29 / 33
1章『自分の姿決め編』
『結果』
しおりを挟む
闇に包まれた世界。
正確には闇が放つ黒い光で塗り潰された世界と言うべきか。
『狂想曲第一番『天罰』』
かつて俺が夢見、諦めた日常を取り返す為、自分で自分を断罪出来たら・・・そんな風に思って紡いだ詩の数々。
その詠唱とも伴奏とも楽譜とも歌詞とも言える楽曲は、約1ヶ月の暇を使って考えたものであり、しかし自らを罰するものであった。
「『終焉』!!!!」
そう言った瞬間、黒い光は消え去り、後に残るは虚無感だけである。
その瞬間に、全ての生き物が生命を再開し、困惑しながらも自らが震える程の歓喜に打ち震えていた。
「ふぅ・・・さすがに魔力の十分の九はキツイなぁ」
意図的に起こした召喚の暴発を全て魔力に変換しながら『それ』を召喚したのだ。流石になんというか、こちからしたら『オーバーキル』も鼻で笑えてくるくらいやりすぎなのだが・・・
「はい、審査員さん、僕は何点でしょうか?」
「・・・ひゅへぇ?」
おいおい、どうしたよ。そんなにやばかったか?今の。ただ俺が自殺紛いのことが出来たらやろうと思ってた事を初めて使っただけなのに。
ちなみに、あの時召喚したのは『闇』だけ。
概念を召喚したから、力の元は無い。
単純に俺の魔力だけだ。
「大丈夫か?ヒールでも掛けようか?」
歌に載せて、そう言うと、周りの冒険者が一斉に首を横に振り、立ち上がってそそくさと帰っていった。
審査員?は受付に戻っていた。
あ~魔力足りなくてだるいからかーえろーと。
──sideとある強者──
なんだ・・・!何なんだよ今のは!!突然魔力が爆発的に増えたと思ったら世界が闇に染まったぞ!
「師匠・・・今のは・・・」
「うむ、明らかに人外以上の化け物。もしくは深淵を起こしたかの?」
青髪青眼の青年に、白髪長髭の老人は目を開かずに受け答えをする。
「いや、今のは深淵よりもタチが悪いのぉ・・・あの野心の化け物ではなく、知性の化け物ときた・・・この世界オワタの」
やけにキャラが濃い白髪の老人、そのそばに立つ『野生』は、その顔に影を落とし、自分の中の恐怖に喜びを感じていた。
(クックック・・・俺はこれからも強くなるらしいな・・・)
「しかしまぁ、俺がそこまで行くまでに死ぬなよ?」
そうして男は、自分の手を固く握りしめ、喜びにうち震えるのであった。
──side魔王と呼ばれし強者──
ふむ、久々に起きてみれば面白いことが起こっているではないか。
「おい、キャスタルは居らぬか?」
「はっ、ここに居ります、マイロード」
陰に隠れて見えない容姿、その声は悪魔のそれで、力無きものは一瞬よりも早く、その命を散らしていただろう。
「今の魔力の身元は誰だ」
「・・・恐らく・・・『闇』であるかと・・・」
それを聞いて、魔王は堪えきれなくなった笑い声を上げた。
「く、くは、クハハハハハハ!!そうか!深淵の更に上か!面白い!我が直々に潰してやろう!」
さぁ、我の元へ来い。
その陰には、四つの真っ赤な目が浮かんでいた。
──side作者──
今、『どさくさに紛れて何書いてんだ』と思った人。
素直に謝るので許して下さい。
さてさて、ようやく第1章も一区切り、と言ってもまぁ、ギルドに登録しただけですが・・・
ちょっと遅いですかね?心配になります。
次と次は閑話ですので、何か至らない点があればご指摘ください。
次回の閑話はなんと!とんでもなく不幸な凡人の物語です!
お楽しみに~
正確には闇が放つ黒い光で塗り潰された世界と言うべきか。
『狂想曲第一番『天罰』』
かつて俺が夢見、諦めた日常を取り返す為、自分で自分を断罪出来たら・・・そんな風に思って紡いだ詩の数々。
その詠唱とも伴奏とも楽譜とも歌詞とも言える楽曲は、約1ヶ月の暇を使って考えたものであり、しかし自らを罰するものであった。
「『終焉』!!!!」
そう言った瞬間、黒い光は消え去り、後に残るは虚無感だけである。
その瞬間に、全ての生き物が生命を再開し、困惑しながらも自らが震える程の歓喜に打ち震えていた。
「ふぅ・・・さすがに魔力の十分の九はキツイなぁ」
意図的に起こした召喚の暴発を全て魔力に変換しながら『それ』を召喚したのだ。流石になんというか、こちからしたら『オーバーキル』も鼻で笑えてくるくらいやりすぎなのだが・・・
「はい、審査員さん、僕は何点でしょうか?」
「・・・ひゅへぇ?」
おいおい、どうしたよ。そんなにやばかったか?今の。ただ俺が自殺紛いのことが出来たらやろうと思ってた事を初めて使っただけなのに。
ちなみに、あの時召喚したのは『闇』だけ。
概念を召喚したから、力の元は無い。
単純に俺の魔力だけだ。
「大丈夫か?ヒールでも掛けようか?」
歌に載せて、そう言うと、周りの冒険者が一斉に首を横に振り、立ち上がってそそくさと帰っていった。
審査員?は受付に戻っていた。
あ~魔力足りなくてだるいからかーえろーと。
──sideとある強者──
なんだ・・・!何なんだよ今のは!!突然魔力が爆発的に増えたと思ったら世界が闇に染まったぞ!
「師匠・・・今のは・・・」
「うむ、明らかに人外以上の化け物。もしくは深淵を起こしたかの?」
青髪青眼の青年に、白髪長髭の老人は目を開かずに受け答えをする。
「いや、今のは深淵よりもタチが悪いのぉ・・・あの野心の化け物ではなく、知性の化け物ときた・・・この世界オワタの」
やけにキャラが濃い白髪の老人、そのそばに立つ『野生』は、その顔に影を落とし、自分の中の恐怖に喜びを感じていた。
(クックック・・・俺はこれからも強くなるらしいな・・・)
「しかしまぁ、俺がそこまで行くまでに死ぬなよ?」
そうして男は、自分の手を固く握りしめ、喜びにうち震えるのであった。
──side魔王と呼ばれし強者──
ふむ、久々に起きてみれば面白いことが起こっているではないか。
「おい、キャスタルは居らぬか?」
「はっ、ここに居ります、マイロード」
陰に隠れて見えない容姿、その声は悪魔のそれで、力無きものは一瞬よりも早く、その命を散らしていただろう。
「今の魔力の身元は誰だ」
「・・・恐らく・・・『闇』であるかと・・・」
それを聞いて、魔王は堪えきれなくなった笑い声を上げた。
「く、くは、クハハハハハハ!!そうか!深淵の更に上か!面白い!我が直々に潰してやろう!」
さぁ、我の元へ来い。
その陰には、四つの真っ赤な目が浮かんでいた。
──side作者──
今、『どさくさに紛れて何書いてんだ』と思った人。
素直に謝るので許して下さい。
さてさて、ようやく第1章も一区切り、と言ってもまぁ、ギルドに登録しただけですが・・・
ちょっと遅いですかね?心配になります。
次と次は閑話ですので、何か至らない点があればご指摘ください。
次回の閑話はなんと!とんでもなく不幸な凡人の物語です!
お楽しみに~
0
あなたにおすすめの小説
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
悪役令嬢の父は売られた喧嘩は徹底的に買うことにした
まるまる⭐️
ファンタジー
【第5回ファンタジーカップにおきまして痛快大逆転賞を頂戴いたしました。応援頂き、本当にありがとうございました】「アルテミス! 其方の様な性根の腐った女はこの私に相応しくない!! よって其方との婚約は、今、この場を持って破棄する!!」
王立学園の卒業生達を祝うための祝賀パーティー。娘の晴れ姿を1目見ようと久しぶりに王都に赴いたワシは、公衆の面前で王太子に婚約破棄される愛する娘の姿を見て愕然とした。
大事な娘を守ろうと飛び出したワシは、王太子と対峙するうちに、この婚約破棄の裏に隠れた黒幕の存在に気が付く。
おのれ。ワシの可愛いアルテミスちゃんの今までの血の滲む様な努力を台無しにしおって……。
ワシの怒りに火がついた。
ところが反撃しようとその黒幕を探るうち、その奥には陰謀と更なる黒幕の存在が……。
乗り掛かった船。ここでやめては男が廃る。売られた喧嘩は徹底的に買おうではないか!!
※※ ファンタジーカップ、折角のお祭りです。遅ればせながら参加してみます。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる