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14 準備室
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目の前にそっと栄養ドリンクを置かれた。
置いたのはもちろん田代先生。
今、朝8時05分。
俺にしては遅い出勤時間だが、どうやら田代先生はいつもこのくらいの時間らしい。
コンビニで買ってきた弁当が入った袋を手に下げている。
今日はチキン南蛮弁当。
「昨晩は熱心なお話だったようで。」
意味深なニヤけ顔で俺の顔を覗き込んだ田代先生は斜め前に静かに座った楓くんに視線を移す。
花村先生は田代先生に向かって一応、営業スマイルを向けた。
「"元さん"とはじっくり話をさせていただきましたので、ご心配なく。」
「ふーん、元さん、ねぇ。もしかして俺のこと警戒してんの?俺は彼氏持ちに手出すほど馬鹿じゃねぇぞ。」
「安心しました。これからもどうぞ"同僚として"よろしくお願いします。」
「・・・ハッ、おもしれー。高尾先生がフリーになったら俺が相手してもいいぜ?じゃ、また朝礼でな~!」
「あ゛?」
ドスの効いた楓くんの声にひらひらと手を振り、俺にウィンクまでした後、一階の職員室にペットボトルのコーヒーを持って降りて行った。
「・・・二人になるの禁止。」
「・・・ひゃい。」
昨夜は4Rまであった。
最後はまさかのコンドーム無し、つまり生。
ゴボッと漏れ出す白濁液を風呂場で掻き出され、就寝出来たのは朝4時。
もう気絶するように、寝た。
そしてあっという間に朝7時、何故か止められていたアラームに俺は大慌てで、絡みつく花村先生を必死で引き剥がし、アパートに戻ってから出勤した次第だ。
アパートにて着替えの最中、姿見に映った俺の体の至る場所にキスマークがつけられていて「・・・Wow」と突然外国人のような口調に。
その上、朝からこの数学科準備室での一件で、朝から体力がゴンッと一気に減ってしまった。
花村先生は不服そうな顔を浮かべながらも、俺のタンブラーに日本茶を注いでくれた。
「明日の夜は、また9番に停めてくださいね?」
タンブラーを持った俺の手を握り、花村先生は明日の予定まで確定させて、俺はプルプル震える足でゆっくりゆっくり一階の職員室まで楓くんと向かった。
置いたのはもちろん田代先生。
今、朝8時05分。
俺にしては遅い出勤時間だが、どうやら田代先生はいつもこのくらいの時間らしい。
コンビニで買ってきた弁当が入った袋を手に下げている。
今日はチキン南蛮弁当。
「昨晩は熱心なお話だったようで。」
意味深なニヤけ顔で俺の顔を覗き込んだ田代先生は斜め前に静かに座った楓くんに視線を移す。
花村先生は田代先生に向かって一応、営業スマイルを向けた。
「"元さん"とはじっくり話をさせていただきましたので、ご心配なく。」
「ふーん、元さん、ねぇ。もしかして俺のこと警戒してんの?俺は彼氏持ちに手出すほど馬鹿じゃねぇぞ。」
「安心しました。これからもどうぞ"同僚として"よろしくお願いします。」
「・・・ハッ、おもしれー。高尾先生がフリーになったら俺が相手してもいいぜ?じゃ、また朝礼でな~!」
「あ゛?」
ドスの効いた楓くんの声にひらひらと手を振り、俺にウィンクまでした後、一階の職員室にペットボトルのコーヒーを持って降りて行った。
「・・・二人になるの禁止。」
「・・・ひゃい。」
昨夜は4Rまであった。
最後はまさかのコンドーム無し、つまり生。
ゴボッと漏れ出す白濁液を風呂場で掻き出され、就寝出来たのは朝4時。
もう気絶するように、寝た。
そしてあっという間に朝7時、何故か止められていたアラームに俺は大慌てで、絡みつく花村先生を必死で引き剥がし、アパートに戻ってから出勤した次第だ。
アパートにて着替えの最中、姿見に映った俺の体の至る場所にキスマークがつけられていて「・・・Wow」と突然外国人のような口調に。
その上、朝からこの数学科準備室での一件で、朝から体力がゴンッと一気に減ってしまった。
花村先生は不服そうな顔を浮かべながらも、俺のタンブラーに日本茶を注いでくれた。
「明日の夜は、また9番に停めてくださいね?」
タンブラーを持った俺の手を握り、花村先生は明日の予定まで確定させて、俺はプルプル震える足でゆっくりゆっくり一階の職員室まで楓くんと向かった。
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