虹色の砂粒

真憂

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後ろ向きな覚悟

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母が死んだ日を回想しながら、下校時の道を自転車で走る。…前はギターケースを背負ってたけど、今はもうない。

繁華街や賑やかな通りはできるだけ避ける。発作が起きるからだ。…母は良い人だった。何でこんな男に捕まって、僕なんか生んで、こんな死に方をしなきゃいけなかったんだと心から思う。

…嫌なものが目に入った。しかも顔見知りまでいる。それと、ん…あれは…西園寺?発作起こしてる間に下校してたのか。しかし何でこんなところに?疑問が浮かんだが面倒なことになる事間違いなしのメンツなのでさっさと通りすぎ…ようとした。

「お~、響君!響君ってば~」

髪をピンク色に染めた、前バンドでライブをやったことがあるライブハウス「パピヨン」の店主が追いかけてくる。

「響君たらまだトラウマ引きずってんの~?自分を縛る系のトラウマはとっといても無駄だよ~ポイっと捨てちゃいなさい!」

続いて西園寺。「響はこれから私とカラオケに行く運命なのです!」

「臓器百個もらってもやだ。まとめてお断りします。」

「君のギター、凄く良かったのに…もったいない…」

「もったいなくて構いません。俺はギターは二度と弾きません。」

「強情な男はモテないよ!」パピヨンの店主がタバコをふかしながら言う。

「モテなくて結構です。音楽に関わるくらいなら」

「私!」西園寺が叫ぶ。

「私、美しいものが好きなの。そしてこの世で一番美しいものを表現できるのは私にとっては音楽なの。響は…」西園寺が言葉を飲み込む。

「美しいものを奏でられる気がするの」

「…例えそうだとしても、俺にはもう関係ねぇよ。終わったことだし」

「終わってない!」西園寺は一際大きな声で言った。

「死なない限りは終わりなんてないんだよ。そして、響は生きてる」

「…それ以上言ったら、もうお前とは二度と話さない」

僕が生きてても、母さんは死んだんだ。僕は一生その罪を背負って生きていくつもりでいる。西園寺みたいなやつには分かるまい。
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