【宝の鍵~金の王子と銀の王子~】本編 元平凡女性のイケメン王子は執着心強めな兄に溺愛される

月城はな

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第十五章 試練

12-2* 気高き獅子王

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 陰の日を迎え、二週目の半ばに差し掛かった頃、ずっと満ち続けていた体がようやく少し欠け始め、リュセルは強制的に眠らされなくても、短い睡眠ならとれるようになっていた。だからと言って、発情が治まった訳でもなく、この時も、眠る前にたっぷりとレイデから神気を補充したリュセルは、再び満ちゆく体の変化を感じ、再び目を覚ましていた。

「はぁ、はぁ……、はぁはぁ」

 起き上がると、熱い息を吐きながら、情欲に濡れた瞳で周囲を見回す。だが、求めた半身の姿はなく、代わりに胡桃色の毛並みに黄金の瞳の獅子が森の奥から姿を現した。

(な、に……?)

 幻でも見ているのだろうか? こんな場所に獅子などいるはずがない。

 王者のような風格の、立派な鬣を持つ凛々しく美しい獣。

 ゆったりとした仕草で近づいて来るこの肉食獣から逃れないといけないと頭ではわかっているのに、熱く疼き続ける体がいう事をきいてくれない。熱に浮かされた思考で見返した金色の瞳に、理知的な光と淫猥な熱を感じたリュセルは、まるで引き寄せられるかのように寝台を下りて獅子の元へとふらふらと足を進める。

 宝鍵の正装衣装は歩きにくく、長い裾や袖、被衣が腕や足にまとわりつく。用意されていた靴も履かずに絨毯の外に出ると、柔らかな草の感触が足裏をくすぐった。

 目の前まで近づき見た獅子は、思った以上に大きく、リュセルを圧倒した。

「はぁ、はぁ、はぁはぁ」

 荒い息を吐きながら、そっとその鬣に触れると、獅子は気持ちよさそうに目を細める。大人しくじっとしている獅子は、無防備に身を寄せてくるリュセルの体から香る甘い香りを獣の嗅覚で更に取り込む為、スンスンと鼻を鳴らす。そうして、最も香りの強い場所、下肢に舌先を伸ばした。大きな舌に布地の上から強く舐め啜られたリュセルの体は大きく震える。

「アッ……あああッ」

 喰らわれたい。

 目の前の獣に、すべてを。

 おもむろに身を伏せて横になった獅子に添うように、その場に横たわって獅子の腹に顔を埋めたリュセルは緩く膝を折り、白い脚を獅子に向けて立て掛け、大きく広げる。

「ぁ、ぁ、あ……あ」

 ワンピース型に繋がった衣服の裾を自ら捲りあげ、下肢を晒したリュセルは、恐怖と期待に体を震わせた。獅子は濡れて立ち上がるリュセル自身をベロリと一舐めした後、その厚い舌で器用に刺激し、愛撫する。

「アッ、ひぁ、あああぁんっ」

 リュセルは鬣に覆われた獅子の太い首上に乗せた右脚を痙攣させながら、鋭い牙が見え隠れる獅子の口から伸びた大きな舌に自身を押し付け、こすりつけながら腰を動かす。

「ぁあ、アッ、ダメ……やぁ、ぁああん、ダメぇ……ッ」

 陰の日の尋常じゃない体の昂ぶりの影響で理性はないのだが、これが異常な事であると本能が訴える。しかし、獅子が与える刺激が熟れきった体にはたまらなく悦くて、リュセルはそれを止める事が出来ずに、ただ、だらしなく口を開きっぱなしにして、顔を埋めている柔らかな腹を涎で汚す。

 ピチャピチャという卑猥な水音をたてて、次から次へと溢れ出してくる蜜を舐め啜っていた獅子の舌先は、リュセル自身から双玉、会陰部を辿り、既にぐっしょりと濡れてしまっていた後腔に行き着く。

「……んぐッ」

 ぬちょッという音を立てていきなり入り込んできた獅子の舌の厚さと大きさに、リュセルは一瞬息を呑んだ後、嬌声をあげる。

「あああぁぁッ」

 熱い 熱い

 すぐに始められた獣の舌での抜き差しに、リュセルは身をよじって身悶えた。

「あッ、アアッ、あん、ぁぁああッ」

 力が抜け、柔らかくなっている体内は、正に食べごろだろう。

「……ッぁ、あッ、アッ……ッああああああああッ」

 滑る長い舌が、リュセルの感じる場所を何度も何度も突き上げ、その例えようもないような刺激で達する。このたった数日の間で数え切れぬ程の絶頂を極めてきたのに、その度にレイデの神気を受けて回復した体は枯れる事を知らない。その証拠に、達しても尚リュセル自身から再び大量の白濁が飛び散り、引き締まった腹と着たままの白い衣服を汚した。

「はぁ……は、はぁはぁ、レオン……ッ」

 達しても治まらない熱を恐れ、リュセルは自分の放出した蜜を綺麗に舐めとっている獅子の名を無意識に呼ぶ。そして、獅子の首に両腕を回し、しがみつく。

 そのまま息を整えようと鬣を撫でつけるが、すぐにその場に仰向けに倒れ込むと、リュセルは襲い来る欲望への強烈な飢餓感に啼いた。

「ぁ、アッ、くるし……ッぁあ、挿入れて……ッ、あぅ、挿入れてぇッ」

 疼きがひどく、苦しい。体の奥が強い刺激を欲していた。

 グルルルルッ

 そんな唸り声が聞こえると同時に、獅子の大き過ぎるそれが涙で霞むリュセルの目にぼんやりと映った。人間のものとは違う、凶暴な獣自身。

「やッぁ、ぁあ、あ、……」

 そんなもの挿入いるはずがないと、正気が残っていれば抵抗しただろうが、そのようなもの、既にリュセルの中には残されていない。むしろ、この数日間、理性というものがリュセルには存在していなかった。
本能のままに快楽を貪り、香りで獲物を誘う。今も体は満ち過ぎる程に満ち熟れ、獅子に貫かれる事しか望んでいない。

 そんな相手の状態を察しているのか、獅子がリュセルの体を押さえつけ、逞しいそれをヒクつく後腔に押し付ける。だが、先が当たっただけでも質量が大きい為、僅かに腰が引けてしまう。しかし、獅子にそれを許すつもりはなく、引けた腰を追い、ググッと切っ先がめり込んできた。

「んぐッ、う……」

 痛い 苦しい

 リュセルを壊さないようにとゆっくりと入り込んできたそれは、やはり強大で、柔らかく蕩けきった体でも受け入れるのに苦労する。ギチギチと入り込んでくる獅子自身に内部を圧迫され、リュセルは苦しさに喘いだ。

「……ッは、はぁ、ぁあ……ぁ」

 自らの腰を高く上げて受け入れていたそれは、まだ半分も入っていないようだった。しかし、それが自分をドロドロに溶かすそこに触れた瞬間、リュセルは悲鳴を上げる。

「やあああああぁあッーーッ」

 前で達する事なく内(なか)でイった体を、獅子は容赦なくグンッと一気に最奥まで腰を進めた。

「ーーーーーーッ!」

 悲鳴は声にならなかった。奥の奥まで届いた切っ先、大き過ぎるそれは、リュセルの中を隙間なく埋め、熱く脈動している。人型のレオンハルト自身も大きかったが、獅子のそれは、それを軽く凌駕していた。受け入れられたのが奇跡のようだ。

「ひッ、ひぃッ……、ヒッ……ッ」

 受け入れるのに精一杯なのに、動かれたら裂けてしまう。しかし、そう思ったのは一瞬で、陰の日の影響を受けた体は、徐々に獅子自身の大きさに慣れ初めていく。
 始めはゆっくりと動いていたそれが、徐々にスピードを増していく頃には、リュセルの体が感じるのは痛みよりも悦楽の方が勝っていた。

「あ、アッ……ぁああ、すごぃ……ッぁぁああん、気持ちい、奥ッ……奥ッ、もっと……もっとっ」

 はっはっはっと荒い息を吐く獣の毛皮を狂おしく抱きながら淫乱に啼くリュセルの姿は、着ている衣装も相まって、まるで獅子に犯され善がる淫乱な女神のようだ。汗と涙。涎にまみれた美貌は与えられる痛みと快楽に蕩けきっていて、人としての理性は欠片も残っていない。

 陰の日を迎えた神子といっても、この乱れようは異常としかいえない。重すぎるその症状は、リュセルを苦しめた。

 快楽が苦痛だった。ずっとずっと、悦楽の底から抜け出せない。それも、まったく底が見えないのだ。

 大きすぎるが故、まんべんなく熱い獣自身に内壁をこすられて、リュセルの体は何度も痙攣し、絶頂に達する。射精を伴わないそれは、陰の日を迎えてからは常のものになっていた。

「ンァッ! ひっ、ん、んッ、アッ……」

 リュセルの体を揺さぶっていた獅子は、不意に乱れきった衣装の胸元部分を口に咥え、体をうつぶせにするように促してくる。とっくに衣装の帯はほどけ、リュセルの出した白濁に汚れたそれは、体に絡まっているだけという状態だ。貫かれたまま、体勢を変えようと力の入らぬ体を動かすと、グリリッと中を深く抉られてしまう。

「アッ! ッんん、ああんッ」

 腰を突きだす格好になると背中に重みを感じる。動きやすくなったのか、獅子は更にリュセルの内(なか)を強く激しく突き上げ始めた。

「あああぁぁんッ、あん、アッ、ぁぁああああッ」

 凶暴な獅子の剣(つるぎ)が自分の内(なか)を暴れ狂う感覚。信じられない程の快楽。

「はぁ、は、アッ、ぁああああああああッ」

 下肢からは、自分を犯す激しい水音が響く。

 悦くて悦くて悦くて苦しくて

 痛くて悦くて悦くて悦くて苦しくて

 リュセルは頭からとれて自分の下敷きになっていた被衣を裂ける程強く握り締め、盛大に嬌声と悲鳴を上げ続けた。

 まるで獣の交尾のような格好で、自分よりもはるかに大きな体躯の獅子に体の奥の奥を犯される。その事実に気づかぬ程、リュセルの体は快楽の虜になっていた。

「ああああああぁあん、……っイイッ、アッ、イイーーッ」

 獅子の動きに合わせて夢中で腰を振り、獅子自身を熱く締め付ける。あまりの悦楽に口を閉じる事も出来ない。

 何度目か分からない絶頂をリュセルが迎えた後、獅子はビクンっと体を震わせ、目の前の白い肩を顎の先で抑え込む。本当は、本能のままに牙を立て、獲物を逃れられないようにして子種を注ぎ込みたいのだが、そんな事をしたらリュセルが大怪我をしてしまう。本能のままに獲物を貪りながらも、獅子は最後の砦を守っていた。

「ぁ、ッ、ぁぁあ……」

 一方のリュセルは、内(なか)に注ぎ込まれる大量の熱に恍惚の表情を浮かべ、再び達する。

 しかし

「ぁあ、アッ、また……ぁああああッ」

 一度達しても、衰えをまったく見せぬ獅子のものが再びうごめく。

「ひぃッひぃぃ、ぁああ、ああんッ、もっとッ……もっとッ……、ひぃ、やぁ……、もっと犯して……ッ」

 滅茶苦茶に貪られたくて、犯されたくて。

 声が枯れるまで啼き、体内に蓄えられたレイデの神気がきれるまで獅子の欲望を欲し、獣のように本能のまま、淫猥に乱れた。激し過ぎる獣との交わりにようやく体が満足して意識が途切れる寸前には、リュセルの体は、この獅子の番(つがい)の雌に作り変えられたかのようだった。
 
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