12 / 27
不器用だった兄上様
しおりを挟む
乗馬用の服は普段の服より動きやすくていいわね。女性がドレスでないとダメだというのが面倒臭いけれど。前世なら、長袖長ズボンのジャージを着て、乗れたのに。
まぁ、でも生まれた時からドレスで3年もいれば慣れるわよねぇ~。
…あら?
「ハロルド兄上様何をなさっているのですか?」
中庭の花壇に座り込み、手袋をはめた兄上様は何やら土をいじっているようです。公爵子息が土いじりをなさるなんて!…悪いものでも食べたのかしら?
「あっ、あ兄上様!?どうなさったのです!?熱でもあるのですか?」
アワアワとして兄上様が手袋を取る前に私の手が兄上様のおでこに触れる。
「なっ、何をするっ!私はおかしくなどなっていないっ!」
ほっ、驚きましたわ。全く…
それにしても、「触れるなっ」くらいいうと思っていたわ。
「ふんっ!ただ、花の植え替えをしていただけだ。
……枯れそうだから、この花をお前にくれてやる。」
赤いチューリップを持ち、顔を赤らめながらいう兄上様はなんて可愛らしいんでしょう!まさかのここでツンデレですか!?デレ期が来たんですの!?
「まぁ!兄上様、ありがとうございます!」
にっこり笑って受け取り嬉しそうに耳に掛かるように頭につけた。
「兄上様、似合いますか?」
花を髪につけたまま一回転をする。薄金色の髪が太陽の光を浴びて更に薄くなりキラキラと輝き天使の輪ができる。回転した拍子にフワッと広がるラベンダー色の花柄の乗馬用の軽いドレス。紫水の瞳を輝かせその斜め上に自分があげた赤いチューリップが頭の上で咲き乱れる。
少しあざとかったかしら?
ハロルドは少しやり過ぎたと首を傾げている妹に気を回す余裕などはなく、小さい声で「うちの妹マジ天使っ…」と呟き、内心転げ回るほど悶えていた。
「……?兄上様?今なんと仰ったのですか?」
「いや、なんでもない。気に入ったのなら…(ボソッ)良かった。」
「はいっ!とても気に入りました!…また、お花を下さいねっ!楽しみにしております!」
「………また、枯れそうになったらくれてやる。…」
「それでは乗馬がありますので」と、笑顔で淑女の礼をとり馬小屋へと向かう。一度振り返り、はしたないが少し大きめの声でハロルドに向けて言葉を告げる。
「兄上様っ!次は赤いチューリップは兄上様の未来の奥様にお渡しくださいね!兄上様のお気持ちはいただきましたわ。」
ハロルドは???を浮かべ、首を傾げる。
……………………………
自身の部屋に戻り赤いチューリップに何かあるのかと花言葉を調べ絶句。気恥ずかしさと羞恥心などがごちゃ混ぜとなり発狂。
いきなり大声を上げたハロルドに驚き、使用人達は「ハロルド様っ!何があったのですか?」「敵襲ですかっ?」とハロルドの部屋になだれ込む。
そこにいたのは、真っ赤な顔をして悶えているハロルドがいた。
………………………………………
兄上様のこと誤解していたわ。
私のことが嫌いなんではなくてただ不器用なだけだったのね。
いきなり年の離れた妹ができたら困惑してしまったかもしれないわ。
兄上様と少しずつでも仲良くなれたらいいなぁ
______________________
赤いチューリップの花言葉は、真実の愛、愛の告白、永遠の愛、ロマンチックな愛、私を信じてなどです。
まぁ、でも生まれた時からドレスで3年もいれば慣れるわよねぇ~。
…あら?
「ハロルド兄上様何をなさっているのですか?」
中庭の花壇に座り込み、手袋をはめた兄上様は何やら土をいじっているようです。公爵子息が土いじりをなさるなんて!…悪いものでも食べたのかしら?
「あっ、あ兄上様!?どうなさったのです!?熱でもあるのですか?」
アワアワとして兄上様が手袋を取る前に私の手が兄上様のおでこに触れる。
「なっ、何をするっ!私はおかしくなどなっていないっ!」
ほっ、驚きましたわ。全く…
それにしても、「触れるなっ」くらいいうと思っていたわ。
「ふんっ!ただ、花の植え替えをしていただけだ。
……枯れそうだから、この花をお前にくれてやる。」
赤いチューリップを持ち、顔を赤らめながらいう兄上様はなんて可愛らしいんでしょう!まさかのここでツンデレですか!?デレ期が来たんですの!?
「まぁ!兄上様、ありがとうございます!」
にっこり笑って受け取り嬉しそうに耳に掛かるように頭につけた。
「兄上様、似合いますか?」
花を髪につけたまま一回転をする。薄金色の髪が太陽の光を浴びて更に薄くなりキラキラと輝き天使の輪ができる。回転した拍子にフワッと広がるラベンダー色の花柄の乗馬用の軽いドレス。紫水の瞳を輝かせその斜め上に自分があげた赤いチューリップが頭の上で咲き乱れる。
少しあざとかったかしら?
ハロルドは少しやり過ぎたと首を傾げている妹に気を回す余裕などはなく、小さい声で「うちの妹マジ天使っ…」と呟き、内心転げ回るほど悶えていた。
「……?兄上様?今なんと仰ったのですか?」
「いや、なんでもない。気に入ったのなら…(ボソッ)良かった。」
「はいっ!とても気に入りました!…また、お花を下さいねっ!楽しみにしております!」
「………また、枯れそうになったらくれてやる。…」
「それでは乗馬がありますので」と、笑顔で淑女の礼をとり馬小屋へと向かう。一度振り返り、はしたないが少し大きめの声でハロルドに向けて言葉を告げる。
「兄上様っ!次は赤いチューリップは兄上様の未来の奥様にお渡しくださいね!兄上様のお気持ちはいただきましたわ。」
ハロルドは???を浮かべ、首を傾げる。
……………………………
自身の部屋に戻り赤いチューリップに何かあるのかと花言葉を調べ絶句。気恥ずかしさと羞恥心などがごちゃ混ぜとなり発狂。
いきなり大声を上げたハロルドに驚き、使用人達は「ハロルド様っ!何があったのですか?」「敵襲ですかっ?」とハロルドの部屋になだれ込む。
そこにいたのは、真っ赤な顔をして悶えているハロルドがいた。
………………………………………
兄上様のこと誤解していたわ。
私のことが嫌いなんではなくてただ不器用なだけだったのね。
いきなり年の離れた妹ができたら困惑してしまったかもしれないわ。
兄上様と少しずつでも仲良くなれたらいいなぁ
______________________
赤いチューリップの花言葉は、真実の愛、愛の告白、永遠の愛、ロマンチックな愛、私を信じてなどです。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界でも保育士やってます~転生先に希望条件が反映されてないんですが!?~
こじまき
ファンタジー
【読んでいただいて♡いただいて、ありがとうございます。王城編準備中のため、12月12日からしばらく更新お休みします。考えてた構成が「やっぱなんか違う」ってなり、慌てております…汗】
「こんな転生先だなんて聞いてないっ!」六年間付き合った彼氏に婚約を解消され、傷心のまま交通事故で亡くなった保育士・サチ。異世界転生するにあたり創造神に「能力はチートで、広い家で優しい旦那様と子だくさんの家庭を築きたい」とリクエストする。「任せといて!」と言われたから安心して異世界で目を覚ましたものの、そこはド田舎の山小屋。周囲は過疎高齢化していて結婚適齢期の男性なんていもしないし、チートな魔法も使えそうにない。創造神を恨みつつマニュアル通り街に出ると、そこで「魔力持ち」として忌み嫌われる子どもたちとの出会いが。「子どもには安心して楽しく過ごせる場所が必要」が信条のサチは、彼らを小屋に連れ帰ることを決め、異世界で保育士兼りんご農家生活を始める。
なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた
いに。
恋愛
"佐久良 麗"
これが私の名前。
名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。
両親は他界
好きなものも特にない
将来の夢なんてない
好きな人なんてもっといない
本当になにも持っていない。
0(れい)な人間。
これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。
そんな人生だったはずだ。
「ここ、、どこ?」
瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。
_______________....
「レイ、何をしている早くいくぞ」
「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」
「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」
「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」
えっと……?
なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう?
※ただ主人公が愛でられる物語です
※シリアスたまにあり
※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です
※ど素人作品です、温かい目で見てください
どうぞよろしくお願いします。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる