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本編(小話)
奏と神楽(罪と罰)
しおりを挟む―愛という名の呪い
一方要は、腸が煮え返っており、被害者の楓に当り散らす前に、その場を離れた
奏を傷付け、紅葉を手にかけ、楓を苦しめた
相手が誰であろうと、許すものか
死ぬ寸前まで拷問し、気が狂うまで繰り返してやろう
たとえ気が狂っても、嬲り殺しにしてやる
少しでも関与した者は同罪だ
侵入・逃走経路、内通者、プロの殺し屋(手口から見て、暗殺者ではなく殺し屋)、黒幕(依頼者)…巧妙に隠された真実を暴いていくと、事故死であるはずの響の真相にも辿り着く
水面下で、神楽当主と神楽前当主の前面戦争が勃発(現当主と元当主では、伝と人脈が違う為、五分五分の勝負)
辛勝をおさめた要が全てのことを知ったのは、奏が退院する前日(双方の被害は甚大。実の父親である神楽を捕らえ、自ら拷問し、その手で命を奪った。神楽を生かしておくと、似たようなことが繰り返される為、終わらせた)
神楽が楓の命を狙ったのは、楓が奏に惚れたせいだった
昔から神楽の男は、最愛を見付けると、死ぬまでたった一人しか愛さない性質で、それが厄介だった
愛する人間を手に入れる為なら破滅も厭わない上に、引き裂かれるくらいなら心中する、というヤンデレになる始末
最愛が見付からなければ、もしくは最愛さえ傍にいれば、まともで優秀な人物ばかり
そして、最愛を見付けた男は二つのパターンに分かれる
最愛しか愛さない人間と、最愛との間にできた子供も愛する人間に
最愛しか愛さない人間は、自分の子供でも排除することに容赦がなく、最愛と揉めて、最終的には無理心中する悲劇に繋がる(最愛が唯一無二)
子供も愛する人間は、最愛が一番で、子供が二番、という明確な区別はあるものの、比較的穏やかな人生を送る(どちらかが傍にいること・傍にいなくても会えることが前提で、最愛も子供もいない場合、発狂して死ぬ)
要は後者で、響が一番、奏が二番だった為、最悪奏がいれば、正気を保てる
当初、要の後継者は楓が最有力だった
神楽の後継者選別は、優秀であること以外にも、様々な条件がある
そのうちの一つに、冷徹であること、も含まれる
見極める質問は「仮定の話で、AとBが戦争をしている。自国はAだ。戦争は勝利した。その後、どうするか」というもの
奏は「Bの戦争推進派・反逆心がある者に対して、両国を繁栄させ、二度と戦争を起こさない為に、和解できるよう、説得し、交渉します。話し合いで解決できなければ、その人は自国に連れ帰り、監視します。不穏な動きがあったら…今後の平和の為に、眠ってもらいます」
楓は「Bの国民全員、安楽死させます。ただ、戦争推進派と反逆心がある人間は、見せしめに処刑します。本当は三歳以下の子供は生かしてもいいのですが、後のことを考えて、ここで禍根を断ちます。そして、希望者を募り、Aの国民にBへ移住してもらい、国としては継続させます」
奏は「平和な世界で多くの人が幸せになる為」に、楓は「大切な人と自国の人間が平和に過ごす為」に、自分が考える、最善の答えを伝えた
神楽も要も、後継者に相応しいのは楓だと判断する(奏は人として理想的だが、正しさや綺麗事では、世界は牛耳れない。神楽の闇を持て余す。それに、優しい人間は、強くもあり、脆くもある。神楽を継いでも、心が壊れては無意味。楓も「大切な人の為(自国の人間はついで)」と答え、神楽や要に比べると優しいが、その為なら邪魔者は容赦なく排除するという点が、冷徹)
ちなみに、Bの国民を全滅させることが合格の答え(禍根を断つ為)
理由が、神楽は「邪魔されたくない」要は「障害になる」(神楽の答えは今でも変わらないが、要は響に会う前なので、今なら「響と奏、楓と紅葉が、平穏無事に過ごす為(ついでに自国の人間も)」と答える)
しかし、楓が奏を最愛に選んだことで、状況が一変した
神楽の男は最愛を定めると、あからさまな好意を示す
楓は自分の気持ちに無自覚だったが、以前とは違うことが多々あった
何より、奏を見つめる目が変わった
純粋に慕い、仲良くなりたいという親しみから、熱っぽく、愛しい人を見るものに変化した
それに気付いた時、神楽と要はぞっとした
百歩譲って男同士はいい。だが、実の兄弟だぞ。血は半分しか繋がっていなくとも、兄弟だ
要は楓が自覚する前に何とかしようと思っていたが、神楽に先手を打たれる
神楽は「自覚がなくとも、楓は奏に決めてしまった。もう手遅れだ。…奏は駄目だ。男では子供が産めない。せめて女であったなら…。実に惜しいが、楓は始末する。…要は奏が無事なら大丈夫で、奏も優秀で後継者になれる器だ。楓が消えても問題ない。…奏は紅葉に懐いているな。万が一、奏の最愛が紅葉になったら最悪だ。…楓と紅葉は処分する」そう考えた
プロの殺し屋を雇い、楓と紅葉の暗殺を依頼したが、奏に邪魔され、失敗に終わる(奏には傷一つつけるな、と厳命しており、それが仇になった)
神楽は死ぬ直前、要に事件の真相(仕組まれた響の死、紅葉の暗殺と楓の暗殺未遂、全ての動機)を教え、最後に呟く
「神楽の愛は、呪いに似ている。いや、盲目的な愛情は、呪いそのものだ。…楓が奏を最愛に選んだ時から、いずれ破滅することは目に見えている。…果たして、破滅するのは、楓と奏、どちらか…もしくは、双方かもしれないな。…要。お前は、息子の破滅を見ることになるだろう。覚悟しておくんだな」
「奏は破滅しない。…楓が奏を不幸にするなら、俺が直接手を下す。…飽く迄奏の意思を尊重するが。…何の道貴方には無関係だ。―俺は貴方に憎悪と尊敬を抱いていました。…さようなら、父さん」
「楓は痴れ者で、お前は親不孝者だ。…然らばだ、要」
神楽の男にロックオンされたら、大変です
基本的に、両思いじゃないと心中ルートで、場合によっては、両思いでも修羅場に発展したり、拗れると監禁、最悪心中ルート…
「共に生きられないなら、いっそのこと、自分の手で殺して、一緒に死ぬ」という危険思想です
…嫌な男だな
相手からしたら「一人で死ね」って感じですが、「俺が目の前で死んでも、いつか君に愛する人が見付かるかもしれないだろう?…どうせ結ばれないのなら、例え憎しみでもいいから、君の最期を俺で満たして、俺だけのものにする」と開き直ります
…質が悪いな
総じて人間離れした神々しい美形ばかりなので、面食いには堪らない男たちですが…。それに、両思いだと、めちゃくちゃ溺愛して、この世で一番大切にしてくれます。稼ぎはいいし、尽くしてくれるし、優しいし、見た目(体型含む)が変わっても愛し続けてくれるし、浮気は生涯ありません
…ヤンデレでメンヘラなところが致命的ではありますが、結構魅力的です
ちなみに、同性を最愛に選んだのは楓が初めてではなく、他にもいます(流石に兄弟はないですが…)
両思いだと最高なのに、片思いだと最低になる…それが神楽の最愛に選ばれるということです
とはいえ、個人差があるので、絶対に心中ルートとは限りません(実際、要は響にフラれましたが、殺そうとも、殺したいとも、思いませんでした)
…楓は最愛が唯一無二のタイプです(奏逃げて。超逃げて)
それと、奏も神楽の男ですが、この呪われた特異体質ではありません(神楽の血が濃ければ濃いほど、美貌と才知が遺伝します)
ただ、一途で、愛情深いので、普通の人よりも、愛が重いかもしれません(多少は神楽の血が混じってますね)
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