華燭の城

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「しかし……」

 ラウは何かを言いかけたが、そのままよろりと立ち上がり、シュリの側まで足を引き攣った。
 滑車に掛けた手を、引き上げた時とは逆に回すと、シュリの体が徐々に下がってくる。
 そしてシュリが両膝を付いた頃、ガルシアはラウの手を止めさせた。

 ガルシアは自分の下半身の着衣を緩めながら悠然とシュリに近付くと、両腕をまだ天井から吊るされ膝立つシュリの前に仁王立つ。

「おい、誰が寝てよいと言った?
 ワシを満足させるのだ、起きろ」

 そう言うと顎をグイと持ち上げ、意識も朦朧とするシュリの口に、取り出した自らのモノを無理矢理に押し込んだ。

「……ンッ!! ……グッ……!!」

 その異様な感覚と苦しさに意識を取り戻す。
 自分の口に、男の生々しく猛ったモノが入っていた。

「ンンンッ……ンっっーーーーー!!」

 驚き、目を見開き、必死に顔を振り、逃れようとした。
 だが、ガルシアの大きな両手が頭を押さえ込み、離そうとはしない。

「ンッ……ンッッッンン…………!」

 それでも、口からそのモノを引き抜こうと暴れ、首を振り、ガシャガシャと鎖を鳴らした。
 その度に破れた皮膚は傷口を開き、床に鮮血を滴らせる。

「クソッ……!!  
 ……大人しく口を開けろ!! 歯を立てるな!!」

 ガルシアがシュリの髪を掴み、更にその喉奥へ圧し込もうと顔を引き上げた時だった。

ッ!!!!」
 ガルシアが吠え、その大きな体がシュリの前から数歩、後退った。

「この下手くそがっ!! 歯を立ておって!!」

 ガルシアがシュリの肩口に、握っていた鞭を思い切り振り下ろしていた。

「……ンァッ!!!」
 シュリの悲鳴が響いた。

 二度、三度……何度打ち据えても、ガルシアの怒りは収まらない。
 鞭を床に投げ捨て、緩めていた着衣のベルトのホルダーから護身用のナイフを引き抜いた。

「陛下! 何を……!」
「うるさい!」

 ガルシアは、咄嗟に叫んだラウを一喝すると、左手でシュリの顎を鷲掴む。
 両腕を吊るされたまま、肩で息をするシュリの顔をグイと上げさせ、薄く開いた瞳を睨みつけた。
 そのまま右手に持ったナイフをシュリの胸にグッと圧し付ける。
 鋭い刃先は、それだけでシュリの皮膚を裂き、胸に喰い込んだ。

「……ンッ!!」
 
 痛みでシュリの瞳が大きく開かれる。
 だがガルシアは、力を緩める事もなく、そのままの圧で、それを斜め上方に引き抜いた。

「……ングッァッ……!!」

 鞭で裂かれた皮膚の上に、更に深い傷が口を開けシュリが呻く。

「このワシに歯を立てた罰だ!」

 翻したナイフを再びシュリの体に圧し当てる。

「陛下!! お止め下さい!!
 今のシュリ様では……!
 今、どれほどの痛みを与えても、陛下にご満足いただくのは無理です!
 もう、お止め下さい!!」

 怒りで叫ぶガルシアに、ラウがすがるように跪き、その腕を押さえ込んだ。
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