虹色の砂粒

真憂

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誰もいないライブと一筋の光

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僕が音楽を聴けなくなった理由はそんな感じだ。僕はヘッドホンで耳を塞いでいたので"おそらく".の記憶だが、ただ事実として母は死に、父は刑務所送りになったのは間違いない。"犯罪者の息子"として学校でも腫れ物扱いだ。

そんな僕にもしつこく話しかけてくるやつがいる。

「はい!」

そいつは僕に携帯ウォークマンを差し出した。

「だから聴かね-って。お前の音楽の趣味とかにも興味ねーし」

「響が好きそうなのをプレイリストにしてみたの!私の趣味じゃないから安心して!」

「だから何度も言うけどそういう問題じゃねーんだって…」

「響のせいじゃないよ」そいつは真っ直ぐ僕の目を見て言う。

「響のせいでもないし、ましてや音楽のせいでもない」

「分かった様なこと言うな。お前は軽音部の部員が欲しいだけだろ」

「そうだよ!」あっけらかんと認める。

「だって響、すっごく才能あるもん!是非入ってほしい!」

「地球が終わったらな」

適当に受け流し、執拗な勧誘をかわす。

あいつの名前は西園寺音という。部員が少ない軽音部の部長で、日々部員集めに奔走している。

だからといって僕を巻き込むのは止めてほしい。僕は音楽と関わる事はもうやめたのだから。

スクールバッグを背負って外に出る。吹奏楽部の練習の音がしてきた…しまった。西園寺のせいで帰る時間が少し遅れた。

強烈な眩暈、立ち眩み、吐き気が僕を襲う。頭を通り越して全身に痺れるような痛みがする。特に苦手なのは管楽器の音だ。…あの時聴いてた音楽に入ってた音だから。そして。

視界が真っ暗になる。見えるのはまるでアイドルがステージから見下ろすサイリウムのような光の粒。チラチラと光ってはテレビのノイズのようになり、虹色の砂粒のようになって消えていく。これが音楽を聞いてしまうと一定時間続く。

「響のせいじゃないよ」何故か西園寺の真っ直ぐな目を思い出した。…何も知らないくせに。僕のせいで、僕が音楽なんか聴いてて親父を止めなかったせいで母さんは死んだんだ。
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