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第5話 これが噂の男爵令嬢!?
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「ガトーさまぁ♡」
「ノエルは今日も可愛いな」
「…………」
殿下はさっそく学園でブッシュ男爵令嬢に近づかれました。
「やだぁ、もぉう、ガトーさまったらぁ♡」
「ノエルを私の瞳の中に閉じ込めておきたい」
「…………」
なんと、出会って5秒で陥落です。
今や彼女は殿下の恋人気分。
少しは疑ってくださいよ。
「うふふ、他の『攻略対象』と違ってガトーさまもロッシェ君も『フラグ』立てても落ちないんだもん。諦めてたけどぉ、ちゃんと『好感度』は上がってたのねぇ」
言ってる意味の半分も分かりませんが、好感度に関しては上がるどころか真っ逆さまの絶対零度ですよ。
ほら見てくださいよ。殿下の作り笑顔もヒクヒク引き攣ってるじゃないですか。
「殿下、殿下」
「何だロッシェ?」
「ベニエ様もブレスト様もただのアホゥだったのではありませんか?」
まともな人間ならこんな地雷女に引っ掛からないでしょう、
完全に2人の自爆だったとしか思えません。
「うむ、私もそう考えていたところだ」
あの二人は側近から外して正解だったようです。
ちょっと殿下、うんうん頷かないでください。また私の心を読んだんですか?
「ガトーさまぁ、どうかしたんですかぁ?」
ほら、怪しまれたじゃないですか。
「あ、ああ……そうだ、ランチにしないか?」
「そうですねぇ……王子ルートが開放したなら食堂でイアリスの転ばし『イベント』が発生するはずよね」
イアリス様?
転ばしイベント?
また意味不明な呟きをブツブツと……いったい何なのでしょう?
「うむ、何かやらかすかもしれんな」
人の心を読んで不吉な事を言わんでください。
ですが、悪い予想ほど当たるもの。
殿下の予想は当たってしまいました……
学生食堂へ到着して席を探そうとキョロキョロと辺りを見回すとイアリス様の後ろ姿が私の目に止まりました。
あの銀糸の如くきらめく美しく長いシルバーブロンドは目立ちますからね。
「殿下、イアリス様です」
「なに!?」
そっと耳打ちすると殿下がびくりと体を震わせオドオドし始めました。
「ま、まずい」
「何で逃げようとするんですか」
逃がしませんよ!
「は、離せロッシェ! 浮気と間違われるじゃないか」
「それが今回の目的でしょう」
「そうだった……でも、やっぱり嫌われたくない!」
「往生際が悪いですよ」
このヘタレがうだうだと。
逃げようとする殿下の尻を蹴っ飛ばし……もとい背中を押しているうちに何故かブッシュ男爵令嬢が1人で先にスタスタとイアリス様の方へ。
「ぐべしっ!」
そして、ヒキガエルが潰れるような声を上げて、何故かイアリス様の目の前でダイビングするブッシュ男爵令嬢。
五体投地で倒れましたが……
あれそうとう痛いんじゃないですか?
「ノエルは今日も可愛いな」
「…………」
殿下はさっそく学園でブッシュ男爵令嬢に近づかれました。
「やだぁ、もぉう、ガトーさまったらぁ♡」
「ノエルを私の瞳の中に閉じ込めておきたい」
「…………」
なんと、出会って5秒で陥落です。
今や彼女は殿下の恋人気分。
少しは疑ってくださいよ。
「うふふ、他の『攻略対象』と違ってガトーさまもロッシェ君も『フラグ』立てても落ちないんだもん。諦めてたけどぉ、ちゃんと『好感度』は上がってたのねぇ」
言ってる意味の半分も分かりませんが、好感度に関しては上がるどころか真っ逆さまの絶対零度ですよ。
ほら見てくださいよ。殿下の作り笑顔もヒクヒク引き攣ってるじゃないですか。
「殿下、殿下」
「何だロッシェ?」
「ベニエ様もブレスト様もただのアホゥだったのではありませんか?」
まともな人間ならこんな地雷女に引っ掛からないでしょう、
完全に2人の自爆だったとしか思えません。
「うむ、私もそう考えていたところだ」
あの二人は側近から外して正解だったようです。
ちょっと殿下、うんうん頷かないでください。また私の心を読んだんですか?
「ガトーさまぁ、どうかしたんですかぁ?」
ほら、怪しまれたじゃないですか。
「あ、ああ……そうだ、ランチにしないか?」
「そうですねぇ……王子ルートが開放したなら食堂でイアリスの転ばし『イベント』が発生するはずよね」
イアリス様?
転ばしイベント?
また意味不明な呟きをブツブツと……いったい何なのでしょう?
「うむ、何かやらかすかもしれんな」
人の心を読んで不吉な事を言わんでください。
ですが、悪い予想ほど当たるもの。
殿下の予想は当たってしまいました……
学生食堂へ到着して席を探そうとキョロキョロと辺りを見回すとイアリス様の後ろ姿が私の目に止まりました。
あの銀糸の如くきらめく美しく長いシルバーブロンドは目立ちますからね。
「殿下、イアリス様です」
「なに!?」
そっと耳打ちすると殿下がびくりと体を震わせオドオドし始めました。
「ま、まずい」
「何で逃げようとするんですか」
逃がしませんよ!
「は、離せロッシェ! 浮気と間違われるじゃないか」
「それが今回の目的でしょう」
「そうだった……でも、やっぱり嫌われたくない!」
「往生際が悪いですよ」
このヘタレがうだうだと。
逃げようとする殿下の尻を蹴っ飛ばし……もとい背中を押しているうちに何故かブッシュ男爵令嬢が1人で先にスタスタとイアリス様の方へ。
「ぐべしっ!」
そして、ヒキガエルが潰れるような声を上げて、何故かイアリス様の目の前でダイビングするブッシュ男爵令嬢。
五体投地で倒れましたが……
あれそうとう痛いんじゃないですか?
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