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第十六章 闇射す光
11-2 戦いの果て
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「スノーデューク」
痛い痛いと泣くスノーデュークを見上げたローウェンは、再生と同時に忌色を失い、蒼色となった双眸を悲し気に揺るがせる。
「愛しい弟神」
かつての姿を思い出し、やるせなさにアルティスは目を閉じる。
「愛しているわ。いつまでも……」
優しい闇の神。いつまでもその気持ちは変わらぬと、ティアラは優しくささやく。
「きっといつか……。いつかきっと、また共に在れる日が来る」
遠い未来への希望を抱き、ジュリナは力強く微笑む。
「その時は、あの頃のような優しい微笑みを、必ず見せておくれ」
過去の優しくも頼もしかった彼の姿を思い浮かべながら、レオンハルトは願う。
言葉を贈ると同時に、ローウェン、アルティス、ティアラ、ジュリナ、レオンハルトの順にその姿は陽炎のように揺らめき、リュセルの中へと消えていく。
一人、また一人と吸収される内に、リュセルの容姿は変化を遂げた。
ローウェンと同化すると共に、左目の下に黒子が現れ
アルティスと同化すると共に、肌の色が褐色に染まり
ティアラと同化すると共に、容貌が可憐な少女のものになり
ジュリナと同化すると共に、声が印象深い女性のものになる。
そして、レオンハルトと同化すると共に目を見開いたリュセルの瞳は金色に輝き、短かった髪が一気に足元まで広がった。
白色の神衣を身にまとったリュセルは、レオンハルトとの神化をする事無く、同胞達のスノーデュークへの想いの力を借りて女神の姿と力を取り戻したのだ。
今のリュセルはリュセルであってリュセルではない。レオンハルトであり、ジュリナであり、ティアラであり、アルティスであり、ローウェンなのである。
六人の魂と意識が一緒になっている状態だ。
「姉……上?」
レイデュークの姿を確認したスノーデュークは、痛みに耐えながら手を伸ばす。
「憎い……姉上を奪ったすべてが憎い…………ッ」
幼い執着心は、ただ、欲しい欲しいとレイデュークを求め、彼女を奪った世界を憎む。
「違う……、憎いのはレイ様、貴女。貴女さえいなければ、スノウ様はあたくしを見てくれた!」
取り戻した記憶に苦しむスノーデュークの意識を押しのけ、その内に眠る邪心がアナスタシアの心を映し出し、表へと現れる。
そして、懐に忍ばせていたスノーデュークの舞扇を開くと、それを漆黒の神剣に変化させた。
「貴女が憎い、レイデューク!」
漆黒の髪を振り乱し、スノーデュークの姿をしたアナスタシアは漆黒の剣を振り下ろす、リュセルは片手に持った白銀の神剣で受け止めると、それをはじき返す。
「お前はもう消滅した、アナスタシア! 神としての禁忌に触れ、消えたんだ! デューク神の元では、既に新しい真実神が誕生しているはず……。お前はスノーの中で育ったアナスタシアの邪心。その感情を写し取ったに過ぎない。アナの偽物だ!」
リュセルはそう言うと同時にアナスタシアに斬りかかった。
「スノーを返してもらうぞ!」
「返さない、返さないわ! あたくしのスノー様。あたくしだけの……」
アナスタシアの邪心の妄執は激しく、神化したリュセルの攻撃を阻んだ。
”起て 闘士達よ 鬨の声を聞け”
破魔の詩を詩い、己の中の士気と闘志を高めながら激しいアナスタシアの反撃を受け流すリュセルは、その胸の奥にそれを見つけた。
邪心の核。
アナスタシアの邪心の意志が表に現れた影響で、隠されていたそれが見えるようになったのだろう。
「ああああああッ」
しかし、怒声と共に繰り出される剣を躱し、防戦一方のリュセルでは、見えた所でそれを浄化する事も出来ない。
大気を伝い叩きつけられる殺気に、美しかった草原は荒れた野原へと戻っていた。リュセルの纏う女神の衣装も所々裂け、漆黒の神剣に切り裂かれた肌からは血が滲む。
”汝らの敵は 我が前に
我が敵は 汝らの前に
万物を味方に 想いを武器に
誇りを剣に 望みを盾に
駆ける戦場 望みのままに”
破魔の詩で浄化の力の底上げをしても、まだ、ふとすると、攻撃の手を緩めてしまう。
ここまで歪めてしまったアナスタシアの心に気づけなかった自分自身への慚愧の念、弟神が邪心を埋め込まれていた事に気づけなかった後悔の念。それらが全力で戦う事を躊躇わせていた。
気づいていれば、スノーデュークは邪神に堕ちる事はなかったかもしれない。アナスタシアは消滅するまで追い込まれる事がなかったかもしれない。
でも、今となっては後の祭りだ。前を見なければならない。
進まなければ
戦い、倒さなければ、大事なものすべてが失われる。
全力で激情をぶつけるように戦うアナスタシアの邪心と、迷いのあるレイデュークの意志を継ぐリュセル。
神格としてはレイデュークの方が上であるにも関わらず、その戦いはいつまでもいつまでも続き、決着がつかないと思われた。
その時までは…………。
互いに満身創痍になりながらも永遠に決着がつかぬと思われた矢先、ピタリとアナスタシアの動きが止まったのだ。
アナスタシアの繰り出した剣での攻撃を肩に受け、顔を大きく歪めていたリュセルは、目の前に在った虹色が紫電へと戻るのを見つめた。
「スノー? いや、違う……」
その表情を一変させ、リュセルを睨み見た彼は、アナスタシアの邪心ではなく、ましてやスノーデュークでもなかった。
「何やってるんだ、相変わらず甘い奴だな!」
アナスタシアの邪心とスノーデュークの意識を抑え、表に現れたのは、目の前にある体の本来の主。
「セフィ……ッ」
その名を咄嗟に呼ぼうとしたリュセルを叱りつけるように彼は怒鳴った。
「迷わずやれと言っただろうがッ!」
苦しいのだろう。力ある神々の意志を押さえつけておくのは……。
彼の表情が苦痛に歪む。
しかし、その苦痛に耐え、彼は、リュセルの……リュセル達の背を押した。
「殺れ、リュセル!」
その言葉にリュセルは顔を上げると、持っていた剣を一振りし、長杖の玉に変化させた。
「死ね、レイデュークッ!」
再び瞳を虹色に変化させ、襲い来るアナスタシアに、玉から放たれる浄化の光が降り注ぐ。その神気はすさまじく、アナスタシアの中にため込まれた邪気が破魔の力で払われる。
「いやあああああああああッ!」
失われていく邪気を恐れ、逃げようとするアナスタシアは体が動かない事に気づいた。
「なんで、なんで体が動かないの? あたくしの体!」
(お前のじゃない、俺の体だ!)
脳裏に響く声。
愛しい闇の神、スノーデュークの子。
闇の器となった、邪混鬼。
「お前、消滅したはずじゃ…………ッ」
相手が狼狽え、意識を逸らした、その僅かな間に、リュセルは武器を玉から鏡に変えた。鏡から溢れる封魔の力で封じられたアナスタシアは、怯えながら目の前に迫る白銀の神を見た。
「待って……、あたくしを殺せば、この体の主も無事ではないわよッ」
「お前の言葉はまやかし。お前の瞳は真実ではなく偽りを見る。お前はアナでもスノーでもない。それでも、この後悔と慚愧は、俺達が死ぬまで、ずっと持って生きて行く。この生涯が終わるまで、ずっとずっと貴女の為に祈り続けるから。……だから、もう終わらせてあげてくれ」
そうして鏡を剣へと戻したリュセルは、目の前の体を切り裂き、崩れ落ちる体のその胸の奥、スノーデュークの心の奥に植え付けられていた邪心の核に剣を突き立てた。
「…………ッッ」
神剣を中心に、二神の周囲に白銀の光が溢れる。
世界中に溢れた邪気の源ともいえる邪気の浄化には、六人の神子の浄化の力、レイデュークの力を以ってしても時間がかかり、その状態のまま、リュセルは身動きする事もなく浄化の力を送り続けた。
長い長い、時間。
そうして、気の遠くなるような長い時間を経た後、胸に剣を突き立てられたまま目を閉じ、ぐったりとしていたスノーデュークの目が開いた。
その色は、美しい菫色。
力のない、かすれた優しい声で、彼はささやくように告げた。
「申し訳……ありませんでした、姉上」
それにリュセルは目を固く閉じ、大きく息を吐く。
泣きたかった。
目の前の青年神の体を掻き抱いて、その菫色の瞳に自分を映し出して欲しかった。
でも、それは許されない。
許してはならない。
内に在った邪心は浄化されたが、いくらアナスタシアの邪心に支配されていたとはいえ、彼が犯した神としての罪は大きい。
大き過ぎた…………。
「お前は……、お前の魂は、この罪を償う為、神としての力も姿も記憶も失くし、この世界の生き物として生まれ変わりなさい」
「…………」
「転生し、わらわ以外の誰かを愛するのだ。唯一無二の相手。それを見つけ、己の魂をかけて愛し抜き、すべてを終えたら……、罪がすべて洗われたら、また共に在ろう。もう逃げぬよ。お前からも、自分の気持ちからも、もう逃げぬ」
そう告げた姉神の体をスノーデュークは抱き締める。
「いつか、きっと」
昔のような優しい微笑みを残して、スノーデュークは消えた。
この世界の輪廻の輪に加わったのだ。
いつか再び、レイデュークと出会う為に…………。
「いつか、きっと。また出会おう……スノー」
スノーデュークとしての姿を失くし、翠緑の髪の神官服の青年の姿に戻った彼の体を抱きしめて、レイデュークは涙を流し続けた。
痛い痛いと泣くスノーデュークを見上げたローウェンは、再生と同時に忌色を失い、蒼色となった双眸を悲し気に揺るがせる。
「愛しい弟神」
かつての姿を思い出し、やるせなさにアルティスは目を閉じる。
「愛しているわ。いつまでも……」
優しい闇の神。いつまでもその気持ちは変わらぬと、ティアラは優しくささやく。
「きっといつか……。いつかきっと、また共に在れる日が来る」
遠い未来への希望を抱き、ジュリナは力強く微笑む。
「その時は、あの頃のような優しい微笑みを、必ず見せておくれ」
過去の優しくも頼もしかった彼の姿を思い浮かべながら、レオンハルトは願う。
言葉を贈ると同時に、ローウェン、アルティス、ティアラ、ジュリナ、レオンハルトの順にその姿は陽炎のように揺らめき、リュセルの中へと消えていく。
一人、また一人と吸収される内に、リュセルの容姿は変化を遂げた。
ローウェンと同化すると共に、左目の下に黒子が現れ
アルティスと同化すると共に、肌の色が褐色に染まり
ティアラと同化すると共に、容貌が可憐な少女のものになり
ジュリナと同化すると共に、声が印象深い女性のものになる。
そして、レオンハルトと同化すると共に目を見開いたリュセルの瞳は金色に輝き、短かった髪が一気に足元まで広がった。
白色の神衣を身にまとったリュセルは、レオンハルトとの神化をする事無く、同胞達のスノーデュークへの想いの力を借りて女神の姿と力を取り戻したのだ。
今のリュセルはリュセルであってリュセルではない。レオンハルトであり、ジュリナであり、ティアラであり、アルティスであり、ローウェンなのである。
六人の魂と意識が一緒になっている状態だ。
「姉……上?」
レイデュークの姿を確認したスノーデュークは、痛みに耐えながら手を伸ばす。
「憎い……姉上を奪ったすべてが憎い…………ッ」
幼い執着心は、ただ、欲しい欲しいとレイデュークを求め、彼女を奪った世界を憎む。
「違う……、憎いのはレイ様、貴女。貴女さえいなければ、スノウ様はあたくしを見てくれた!」
取り戻した記憶に苦しむスノーデュークの意識を押しのけ、その内に眠る邪心がアナスタシアの心を映し出し、表へと現れる。
そして、懐に忍ばせていたスノーデュークの舞扇を開くと、それを漆黒の神剣に変化させた。
「貴女が憎い、レイデューク!」
漆黒の髪を振り乱し、スノーデュークの姿をしたアナスタシアは漆黒の剣を振り下ろす、リュセルは片手に持った白銀の神剣で受け止めると、それをはじき返す。
「お前はもう消滅した、アナスタシア! 神としての禁忌に触れ、消えたんだ! デューク神の元では、既に新しい真実神が誕生しているはず……。お前はスノーの中で育ったアナスタシアの邪心。その感情を写し取ったに過ぎない。アナの偽物だ!」
リュセルはそう言うと同時にアナスタシアに斬りかかった。
「スノーを返してもらうぞ!」
「返さない、返さないわ! あたくしのスノー様。あたくしだけの……」
アナスタシアの邪心の妄執は激しく、神化したリュセルの攻撃を阻んだ。
”起て 闘士達よ 鬨の声を聞け”
破魔の詩を詩い、己の中の士気と闘志を高めながら激しいアナスタシアの反撃を受け流すリュセルは、その胸の奥にそれを見つけた。
邪心の核。
アナスタシアの邪心の意志が表に現れた影響で、隠されていたそれが見えるようになったのだろう。
「ああああああッ」
しかし、怒声と共に繰り出される剣を躱し、防戦一方のリュセルでは、見えた所でそれを浄化する事も出来ない。
大気を伝い叩きつけられる殺気に、美しかった草原は荒れた野原へと戻っていた。リュセルの纏う女神の衣装も所々裂け、漆黒の神剣に切り裂かれた肌からは血が滲む。
”汝らの敵は 我が前に
我が敵は 汝らの前に
万物を味方に 想いを武器に
誇りを剣に 望みを盾に
駆ける戦場 望みのままに”
破魔の詩で浄化の力の底上げをしても、まだ、ふとすると、攻撃の手を緩めてしまう。
ここまで歪めてしまったアナスタシアの心に気づけなかった自分自身への慚愧の念、弟神が邪心を埋め込まれていた事に気づけなかった後悔の念。それらが全力で戦う事を躊躇わせていた。
気づいていれば、スノーデュークは邪神に堕ちる事はなかったかもしれない。アナスタシアは消滅するまで追い込まれる事がなかったかもしれない。
でも、今となっては後の祭りだ。前を見なければならない。
進まなければ
戦い、倒さなければ、大事なものすべてが失われる。
全力で激情をぶつけるように戦うアナスタシアの邪心と、迷いのあるレイデュークの意志を継ぐリュセル。
神格としてはレイデュークの方が上であるにも関わらず、その戦いはいつまでもいつまでも続き、決着がつかないと思われた。
その時までは…………。
互いに満身創痍になりながらも永遠に決着がつかぬと思われた矢先、ピタリとアナスタシアの動きが止まったのだ。
アナスタシアの繰り出した剣での攻撃を肩に受け、顔を大きく歪めていたリュセルは、目の前に在った虹色が紫電へと戻るのを見つめた。
「スノー? いや、違う……」
その表情を一変させ、リュセルを睨み見た彼は、アナスタシアの邪心ではなく、ましてやスノーデュークでもなかった。
「何やってるんだ、相変わらず甘い奴だな!」
アナスタシアの邪心とスノーデュークの意識を抑え、表に現れたのは、目の前にある体の本来の主。
「セフィ……ッ」
その名を咄嗟に呼ぼうとしたリュセルを叱りつけるように彼は怒鳴った。
「迷わずやれと言っただろうがッ!」
苦しいのだろう。力ある神々の意志を押さえつけておくのは……。
彼の表情が苦痛に歪む。
しかし、その苦痛に耐え、彼は、リュセルの……リュセル達の背を押した。
「殺れ、リュセル!」
その言葉にリュセルは顔を上げると、持っていた剣を一振りし、長杖の玉に変化させた。
「死ね、レイデュークッ!」
再び瞳を虹色に変化させ、襲い来るアナスタシアに、玉から放たれる浄化の光が降り注ぐ。その神気はすさまじく、アナスタシアの中にため込まれた邪気が破魔の力で払われる。
「いやあああああああああッ!」
失われていく邪気を恐れ、逃げようとするアナスタシアは体が動かない事に気づいた。
「なんで、なんで体が動かないの? あたくしの体!」
(お前のじゃない、俺の体だ!)
脳裏に響く声。
愛しい闇の神、スノーデュークの子。
闇の器となった、邪混鬼。
「お前、消滅したはずじゃ…………ッ」
相手が狼狽え、意識を逸らした、その僅かな間に、リュセルは武器を玉から鏡に変えた。鏡から溢れる封魔の力で封じられたアナスタシアは、怯えながら目の前に迫る白銀の神を見た。
「待って……、あたくしを殺せば、この体の主も無事ではないわよッ」
「お前の言葉はまやかし。お前の瞳は真実ではなく偽りを見る。お前はアナでもスノーでもない。それでも、この後悔と慚愧は、俺達が死ぬまで、ずっと持って生きて行く。この生涯が終わるまで、ずっとずっと貴女の為に祈り続けるから。……だから、もう終わらせてあげてくれ」
そうして鏡を剣へと戻したリュセルは、目の前の体を切り裂き、崩れ落ちる体のその胸の奥、スノーデュークの心の奥に植え付けられていた邪心の核に剣を突き立てた。
「…………ッッ」
神剣を中心に、二神の周囲に白銀の光が溢れる。
世界中に溢れた邪気の源ともいえる邪気の浄化には、六人の神子の浄化の力、レイデュークの力を以ってしても時間がかかり、その状態のまま、リュセルは身動きする事もなく浄化の力を送り続けた。
長い長い、時間。
そうして、気の遠くなるような長い時間を経た後、胸に剣を突き立てられたまま目を閉じ、ぐったりとしていたスノーデュークの目が開いた。
その色は、美しい菫色。
力のない、かすれた優しい声で、彼はささやくように告げた。
「申し訳……ありませんでした、姉上」
それにリュセルは目を固く閉じ、大きく息を吐く。
泣きたかった。
目の前の青年神の体を掻き抱いて、その菫色の瞳に自分を映し出して欲しかった。
でも、それは許されない。
許してはならない。
内に在った邪心は浄化されたが、いくらアナスタシアの邪心に支配されていたとはいえ、彼が犯した神としての罪は大きい。
大き過ぎた…………。
「お前は……、お前の魂は、この罪を償う為、神としての力も姿も記憶も失くし、この世界の生き物として生まれ変わりなさい」
「…………」
「転生し、わらわ以外の誰かを愛するのだ。唯一無二の相手。それを見つけ、己の魂をかけて愛し抜き、すべてを終えたら……、罪がすべて洗われたら、また共に在ろう。もう逃げぬよ。お前からも、自分の気持ちからも、もう逃げぬ」
そう告げた姉神の体をスノーデュークは抱き締める。
「いつか、きっと」
昔のような優しい微笑みを残して、スノーデュークは消えた。
この世界の輪廻の輪に加わったのだ。
いつか再び、レイデュークと出会う為に…………。
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