25 / 27
ビアンカ嬢は寂しい
しおりを挟む
あれから数ヶ月が過ぎた。
魔王様はまだ帰ってこない。寂しいよぉー
もう私の誕生日も過ぎて8歳になってしまったのに。魔王様と過ごしたかった、、、
戦地は緊張状態が続き、睨み合いで中々帰ってこれないらしいのです。
今日もいつも通り淡々と過ごしティータイムを行いホッと一息。隣でアマンダがケーキを切り分けているのを眺めながら魔王様のことを考える。
城は魔王様がいなくなったら人間である私を攻撃してくるものが出てくるかもしれないと思っていたのだが思っていたよりいなかった。結構好意的なものが多かった。
アマンダに聞いてみると魔族は子供が産まれにくく珍しいらしい。子供は宝を信条に生きている種族らしいので好意的なんだとか。
人間でもいいのか!魔族!?と突っ込みそうにはなったがなんでも私は人間でも話せる知性の高いものだということで一目置かれているらしい。
人間!今まで魔族にどんな対応してきたらこんな事になるんだ!?
心の中では頭を抱えてしまう。
「ねぇ、アマンダ、魔王様後どのくらい掛かるかしら。寂しいわぁ」
ぽつぽつと喋ると、アマンダもここ最近の元気のないビアンカを元気付けようと色々な案を考える。
「それではビアンカ様、魔王様がお好きだったあの花園に参りますか?あの時と比べ季節が変わりましたから植物は変わっていると思いますが、魔王様がお帰りになられた時に行くための予行練習という事で一緒に参りませんか?」
「!?ええっ!行くわ!そうよね!いつまでもうじうじしていたら魔王様に怒られてしまうわ!」
よしっと気合を入れ嬉しそうに花園へ駆け込んで行くビアンカにアマンダは微笑ましそうに眺める。
◆
そろそろ魔王様も帰っていらっしゃる頃だと思いますわ。お嬢様。
本当にお嬢様は魔王様を好いていらっしゃる。こんな可愛らしいお嬢様を今まで放ったらかしにしてきた魔王様に怒りを覚えますわ。私がいかに魔王様信者といってもそれとこれとは別です。
いくら戦場にいるといっても手紙なら送れるでしょうに、、、
それに魔王様の魔力なら転移で行き来くらい簡単にできるはずです。それをしなかったのはただ魔王様がヘタレだっただけだと私は思う。
私はお嬢様に一度でも会えばもう戦場に行きたくなくなってしまうと考えたから連絡を取らないようにしていたに違いないと思いますわ!
全く!とプンスカプンスカ怒りながらアマンダはビアンカを追いかける。
◆
ビアンカは魔王様の認識が変わったあの花園にお邪魔していた。魔王様を膝枕したベンチに座り本を読む。ベンチの後ろに桜に似た木がありなんだか落ち着く。風でさわさわと木が揺れ目を閉じると魔王様に膝枕した時の思い出が蘇る。あの頃は綺麗な花が咲いていたが今はもう散って葉だけになっている。
もう何ヶ月も魔王様に会っていない。
恋しいなぁ、早く会いたいよ、ヴェルバル、、、
んっ?
「ねぇ、アマンダ、なんだか城が騒がしいのだけれどどうかしたのかしら?」
木の葉が揺れる音と一緒に城の方角から何やらざわざわとした気配が立ち上り場所によっては殺気立っているような気がする。
「お嬢様、私が先行して様子を伺いにいってまいりますのでこちらでお待ちください。この花園は迷宮になっており、部外者は出られないようになっておりますし、ここは花園の最奥。ここにたどり着くのは困難だと思われますので城よりは安全です。」
「えぇ、わかったわ。大人しくしておく。アマンダも気をつけてね?怪我なんてしたら泣いてやるんだから!」
クスクス笑いながら、アマンダは花園を出て行く。
ビアンカは城の様子が気になり不安に思っていたがぼんやりと待っているうちに暖かな日差しと花の香り、木のサワサワとした音に眠くなってしまい目を瞑った。
魔王様はまだ帰ってこない。寂しいよぉー
もう私の誕生日も過ぎて8歳になってしまったのに。魔王様と過ごしたかった、、、
戦地は緊張状態が続き、睨み合いで中々帰ってこれないらしいのです。
今日もいつも通り淡々と過ごしティータイムを行いホッと一息。隣でアマンダがケーキを切り分けているのを眺めながら魔王様のことを考える。
城は魔王様がいなくなったら人間である私を攻撃してくるものが出てくるかもしれないと思っていたのだが思っていたよりいなかった。結構好意的なものが多かった。
アマンダに聞いてみると魔族は子供が産まれにくく珍しいらしい。子供は宝を信条に生きている種族らしいので好意的なんだとか。
人間でもいいのか!魔族!?と突っ込みそうにはなったがなんでも私は人間でも話せる知性の高いものだということで一目置かれているらしい。
人間!今まで魔族にどんな対応してきたらこんな事になるんだ!?
心の中では頭を抱えてしまう。
「ねぇ、アマンダ、魔王様後どのくらい掛かるかしら。寂しいわぁ」
ぽつぽつと喋ると、アマンダもここ最近の元気のないビアンカを元気付けようと色々な案を考える。
「それではビアンカ様、魔王様がお好きだったあの花園に参りますか?あの時と比べ季節が変わりましたから植物は変わっていると思いますが、魔王様がお帰りになられた時に行くための予行練習という事で一緒に参りませんか?」
「!?ええっ!行くわ!そうよね!いつまでもうじうじしていたら魔王様に怒られてしまうわ!」
よしっと気合を入れ嬉しそうに花園へ駆け込んで行くビアンカにアマンダは微笑ましそうに眺める。
◆
そろそろ魔王様も帰っていらっしゃる頃だと思いますわ。お嬢様。
本当にお嬢様は魔王様を好いていらっしゃる。こんな可愛らしいお嬢様を今まで放ったらかしにしてきた魔王様に怒りを覚えますわ。私がいかに魔王様信者といってもそれとこれとは別です。
いくら戦場にいるといっても手紙なら送れるでしょうに、、、
それに魔王様の魔力なら転移で行き来くらい簡単にできるはずです。それをしなかったのはただ魔王様がヘタレだっただけだと私は思う。
私はお嬢様に一度でも会えばもう戦場に行きたくなくなってしまうと考えたから連絡を取らないようにしていたに違いないと思いますわ!
全く!とプンスカプンスカ怒りながらアマンダはビアンカを追いかける。
◆
ビアンカは魔王様の認識が変わったあの花園にお邪魔していた。魔王様を膝枕したベンチに座り本を読む。ベンチの後ろに桜に似た木がありなんだか落ち着く。風でさわさわと木が揺れ目を閉じると魔王様に膝枕した時の思い出が蘇る。あの頃は綺麗な花が咲いていたが今はもう散って葉だけになっている。
もう何ヶ月も魔王様に会っていない。
恋しいなぁ、早く会いたいよ、ヴェルバル、、、
んっ?
「ねぇ、アマンダ、なんだか城が騒がしいのだけれどどうかしたのかしら?」
木の葉が揺れる音と一緒に城の方角から何やらざわざわとした気配が立ち上り場所によっては殺気立っているような気がする。
「お嬢様、私が先行して様子を伺いにいってまいりますのでこちらでお待ちください。この花園は迷宮になっており、部外者は出られないようになっておりますし、ここは花園の最奥。ここにたどり着くのは困難だと思われますので城よりは安全です。」
「えぇ、わかったわ。大人しくしておく。アマンダも気をつけてね?怪我なんてしたら泣いてやるんだから!」
クスクス笑いながら、アマンダは花園を出て行く。
ビアンカは城の様子が気になり不安に思っていたがぼんやりと待っているうちに暖かな日差しと花の香り、木のサワサワとした音に眠くなってしまい目を瞑った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界でも保育士やってます~転生先に希望条件が反映されてないんですが!?~
こじまき
ファンタジー
【読んでいただいて♡いただいて、ありがとうございます。王城編準備中のため、12月12日からしばらく更新お休みします。考えてた構成が「やっぱなんか違う」ってなり、慌てております…汗】
「こんな転生先だなんて聞いてないっ!」六年間付き合った彼氏に婚約を解消され、傷心のまま交通事故で亡くなった保育士・サチ。異世界転生するにあたり創造神に「能力はチートで、広い家で優しい旦那様と子だくさんの家庭を築きたい」とリクエストする。「任せといて!」と言われたから安心して異世界で目を覚ましたものの、そこはド田舎の山小屋。周囲は過疎高齢化していて結婚適齢期の男性なんていもしないし、チートな魔法も使えそうにない。創造神を恨みつつマニュアル通り街に出ると、そこで「魔力持ち」として忌み嫌われる子どもたちとの出会いが。「子どもには安心して楽しく過ごせる場所が必要」が信条のサチは、彼らを小屋に連れ帰ることを決め、異世界で保育士兼りんご農家生活を始める。
なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた
いに。
恋愛
"佐久良 麗"
これが私の名前。
名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。
両親は他界
好きなものも特にない
将来の夢なんてない
好きな人なんてもっといない
本当になにも持っていない。
0(れい)な人間。
これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。
そんな人生だったはずだ。
「ここ、、どこ?」
瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。
_______________....
「レイ、何をしている早くいくぞ」
「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」
「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」
「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」
えっと……?
なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう?
※ただ主人公が愛でられる物語です
※シリアスたまにあり
※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です
※ど素人作品です、温かい目で見てください
どうぞよろしくお願いします。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる