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第三章 指切
第四十四話
しおりを挟む嫌悪をあらわにして遥希に拒まれようと一歩も引かず諦めない一大。
手を払いのけ階段を数歩下りると、それをまた一大が封印する。そんなことをくり返していると、階段下方より遥希を呼ぶ龍哉の声が聞こえてきた。
「おーい、遥希何やってんだよ。終わったんだろ? はやく帰ろうぜ」
ワンフロア下からゆっくりと龍哉が階段を上ってくるのが見える。
ひと足先に会場を後にした参列客の団体が、ロビーを通って式場から出ていくのをカフェにいた龍哉が気づく。やれやれやっとかと席を立つと、遥希を迎えにエレベーターに向かう。
けれどエレベーターは尚も混雑していて機内に乗る余地すらない、それで階段をつかい会場に向かおうと踵を返したのだ。
その間に遥希がエレベーターでロビーに向かえばすれ違うことになるが、旧友とのつもる話もあるだろうしまだ会場にいると踏んだのだ。
踊り場から半分だけ遥希のすがたが見えている。階段を使って正解、俺って間がいいぜと龍哉は得意顔だ。対する遥希は内心でこの状況は不味いと思うもの、けれど助かったと安堵した。
遥希が返す。
「待たせて悪い。今そっちにいくから、ちょっとそこにいて」
龍哉に届くよう階段の下に向かって話すと、一大に「離せよ。これで義理は果たした、もう二度とおまえとは逢わない」と声ひそめて宣言。
すると見るみる一大の顔は青ざめていき、「おまえ……男いたのか」と吐きだすようにつぶやく。よもや遥希に恋人がいるなど想像もしなかったのだろう。
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