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第一章 聖女の誕生と異端審問
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次は闇の試練では、暗い部屋に閉じ込められた。
闇属性魔法は主に精神攻撃が中心となるのだが…
「闇と腐って相性良いんだな」
なぜか、闇属性魔法がロッテンには効かないようだった。
時折襲って来るダークスピアという攻撃も、最初は真面目に避けていたが、足にかすった時に、痛みがないどころか溶けて消えるように身体に取り込まれた感覚があった。
それからは面倒なので体力を温存するためにもこの攻撃をそのまま受け止めていた。
セブ聖国やヒスピリアとは違う国では、六芒星会という団体が支持されていて、そこでは属性は6つだとされている。
その場合、聖属性は光属性の一部だという考え方になる。
(だとすると、腐属性は闇属性の一部と言うことになるのかな?)
そんなことを考えていると、疲れからか眠気に襲われた。
どれくらい時が経ったか、恐らく朝を迎えた頃に人の声で目が覚めた。
「そろそろでしょうか?」
「うむ、精神への波状攻撃に心はどんどん疲弊し、ダークスピアを避ける気力も失せ、最後には…」
尋ねた司祭の声に答えるのは枢機卿だ。
首尾の確認のために開かれた扉を、ロッテンはさも当たり前のようにくぐった。
「あ、おはようございます!オレ、ぐっすり寝ちゃってました。いいお天気ですね」
廊下の窓辺から外を眺め、渾身の嫌味を込めて丁寧に挨拶をしながら通り過ぎる。
「あ、悪魔めぇっ!」
先程までの楽しげな声から一転、額の血管が破裂しそうなほどの忌々しげな表情とともに、絞り出すように苦々しい声を枢機卿は吐いた。
「と、捕らえよ!」
ロッテンを危うく見逃しそうになっていたが、司祭が我に返って僧兵たちに指示を出す。
「ぐぬぅっ!次こそは!!」
牢に連れて行かれるロッテンの背に何度目かの枢機卿の遠吠えが響く。
後に確認したところ、ステータスボードに闇属性耐性Ⅱと精神耐性Ⅰが追加されていた。
牢屋に戻されると、クレマチスが声をかけてきた。
「ついに、闇まで制しおったか」
「お陰で色々なスキルが身について、逆に育ててもらっちゃった?みたいな感じだよ」
「魔王とは魔の覇者だからのう。魔を研鑽してこそ強うなるのじゃ、まったく卿はそのことを理解しておらんよ」
魔王を育ててどうするのか、やれやれと、クレマチスはため息を吐く。
「本当に7つ全ての試練を乗り越えたら、オレは本当にここから出れんのかな?」
「表向きにはの。なんせ七神に許されし子になるからのう」
「裏向きでは?」
「暗殺もあり得るかもしれんのぅ」
「あー、やっぱりそんな感じかー」
「それも大変じゃが、マリアの今後も気になるのう。おヌシが死ねば、マリアは次の魔王が現れるまで何百年も神殿側に縛られる事となろう」
ワシみたいにの、と今のこの状況を示してクレマチスは苦笑いを浮かべた。
「あー、食事会で言ってたやつか、魔王を倒した代償に、魔力はなくなって死ねなくなったって」
「そうじゃ。しかし、お前とマリアが現れてくれたお陰で、ようやくワシは呪縛から逃れられそうじゃ」
「どういう事だ?」
「爪がーー。」
言いかけて、クレマチスがキュッと口を結ぶ。
「爪がどうした?」
「爪がのぅ、伸びてきおったんじゃ!ここ何百年なかった、身体の成長の証じゃ」
喉に言葉をつかえさせながら、なんとか言葉を繋げるクレマチス。
その目からポロポロと落ちるのは嬉し涙だ。
「新しい魔王と聖女が誕生したから?」
「そうじゃの、ワシの役目がようやく終わったということよ!」
「オレ、本当に魔王になんのか…?」
まだ実感は湧かない、それでもクレマチスに起きた変化は事実なのだろう。
「なるだろうな。じゃがの、ロッテンよ…だからといって、悪虐非道の限りを尽くす絵本の中の魔王になる必要はないのじゃ。人を恨まず、正しくあれば、おヌシがおヌシのまま、力に心を支配される事もなく穏やかに生きていけよう」
「人を恨まず…既に、枢機卿のジイさんとか恨みたい気持ちでいっぱいなんだけど」
「アレについては本当に申し訳ないと思っておる。権力に溺れ私利私欲に走りおってからに…」
そんな風にして、暇な時間はクレマチスと話をして過ごした。
次の試練の用意ができたのか、昼の鐘の鳴った頃、ロッテンは再び牢から連れ出される事となった。
闇属性魔法は主に精神攻撃が中心となるのだが…
「闇と腐って相性良いんだな」
なぜか、闇属性魔法がロッテンには効かないようだった。
時折襲って来るダークスピアという攻撃も、最初は真面目に避けていたが、足にかすった時に、痛みがないどころか溶けて消えるように身体に取り込まれた感覚があった。
それからは面倒なので体力を温存するためにもこの攻撃をそのまま受け止めていた。
セブ聖国やヒスピリアとは違う国では、六芒星会という団体が支持されていて、そこでは属性は6つだとされている。
その場合、聖属性は光属性の一部だという考え方になる。
(だとすると、腐属性は闇属性の一部と言うことになるのかな?)
そんなことを考えていると、疲れからか眠気に襲われた。
どれくらい時が経ったか、恐らく朝を迎えた頃に人の声で目が覚めた。
「そろそろでしょうか?」
「うむ、精神への波状攻撃に心はどんどん疲弊し、ダークスピアを避ける気力も失せ、最後には…」
尋ねた司祭の声に答えるのは枢機卿だ。
首尾の確認のために開かれた扉を、ロッテンはさも当たり前のようにくぐった。
「あ、おはようございます!オレ、ぐっすり寝ちゃってました。いいお天気ですね」
廊下の窓辺から外を眺め、渾身の嫌味を込めて丁寧に挨拶をしながら通り過ぎる。
「あ、悪魔めぇっ!」
先程までの楽しげな声から一転、額の血管が破裂しそうなほどの忌々しげな表情とともに、絞り出すように苦々しい声を枢機卿は吐いた。
「と、捕らえよ!」
ロッテンを危うく見逃しそうになっていたが、司祭が我に返って僧兵たちに指示を出す。
「ぐぬぅっ!次こそは!!」
牢に連れて行かれるロッテンの背に何度目かの枢機卿の遠吠えが響く。
後に確認したところ、ステータスボードに闇属性耐性Ⅱと精神耐性Ⅰが追加されていた。
牢屋に戻されると、クレマチスが声をかけてきた。
「ついに、闇まで制しおったか」
「お陰で色々なスキルが身について、逆に育ててもらっちゃった?みたいな感じだよ」
「魔王とは魔の覇者だからのう。魔を研鑽してこそ強うなるのじゃ、まったく卿はそのことを理解しておらんよ」
魔王を育ててどうするのか、やれやれと、クレマチスはため息を吐く。
「本当に7つ全ての試練を乗り越えたら、オレは本当にここから出れんのかな?」
「表向きにはの。なんせ七神に許されし子になるからのう」
「裏向きでは?」
「暗殺もあり得るかもしれんのぅ」
「あー、やっぱりそんな感じかー」
「それも大変じゃが、マリアの今後も気になるのう。おヌシが死ねば、マリアは次の魔王が現れるまで何百年も神殿側に縛られる事となろう」
ワシみたいにの、と今のこの状況を示してクレマチスは苦笑いを浮かべた。
「あー、食事会で言ってたやつか、魔王を倒した代償に、魔力はなくなって死ねなくなったって」
「そうじゃ。しかし、お前とマリアが現れてくれたお陰で、ようやくワシは呪縛から逃れられそうじゃ」
「どういう事だ?」
「爪がーー。」
言いかけて、クレマチスがキュッと口を結ぶ。
「爪がどうした?」
「爪がのぅ、伸びてきおったんじゃ!ここ何百年なかった、身体の成長の証じゃ」
喉に言葉をつかえさせながら、なんとか言葉を繋げるクレマチス。
その目からポロポロと落ちるのは嬉し涙だ。
「新しい魔王と聖女が誕生したから?」
「そうじゃの、ワシの役目がようやく終わったということよ!」
「オレ、本当に魔王になんのか…?」
まだ実感は湧かない、それでもクレマチスに起きた変化は事実なのだろう。
「なるだろうな。じゃがの、ロッテンよ…だからといって、悪虐非道の限りを尽くす絵本の中の魔王になる必要はないのじゃ。人を恨まず、正しくあれば、おヌシがおヌシのまま、力に心を支配される事もなく穏やかに生きていけよう」
「人を恨まず…既に、枢機卿のジイさんとか恨みたい気持ちでいっぱいなんだけど」
「アレについては本当に申し訳ないと思っておる。権力に溺れ私利私欲に走りおってからに…」
そんな風にして、暇な時間はクレマチスと話をして過ごした。
次の試練の用意ができたのか、昼の鐘の鳴った頃、ロッテンは再び牢から連れ出される事となった。
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