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【3】セブにて
3-19:直居side
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今日の晩ごはんは、ホテルの中でも行ったことがないレストランだった。朝食会場にもなっている離れのレストランと違い、メインの建物の中に入っている。席数が少なくて、薄暗い照明が落ち着いた雰囲気だ。
城崎さんについていくと、店員さんと英語で何か話してから席に通される。
メニューは飲み物だけみたいだ。
「直居君、シャンパン飲める?」
「あ、はい」
一言だけ聞かれ、あとはまた城崎さんが店員さんと話して決めてくれる。
何だか高級そうなお店でドキドキしてしまう。
緊張していることが伝わったのか、城崎さんに笑われる。
「あ、ねえ、ずっと気になってたんだけどさ」
「はい?」
「バイト先に、直居君の他に『ナオ君』って呼ばれている人いる?」
急にどうしたんだろうと思ったが、身近な話題で緊張をほぐそうとしてくれているのだと気づく。
「ナオ君、ナオ君……あ、近藤さんの名前がたしか尚人さんだったと思います」
「コンドウ?」
「はい。お店の中ではコンちゃんって呼ばれてますけどね」
「俺、見たことあるかな」
「えっと、ツーブロっぽい髪型で、ちょっとつり目の……あ、城崎さんと初めて会ったとき覚えてますか?お仕事の電話してて、僕が商品お渡しして」
「ああ、覚えてる。あの時のレジ?」
「そうです!」
「ナオト……なるほどな」
伝わったみたい。僕も割と人のこと覚えてる方だけど、やっぱり城崎さんも記憶力いいよね。
「近藤さんがどうかしました?」
「いや、前にカフェに行った時に修羅場寸前みたいな女の子たちがいてさ」
「修羅場、ですか?」
質問したところで、注文したシャンパンがやってくる。ウェイターさんが細いグラスに注いでくれた。
城崎さんについていくと、店員さんと英語で何か話してから席に通される。
メニューは飲み物だけみたいだ。
「直居君、シャンパン飲める?」
「あ、はい」
一言だけ聞かれ、あとはまた城崎さんが店員さんと話して決めてくれる。
何だか高級そうなお店でドキドキしてしまう。
緊張していることが伝わったのか、城崎さんに笑われる。
「あ、ねえ、ずっと気になってたんだけどさ」
「はい?」
「バイト先に、直居君の他に『ナオ君』って呼ばれている人いる?」
急にどうしたんだろうと思ったが、身近な話題で緊張をほぐそうとしてくれているのだと気づく。
「ナオ君、ナオ君……あ、近藤さんの名前がたしか尚人さんだったと思います」
「コンドウ?」
「はい。お店の中ではコンちゃんって呼ばれてますけどね」
「俺、見たことあるかな」
「えっと、ツーブロっぽい髪型で、ちょっとつり目の……あ、城崎さんと初めて会ったとき覚えてますか?お仕事の電話してて、僕が商品お渡しして」
「ああ、覚えてる。あの時のレジ?」
「そうです!」
「ナオト……なるほどな」
伝わったみたい。僕も割と人のこと覚えてる方だけど、やっぱり城崎さんも記憶力いいよね。
「近藤さんがどうかしました?」
「いや、前にカフェに行った時に修羅場寸前みたいな女の子たちがいてさ」
「修羅場、ですか?」
質問したところで、注文したシャンパンがやってくる。ウェイターさんが細いグラスに注いでくれた。
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