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誘拐(2)
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ただ抱っこされているだけなのに何故こんなも疲れるのかしら?
現在私はソリューヴという方に抱かれて移動しています。
どこに向かっているのかわかりませんが歩かなくていいなら楽ですし一々聞くのも億劫です。
この揺れは車を思い出しますね。
なんだか眠くなってきました。
…………
今、俺の腕の中にいる少女はあの公爵家の末の子供らしい。初対面でまじまじと見つめてしまった。妖精のような儚げな印象を受けた。これで病弱だというのだから益々消えてしまいそうだ。
しかし、見た目とは反対に性格は中々だった。普通誘拐犯の目的より体勢の不安定さを聞くか?しかも誘拐犯の腕の中で寝るとか何考えているんだか。
「……おい。こいつ寝たぞ。色んな意味で大丈夫か?」
「えぇ、最初は私も教師として潜入した時思いましたよ。頭が良く回転も早いのにどこか抜けていらっしゃる。ただの人質としての対象であったのに情が移ってしまいましてね。」
しみじみと呟くリオルから目線を外す。
「……こいつは抜けているというよりただ無気力無関心なだけだと思うが。」
腕の中の少女を見て、どんな家庭環境だったのか不安に思う。これから連れて行かれる場所を見てこいつは発狂してしまうかもしれない。ただこいつは良くも悪くも普通じゃない。
どんな対応をされるのか。楽しみではあるな。
「んっ?ここはどこでしょう?」
思わず独り言が漏れる。
ベッドを囲うように薄青な天幕のベールが張られている大きなベッドの上に寝かせられていた。
人質にこんなにいいベッドを使わせてもよかったのかしら?まぁ、寝心地は屋敷にあるベッドよりもいいし文句はありません。
気持ちもいいですしもう一眠りしましょうか。
くぁーっと欠伸をし、再び布団をかけ寝返りを打つ。
「おいおいっ!二度寝するな!」
「なんで知らないところで二度寝しようと思えるんだっ!」と声を荒げ頭をガシガシと掻いているソリューヴ。
「だって、今日はカラッと晴れた天気で暑すぎでもなく寒すぎでもない心地良い温かさで…
これはもうお昼寝するしかないじゃないっ!」
「バカかっ!そんなにいい天気なら外に行けっ!」
まるでコントのようなやり取りに思わず、この方のつこっみは中々鋭くていいわねっ!やるじゃないっ!と相方宣言を心の中で思っていた。
「今からここの屋敷の主人に会いに行く。準備をしろ。」
「分かりましたわぁ~。」
ぽやぽやとした返事を聞き不安になる、ソリューヴ。
「あっ!だけど、謁見の前に朝食が欲しいわぁ~。」
あぁ、と頭を抱えるソリューヴ。
普段無表情で冷たいのにこんなに乗ってくれるとは。中々|揶揄い(からかい)がいのある方ね。
私はただ空気を読んであえて読まずに正直に要求しているだけなのにっとやれやれという目でソリューヴを見るとあぁもう!とキレる。
「分かっている!朝食を食べたら謁見の間に行くぞっ!
」
「えぇ、それとピンクや黄色のドレスが多いのだけど私、青や緑色の淡い色か、濃い紺色か紫色のドレスがいいわ。」
ソリューヴはもう何も言わず、溜息を吐き無言のままドアの外に出て行った。
現在私はソリューヴという方に抱かれて移動しています。
どこに向かっているのかわかりませんが歩かなくていいなら楽ですし一々聞くのも億劫です。
この揺れは車を思い出しますね。
なんだか眠くなってきました。
…………
今、俺の腕の中にいる少女はあの公爵家の末の子供らしい。初対面でまじまじと見つめてしまった。妖精のような儚げな印象を受けた。これで病弱だというのだから益々消えてしまいそうだ。
しかし、見た目とは反対に性格は中々だった。普通誘拐犯の目的より体勢の不安定さを聞くか?しかも誘拐犯の腕の中で寝るとか何考えているんだか。
「……おい。こいつ寝たぞ。色んな意味で大丈夫か?」
「えぇ、最初は私も教師として潜入した時思いましたよ。頭が良く回転も早いのにどこか抜けていらっしゃる。ただの人質としての対象であったのに情が移ってしまいましてね。」
しみじみと呟くリオルから目線を外す。
「……こいつは抜けているというよりただ無気力無関心なだけだと思うが。」
腕の中の少女を見て、どんな家庭環境だったのか不安に思う。これから連れて行かれる場所を見てこいつは発狂してしまうかもしれない。ただこいつは良くも悪くも普通じゃない。
どんな対応をされるのか。楽しみではあるな。
「んっ?ここはどこでしょう?」
思わず独り言が漏れる。
ベッドを囲うように薄青な天幕のベールが張られている大きなベッドの上に寝かせられていた。
人質にこんなにいいベッドを使わせてもよかったのかしら?まぁ、寝心地は屋敷にあるベッドよりもいいし文句はありません。
気持ちもいいですしもう一眠りしましょうか。
くぁーっと欠伸をし、再び布団をかけ寝返りを打つ。
「おいおいっ!二度寝するな!」
「なんで知らないところで二度寝しようと思えるんだっ!」と声を荒げ頭をガシガシと掻いているソリューヴ。
「だって、今日はカラッと晴れた天気で暑すぎでもなく寒すぎでもない心地良い温かさで…
これはもうお昼寝するしかないじゃないっ!」
「バカかっ!そんなにいい天気なら外に行けっ!」
まるでコントのようなやり取りに思わず、この方のつこっみは中々鋭くていいわねっ!やるじゃないっ!と相方宣言を心の中で思っていた。
「今からここの屋敷の主人に会いに行く。準備をしろ。」
「分かりましたわぁ~。」
ぽやぽやとした返事を聞き不安になる、ソリューヴ。
「あっ!だけど、謁見の前に朝食が欲しいわぁ~。」
あぁ、と頭を抱えるソリューヴ。
普段無表情で冷たいのにこんなに乗ってくれるとは。中々|揶揄い(からかい)がいのある方ね。
私はただ空気を読んであえて読まずに正直に要求しているだけなのにっとやれやれという目でソリューヴを見るとあぁもう!とキレる。
「分かっている!朝食を食べたら謁見の間に行くぞっ!
」
「えぇ、それとピンクや黄色のドレスが多いのだけど私、青や緑色の淡い色か、濃い紺色か紫色のドレスがいいわ。」
ソリューヴはもう何も言わず、溜息を吐き無言のままドアの外に出て行った。
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