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翌日は木曜日
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目の前の机にそっと栄養ドリンクが置かれた。置いたのはもちろん田代先生である。
今朝の8時05分。
俺にしては遅い出勤時間だが、どうやら田代先生はいつもこのくらいの時間らしい。コンビニで買ってきたのか昼食の弁当が入った袋を持っている。今日はチキン南蛮弁当のようだ。
「おはよーさん・・・って、うわ、すげぇ顔だな。どうやら熱烈なお話だったようで。な?花村よ。」
田代先生は俺の顔を覗き込んだ後、斜め前の席に静かに座っていた、楓く・・・いや、花村先生に視線を移した。花村先生は田代先生に向かって一応、営業スマイルである。
「・・・おはようございます、田代先生。元さんとはじっくり話をさせていただきましたので。ご心配をおかけしました。」
「ほー、元さん、ねぇ?愛されてんな~高尾先生。もしかして俺のこと警戒してんの?彼氏持ちに手出すほど馬鹿じゃねぇぞ、俺。」
「は、花村先生!職場だぞ!た、田代先生も揶揄わないでくださいよ!」
「・・・元さんは黙ってて。そうですか、安心しました。これからも職場仲間としてどうぞよろしくお願いします。」
「ハッ!おもしれー。高尾先生、もしフリーになったら俺が大事にしてやるよ。言ってなかったが、俺バイだから。あはは、じゃ、また朝礼でな~!」
ひらひら手を振り、俺にウィンクまでした後、一階の職員室にペットボトルのコーヒーだけ持って降りて行った。
「・・・・・・・・・ほら、言ったでしょ。田代何だかんだ目付けてたんだよ?分かった?」
「・・・・・・ひゃい。」
昨夜は4Rまであった。最後はまさかのコンドーム無し、つまり生だったのだ。ゴボッと漏れ出す白濁液を風呂場で掻き出され、就寝出来たのは朝4時である。もう気絶するように寝た。そして気づけば朝7時、何故か止められていたアラームに俺は大慌てで、絡みつく花村先生を何とか引っ剥がし、アパートに戻り着替えてから出勤したのである。
家に帰って着替えている最中、姿見に写った俺の身体には至る所にキスマークがつけられていて「・・・Wow」と突然外国人のような口調になった。
そして、朝からこの数学科準備室での一件。思わずまた「ひゃい」と噛んでしまったのである。
俺の返事にあまり納得してなさそうな花村先生だったが、はぁ、とため息をついた後「昨日可愛かったから今日は許してあげます」と微笑み、俺の保温性ばっちりのタンブラーに日本茶を注いでくれた。
「明日の夜は、また9番に停めてくださいね?」
日本茶を溢さないよう慎重にタンブラーを俺に手渡しながら、花村先生は明日の予約までちゃっかり入れるのだった。
そのあと俺はプルプル震える足でゆっくりゆっくり一階の職員室まで楓くんと一緒に降りていった。
今朝の8時05分。
俺にしては遅い出勤時間だが、どうやら田代先生はいつもこのくらいの時間らしい。コンビニで買ってきたのか昼食の弁当が入った袋を持っている。今日はチキン南蛮弁当のようだ。
「おはよーさん・・・って、うわ、すげぇ顔だな。どうやら熱烈なお話だったようで。な?花村よ。」
田代先生は俺の顔を覗き込んだ後、斜め前の席に静かに座っていた、楓く・・・いや、花村先生に視線を移した。花村先生は田代先生に向かって一応、営業スマイルである。
「・・・おはようございます、田代先生。元さんとはじっくり話をさせていただきましたので。ご心配をおかけしました。」
「ほー、元さん、ねぇ?愛されてんな~高尾先生。もしかして俺のこと警戒してんの?彼氏持ちに手出すほど馬鹿じゃねぇぞ、俺。」
「は、花村先生!職場だぞ!た、田代先生も揶揄わないでくださいよ!」
「・・・元さんは黙ってて。そうですか、安心しました。これからも職場仲間としてどうぞよろしくお願いします。」
「ハッ!おもしれー。高尾先生、もしフリーになったら俺が大事にしてやるよ。言ってなかったが、俺バイだから。あはは、じゃ、また朝礼でな~!」
ひらひら手を振り、俺にウィンクまでした後、一階の職員室にペットボトルのコーヒーだけ持って降りて行った。
「・・・・・・・・・ほら、言ったでしょ。田代何だかんだ目付けてたんだよ?分かった?」
「・・・・・・ひゃい。」
昨夜は4Rまであった。最後はまさかのコンドーム無し、つまり生だったのだ。ゴボッと漏れ出す白濁液を風呂場で掻き出され、就寝出来たのは朝4時である。もう気絶するように寝た。そして気づけば朝7時、何故か止められていたアラームに俺は大慌てで、絡みつく花村先生を何とか引っ剥がし、アパートに戻り着替えてから出勤したのである。
家に帰って着替えている最中、姿見に写った俺の身体には至る所にキスマークがつけられていて「・・・Wow」と突然外国人のような口調になった。
そして、朝からこの数学科準備室での一件。思わずまた「ひゃい」と噛んでしまったのである。
俺の返事にあまり納得してなさそうな花村先生だったが、はぁ、とため息をついた後「昨日可愛かったから今日は許してあげます」と微笑み、俺の保温性ばっちりのタンブラーに日本茶を注いでくれた。
「明日の夜は、また9番に停めてくださいね?」
日本茶を溢さないよう慎重にタンブラーを俺に手渡しながら、花村先生は明日の予約までちゃっかり入れるのだった。
そのあと俺はプルプル震える足でゆっくりゆっくり一階の職員室まで楓くんと一緒に降りていった。
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