俺とお前、信者たち【本編完結済み/番外編更新中】

知世

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番外編(小ネタ、小話、小説)

[if]ハロウィン・前編[彼方+奏]

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ハロウィン、とっくに過ぎてますが、最後の一人、彼方編です

…まさかの前後に分けます

こ、こんなに長くなるなんて…本当に予想外でした

それなのに、相変わらず会話文だけです

今回は通常バージョンのみです

彼方と奏は、シリアスに、ラブコメに、ギャグに…色々詰め込んだ内容になりました(後編の恋人バージョンは、ギャグと微エロ?です)

死線を越えて、修羅場を潜り抜けているので、(口に出さないだけで)基本的に思考が物騒な彼方と、辛いことがあったものの、家族や彼方に、守られて、愛情深く育てられたので、基本的に平和ボケしている奏





「…疲れた…(もう動きたくない…)」

「お疲れ様です(坊っちゃんがぐったりしている…。リラックスと疲労回復の効果がある紅茶をお淹れしよう)」

「彼方は平気そうだな…。俺より子供に囲まれてたのに(子供は可愛いし、好きだけど、ずっと一緒にいたら、疲れる…。世のお母さん、お父さん、子供に関わっている人は、凄いな…。半日でへばるような俺には、子育ては無理かもしれない…いや、絶対に無理だ…)」

「体力には自信があります(子供を無下にしたら、坊っちゃんに失望されるかもしれないので、ちゃんと対応しました。…僕個人としては、子供は好きでも嫌いでもなく、どうでもいい…いえ、坊っちゃん以外、基本的に全員どうでもいいんですが)」

「体力もだけど、気力を消耗しないか?子供は色々凄いから…」

「それも問題ありません。…子供は無邪気ですね(そして警戒心がない。見も知らぬ他人の僕からお菓子をもらおうだなんて。いくら僕の見た目が無害そうだからとはいえ、本当に無害か、あの子たちは判断できない。だからこそ、傍にいる保護者が気を付けてあげないといけないのに。…この国の治安が良いことは事実だけど、あまりにも平和ボケしている。いつか、お菓子関連で事件が起こらなければいいけれど。…坊っちゃんが心を痛めるようなことは、あってはならない)」

「そうだな…(それにしても、彼方は子供への対応が上手かったな。子供と関わることなんて、普段あまりないのに…)」

「(子供好きでもない限り、子供と全く関わりがない大人は、少しくらい苦手意識があってもおかしくないけど、全然平気そうだったし…。昔の俺といたからかな。…そういえば。彼方に弱点って、あるのか?)」

「坊っちゃん、お飲み物をご用意しますね」

「うん、ありがとう」

「…(彼方の弱点か……弱点……)」

「……(全く思い付かない……彼方に弱点なんか、ないかもしれない……)」

「………(ホラー映画も、心霊番組も、平然としてたし。テレビをつけて、偶然少しの間見てしまった心霊番組について、[生き物と違って、始末できないので、厄介ですね。…もし本当に幽霊がいるなら、どう消せばいいんでしょう?]と、普通に、いつも通り、にこにこしたまま、トーンも変わらず、そんな風に言われて、当時小学生だった俺は、ちょっとだけ怖かった。実はこの世で一番怖いのは彼方かもしれない…とも、ちょっとだけ思った。…幽霊を二度殺そうとする彼方は強い。色んな意味で)」

「…………(そんな彼方に、弱点なんかあるのか?いや、ないだろ。……あっ、そうだ!)」

「(これには、流石の彼方も…)」

「(…試してみようか…。そしたら、ずっと見たかったものが、見られるかもしれない)」


「お待たせしました」

「全然待ってないよ。彼方も疲れてるのに、ご…ありがとう(セーフ。彼方が俺の為にしてくれたことなのに、ごめんって言ったら、逆に気を遣わせるからな)」

「坊っちゃん…。勿体無いお言葉です。ありがとうございます」

「(でも、ごめんな、彼方。そんな疲れているお前に、俺は後で悪戯する気満々なんだ。…少し罪悪感はあるけど、好奇心が上回ってしまった。終わったら、ちゃんと謝るよ)」

「(先に紅茶を頂こう。少し経ってから、実行するぞ!…見れるといいな)」

「…?(坊っちゃんの様子がおかしい。…緊張しているような、楽しみにしているような…。不思議な表情だ)」


「彼方」

「はい」

「Trick or Treat」

「…すみません、坊っちゃん。持っていません」

「うん、知ってる。だから、悪戯させてほしい」

「悪戯ですか(坊っちゃんが、僕に…?)」

「そう」

「ふふ、どうぞ。―僕の全ては、奏坊っちゃんのものですから、お好きになさってください(そもそも、僕は坊っちゃんに命を捧げているので、僕に関することなら、許可は不要なんですが)」

「(お、重い…。言い過ぎな気もするけど、とりあえず言質は取った)…じゃあ、いくぞ?」

「?」

「それっ(こちょこちょっ)」

「(流石の彼方も、意外とくすぐったいのは苦手かも!俺、一度でいいから、彼方の爆笑する姿が見てみたい!)」

「…(こちょこちょ)」

「……(えっと…これは…何でしょう…)」

「……(こちょこちょ…)」

「………(坊っちゃん、睫毛が長いですね…知ってましたが…お風呂上がり特有の良い匂いがします…香ってきただけで、積極的に嗅いだりしてませんよ?坊っちゃんに変態だと思われたくないので。…聞かれてもいないのに、言い訳をしてしまうのは、僕に後ろめたい気持ちがあるから、だろうか。…僕が、そんな人間らしい感情を抱くなんて…坊っちゃんは凄いです)」

「(あ、あれ?ずっと脇腹くすぐってるのに、無反応なんだが…)」

「……彼方、くすぐったくないの?」

「(坊っちゃん…目を丸くして、とても幼い表情ですね…ああ、なんて愛らしいお顔なんでしょう…。…見惚れている場合ではありませんね。ご質問にお答えしないと)特に何も変わりありません(なるほど、これが擽るという行為ですか。…坊っちゃんに脇腹を触られている、という感覚しかありませんが)」

「…むずむずしたり、笑いそうになったりも、皆無なのか?」

「はい。…強いて言えば、坊っちゃんとの距離が近いので、思わず見つめてしまうくらいですね(この程度の刺激、声を上げるまでもないです。苛烈な拷問をされても、僕は平気ですよ。―昔、耐性をつける為に、様々な拷問を、死ぬ寸前まで、何度も繰り返されました。そのお陰、というのは癪ですが…僕には拷問も薬物も耐性がありますし)」

「……そうか(くすぐり攻撃が通用しない人間がいるなんて…。…彼方らしいけど、ちょっと残念だな…)

「(しまった。坊っちゃんががっかりしている…。僕の反応がお気に召さなかったようだ。…どんな反応をすれば正解だったのだろう)」

「(いっそのこと、彼方に苦手なこととか、弱点を聞こうか?…いや、こうなったら、自分で見付けたいな。…これからは毎年色々試してみよう)」

「?(あれ?坊っちゃんが何かやる気に満ちた表情に…。とりあえず、良かった)」


「(でも、坊っちゃんのご期待にお応えできなかったことが悔しい…次は失敗しない為にも、正しい反応を知る必要がある)」

「(恐らく、坊っちゃんを擽ってみたら、正解が分かるはずだ。きっと、それが、坊っちゃんが予測し、僕に期待していた反応と同じなんだろう)」

「坊っちゃん」

「ん?」

「失礼します」

「え(彼方の手付き、さっき見たばかりなんだけど…)」

「(嫌な予感がする!今すぐ逃げないと…!)ちょっと待、…あはっ、あはははっ!(やっぱり!)」

「(えっ!坊っちゃんが声を上げて笑っている!?)」

「っや、やめっ…ふっ、ふふふっ!(俺、くすぐったいの、ダメなんだよ!)」

「(こんなに笑う姿は、初めて見た…。貴重だな…)」

「だっ、だめ、あははは!だ、っ、てぇっ…ははっ!(冗談抜きで、ヤバいって!笑い過ぎて、呼吸できなくなる…!)」

「(駄目と言われてしまったけれど…も、もう少しだけなら…。坊っちゃん、すみません!後で罰は受けます!)」

「(本当に、駄目、なのに、)~~っ、も、しつ、こい!(彼方、お前、後で覚えてろよ!)…あっ♡(えっ)」

「えっ(坊っちゃんから、可愛らしい声が…)」

「…はぁーっ…はぁーっ…(うまく呼吸ができなくて、本気で死ぬかと思った…)」

「あの…坊っちゃん…(僕は、聞いてはいけない声を、聞いてしまったのかもしれない…)」

「はぁっ…。…退け」

「…はい(声を上げて笑う坊っちゃんが珍しくて、やり過ぎてしまった…)」

「……(彼方のせいで、変な声が…気持ち悪い声が、出た… 。いや、きっかけは俺だけど。俺が彼方に仕掛けたから、やり返されただけ、なんだが…。え、俺が悪いのか?―いやいや、原因は俺でも、彼方はしつこかったし、俺の制止も無視したし。彼方も悪い!悪乗りしやがって!)」

「(何事も引き際が肝心なのに、判断を誤った…)」

「「……」」

「(坊っちゃんに、無言で睨み付けられている…)」

「「……」」

「(沈黙が気不味い…)」

「(すぐに謝罪と、何かフォローを…)」

「図に乗ってしまい、申し訳ありません!でも、大変可愛らしかったです!」

「っ~!耳腐ってんのか!」

「聴覚は正常です!最後のお声もですが、ほんのりと赤い頬も、生理的な涙で潤んだ瞳も、呼吸を整える姿も、坊っちゃんの全てが、それはもう、可愛らしかったです!」

「っっ!!?目も腐ってんじゃねぇか!」

「視覚も正常です!」

「眼科と耳鼻科行けっ!バカ!」

「あっ、坊っちゃん!」

パタパタ!―ガチャ、バタン!

「(本心をお伝えしただけなのに、余計にご機嫌を損ねてしまった…)」

「…(明日、坊っちゃんがお部屋から出てきてくださらなかったら、どうしよう…。明日、ずっと無視されたら、どうしよう…)」

「……(坊っちゃんのお姿を見られないなんて…!坊っちゃんのお声を聞けないなんて…!)」

「………っ(どんな拷問ですか!!今までで一番苦しい拷問ですよ!!)」

「ぼっちゃぁぁぁんっっ!!!」

ドンドン!

「申し訳ございません!」

ドンドンドン!

「もう二度としません!」

ドンドンドンドン!

「お許しください!」

ガチャッ!

「うるっせぇぇぇっ!ドンドン叩くな!」

「坊っちゃん!」

「(くっそ!華麗に避けやがった!ドアに激突すれば良かったのに!それで、さっきの忘れたら良かったのに!!)」

「坊っちゃん…誠に申し訳ございません…」

「(しょんぼりしやがって…。彼方が悪乗りしたせいで、俺は気持ち悪い顔を晒した上に、気持ち悪い声も出たのに…しょんぼりするな!俺がお前を虐めてるみたいじゃないか!)」

「…坊っちゃん…」

「(う…)」

「二度としません…どうか、お許しください…」

「(こいつ…ほんと、こいつ…!)

「…ぼっちゃん…」

「(…はぁ…仕方ない…)」

「…明日、ホットケーキ作って」

「!―はい!オムライスとサラダとスープも作りますね!(許してもらえた!)」

「…うん(何で、そのセットが一番好きって知ってるんだろう…。母さんが毎年俺の誕生日に作ってくれた料理…彼方には、どころか、誰にも言ってないけど。…しかも、いつの間にか母さんの料理の味、完璧に再現してたし…。お前、一度も食べたことないだろう、母さんの料理なんて。…未だに謎なんだよな…。理由は聞かないけど。なんか怖いから、絶対聞かない)」





後書きは後編で


あまり関係ないんですが、『俺』は完結したので、期間限定でリクエストを受け付けようかな、と思っています

…でも、少し迷ってます

低クオリティーな上に、需要がないかもしれないので…

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