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4 お祭り
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ジャガイモ、蜂蜜、今までリリースしていた魚介類。
それらを使った加工品なんかが広まり、他領や外国との商売にも役立った。
得たお金でいろいろなものが入ってくるようになったし、畑や加工工場なんかも増えてきた。
流出が止まらなかった人口も元に戻ってきたそうだ。
もうバルト領は食糧不足ではない。領主様がそう宣言したのを祝って、今日はお祭りさわぎとなっていた。
そこかしこで食べ物のいい匂いがしている。大人も子供もみんな楽しそう。
数年前、初めてここに来た時のちょっと寂れた様子はもうどこにもない。
それに、畏怖され気味だった領主様も慕われるようになってきていると思う。
食糧不足を解消した手腕のおかげか、食べ物が増えて顔色がよくなったことにより悪人面が緩和されたおかげか。
今日なんて、せっかくだからと私が眉毛を描いてあげたらただのイケオジになっちゃったし。
元々、容姿や態度が悪人寄りだっただけで、性根が悪人なわけではなかった。収穫禁止令は未熟な作物を刈り取ってしまうよりしっかり実らせてからの方が収穫量が増えるからだし、無許可での領外移動だって深刻な人口減少があったから致し方なく。
今はもうそんなこともしなくてよくなったから、領主様はただの凄腕領主となっている。
その証拠に、歩くだけでいろんな人から食べ物を差し出されている。領主様はまんざらでもない顔だ。
「何だ、その間抜けな顔は」
口の悪さは変わらない。
「これでも食ってろ」
「あ、おいしそう」
領主様がみんなから受け取った食べ物だ。特別うまくできたものや、おいしい部分が集まっている。
「悪食娘の分もとたくさん渡されたんだ。ほら」
領主様がフォークで刺したフライドポテトを差し出してくる。まさか私が領主様に「あーん」される日が来るとは……。
「ん。まだ揚げたてだ。おいしいです」
「よかったな」
みんな、どこの誰とも知れない私に親切にしてくれた人たちだ。
野垂れ死にすることなく今日まで生きてこられたのはここにいる人たちのおかげ。だから、みんながおいしいものをお腹いっぱい食べれるようになってよかったと思う。
「みんな楽しそうですねぇ」
夜を照らす光。楽器の音色に、伸びやかな歌声。手を取り踊る姿をぼーっと見ていたら、ふいにその視界が遮られた。
唇に柔らかいものが触れている。キスされてる、と気付いたら、領主様の顔が離れていった。
「お前は?」
「え?」
「お前はいつも、どこか遠くを見ているな」
それは、私だけがこの世界の人間ではないからかな。
勝手に疎外感を感じてしんみりしていたのがバレたのか。そして、慰めてもらっているのか。
「ふふ」
「そうやって阿呆みたいに笑っていればいいんだ」
私たちはもう一度キスをした。避けようと思えば避けられたけど、そうしなかった。
そして、二人でお祭りの会場から消えた。
それらを使った加工品なんかが広まり、他領や外国との商売にも役立った。
得たお金でいろいろなものが入ってくるようになったし、畑や加工工場なんかも増えてきた。
流出が止まらなかった人口も元に戻ってきたそうだ。
もうバルト領は食糧不足ではない。領主様がそう宣言したのを祝って、今日はお祭りさわぎとなっていた。
そこかしこで食べ物のいい匂いがしている。大人も子供もみんな楽しそう。
数年前、初めてここに来た時のちょっと寂れた様子はもうどこにもない。
それに、畏怖され気味だった領主様も慕われるようになってきていると思う。
食糧不足を解消した手腕のおかげか、食べ物が増えて顔色がよくなったことにより悪人面が緩和されたおかげか。
今日なんて、せっかくだからと私が眉毛を描いてあげたらただのイケオジになっちゃったし。
元々、容姿や態度が悪人寄りだっただけで、性根が悪人なわけではなかった。収穫禁止令は未熟な作物を刈り取ってしまうよりしっかり実らせてからの方が収穫量が増えるからだし、無許可での領外移動だって深刻な人口減少があったから致し方なく。
今はもうそんなこともしなくてよくなったから、領主様はただの凄腕領主となっている。
その証拠に、歩くだけでいろんな人から食べ物を差し出されている。領主様はまんざらでもない顔だ。
「何だ、その間抜けな顔は」
口の悪さは変わらない。
「これでも食ってろ」
「あ、おいしそう」
領主様がみんなから受け取った食べ物だ。特別うまくできたものや、おいしい部分が集まっている。
「悪食娘の分もとたくさん渡されたんだ。ほら」
領主様がフォークで刺したフライドポテトを差し出してくる。まさか私が領主様に「あーん」される日が来るとは……。
「ん。まだ揚げたてだ。おいしいです」
「よかったな」
みんな、どこの誰とも知れない私に親切にしてくれた人たちだ。
野垂れ死にすることなく今日まで生きてこられたのはここにいる人たちのおかげ。だから、みんながおいしいものをお腹いっぱい食べれるようになってよかったと思う。
「みんな楽しそうですねぇ」
夜を照らす光。楽器の音色に、伸びやかな歌声。手を取り踊る姿をぼーっと見ていたら、ふいにその視界が遮られた。
唇に柔らかいものが触れている。キスされてる、と気付いたら、領主様の顔が離れていった。
「お前は?」
「え?」
「お前はいつも、どこか遠くを見ているな」
それは、私だけがこの世界の人間ではないからかな。
勝手に疎外感を感じてしんみりしていたのがバレたのか。そして、慰めてもらっているのか。
「ふふ」
「そうやって阿呆みたいに笑っていればいいんだ」
私たちはもう一度キスをした。避けようと思えば避けられたけど、そうしなかった。
そして、二人でお祭りの会場から消えた。
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