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番外編 パウロの話 11
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さっき日付が変わって、僕は16歳と1日を迎えた。
僕の左手の薬指には華奢でセンスのいい指輪がはめられている。
そして、僕の背後から湯船の中で腕を回し、僕の身体を支えてくれているハニルさんの指にも同じデザインの指輪がはめられていて、脱衣所に置かれたランプの光を反射して、キラリと輝いているように見えた。
ハニルさんの体力は化け物だった。
番になったセックスの後も、続け様に2回、そして休憩兼軽食、そしてもう3回。
最後、気絶するように倒れた僕を抱え、今お風呂で身体を綺麗に洗ってくれたのだ。初めて聞く鼻歌まで聞こえる。
僕の身体はすでに筋肉痛で、明日は・・・いや、もう日付変わったから今日なんだけど、きっと動けそうにない。
せっかくハニルさんが揃えてくれた家具を見て回りたかったし、サーシャさんに謝りにも行きたかった。
でも・・・無理だ。僕はもう動けない。引きこもりの体力を、過信してもらっては困る。ガラガラな声でハニルさんにそう訴えたが、ハニルさんはにっこり微笑んでキスするだけで、全然分かってないようだった。
「今度エッチするときは・・・・・・加減してくださいね。僕、早死にしたくないよ。ハニルさんと長生きするの。」
「俺が休みの日に体力づくりをしよう。そうすれば大丈夫だろ?俺は今まで我慢した分もパウロを隅々まで愛したいんだよ。」
「ええ・・・、そ、そんなふうに言われたら・・・何も文句言えない・・・じゃん・・・ずるい。」
「・・・・・・もう一回してい」
「だっっっめ!!さすがに今日はもう無理!!夜中なのにお腹も空いた!!・・・あとでホットミルク作ってね。・・・お揃いのコップあるんでしょ。一緒に飲もう?」
「・・・・・・はぁ、番になっても可愛さは増す一方なんだな・・・。キスはいいだろ?」
顔を覗き込むようにそう言われ、僕は赤い顔でこくり、小さく頷いた。その瞬間また深いキスをされたけど、ばしゃばしゃお湯の中で足を動かして抵抗した。ああ、足も腰も痛い。
ハニルさんはお風呂から上がって、甲斐甲斐しく僕の世話をしてくれて、榛色のソファに座り、一緒にホットミルクを飲んだ。
揃いのコップは少し僕には大きかったけど、ハニルさんにはちょうどいい大きさだった。
身体に合うコップの大きさだって違う。
僕は熱々のホットミルクが好きだけど、ハニルさんは温めが好きなんだって。
そんな小さなことさえも、知れて嬉しい。
一緒に住むってことは、そういう小さなことも、お互い知って、積み重ねていくことなんだ。
そんなことをハニルさんに話したら、またキスをされた。今度は軽い、ちゅ、ちゅ、という触れるだけのキスだった。
番になれない間、何度も何度もされたキスに、僕は思わず笑ってしまう。
ハニルさんも嬉しそうに笑っていて、僕は急に眠くなって来た。
寝室に抱っこで運ばれるといつの間にかシーツは綺麗になっていて、そこに僕は優しく降ろされた。
「おやすみ、ハニルさん。」
「おやすみ、パウロ。明日は2人で家の周りを散歩でもしよう。もちろん、俺が抱えてやるから安心しろ。」
「ふふっ、お願いね。僕一歩も歩けないから。」
「分かった分かった。全部任せてくれ。さあ、目を閉じるといい。俺の愛しい番様。」
「ん、ハニルさん、だいすき。やっと僕の番だ・・・」
そっと、優しく僕の頭を撫でるハニルさんの手は、ポカポカ温かい。
これからの僕たちの人生が、きっとそんな風にポカポカと、温かいものになっていくのだと、教えてくれるようだった。
番外編 パウロの話 おしまい
※パウロとハニルの話の方が、力が入ってしまい、番外編が長くなってしまいました。すみません。楽しんでいただけたら、幸いです。
僕の左手の薬指には華奢でセンスのいい指輪がはめられている。
そして、僕の背後から湯船の中で腕を回し、僕の身体を支えてくれているハニルさんの指にも同じデザインの指輪がはめられていて、脱衣所に置かれたランプの光を反射して、キラリと輝いているように見えた。
ハニルさんの体力は化け物だった。
番になったセックスの後も、続け様に2回、そして休憩兼軽食、そしてもう3回。
最後、気絶するように倒れた僕を抱え、今お風呂で身体を綺麗に洗ってくれたのだ。初めて聞く鼻歌まで聞こえる。
僕の身体はすでに筋肉痛で、明日は・・・いや、もう日付変わったから今日なんだけど、きっと動けそうにない。
せっかくハニルさんが揃えてくれた家具を見て回りたかったし、サーシャさんに謝りにも行きたかった。
でも・・・無理だ。僕はもう動けない。引きこもりの体力を、過信してもらっては困る。ガラガラな声でハニルさんにそう訴えたが、ハニルさんはにっこり微笑んでキスするだけで、全然分かってないようだった。
「今度エッチするときは・・・・・・加減してくださいね。僕、早死にしたくないよ。ハニルさんと長生きするの。」
「俺が休みの日に体力づくりをしよう。そうすれば大丈夫だろ?俺は今まで我慢した分もパウロを隅々まで愛したいんだよ。」
「ええ・・・、そ、そんなふうに言われたら・・・何も文句言えない・・・じゃん・・・ずるい。」
「・・・・・・もう一回してい」
「だっっっめ!!さすがに今日はもう無理!!夜中なのにお腹も空いた!!・・・あとでホットミルク作ってね。・・・お揃いのコップあるんでしょ。一緒に飲もう?」
「・・・・・・はぁ、番になっても可愛さは増す一方なんだな・・・。キスはいいだろ?」
顔を覗き込むようにそう言われ、僕は赤い顔でこくり、小さく頷いた。その瞬間また深いキスをされたけど、ばしゃばしゃお湯の中で足を動かして抵抗した。ああ、足も腰も痛い。
ハニルさんはお風呂から上がって、甲斐甲斐しく僕の世話をしてくれて、榛色のソファに座り、一緒にホットミルクを飲んだ。
揃いのコップは少し僕には大きかったけど、ハニルさんにはちょうどいい大きさだった。
身体に合うコップの大きさだって違う。
僕は熱々のホットミルクが好きだけど、ハニルさんは温めが好きなんだって。
そんな小さなことさえも、知れて嬉しい。
一緒に住むってことは、そういう小さなことも、お互い知って、積み重ねていくことなんだ。
そんなことをハニルさんに話したら、またキスをされた。今度は軽い、ちゅ、ちゅ、という触れるだけのキスだった。
番になれない間、何度も何度もされたキスに、僕は思わず笑ってしまう。
ハニルさんも嬉しそうに笑っていて、僕は急に眠くなって来た。
寝室に抱っこで運ばれるといつの間にかシーツは綺麗になっていて、そこに僕は優しく降ろされた。
「おやすみ、ハニルさん。」
「おやすみ、パウロ。明日は2人で家の周りを散歩でもしよう。もちろん、俺が抱えてやるから安心しろ。」
「ふふっ、お願いね。僕一歩も歩けないから。」
「分かった分かった。全部任せてくれ。さあ、目を閉じるといい。俺の愛しい番様。」
「ん、ハニルさん、だいすき。やっと僕の番だ・・・」
そっと、優しく僕の頭を撫でるハニルさんの手は、ポカポカ温かい。
これからの僕たちの人生が、きっとそんな風にポカポカと、温かいものになっていくのだと、教えてくれるようだった。
番外編 パウロの話 おしまい
※パウロとハニルの話の方が、力が入ってしまい、番外編が長くなってしまいました。すみません。楽しんでいただけたら、幸いです。
応援ありがとうございます!
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みんなの感想(2件)
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ほのぼのして心がくすぐられました。
ねむちゃん 様
わぁ〜!ご感想ありがとうございます!
嬉しい!!
ほのぼのしていただけて良かったです(*^^*)
兄弟揃って幸せに、と思いながら書きました。
めっちゃどストライクです!ありがとうございます!
今後の兄弟の生活も気になりました!
一つだけ気になった所があり
内容の説明のところなんですが、攻め×受けなので間違えて捉えちゃう方がいると思うので逆にした方がいいと思います!
紅月さま
拙い小説ですが、読んでくださりありがとうございました。
初、感想なんです!・・・めちゃめちゃ嬉しい(^^)
CP表記の件、早速訂正させていただきました。他の作品も全部反対だったので教えていただいて助かりました。
兄弟の今後!いいですね♪
考えるの楽しそう・・・!