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第四話
狛……兎???【四】
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んー、つまり、兎型の最新アンドロイド……ではなく、月読命の付き人で月の使者……あ! そうか! ピンと来たわ。
「ツクヨミノミコト様、月と夜の神様、月には兎がお餅をついてるように見えるとい俗説がありますものね。なるほど……」
いや、口に出すつもりはなかったのだが、つい言ってしまった。だって、とても洒落ていると思ったから。これは……失言、した、かも。
恐る恐る、目の前に仁王立ちしている兎を見やる。俯いて、フルフルとその小さな体を震わせている。あーこれは、申し訳ない別に茶化すつもりはなくて。早く謝罪しないと!
「あの……えっと、その……日比谷さん、御免なさい、別に茶化そうとした訳ではなくてですね……」
益々フルフルと小刻みに震えている。どうしよう? もしかして壊れた?
「あ、あの……」
「プッ、クフフフフッ……」
「え? あの……」
兎は耐え切れないと言うように吹き出し、腹を抱えてゲラゲラと笑い出した。
「フフフフッハハハハ……」
向かい側の粋蓮も再び笑い出す。何だかよく分からないけれど、不快な思いをされてないのならまぁ、いいか。
「……失礼、あなたがあまりにも可愛らしい反応を示すのでつい。昴、そろそろ話しを……」
粋蓮は笑い過ぎたのだろう、目尻の涙を右手で拭いながら軽くたしなめるように兎に言った。しかし、口が上手い。きっとこんな感じで接客に活かすのだろうけど。
「そうだな、そうしよう」
兎は彼の方に体を向けて頷くと、再度あたしに向き合った。あたしも姿勢を正して兎の目を見つめる。
「ま、さっき体長は26cmほど、とか言ったが。実際はもっとデカくて重いのゴロゴロしてるがな。それと、月に兎というのは、日本では定番となっているが、国が違えば例えるものも異なる。例えば、南ヨーロッパでは月には蟹が、北ヨーロッパでは読書する老女または水を担ぐ男女とかな」
……え? それが言いたかったの?
「……とまぁ、前置きは置いておいて、だ。俺は最新型アンドロイドでも何でもない。先程も言ったが、ツクヨミ様に付いて地上に来た。司法書士として人間界に身を置いている。今から一週間ほど、お前の占い実践に付き合ってやるぞ、有り難く思え」
そう言って、エヘンと咳払いをし、得意そうに腕組みをした。そんな仕草も、また可愛らしい。
「あ、はい。お願いします」
そう答えて頭を下げておく。この可愛らしい姿で占いに付き合われたら、その内頭を撫でて抱き潰してしまいそうだ。兎の姿のまま、どうやって業務をこなすのかとても興味深い。
「さてと、そしたら俺の、世を忍ぶ仮の姿とやらを披露してやるぞ!」
兎はニタリと笑うと……
「え?」
ポン! と、まるで狸の腹包みを思わせるような音と共に、瞬時にモクモクと白い煙に包まれた。
ふと、浦島太郎のラスト玉手箱を開けてしまったシーンが思い浮かんだ。
「ツクヨミノミコト様、月と夜の神様、月には兎がお餅をついてるように見えるとい俗説がありますものね。なるほど……」
いや、口に出すつもりはなかったのだが、つい言ってしまった。だって、とても洒落ていると思ったから。これは……失言、した、かも。
恐る恐る、目の前に仁王立ちしている兎を見やる。俯いて、フルフルとその小さな体を震わせている。あーこれは、申し訳ない別に茶化すつもりはなくて。早く謝罪しないと!
「あの……えっと、その……日比谷さん、御免なさい、別に茶化そうとした訳ではなくてですね……」
益々フルフルと小刻みに震えている。どうしよう? もしかして壊れた?
「あ、あの……」
「プッ、クフフフフッ……」
「え? あの……」
兎は耐え切れないと言うように吹き出し、腹を抱えてゲラゲラと笑い出した。
「フフフフッハハハハ……」
向かい側の粋蓮も再び笑い出す。何だかよく分からないけれど、不快な思いをされてないのならまぁ、いいか。
「……失礼、あなたがあまりにも可愛らしい反応を示すのでつい。昴、そろそろ話しを……」
粋蓮は笑い過ぎたのだろう、目尻の涙を右手で拭いながら軽くたしなめるように兎に言った。しかし、口が上手い。きっとこんな感じで接客に活かすのだろうけど。
「そうだな、そうしよう」
兎は彼の方に体を向けて頷くと、再度あたしに向き合った。あたしも姿勢を正して兎の目を見つめる。
「ま、さっき体長は26cmほど、とか言ったが。実際はもっとデカくて重いのゴロゴロしてるがな。それと、月に兎というのは、日本では定番となっているが、国が違えば例えるものも異なる。例えば、南ヨーロッパでは月には蟹が、北ヨーロッパでは読書する老女または水を担ぐ男女とかな」
……え? それが言いたかったの?
「……とまぁ、前置きは置いておいて、だ。俺は最新型アンドロイドでも何でもない。先程も言ったが、ツクヨミ様に付いて地上に来た。司法書士として人間界に身を置いている。今から一週間ほど、お前の占い実践に付き合ってやるぞ、有り難く思え」
そう言って、エヘンと咳払いをし、得意そうに腕組みをした。そんな仕草も、また可愛らしい。
「あ、はい。お願いします」
そう答えて頭を下げておく。この可愛らしい姿で占いに付き合われたら、その内頭を撫でて抱き潰してしまいそうだ。兎の姿のまま、どうやって業務をこなすのかとても興味深い。
「さてと、そしたら俺の、世を忍ぶ仮の姿とやらを披露してやるぞ!」
兎はニタリと笑うと……
「え?」
ポン! と、まるで狸の腹包みを思わせるような音と共に、瞬時にモクモクと白い煙に包まれた。
ふと、浦島太郎のラスト玉手箱を開けてしまったシーンが思い浮かんだ。
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