1 / 8
第1話 ミッドウェー海戦異常あり
しおりを挟む
兵装転換作業が遅々として進まないことに山口多聞は焦りを覚えた。
「まずいぞ。この状態で空襲を受けたら…考えたくもないがやるしかない」
「二航戦だけでも強行しますか?」
「意見具申はしておこう。せめて筋は通す」
ミッドウェー島攻撃と敵機動部隊攻撃は両立しない。ミッドウェー島の攻撃が不十分と報告を受けると敵機動部隊攻撃の準備を解いた。敵基地を徹底的に叩こうと勇ましい。万が一にでもだ。敵機動部隊を発見した場合は大騒ぎどころでない。現に二航戦に所属する分隊長は意見具申を上げた。しかし、第一機動部隊を率いる南雲忠一は頑として認めない。彼の考えも理解できるが危ない橋を渡っていることは間違いなかった。
「零戦隊が中途半端なことも気になります…」
「か、艦影! 艦隊を囲むようにして艦影ありぃ!」
「なにぃ! 敵か!」
「ち、違います! 敵でも味方でもありません!」
「緊張のあまり幻想でも見ているんじゃ…」
「馬鹿な。どうやって、近づいてきた」
「あれは我らの艦なのか?」
「赤城から問い合わせが!」
「知るか! 俺たちが知りたい!」
一瞬にして阿鼻叫喚と変わる。
日本海軍の見張り員は精鋭と知られた。深夜であろうと遠方の艦影を認めて識別できる。彼らが誤認することは起こり得ないミステイクだった。しかし、艦隊を囲むように艦影が至近距離に出現したという報告は信じられない。あまりの緊張に幻影を見たのではないかと疑うが双眼鏡を覗くまでもなかった。艦橋から甲板、高角砲、高角機銃に縋る全員が口をあんぐりと開けている。全員の視界に見知らぬ艦影がすっぽりと収まった。
あまりの出来事に一航戦も問い合わせてきたが「自分たちが知りたい」と返している。艦影が出現することは別にあり得ないことでないはずだ。少なくとも、友軍艦隊は後方で待機中である。敵艦隊だとしても至近距離まで砲火を開かないことはあり得ないことだ。隠密を重視して肉薄雷撃を仕掛けるにしても時機を逸し過ぎている。
「正体不明の艦影より発光信号!」
「解読するんだ。一言一句逃してはならない」
「敵ではないのか。いったい、何が起こっている」
兵装転換の遅延に伴う空襲を受けたらの議論はとっくに吹っ飛んだ。正体不明の艦影が敵か味方か何もかもが分からない以上は思考の余地が残らない。連合艦隊に平文で問い合わせたくなるところで発光信号を視認した。見張り員は発光信号の受信を身体に刻み込まれている。頭が働く前に視覚を通じて解読を開始した。通信を使わずに発光信号を用いるとは弁えているらしい。
「ワレ幻影艦隊ナリ。コレヨリ第一機動艦隊ヒイテハ大日本帝国ヲ救ウ」
「どういう意味だ?」
「そのままだ。彼らは少なくとも敵艦隊でない。米軍でも英軍でもない以上は味方と推定する。攻撃は許さん」
「南雲司令からは何も来ていませんが」
「構わん。異常事態に上の命令を待てるか」
山口多聞の肝っ玉は見事の一言に尽きた。とても理解の範疇に収まらない異常事態の中でも冷静沈着を保つ。発光信号を解読して得られた内容は味方であることを盛んに主張するが到底信じられなかった。参謀や艦長は混乱を加速させたがピシャリと封じる。
「幻影艦隊か。良い名前だな」
「そんなことを言っている場合で…」
「敵機、敵機! 雷撃機が接近中!」
「零戦を出せるか!」
「無理です! 艦攻が邪魔で出せません!」
「赤城と加賀が出すようです。直掩機が向かいます!」
「艦攻は爆弾を投棄してもよい! すぐに下ろせ!」
(その必要はありません。我々の対空砲火にお任せあれ)
「な、なんだ。通信に割って入ってきた」
第一機動部隊の重巡筑摩が敵雷撃機接近を告げた。敵雷撃機の群れは低高度を飛行中で雷撃体勢に入る直前と見える。これに艦隊直掩の零戦隊が急行するが15機と心もとなかった。一航戦の赤城と加賀から直ぐに出せる零戦を追加したが焼け石に水である。二航戦からも出せないか問いただした。艦攻隊が航空魚雷から陸用爆弾に換装中で邪魔が呈される。これこそ最も恐れていた事態だ。幻影艦隊を自称する艦影は通信に割り込む。
「これより幻影艦隊を友軍艦隊と認めてミッドウェー作戦を継続する。まずは艦攻隊の爆装をそのままに空中退避を兼ねた敵艦隊捜索を行う」
「正気ですか。南雲さんが黙っていませんよ」
「あの人には任せられん。二航戦は幻影艦隊と動く」
「ええいままよ!」
「こうなっちゃ一蓮托生ってわけですか。興が乗ってきました」
「この苦境を乗り越えてこそ勝利がある。普段の訓練に比べれば屁でもないはずだ」
第一機動部隊を襲うは米空母を発したTBDデヴァステイター雷撃機だった。デヴァステイター隊は不運にも連携に欠けたことで戦闘機の護衛を得られない。ただでさえ低速にもかかわらず、航空魚雷を抱えた鈍重というハンデを強いられた。零戦に絡まれて逃げ切れるわけがない。あっという間にバタバタと撃墜されていった。
「第二波来る! 今度は戦闘機を連れています!」
「まずい。零戦が低空に誘い込まれては上空はガラ空きだ!」
「まだ出せないのか! 一刻を争う!」
「無茶です!」
(世話は焼かせていただきます。上空の敵機は任されましたよ)
「さっきから何を言っているんだ…」
第二波は直ぐに到達する。今度は戦闘機を連れていた。F4Fワイルドキャットは零戦の良きライバルである。デヴァステイターを無事に通すと言わんばかりだ。新しい戦術を繰り出す程の気合の入れよう。艦隊直掩を舐めるなと零戦は食らいついた。しかし、これによって低空に集中してしまい上空がフリーのがら空きとなる。ここで水平爆撃か急降下爆撃を被れば危うかった。
「て、敵機が直上に!」
「やられた!」
(さぁ、始めますか。幻影艦隊の撃墜ショーが始まります。どうぞ、ご着席ください)
「謎の艦影が対空砲火を開いています。我々の比ではありません!」
「なんて弾幕だ。高角砲も高角機銃も知らないぞ」
「私は夢でも見ているのか…」
「理想的な対空砲火だ…」
不安は的中することになる。第一機動部隊の上空を浮かんでいる雲と雲の切れ目から急降下爆撃機が姿を現した。米海軍のSBDドーントレスである。自軍の九九式急降下爆撃機と比べて携行できる爆弾は大型だった。兵装転換で無防備なところを衝かれてはひとたまりもない。すぐに高角砲と高角機銃が上空を睨んだ。あいにく、艦隊防空が敵機を撃墜することは確率的に少ない。あくまでも照準を狂わせて妨害することに止まった。
それがどうしたと言おう。幻影艦隊は第一機動部隊を巡洋艦から駆逐艦で囲んだ。一様に上空を睨むと猛烈な対空砲火を浴びせる。日本海軍が運用する高角砲と高角機銃を質と量で圧倒してみせた。さらに、敵機付近で対空砲弾が炸裂すると空を鮮やかな黄色で染め上げる。まるで花火のように広がっては敵機を炎上させていった。
「こんなことがあるものか…」
「なにをボケッとしている! 直ちに艦上攻撃機を出さんか!」
「は、はい!」
「敵空母は近くにいるぞ。米軍機の足は短い。水偵に頼らずとも必ず見つけられる」
「急げぇ! 艦攻隊発艦だぁ!」
幻影艦隊が猛烈な対空砲火を以てドーントレスを次々と火達磨にする中で二航戦は独断専行を貫徹する。兵装転換作業を止めさせて陸用爆弾の機体は直ちに空中退避と敵艦隊捜索を兼ねて発艦させた。あまりにも強引だが普段の猛訓練より不可能とは言えない。
「一航戦も動き始めました。まずは零戦を出そうとしています」
「攻撃は二航戦に任せられた。ミッドウェー島攻撃は切り上げる。敵艦隊の攻撃に専念する」
「まんまとしてやられてましたが反撃と行きましょう」
(それでこそ闘将だ。お任せしますよ)
続く
「まずいぞ。この状態で空襲を受けたら…考えたくもないがやるしかない」
「二航戦だけでも強行しますか?」
「意見具申はしておこう。せめて筋は通す」
ミッドウェー島攻撃と敵機動部隊攻撃は両立しない。ミッドウェー島の攻撃が不十分と報告を受けると敵機動部隊攻撃の準備を解いた。敵基地を徹底的に叩こうと勇ましい。万が一にでもだ。敵機動部隊を発見した場合は大騒ぎどころでない。現に二航戦に所属する分隊長は意見具申を上げた。しかし、第一機動部隊を率いる南雲忠一は頑として認めない。彼の考えも理解できるが危ない橋を渡っていることは間違いなかった。
「零戦隊が中途半端なことも気になります…」
「か、艦影! 艦隊を囲むようにして艦影ありぃ!」
「なにぃ! 敵か!」
「ち、違います! 敵でも味方でもありません!」
「緊張のあまり幻想でも見ているんじゃ…」
「馬鹿な。どうやって、近づいてきた」
「あれは我らの艦なのか?」
「赤城から問い合わせが!」
「知るか! 俺たちが知りたい!」
一瞬にして阿鼻叫喚と変わる。
日本海軍の見張り員は精鋭と知られた。深夜であろうと遠方の艦影を認めて識別できる。彼らが誤認することは起こり得ないミステイクだった。しかし、艦隊を囲むように艦影が至近距離に出現したという報告は信じられない。あまりの緊張に幻影を見たのではないかと疑うが双眼鏡を覗くまでもなかった。艦橋から甲板、高角砲、高角機銃に縋る全員が口をあんぐりと開けている。全員の視界に見知らぬ艦影がすっぽりと収まった。
あまりの出来事に一航戦も問い合わせてきたが「自分たちが知りたい」と返している。艦影が出現することは別にあり得ないことでないはずだ。少なくとも、友軍艦隊は後方で待機中である。敵艦隊だとしても至近距離まで砲火を開かないことはあり得ないことだ。隠密を重視して肉薄雷撃を仕掛けるにしても時機を逸し過ぎている。
「正体不明の艦影より発光信号!」
「解読するんだ。一言一句逃してはならない」
「敵ではないのか。いったい、何が起こっている」
兵装転換の遅延に伴う空襲を受けたらの議論はとっくに吹っ飛んだ。正体不明の艦影が敵か味方か何もかもが分からない以上は思考の余地が残らない。連合艦隊に平文で問い合わせたくなるところで発光信号を視認した。見張り員は発光信号の受信を身体に刻み込まれている。頭が働く前に視覚を通じて解読を開始した。通信を使わずに発光信号を用いるとは弁えているらしい。
「ワレ幻影艦隊ナリ。コレヨリ第一機動艦隊ヒイテハ大日本帝国ヲ救ウ」
「どういう意味だ?」
「そのままだ。彼らは少なくとも敵艦隊でない。米軍でも英軍でもない以上は味方と推定する。攻撃は許さん」
「南雲司令からは何も来ていませんが」
「構わん。異常事態に上の命令を待てるか」
山口多聞の肝っ玉は見事の一言に尽きた。とても理解の範疇に収まらない異常事態の中でも冷静沈着を保つ。発光信号を解読して得られた内容は味方であることを盛んに主張するが到底信じられなかった。参謀や艦長は混乱を加速させたがピシャリと封じる。
「幻影艦隊か。良い名前だな」
「そんなことを言っている場合で…」
「敵機、敵機! 雷撃機が接近中!」
「零戦を出せるか!」
「無理です! 艦攻が邪魔で出せません!」
「赤城と加賀が出すようです。直掩機が向かいます!」
「艦攻は爆弾を投棄してもよい! すぐに下ろせ!」
(その必要はありません。我々の対空砲火にお任せあれ)
「な、なんだ。通信に割って入ってきた」
第一機動部隊の重巡筑摩が敵雷撃機接近を告げた。敵雷撃機の群れは低高度を飛行中で雷撃体勢に入る直前と見える。これに艦隊直掩の零戦隊が急行するが15機と心もとなかった。一航戦の赤城と加賀から直ぐに出せる零戦を追加したが焼け石に水である。二航戦からも出せないか問いただした。艦攻隊が航空魚雷から陸用爆弾に換装中で邪魔が呈される。これこそ最も恐れていた事態だ。幻影艦隊を自称する艦影は通信に割り込む。
「これより幻影艦隊を友軍艦隊と認めてミッドウェー作戦を継続する。まずは艦攻隊の爆装をそのままに空中退避を兼ねた敵艦隊捜索を行う」
「正気ですか。南雲さんが黙っていませんよ」
「あの人には任せられん。二航戦は幻影艦隊と動く」
「ええいままよ!」
「こうなっちゃ一蓮托生ってわけですか。興が乗ってきました」
「この苦境を乗り越えてこそ勝利がある。普段の訓練に比べれば屁でもないはずだ」
第一機動部隊を襲うは米空母を発したTBDデヴァステイター雷撃機だった。デヴァステイター隊は不運にも連携に欠けたことで戦闘機の護衛を得られない。ただでさえ低速にもかかわらず、航空魚雷を抱えた鈍重というハンデを強いられた。零戦に絡まれて逃げ切れるわけがない。あっという間にバタバタと撃墜されていった。
「第二波来る! 今度は戦闘機を連れています!」
「まずい。零戦が低空に誘い込まれては上空はガラ空きだ!」
「まだ出せないのか! 一刻を争う!」
「無茶です!」
(世話は焼かせていただきます。上空の敵機は任されましたよ)
「さっきから何を言っているんだ…」
第二波は直ぐに到達する。今度は戦闘機を連れていた。F4Fワイルドキャットは零戦の良きライバルである。デヴァステイターを無事に通すと言わんばかりだ。新しい戦術を繰り出す程の気合の入れよう。艦隊直掩を舐めるなと零戦は食らいついた。しかし、これによって低空に集中してしまい上空がフリーのがら空きとなる。ここで水平爆撃か急降下爆撃を被れば危うかった。
「て、敵機が直上に!」
「やられた!」
(さぁ、始めますか。幻影艦隊の撃墜ショーが始まります。どうぞ、ご着席ください)
「謎の艦影が対空砲火を開いています。我々の比ではありません!」
「なんて弾幕だ。高角砲も高角機銃も知らないぞ」
「私は夢でも見ているのか…」
「理想的な対空砲火だ…」
不安は的中することになる。第一機動部隊の上空を浮かんでいる雲と雲の切れ目から急降下爆撃機が姿を現した。米海軍のSBDドーントレスである。自軍の九九式急降下爆撃機と比べて携行できる爆弾は大型だった。兵装転換で無防備なところを衝かれてはひとたまりもない。すぐに高角砲と高角機銃が上空を睨んだ。あいにく、艦隊防空が敵機を撃墜することは確率的に少ない。あくまでも照準を狂わせて妨害することに止まった。
それがどうしたと言おう。幻影艦隊は第一機動部隊を巡洋艦から駆逐艦で囲んだ。一様に上空を睨むと猛烈な対空砲火を浴びせる。日本海軍が運用する高角砲と高角機銃を質と量で圧倒してみせた。さらに、敵機付近で対空砲弾が炸裂すると空を鮮やかな黄色で染め上げる。まるで花火のように広がっては敵機を炎上させていった。
「こんなことがあるものか…」
「なにをボケッとしている! 直ちに艦上攻撃機を出さんか!」
「は、はい!」
「敵空母は近くにいるぞ。米軍機の足は短い。水偵に頼らずとも必ず見つけられる」
「急げぇ! 艦攻隊発艦だぁ!」
幻影艦隊が猛烈な対空砲火を以てドーントレスを次々と火達磨にする中で二航戦は独断専行を貫徹する。兵装転換作業を止めさせて陸用爆弾の機体は直ちに空中退避と敵艦隊捜索を兼ねて発艦させた。あまりにも強引だが普段の猛訓練より不可能とは言えない。
「一航戦も動き始めました。まずは零戦を出そうとしています」
「攻撃は二航戦に任せられた。ミッドウェー島攻撃は切り上げる。敵艦隊の攻撃に専念する」
「まんまとしてやられてましたが反撃と行きましょう」
(それでこそ闘将だ。お任せしますよ)
続く
47
あなたにおすすめの小説
大東亜戦争を有利に
ゆみすけ
歴史・時代
日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を
異聞第二次世界大戦 大東亜の華と散れ
みにみ
歴史・時代
1939年に世界大戦が起きなかった世界で
1946年12月、日独伊枢軸国が突如宣戦布告!
ジェット機と進化した電子機器が飛び交う大戦が開幕。
真珠湾奇襲、仏独占領。史実の計画兵器が猛威を振るう中、世界は新たな戦争の局面を迎える。
世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。
鹵獲航空母艦 龍鶴 太平洋へ
みにみ
歴史・時代
南太平洋海戦で日本航空隊によって撃破された米空母ホーネット
日本海軍は彼の艦を鹵獲 正規空母龍鶴として三航戦に編入
生まれた国の敵として波乱の太平洋を駆け抜ける
小日本帝国
ypaaaaaaa
歴史・時代
日露戦争で判定勝ちを得た日本は韓国などを併合することなく独立させ経済的な植民地とした。これは直接的な併合を主張した大日本主義の対局であるから小日本主義と呼称された。
大日本帝国ならぬ小日本帝国はこうして経済を盤石としてさらなる高みを目指していく…
戦線拡大が甚だしいですが、何卒!
【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記
糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。
それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。
かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。
ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。
※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。
北溟のアナバシス
三笠 陣
歴史・時代
1943年、大日本帝国はアメリカとソ連という軍事大国に挟まれ、その圧迫を受けつつあった。
太平洋の反対側に位置するアメリカ合衆国では、両洋艦隊法に基づく海軍の大拡張計画が実行されていた。
すべての計画艦が竣工すれば、その総計は約130万トンにもなる。
そしてソビエト連邦は、ヨーロッパから東アジアに一隻の巨艦を回航する。
ソヴィエツキー・ソユーズ。
ソビエト連邦が初めて就役させた超弩級戦艦である。
1940年7月に第二次欧州大戦が終結して3年。
収まっていたかに見えた戦火は、いま再び、極東の地で燃え上がろうとしていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる