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マザー 2
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スイが偽造カードで買い物した分の代金を店に振り込み、1軒1軒メールして許しをもらい、着々とスイにとって住みやすい環境が整ってきた頃、施設から通信が入った。相手はタイキからで、授業とメンテはどうするのか?と言う内容だった。
もちろん授業をする理由がないから施設にはもう二度と足を踏み入れる事はないだろうが、改造人間のメンテとなると話は変わる。
そもそもメンテをしない事には稼ぎがない。
でも、その問題も解決済み。
施設とアジトの中間に位置している集落跡地に、まだ建物として充分に使える診療所を見付けたんだ。メンテはそこでする。
施設から診療所までの地図を送りつけてあるし、後は道具を持ってそこに行くだけ。
「ちょっと行って来るからなー」
治療室のドアを少し開け、中にいるスイに向かって声をかける。
「もう絶対に留守番させないんじゃなかったのかよ。俺も連れてけ」
中からはそんな声が聞こえてきた。
まだ動けもしないくせに言う事だけは一人前なのだが、声が聞けているだけでも俺は幸せだ。
「分かった。けどテントの中だぞ」
ボォっと俺を見上げて来るスイは、連れて行く事で満足したのかそのまま黙っている。
シートに包んだままスイを丁寧に車の後部座席に寝かせ、極力振動させないようにゆっくりと運転し、診療所の中に入ると何よりも先にテントを張った。
車に戻ってスイを抱き上げ、大量のドライアイスを詰め込んだテントの中に寝かせて入り口を閉めると、中から寒いとか暢気な声が聞こえた。
「アジトにいる時と一緒だって」
いや、どっちかと言うとアジトの治療室の方が気温は低い筈だ。
早くメンテナンスを終わらせて帰らないとな……。
数時間後、診療所に続々と改造人間がやって来て、忙しなくメンテナンスが始まった。
皆は部屋の中にあるテントを不思議そうに見ていたが、何も触れて来なかった。1人を除いて。
「あのテント、なんだよ」
最後まで診療所に残っていたのはタイキだ。
「なにって……助手だけど?」
メンテが始まってから一切声が聞こえて来ないから寝てるんだろうと思う。それともやっぱり他の改造人間がいる所では息を潜めてんのかな?
「……スイ?」
ん?
「他に誰が?」
リオン?
けど、リオンがマザーを停止させた時に死んだ事は知ってるんだよな?
「そうなんだけど……前にさ、ネット中継見てて……ちょっとだけスイ映ってたんだけど、それで思ったのは……その……」
タイキの悪い癖だ。
言い難い事でも伝えようとする姿勢は良い事だと思うんだけど、言葉を選び過ぎるから話が無駄に長くなる。
真面目な奴だからそれを言おうとしてメンテナンス時間中ズット悩んでたんだろうが、こっちにもあまり時間がない。
用意したドライアイスが尽きそうなんだ。
「スイを治療室に戻したいから、言葉が決まったら連絡くれ」
一旦話を打ち切ってテントを開けて中に入ると、テント内の温度は危険なレベルにまで上がっていた。
くそっ!急いで戻らないと!
「あ、その、悪い……次のメンテは……っ!?おい!!」
俺を追うようにテントの中に顔を入れてきたタイキは、テント内を見るや大声を上げた。
「んだよ。スグに戻らねーと……」
「しっかりしろ!」
スイを抱き上げて車に戻ろうとした俺をタイキは思いっきり殴ってきた。両腕が塞がっていた俺は避ける事が出来ずにタイキの攻撃を食らって診療所の床に叩きつけられる。そして、スグ隣で、グシャっと……なにかが壊れるような音。
「いってぇ、なにすんだよ!」
聞こえて来るのは機嫌悪そうなスイの声。きっと、今頃は物騒な表情で睨みを利かせている事だろう。
確認したいのに、俺の首はピクリとも動かない。
早く、冷やしてやらねーと……そうだ!早く冷やしてやんないと駄目なんだ!
「また連絡する、今日はもう帰るからな!」
立ち上がって隣に倒れているスイを抱き上げた所で腕に痛みが走った。きっとまた部品が飛び出してきて、それが俺の腕に刺さったんだろう。
待ってろよ、帰ったらスグに治してやるからな!
「良く見ろ!!良く見てくれよ……頼むから、しっかりしてくれよ……」
俺の腕を掴むタイキは泣き出し、頭を無理矢理下げさせてスイの方に向かせた。
良く見ろと言われなくても危険な状態である事は分かりきってる事、開いたままの目に目薬もさしてやんねーと駄目だし、それよりもまずは冷やして温度を下げないと……それに、飛び出た部品を修理してやんねーと。
「離せ。俺は早く帰……」
「ソイツはもう死んでる!!」
は?
なに言ってんだよ。
冗談にしては悪趣味過ぎる。そんな事を言う為だけに散々足止めしてたのか?そもそもスイはさっきも喋ってた。確かに体はまだ全然動かないけど、それでもちゃんと生きてる。
「ドクター、暑い」
スイの声がする。そうだな、ゴメン。
「暑いってんだろ?喋る死体なんかあるかよ、馬鹿馬鹿しい」
よし、次こそは何を言われようとも帰ろう。また殴りかかって来るようなら反撃してでも帰るんだ。
「誰が喋ってるって?」
鼻をすすりながらタイキは俺から視線を逸らさない。
「だから、スイが暑いって。聞こえなかったのかよ」
え?と信じられないモノを見るような目で俺を見るタイキの顔色は悪い。
「何も聞こえねぇよ!いいか?死体は喋らない!」
でしょうね!なにを分かりきった事を怒鳴ってんだよこいつは!
「スイ、もう1回喋ってやれよ、アホって言ってやれアホって」
良いのか?と前置きしたスイは遠慮なくタイキに向かってアホと連呼し始めた。なのに目の前にいるタイキはスイではなく俺を真っ直ぐに見てくるだけだ。
聞こえない振りをしているのか?
いや、タイキは嘘を付くのが苦手でスグに顔に出るタイプだ。
なら本当に聞こえてない?
そんな馬鹿な話しがあってたまるか。スイはこんなにもハッキリとアホと言ってるじゃないか。
「……見ろよ、こいつの口、動いてるか?」
え?
タイキから目を逸らして抱き上げているスイの顔を見ると、ボォっと目を開けたまま無表情のスイがいた。確かにアホと聞こえて来るのに、その口は……動いていない。
「なぁ!コレでも聞こえてくるのかよ!?」
そう怒鳴りながら俺の耳を手で塞いでくるタイキ。
怒鳴っている最中に塞いで来るから、途中から声はかなり小さく聞こえた。なのに、スイのアホと言う声だけはハッキリと聞こえている。
耳から……聞こえていない?
どうなって……?なに?なんだよ、コレ……なんなんだよ……。
訳が分からない。
何が起きてる?
スイ、スイ?
「……俺を見ろよ……」
視線を落として呟くが、スイの眼球は少しも動かない。
「ちゃんと口動かして喋れって……」
口が動く事もない。
どうなってんだよ……。
「コイツは死んでるんだ!」
答えを無理矢理にねじ込まれた。
けど、もしそうだとしたらこの聞こえる声はなんだ?
ちゃんとスイの声をしてるこれは、なんなんだよ!
モタモタしている間にスイの温度が上がり、少しずつスイの体が俺の腕からズレ墜ちていく。普通ならばありえない程背骨が反り返っていく。
コイツは死んでいる。
スイが死んでいる?
スイは……スイが、スイがいなくなった?
受け入れ難い現実が目の前にある。
その余りの恐ろしさに俺はそのまま診療所を飛び出すと車を走らせていた。助手席にはスイ。
「何処行くんだ?」
確かに聞こえて来る声。
それなのにスイの口は少しも動いていないし、車の振動に耐え切れずに椅子からズレ落ちて助手席の足元に入り込んでしまった。それでもまるで耳元で話しかけられているかのようにハッキリと聞こえる声。
改造人間の脳には、教えられた事を即座に覚えられるようにメモリーが組み込まれている。普通ならそれは戦闘技術とかなんだろうが、俺の場合は改造人間の仕組みについての膨大なデータが入っている。それとは別に、スイの声も入ってたんだな……それを無意識に再生する事でスイがいなくなった現実を拒否し続けていたんだ。
「な、何処に行くんだよ」
楽しげな声に目を閉じると、脳裏に満面の笑顔のスイが見えた。
「お前んトコ」
車のアクセルを最大まで踏み込み正面に見えるビルの残骸にぶつかる予定だ。シートベルトもしてないし、衝突の衝撃でフロントガラスに頭から突っ込んで外に放り出されるだろう。
頭部を激しく損傷していれば俺の遺体からデータを取られる心配もないし、万が一にも生き残る可能性もない。
「怖い?」
「いいや」
「俺は怖い……手ぇ、繋いでくれる?」
そう言われて助手席の下に手を伸ばして手を掴んでみると、完全に解凍されてしまっていたスイの体からズルリと皮膚が剥がれてしまった。
歪な肉の塊、これがスイの手なんだ。
「次、もし生まれ変われたらカメになろうな」
「えぇ!?普通そこは鳥とか猫じゃねーの?」
「長く一緒にいるには長生き出来るモンじゃねーと駄目だろ」
「じゃあ、人間で良いんじゃないかな?」
「人間か……」
「あ、そうだ。待ち合わせ場所きめとこっか、どこが良い?」
「マザーの前?」
「難易度高っ!」
聞こえて来るスイの笑い声と、スグそこにまで迫ったビルの壁。もうなにも感じる事はない……それなのに急に心がざわつき始めた。
何か忘れている?
何か……。
あぁ、そうだった。
「START UP A MOTHER」
スイを殺した連中に、俺からのささやかなプレゼントだ。
……キュィィィィ……。
ビルにぶつかる瞬間、マザーの鼓動が聞こえた。
もちろん授業をする理由がないから施設にはもう二度と足を踏み入れる事はないだろうが、改造人間のメンテとなると話は変わる。
そもそもメンテをしない事には稼ぎがない。
でも、その問題も解決済み。
施設とアジトの中間に位置している集落跡地に、まだ建物として充分に使える診療所を見付けたんだ。メンテはそこでする。
施設から診療所までの地図を送りつけてあるし、後は道具を持ってそこに行くだけ。
「ちょっと行って来るからなー」
治療室のドアを少し開け、中にいるスイに向かって声をかける。
「もう絶対に留守番させないんじゃなかったのかよ。俺も連れてけ」
中からはそんな声が聞こえてきた。
まだ動けもしないくせに言う事だけは一人前なのだが、声が聞けているだけでも俺は幸せだ。
「分かった。けどテントの中だぞ」
ボォっと俺を見上げて来るスイは、連れて行く事で満足したのかそのまま黙っている。
シートに包んだままスイを丁寧に車の後部座席に寝かせ、極力振動させないようにゆっくりと運転し、診療所の中に入ると何よりも先にテントを張った。
車に戻ってスイを抱き上げ、大量のドライアイスを詰め込んだテントの中に寝かせて入り口を閉めると、中から寒いとか暢気な声が聞こえた。
「アジトにいる時と一緒だって」
いや、どっちかと言うとアジトの治療室の方が気温は低い筈だ。
早くメンテナンスを終わらせて帰らないとな……。
数時間後、診療所に続々と改造人間がやって来て、忙しなくメンテナンスが始まった。
皆は部屋の中にあるテントを不思議そうに見ていたが、何も触れて来なかった。1人を除いて。
「あのテント、なんだよ」
最後まで診療所に残っていたのはタイキだ。
「なにって……助手だけど?」
メンテが始まってから一切声が聞こえて来ないから寝てるんだろうと思う。それともやっぱり他の改造人間がいる所では息を潜めてんのかな?
「……スイ?」
ん?
「他に誰が?」
リオン?
けど、リオンがマザーを停止させた時に死んだ事は知ってるんだよな?
「そうなんだけど……前にさ、ネット中継見てて……ちょっとだけスイ映ってたんだけど、それで思ったのは……その……」
タイキの悪い癖だ。
言い難い事でも伝えようとする姿勢は良い事だと思うんだけど、言葉を選び過ぎるから話が無駄に長くなる。
真面目な奴だからそれを言おうとしてメンテナンス時間中ズット悩んでたんだろうが、こっちにもあまり時間がない。
用意したドライアイスが尽きそうなんだ。
「スイを治療室に戻したいから、言葉が決まったら連絡くれ」
一旦話を打ち切ってテントを開けて中に入ると、テント内の温度は危険なレベルにまで上がっていた。
くそっ!急いで戻らないと!
「あ、その、悪い……次のメンテは……っ!?おい!!」
俺を追うようにテントの中に顔を入れてきたタイキは、テント内を見るや大声を上げた。
「んだよ。スグに戻らねーと……」
「しっかりしろ!」
スイを抱き上げて車に戻ろうとした俺をタイキは思いっきり殴ってきた。両腕が塞がっていた俺は避ける事が出来ずにタイキの攻撃を食らって診療所の床に叩きつけられる。そして、スグ隣で、グシャっと……なにかが壊れるような音。
「いってぇ、なにすんだよ!」
聞こえて来るのは機嫌悪そうなスイの声。きっと、今頃は物騒な表情で睨みを利かせている事だろう。
確認したいのに、俺の首はピクリとも動かない。
早く、冷やしてやらねーと……そうだ!早く冷やしてやんないと駄目なんだ!
「また連絡する、今日はもう帰るからな!」
立ち上がって隣に倒れているスイを抱き上げた所で腕に痛みが走った。きっとまた部品が飛び出してきて、それが俺の腕に刺さったんだろう。
待ってろよ、帰ったらスグに治してやるからな!
「良く見ろ!!良く見てくれよ……頼むから、しっかりしてくれよ……」
俺の腕を掴むタイキは泣き出し、頭を無理矢理下げさせてスイの方に向かせた。
良く見ろと言われなくても危険な状態である事は分かりきってる事、開いたままの目に目薬もさしてやんねーと駄目だし、それよりもまずは冷やして温度を下げないと……それに、飛び出た部品を修理してやんねーと。
「離せ。俺は早く帰……」
「ソイツはもう死んでる!!」
は?
なに言ってんだよ。
冗談にしては悪趣味過ぎる。そんな事を言う為だけに散々足止めしてたのか?そもそもスイはさっきも喋ってた。確かに体はまだ全然動かないけど、それでもちゃんと生きてる。
「ドクター、暑い」
スイの声がする。そうだな、ゴメン。
「暑いってんだろ?喋る死体なんかあるかよ、馬鹿馬鹿しい」
よし、次こそは何を言われようとも帰ろう。また殴りかかって来るようなら反撃してでも帰るんだ。
「誰が喋ってるって?」
鼻をすすりながらタイキは俺から視線を逸らさない。
「だから、スイが暑いって。聞こえなかったのかよ」
え?と信じられないモノを見るような目で俺を見るタイキの顔色は悪い。
「何も聞こえねぇよ!いいか?死体は喋らない!」
でしょうね!なにを分かりきった事を怒鳴ってんだよこいつは!
「スイ、もう1回喋ってやれよ、アホって言ってやれアホって」
良いのか?と前置きしたスイは遠慮なくタイキに向かってアホと連呼し始めた。なのに目の前にいるタイキはスイではなく俺を真っ直ぐに見てくるだけだ。
聞こえない振りをしているのか?
いや、タイキは嘘を付くのが苦手でスグに顔に出るタイプだ。
なら本当に聞こえてない?
そんな馬鹿な話しがあってたまるか。スイはこんなにもハッキリとアホと言ってるじゃないか。
「……見ろよ、こいつの口、動いてるか?」
え?
タイキから目を逸らして抱き上げているスイの顔を見ると、ボォっと目を開けたまま無表情のスイがいた。確かにアホと聞こえて来るのに、その口は……動いていない。
「なぁ!コレでも聞こえてくるのかよ!?」
そう怒鳴りながら俺の耳を手で塞いでくるタイキ。
怒鳴っている最中に塞いで来るから、途中から声はかなり小さく聞こえた。なのに、スイのアホと言う声だけはハッキリと聞こえている。
耳から……聞こえていない?
どうなって……?なに?なんだよ、コレ……なんなんだよ……。
訳が分からない。
何が起きてる?
スイ、スイ?
「……俺を見ろよ……」
視線を落として呟くが、スイの眼球は少しも動かない。
「ちゃんと口動かして喋れって……」
口が動く事もない。
どうなってんだよ……。
「コイツは死んでるんだ!」
答えを無理矢理にねじ込まれた。
けど、もしそうだとしたらこの聞こえる声はなんだ?
ちゃんとスイの声をしてるこれは、なんなんだよ!
モタモタしている間にスイの温度が上がり、少しずつスイの体が俺の腕からズレ墜ちていく。普通ならばありえない程背骨が反り返っていく。
コイツは死んでいる。
スイが死んでいる?
スイは……スイが、スイがいなくなった?
受け入れ難い現実が目の前にある。
その余りの恐ろしさに俺はそのまま診療所を飛び出すと車を走らせていた。助手席にはスイ。
「何処行くんだ?」
確かに聞こえて来る声。
それなのにスイの口は少しも動いていないし、車の振動に耐え切れずに椅子からズレ落ちて助手席の足元に入り込んでしまった。それでもまるで耳元で話しかけられているかのようにハッキリと聞こえる声。
改造人間の脳には、教えられた事を即座に覚えられるようにメモリーが組み込まれている。普通ならそれは戦闘技術とかなんだろうが、俺の場合は改造人間の仕組みについての膨大なデータが入っている。それとは別に、スイの声も入ってたんだな……それを無意識に再生する事でスイがいなくなった現実を拒否し続けていたんだ。
「な、何処に行くんだよ」
楽しげな声に目を閉じると、脳裏に満面の笑顔のスイが見えた。
「お前んトコ」
車のアクセルを最大まで踏み込み正面に見えるビルの残骸にぶつかる予定だ。シートベルトもしてないし、衝突の衝撃でフロントガラスに頭から突っ込んで外に放り出されるだろう。
頭部を激しく損傷していれば俺の遺体からデータを取られる心配もないし、万が一にも生き残る可能性もない。
「怖い?」
「いいや」
「俺は怖い……手ぇ、繋いでくれる?」
そう言われて助手席の下に手を伸ばして手を掴んでみると、完全に解凍されてしまっていたスイの体からズルリと皮膚が剥がれてしまった。
歪な肉の塊、これがスイの手なんだ。
「次、もし生まれ変われたらカメになろうな」
「えぇ!?普通そこは鳥とか猫じゃねーの?」
「長く一緒にいるには長生き出来るモンじゃねーと駄目だろ」
「じゃあ、人間で良いんじゃないかな?」
「人間か……」
「あ、そうだ。待ち合わせ場所きめとこっか、どこが良い?」
「マザーの前?」
「難易度高っ!」
聞こえて来るスイの笑い声と、スグそこにまで迫ったビルの壁。もうなにも感じる事はない……それなのに急に心がざわつき始めた。
何か忘れている?
何か……。
あぁ、そうだった。
「START UP A MOTHER」
スイを殺した連中に、俺からのささやかなプレゼントだ。
……キュィィィィ……。
ビルにぶつかる瞬間、マザーの鼓動が聞こえた。
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細かいことを言って申し訳ないのですが、生きている人間を半分だけ機械にしたというなら、それは人造人間(アンドロイド)ではなくて、改造人間(サイボーグ)ですよ。
人造人間(アンドロイド)は人間に似せて作ったロボットのことであって、生きている人間を改造したものではありません。
津嶋朋靖さん コメントありがとうございます!
細かい所を教えてくださり 本当にありがとうございます!
アンドロイドとサイボーグを 同一のものと勘違いしておりました。
題名も変更しなければ!
これ以上恥をかいてしまう前に教えてくださり 感謝しております!
タイキとルルが人造人間でありながらも人間らしい温かみがあって、切なくも優しい気持ちにさせてくれるお話でした。続きを読みたくなりますが、この終わり方も余韻が残っていいですね♪
霜月透子さん コメントありがとうございます!
気が付くのが物凄く遅くなってしまい申し訳ありません!
なんと 続きを書き出しております……。