたけど、「俺は大丈夫だから、気にするな。制裁はもうされてないし、何かと風紀委員が助けてくれるようになったんだ。…社は自分のしたいことを続けてほしい。お前の夢は、多くの人を助ける、素晴らしいものだ。尊敬しているよ。…心配してくれるのは嬉しいけど、俺は社の邪魔をしたくないし、巻き込みたくないんだ。俺の為に何かしたいと思うなら、お前はいつも通りに過ごしてくれ」と言われ、嫌々…本当に嫌々引き下がる

が、デートする日までの数週間、奏の要望通りに静観していたが、我慢できなくなる。マイペースな自由人が、初めて憤慨した

「何が大丈夫なんだ!嫌がらせの制裁はされているじゃないか!教科書を破いたり、体操服を捨てたり、氷水や熱湯をかけたり、出来立ての食事を落とさせたり、ボールを顔にぶつけたり、やり方が陰湿だ!これは俗に言う、虐めじゃないのか?あっ、雪見は虐められているのか。酷いな…。進藤が悪いのに、何故雪見を虐めるのか理解出来ないな…。揃いも揃って、頭が悪いんだな、可哀相に。しかも、頭が悪い上に、性格も悪いなんて、救いようがないな。いや、卑劣な奴らだから、同情はできない。そもそも虐めなんてしちゃいけないだろう。性根が腐っているんだな。…誰かを傷付けても、良いことは何もない。それに気が付いて、改心できたらいいんだが。説得してみるか。…だが、進藤は駄目だな。イカれている。説得など、時間の無駄だ。…というより、全てが生理的に受け付けない。進藤は俺の天敵なのかもしれないな…」

この後、社の説得や威圧(本人は権力を使う気はないが、色んなコネクションのある社財閥が怖い)により、奏の制裁は一切なくなる。権力って凄い


ちなみに、湊も、学園や生徒がおかしくなっていることは分かってましたが、奏が制裁されているとは知りませんでした。湊自身が仲の良い人以外に興味がない上に、穏健派で優しい親衛隊が純粋な湊にそんなことを知ってほしくなくて隠していました。たとえ制裁されているのが奏じゃなくても、湊は助けます。そしたら、必要以上に巻き込まれてしまって、湊まで傷付くかもしれない、と親衛隊は危惧しました。奏のことは可哀相だけど、湊の安全が第一。そして、湊に気付かれないよう、徹底的に隠しました

しかし、本格的に奏と関わるようになって、事実を知り、湊は奏を助けようと頑張りますが、湊や湊の親衛隊が頑張れば頑張るほど、過激派親衛隊への印象は悪くなります

これ以上やると湊が危ない、と思い「俺は大丈夫だから、心配するな。何もしなくていい。…そうか。分かった。じゃあ、今日から湊とは会わない。生徒会の仕事は自室でもできるし、提出はしておく。…湊が危険な目に遭うくらいなら、俺は一人でいたい。お前に傷付いてほしくないんだよ」奏が説得した

自分が無力なことを痛感していた湊は、嫌々かつ渋々引き下がった。「これ以上邪魔をすると、雪見くんの立場がますます悪くなります。いざというとき、ちゃんと助けられるように、今は辛抱しましょう、湊様」と親衛隊にも言われた為

※奏を助けたくても、物理的な力では何も解決しないし、暴漢ではない素人に手を出してはいけない。叶家は良い家柄だが、武道の名家なので、他家に影響力はない。残念ながら、権力がない

…湊は頑張ったけど、権力じゃないと、どうにもならないことって、世の中には沢山あります

でも、湊の気持ちは届いているし、湊と湊の親衛隊に、奏は感謝して、感謝の気持ちを伝えています

無駄なことなんて、ないんだよ、湊!よく頑張ったね!

…一人っ子なのに、湊が末っ子気質なせいで、なんか親みたいな気持ちになります。いや、ある意味親なんですが

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