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※11 レンヴォルト・ハンスの失墜
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「それ以上彼女を愚弄するならお前を斬るぞ」
冷たい言葉と共に向けられた刃。レンヴォルト・ハンスは反応すらできずただ呆然とした。
目にも止まらぬ速さで一瞬にして距離を詰められた。首元には抜きみの剣。一歩でも動けば斬られる。そう思った。
声の主は全く面識のない人物。失礼すぎる突然の行動に怒りが湧き上がる。レンヴォルトはその怒りに任せて声を荒らげようとした。しかし対面することになったその人物の顔を見て心が竦む。
群青の騎士服を身につけたその男が自分以上に怒りに満ちていることが伝わってきたからだ。
言葉は至極冷静さを保っていたが、剣を持つ手は相当力を込めて握っているのか青白い血管が浮き上がっているし、唇は何かを堪えるように引き結ばれている。
さらにこちらを睥睨する翠玉の双眸からは絶対零度の眼差し。
――俺では敵わない。
直感的にそう悟った。
自分と同じ騎士のようだが、レベルが違いすぎる。
剣の腕も、洗練された身のこなしも、そしておそらくはその地位も、完全に格上の相手だ。
「お前のことは聞いている、レンヴォルト・ハンス。リディスはもうお前と離縁したんだ。その時点でお前と彼女の接点は消えた。彼女はお前と会うことを望んでいない。今日だけは見逃してやるから、大人しく帰るがいい」
「なっ……! 名乗りもせずにいきなりなんだと!? お前こそ誰関係ないだろう。勝手に割り込んで、俺とリディスの話の邪魔をするな!」
散々な言われようにカッとなって言い返すと、男が視線をさらに鋭くした。
「俺の名はユルド・シルクス。彼女とは古くからの知り合いだ。お前が彼女と知り合う前からな。用件はそれだけか? ならば失礼させてもらおう」
剣を収め身を翻そうとした男にレンヴォルトは食い下がる。
「冗談じゃない! 俺は話を終わらせたつもりはないぞ! リディス、聞いているんだろう。何か言ったらどうなんだ!?」
男の後ろにいるはずのリディスに問いかける。
彼女との関係はもう終わっている。それは重々承知していたが、それでもこの件だけは何とかしなければならなかった。レンヴォルトはなんとしてでもエオリア家からの援助を得なければならなかった。
――聖女を妻に貰い受けるという栄誉を手にしながらほかの女に手を出した愚か者。
それがレンヴォルトの世間での評判だ。リオース王国の社交界は今その話で持ち切りで、どこに行ってもレンヴォルトは後ろ指をさされた。
ハンス伯爵家の評価は地に落ち、順調に進んでいた事業の話もエオリア家からの支援が打ち切られたことで白紙に戻ってしまった。
父親である先代ハンス伯爵からは「家の面汚し」と罵られ、母親は悲嘆に暮れる日々。さらに未婚の娘であったリズベットを妊娠させたことでフラウ家からの怒りを買い、リズベットはフラウ家から勘当されてしまった。
エオリア家から打ち切られた分の援助をフラウ家に求めようとしていたところにこの仕打ちだ。彼女の伝手を頼る事はできなくなった。残されたのは地に落ちた自分の評判と、完全に建て直したとは言えない家と爵位。そして新たに妻となったリズベットと未来のわが子だった。
騎士団の中でも冷遇を受け始めていたレンヴォルトは追い詰められていた。
リズベットのためにもなんとかしなければならない。
必死だったレンヴォルトは、頭を悩ませた末リディスのことを思い出したのだ。
涙を流しながら離縁したいと告げられたあの日、リディスはまだ自分に心が残っているように見えた。こちらが原因で離縁を申し入れられたのだから相当な慰謝料を取られることを覚悟していた。けれどそんなことはなく、代わりに二度とこちらに関わるなという要求だけが告げられた。
――彼女はまだ、俺に未練があるのではないか? であればそこに付け入れば慈悲で援助くらいは得られるかもしれない。
二度と関わるなと言われたが、怒鳴り込みをする振りをして乗り切ろう。そんなことを考えてエオリア侯爵邸を訪れると、馬車に乗り込むリディスの姿が見えた。
知らない男に手を引かれ、談笑しながら馬車に乗り込むリディスの姿。
それは自分と共にいる時よりも楽しそうで、心からの自然な笑顔だった。五年間夫婦として過ごしたリディスには見られなかった姿に、レンヴォルトは何故か苛立ちを覚えた。彼女が自分ではない男に自分が知らない顔を向けていることに小さな怒りが湧いた。
そこからレンヴォルトはリディスが乗った馬車を尾けることにした。馬に乗りバレないように慎重に後をつけ、王都の外れで馬車が止まったのを確認すると馬を手近な場所に繋ぎ、徒歩で近づいた。
慎重に息を潜めて馬車の方を伺うと、乗り込んだ時と同じように男の手を借りて降りるリディスの姿が見えた。
ワンピースに白い帽子という彼女にしては大人しく可愛らしい服装。男は片手に旅行鞄を持ち、二人で楽しげに歩く姿。どこかに出かけるのだろうということは容易に察することができた。
自分が苦しんでいる時に至極楽しそうな表情。自分と別れてそう日が経っていないというのにもう見知らぬ男と楽しそうに過ごしている彼女に心から怒りが芽生えた。
――なぜそんな顔をする。なぜ俺が知らない男にそんな顔を向けるんだ、リディス。君が好きだったのは俺のはずだろう?
そんな心の衝動のままにレンヴォルトは飛び出していったのだ。
――自分の身勝手で妻と離縁し、その結果評判を地に落とすことになった男は、どこまでも愚かだった。
そんな愚かな男の抱いた最後の淡い期待は打ち砕かれることになる。
自分が裏切った彼女がそれを宣告することになるなど知らずに。
「リディス!」
男の背中越しに何度か呼びかけると、明らかな溜息と共に銀糸の髪がひらりと視界に映る。
「通して、ユルド」
「でも」
「大丈夫」
「……分かった」
短いやり取りを終え男が渋々引き下がると、見慣れた美貌が目の前に現れた。
エオリア家の『聖女』の名の通り、輝かしい美貌を一点の曇りもなく発揮するリディスはその顔に微笑を浮かべてレンヴォルトを見据えている。
リディスが出てきたことでレンヴォルトはようやく話をすらことができると一息ついた。
「リディス。やっとまともに話をしてくれる気に――」
「貴方に言うことはただ一つよ」
レンヴォルトの言葉を遮り、そう告げたリディスはただ一言。微笑から一転、心底凍えるような威圧の視線と共に彼女はこう言った。
「レンヴォルト。お前に与える慈悲なんてない。――さっさと失せなさい、愚か者!」
聖女としての威厳と品格に満ちた態度と、それに相反する心の底からの軽蔑の言葉だった。
冷たい言葉と共に向けられた刃。レンヴォルト・ハンスは反応すらできずただ呆然とした。
目にも止まらぬ速さで一瞬にして距離を詰められた。首元には抜きみの剣。一歩でも動けば斬られる。そう思った。
声の主は全く面識のない人物。失礼すぎる突然の行動に怒りが湧き上がる。レンヴォルトはその怒りに任せて声を荒らげようとした。しかし対面することになったその人物の顔を見て心が竦む。
群青の騎士服を身につけたその男が自分以上に怒りに満ちていることが伝わってきたからだ。
言葉は至極冷静さを保っていたが、剣を持つ手は相当力を込めて握っているのか青白い血管が浮き上がっているし、唇は何かを堪えるように引き結ばれている。
さらにこちらを睥睨する翠玉の双眸からは絶対零度の眼差し。
――俺では敵わない。
直感的にそう悟った。
自分と同じ騎士のようだが、レベルが違いすぎる。
剣の腕も、洗練された身のこなしも、そしておそらくはその地位も、完全に格上の相手だ。
「お前のことは聞いている、レンヴォルト・ハンス。リディスはもうお前と離縁したんだ。その時点でお前と彼女の接点は消えた。彼女はお前と会うことを望んでいない。今日だけは見逃してやるから、大人しく帰るがいい」
「なっ……! 名乗りもせずにいきなりなんだと!? お前こそ誰関係ないだろう。勝手に割り込んで、俺とリディスの話の邪魔をするな!」
散々な言われようにカッとなって言い返すと、男が視線をさらに鋭くした。
「俺の名はユルド・シルクス。彼女とは古くからの知り合いだ。お前が彼女と知り合う前からな。用件はそれだけか? ならば失礼させてもらおう」
剣を収め身を翻そうとした男にレンヴォルトは食い下がる。
「冗談じゃない! 俺は話を終わらせたつもりはないぞ! リディス、聞いているんだろう。何か言ったらどうなんだ!?」
男の後ろにいるはずのリディスに問いかける。
彼女との関係はもう終わっている。それは重々承知していたが、それでもこの件だけは何とかしなければならなかった。レンヴォルトはなんとしてでもエオリア家からの援助を得なければならなかった。
――聖女を妻に貰い受けるという栄誉を手にしながらほかの女に手を出した愚か者。
それがレンヴォルトの世間での評判だ。リオース王国の社交界は今その話で持ち切りで、どこに行ってもレンヴォルトは後ろ指をさされた。
ハンス伯爵家の評価は地に落ち、順調に進んでいた事業の話もエオリア家からの支援が打ち切られたことで白紙に戻ってしまった。
父親である先代ハンス伯爵からは「家の面汚し」と罵られ、母親は悲嘆に暮れる日々。さらに未婚の娘であったリズベットを妊娠させたことでフラウ家からの怒りを買い、リズベットはフラウ家から勘当されてしまった。
エオリア家から打ち切られた分の援助をフラウ家に求めようとしていたところにこの仕打ちだ。彼女の伝手を頼る事はできなくなった。残されたのは地に落ちた自分の評判と、完全に建て直したとは言えない家と爵位。そして新たに妻となったリズベットと未来のわが子だった。
騎士団の中でも冷遇を受け始めていたレンヴォルトは追い詰められていた。
リズベットのためにもなんとかしなければならない。
必死だったレンヴォルトは、頭を悩ませた末リディスのことを思い出したのだ。
涙を流しながら離縁したいと告げられたあの日、リディスはまだ自分に心が残っているように見えた。こちらが原因で離縁を申し入れられたのだから相当な慰謝料を取られることを覚悟していた。けれどそんなことはなく、代わりに二度とこちらに関わるなという要求だけが告げられた。
――彼女はまだ、俺に未練があるのではないか? であればそこに付け入れば慈悲で援助くらいは得られるかもしれない。
二度と関わるなと言われたが、怒鳴り込みをする振りをして乗り切ろう。そんなことを考えてエオリア侯爵邸を訪れると、馬車に乗り込むリディスの姿が見えた。
知らない男に手を引かれ、談笑しながら馬車に乗り込むリディスの姿。
それは自分と共にいる時よりも楽しそうで、心からの自然な笑顔だった。五年間夫婦として過ごしたリディスには見られなかった姿に、レンヴォルトは何故か苛立ちを覚えた。彼女が自分ではない男に自分が知らない顔を向けていることに小さな怒りが湧いた。
そこからレンヴォルトはリディスが乗った馬車を尾けることにした。馬に乗りバレないように慎重に後をつけ、王都の外れで馬車が止まったのを確認すると馬を手近な場所に繋ぎ、徒歩で近づいた。
慎重に息を潜めて馬車の方を伺うと、乗り込んだ時と同じように男の手を借りて降りるリディスの姿が見えた。
ワンピースに白い帽子という彼女にしては大人しく可愛らしい服装。男は片手に旅行鞄を持ち、二人で楽しげに歩く姿。どこかに出かけるのだろうということは容易に察することができた。
自分が苦しんでいる時に至極楽しそうな表情。自分と別れてそう日が経っていないというのにもう見知らぬ男と楽しそうに過ごしている彼女に心から怒りが芽生えた。
――なぜそんな顔をする。なぜ俺が知らない男にそんな顔を向けるんだ、リディス。君が好きだったのは俺のはずだろう?
そんな心の衝動のままにレンヴォルトは飛び出していったのだ。
――自分の身勝手で妻と離縁し、その結果評判を地に落とすことになった男は、どこまでも愚かだった。
そんな愚かな男の抱いた最後の淡い期待は打ち砕かれることになる。
自分が裏切った彼女がそれを宣告することになるなど知らずに。
「リディス!」
男の背中越しに何度か呼びかけると、明らかな溜息と共に銀糸の髪がひらりと視界に映る。
「通して、ユルド」
「でも」
「大丈夫」
「……分かった」
短いやり取りを終え男が渋々引き下がると、見慣れた美貌が目の前に現れた。
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リディスが出てきたことでレンヴォルトはようやく話をすらことができると一息ついた。
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「貴方に言うことはただ一つよ」
レンヴォルトの言葉を遮り、そう告げたリディスはただ一言。微笑から一転、心底凍えるような威圧の視線と共に彼女はこう言った。
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