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さて、度々話題に登場するこの【ピアス】。

これは一定以上の魔力を持つ成績上位者の生徒に学校から支給される装飾品のことで、俺やピノが在籍するステラ組には結構保有者がいる。ま、このステラは学年トップクラスだし、そのくらい持ってないとな。



ピアスの特徴は【自分の瞳の色の魔石】が必ず埋め込まれているという点だ。
それだけだとみんな同じになっちまうから、デザインはランダムで決まる。

ちなみに俺の耳に残念ながら今も変わらず付いてとれないフィンリー・エバンズのピアスはフープピアス。
そのフープの中心に一際主張の強い菫色の石が鎮座している。
そして摩訶不思議なことにあいつの耳に付いていた俺のピアスはスタッドピアスで、黒い石がドン、とあるシンプルなものだ。


俺は入学してすぐそのピアスを受け取ったわけだけど、それが自分で身につけるものではなく、別の使用用途があると聞いた時から「四年間絶対出番は来ない」と確信していた。
でもピアスそれをわざわざ持ち歩く奴も多いらしい。


((『みんな運命的な出会いを期待してるんだよ!青☆春だよなぁ~』by.ピノワール・ロベルト))


だから寮の部屋の机の奥の奥にある小物入れの中に入れていたはず・・・なんだけど。
何でそれが今朝フィンリー・エバンズの耳に・・・、・・・・・・、くっそ、またキ、キス、のこと思い出しちまった。

あああああああああ!もう!




「・・・お耳が赤いですよぉ。アルくぅん。何を思い出したのかなぁあ?」

「てんめぇ・・・!また炎の妖精フレア呼ぶぞ・・・?!」

「ぎゃっ!それは勘弁してくれ!ほ、ほら!アルが聞きたかったのは特訓のことだろ!?」

「・・・・・・・・・・・・特訓って何すんだよ。」



俺は耳を赤くしたまま、ピノの話を渋々聞くことにした。
前回炎の妖精フレアが焦がしたピノの尻に回復魔法を掛けてくれたのは、美人で有名な学校医のサマリー先生。
「サマリー先生の前で尻出す羽目になったんだぞ!」って半べそかいてたしな。勘弁してやろう。




そして俺は、ピノから聞いた話に愕然とした。


「・・・ピノ!こうなったら毒薬だ!毒薬作ろう!フィンリー・エバンズに飲ませようぜ!」

「ーーーっ、こんの・・・馬鹿タレがっ!」


そして、何故か頭を叩かれる羽目になった。
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