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2. 目が覚めて、異世界
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あー、なんか頭のあたりがほやぼやする。
一体俺は何をしてたんだっけ?
ああそうか、異世界転生しようと思って儀式を行って、そんで一ヶ月ぶりに絶頂して、そこで意識を失ったのか。
ったく、気持ちよくなりすぎて気を失うって……最高かよ!?
やっぱ男なら腹上死に憧れるよなあ、まあ俺の場合は相手は右手だったわけだが。
で、ここどこよ?
なんか周りが暗くてよく見えないけど、俺の部屋……じゃあないよな。
本棚もパソコンもベッドも何もないし。
というか何もないな、うん。
え、もしかして本当に死んだ系?
それにしては意識がはっきりしてるけど、死後の世界ってこんな感じなの?
あんまり何もないと有名な究極生命体の最期よろしく、考えるのをやめるしかなくなるんだが。
よし、こういうときは何ができるかチェックだ。
ひょっとしたら本当に異世界に来ちまったかもしれないからな。
まずは、呼吸。
いくら真っ暗で何も見えないからって、自分の体のことくらい、意識すればはっきり感じ取れるはずだ。
大きく吸って、せーの――。
はい、息、吸えません!
うん、こりゃあれだね。完全に死んでるね。もうぽっくり。どういうわけか知らないけど、死んだ状態で意識を保っちゃってる。
これはひょっとすると、ひょっとするとなのか? 展開的にはお決まりのやつがくるんじゃないのか?
神さま的なご都合存在が「やあ、おめでとう! 君は死んじゃったんだ!」みたいな感じでフランクに話しかけてくる。当然普通の人間なら驚いたり困惑したりするんだけど、俺はすっごい冷静に受け止めちゃう。
すると「あれ? 思ったより動揺してないね?」なんて感じで神さまに感心されたりして、気に入られて最終的にはいつもより多めのチート特典を貰える……。
………………って、来ねえじゃねえか!
真っ暗。もうね、ずっと真っ暗なの。
今さ、暇すぎて羊を千二十四匹まで数えたんですよ。途中から羊以外にもスライムとかキマイラとかコカトリスとか色々出てきたけどさ。
何も変化が訪れない。
マジでどうなってんの?
うーん。
仕方ない、他にも何か出来ることがないか試してみよう。
どうせ失うものなんて何もないしな!
まずは集中。
肉体は感じられないけど、こうして考えることができるんだから意識の核とでも呼べるものが何処かにあるはずだ。
それを、認識し、象る。
……ん、これ、か……?
認識したそれは、俺の知能レベルではとても言葉にできるような代物ではなかった。
いや、一言で表すならそれは間違いなく魂なのだが、なんだろう。熱くて、冷たくて、硬くて、柔らかい。他にもありとあらゆる状態が重ね合わさったような奇妙な存在だった。
これは果たして本当に普通、なのだろうか……?
ま、いいか。
今分からないことはとりあえず後回し! とにかく、俺が魂だけの存在になったということが分かった。それだけで十分だ。
さて、次に、だ。
自分が魂だと認識したことで、状態が定着したのかもしれない。
さっきまでの真っ暗なだけの知覚情報に変化が訪れた。
目がないから、見えているわけじゃない。耳がないから、聞こえているわけじゃない。肌がないから、触れられているわけでもない。
けれど魂としての俺は、今いる空間の揺らぎそのものを知覚していた。
……うっわぁ、これ、間違いなく日本じゃねぇ。っていうか地球ですらねえ。
なんでわかるかって?
そりゃ決まってるさ。
――空間が魔力で満ちているんだもの。
そう、魔力だ。ファンタジー世界特有の、例のアレ。
何故これが魔力だと言い切れるのかと問われれば、俺は答えに困ってしまう。
ただ、今の状態の俺にはこれが魔力だって、はっきり断言できるんだ。
つまり、だ。
どうやら俺は本当に、異世界に転生しちまったらしい。
ははは、まじか。まじかー。マジかぁ……。
思わず生乾きの笑い声が出る。
もちろん声が本当に出たわけじゃない。そんな気持ちになってるってだけだ。
だってさ、ねぇ?
そりゃ異世界に来れたのは嬉しいよ? 前世の記憶があるから、ここがどれくらいの文明を築いている世界だとしても、そこそこ活躍できるだろうし。
でも、さ。ほら、わかるよね?
俺……魂だよ!?
魂だけでどうやって無双すればいいのさ? どうやって「ははは、また俺なんかやっちゃいました?」ってすっとぼけた顔すればいいのさ? どうやって女の子からモテモテになれば良いのさ?
どう考えても無理ゲー。初手詰みってやつです。はい。
あーぁ、なんか盛り上がって損したなー。
なんてぼんやり物思いにふけっていると、それは突然やってきた。
空間に満ちていた魔力の波が、激しく揺らいだのである。
……まさか、イベント発生!?
一体俺は何をしてたんだっけ?
ああそうか、異世界転生しようと思って儀式を行って、そんで一ヶ月ぶりに絶頂して、そこで意識を失ったのか。
ったく、気持ちよくなりすぎて気を失うって……最高かよ!?
やっぱ男なら腹上死に憧れるよなあ、まあ俺の場合は相手は右手だったわけだが。
で、ここどこよ?
なんか周りが暗くてよく見えないけど、俺の部屋……じゃあないよな。
本棚もパソコンもベッドも何もないし。
というか何もないな、うん。
え、もしかして本当に死んだ系?
それにしては意識がはっきりしてるけど、死後の世界ってこんな感じなの?
あんまり何もないと有名な究極生命体の最期よろしく、考えるのをやめるしかなくなるんだが。
よし、こういうときは何ができるかチェックだ。
ひょっとしたら本当に異世界に来ちまったかもしれないからな。
まずは、呼吸。
いくら真っ暗で何も見えないからって、自分の体のことくらい、意識すればはっきり感じ取れるはずだ。
大きく吸って、せーの――。
はい、息、吸えません!
うん、こりゃあれだね。完全に死んでるね。もうぽっくり。どういうわけか知らないけど、死んだ状態で意識を保っちゃってる。
これはひょっとすると、ひょっとするとなのか? 展開的にはお決まりのやつがくるんじゃないのか?
神さま的なご都合存在が「やあ、おめでとう! 君は死んじゃったんだ!」みたいな感じでフランクに話しかけてくる。当然普通の人間なら驚いたり困惑したりするんだけど、俺はすっごい冷静に受け止めちゃう。
すると「あれ? 思ったより動揺してないね?」なんて感じで神さまに感心されたりして、気に入られて最終的にはいつもより多めのチート特典を貰える……。
………………って、来ねえじゃねえか!
真っ暗。もうね、ずっと真っ暗なの。
今さ、暇すぎて羊を千二十四匹まで数えたんですよ。途中から羊以外にもスライムとかキマイラとかコカトリスとか色々出てきたけどさ。
何も変化が訪れない。
マジでどうなってんの?
うーん。
仕方ない、他にも何か出来ることがないか試してみよう。
どうせ失うものなんて何もないしな!
まずは集中。
肉体は感じられないけど、こうして考えることができるんだから意識の核とでも呼べるものが何処かにあるはずだ。
それを、認識し、象る。
……ん、これ、か……?
認識したそれは、俺の知能レベルではとても言葉にできるような代物ではなかった。
いや、一言で表すならそれは間違いなく魂なのだが、なんだろう。熱くて、冷たくて、硬くて、柔らかい。他にもありとあらゆる状態が重ね合わさったような奇妙な存在だった。
これは果たして本当に普通、なのだろうか……?
ま、いいか。
今分からないことはとりあえず後回し! とにかく、俺が魂だけの存在になったということが分かった。それだけで十分だ。
さて、次に、だ。
自分が魂だと認識したことで、状態が定着したのかもしれない。
さっきまでの真っ暗なだけの知覚情報に変化が訪れた。
目がないから、見えているわけじゃない。耳がないから、聞こえているわけじゃない。肌がないから、触れられているわけでもない。
けれど魂としての俺は、今いる空間の揺らぎそのものを知覚していた。
……うっわぁ、これ、間違いなく日本じゃねぇ。っていうか地球ですらねえ。
なんでわかるかって?
そりゃ決まってるさ。
――空間が魔力で満ちているんだもの。
そう、魔力だ。ファンタジー世界特有の、例のアレ。
何故これが魔力だと言い切れるのかと問われれば、俺は答えに困ってしまう。
ただ、今の状態の俺にはこれが魔力だって、はっきり断言できるんだ。
つまり、だ。
どうやら俺は本当に、異世界に転生しちまったらしい。
ははは、まじか。まじかー。マジかぁ……。
思わず生乾きの笑い声が出る。
もちろん声が本当に出たわけじゃない。そんな気持ちになってるってだけだ。
だってさ、ねぇ?
そりゃ異世界に来れたのは嬉しいよ? 前世の記憶があるから、ここがどれくらいの文明を築いている世界だとしても、そこそこ活躍できるだろうし。
でも、さ。ほら、わかるよね?
俺……魂だよ!?
魂だけでどうやって無双すればいいのさ? どうやって「ははは、また俺なんかやっちゃいました?」ってすっとぼけた顔すればいいのさ? どうやって女の子からモテモテになれば良いのさ?
どう考えても無理ゲー。初手詰みってやつです。はい。
あーぁ、なんか盛り上がって損したなー。
なんてぼんやり物思いにふけっていると、それは突然やってきた。
空間に満ちていた魔力の波が、激しく揺らいだのである。
……まさか、イベント発生!?
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