追放からはじまる異世界終末キャンプライフ

第一章

第十三話 新しい仲間、そしてスピニードラゴン

「もちろん、僕も一緒に行くよ。世界の危機だからね」

「いいのか？　神様が持ち場を離れて」

「こんな面白そうなｋ……いや、世界の危機、黙って見過ごすわけにはいかないだろ」

　今一瞬本音が出てたぞ。

「しかし、どこに行けばいいんだ。見当がつかないぞ」

「実は『焔の杯』に関する情報は、ある賢者が持っているんだ。彼はこの森の外に住んでいて、非常に博識な人物だ。ただし、彼に情報を教えてもらうためには、彼が所望しているグリフォンの肉を手に入れる必要がある。それが、最初の試練だ」

「グリフォン……？」

「の肉！？　あれ、食べられるんですか！？」

「なんに使うのかは知らないが、一応食用にもできるらしい」

　かたわらに控えていたフェンが一瞬びくっと震えた。フェンは食べないよ……。

「じゃあ、とりあえず次の街に向かおうか。そこで情報を集めて、グリフォンを見つける方法を考えよう」

「よし、それじゃあ、出発しようか！」

　そう言って、ぼくらは次の街へと向かうために荷物をまとめ、出発の準備を始めた。モンスターが徘徊する道中を進むことになるので、武器や防具の手入れも欠かさない。主人公はキャンプマスターのスキルを活かし、必要なキャンプ用具を整理し、持ち運びやすいようにまとめた。

　準備がととのったので、広大な森を抜けることになる道を進んでいく。森を抜ける道中、突然小型モンスターの「スピニードラゴン」が現れた。その数、なんと10匹ほど。一匹につき、体長1メートルほどの小さなドラゴンだが、その素早さと鋭い爪は見逃せない。

「リリア、アルフ、スピニードラゴンだ！　僕が前に出て、まずは敵を引きつける。リリアは遠くから矢を射る準備をして、アルフは魔法で援護してくれ！」

僕はそう言って、ナイフを構えてスピニードラゴンたちに向かっていく。その動きに反応して、スピニードラゴンたちが僕に襲いかかる。

「イツキ、大丈夫！　私が矢で援護するわ！」

　リリアは弓を構え、矢を放っていく。その矢は、狙った通りスピニードラゴンの一匹に命中し、倒れる。しかし、その後ろからさらに新たなスピニードラゴンが迫ってくる。

「アルフ、今だ！」

「わかった！　ウィンドブレード！」

アルフが呪文を唱えると、強力な風の刃がスピニードラゴンたちに襲いかかり、その動きを一瞬止める。その隙に僕は、ナイフでスピニードラゴンを一匹斬り倒す。

　次々と現れるスピニードラゴンたちに、僕たちは協力して立ち向かった。リリアの正確な矢、アルフの繰り出す魔法、そして僕のナイフと炎。それぞれの力を組み合わせて、スピニードラゴンたちを次々と倒していく。

「これで、最後の一匹だ！」

　僕は力を込めてナイフを振り下ろし、最後のスピニードラゴンを倒す。戦闘が終わると、リリアとアルフが僕のもとに駆け寄ってきた。

「イツキ、大丈夫？　怪我はない？」

　リリアが心配そうに僕を見つめる。

「大丈夫だよ。リリアの矢とアルフの魔法のおかげで、無事に倒すことができた」

　戦闘をしてみてわかったが、アルフが想像以上に強い。さすが神様だ。あとでステータスを確認してみよう。