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第三章 指切
第四十三話
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つまらない披露宴も終わり、新郎新婦に送られ会場を後にする。夕方からおこなわれる二次会に参加を求められたが、それには丁重に断りを入れてひとりロビーに向かう。
また近々逢おうと太田に別れを告げると、まとわりつく女性陣をふり切って龍哉の許に急ぐ。
「遥希──っ」
「…………一大」
混雑するエレベーターを嫌い階段を下りていると、遥希を追いかけ一大が駆け寄ってきた。自身を呼ぶ声に驚き立ち止まり、声の主を視界に捉えて胸が鷲掴まれる。
いったい何の用だと顔をしかめる遥希に構わず、追いついた一大が肩を掴んで胸の内を明かす。
「お願いだ、いかないでくれ。やっぱり遥希が忘れられない。よりを戻そう? 俺ともう一度、まえみたいな関係に──」
「ふざけるなっ、断る!」
一大の手をふり払うと踵を返して階段を下りる。けれど尚も一大は遥希に追いすがり、今度は腰に腕をまわして遥希の歩みを封印した。わななく遥希、とうとう感情が弾けてしまう。
「だったら──……だったらどうして……どうして結婚なんてするんだ。俺がどんな思いで身を引いたと……。もうおまえはひとの夫、立場を優先して俺を捨てたおまえに未練はない」
「離せ。女を抱いた手で俺に触れるな」と、のどから絞るような声で遥希は一大を拒絶した。
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