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第二章 邂逅
4-1 邪鬼クロードの襲撃
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見た目は、物憂げに本を読む美貌の王子なのだが、その内心は、自分の予想に狂喜乱舞している変な奴である。そんな自分をうっとりと自分を見つめるティルの視線が非常に痛いが、それを気にする事なく、綾香は頷いた。
(そうだ。今、レオンの部屋にいるのは、ここに結界が張られてて、その上、剣主の部屋だから、私にとって安全だからだろう?儀式を済ませれば正式に剣鍵とやらに認定されて、邪気もちょっかいかけて来られない)
って事は
(今の状況から脱却するという事か)
嬉しい!
かなり、嬉しい。
この三日間というもの、部屋の寝室に当然のごとくベットは一つしかなかった為(馬鹿でかいが)、ずっと夜は兄と一緒のベットで眠ってきた。半身だからか、一緒に眠るのは精神的に安定して、すぐ眠りの底に落ちられるし、よく眠れるからいいのだが。
(嫌だ)
あの心地よさに慣れそうで怖い
(しかし、儀式が終われば、そんな事もないだろうしな。儀式がどんなものかはわからないが)
ふふふふふふ
美貌の主人が不気味な笑いをその内心で漏らしているとは思いもしないティルは、薄い微笑みを浮かべたその美貌を見つめ、陶然としたため息をついた。
(リュセル様が魅惑的な微笑みを浮かべていらっしゃる。きっと、僕には考えも及ばないような高尚な事を考えていらっしゃるに違いない。)
そんな風にまったく見当違いな事をティルが考えていると、扉の外でドサリという何かが倒れた音がした。
「ユージン?」
妄想から我に返った綾香が、外の騎士に呼びかけるが返事はなかった。
「どうしたんだ」
立ち上がって扉に向かおうとした綾香をティルが止めた。
「いけません、殿下。何があるかわかりませんので、ここにいて下さい。僕が様子を見てきます」
「ああ」
あまり深く考えずに頷くと、ティルは恐る恐る扉に近づいて行き、声をかけた。
「ユージン様?」
「……」
反応のない騎士にティルは心配になり、扉を開けて外に出ると、すぐに扉を閉めた。
「ッ!!」
バッタンッ
中にいる者を守るように、勢いをつけて閉じられた扉。綾香はただごとではない事態を察した。
「ティル!」
扉に駆け寄って開けようとした時、外から鋭い声が響いた。
「開けてはいけませんっ、リュセル様!」
その声に動きを止めた瞬間、悲鳴が響き渡った。
「きゃあああああああっ!」
ティルの悲鳴に我慢できず、綾香は扉を一気に開けて叫んだ。
「ティル!」
その瞬間、ティルの小さな体が綾香の腕の中に飛び込んできた。
青い顔をして綾香を見た彼は、最後の力を振り絞って言った。
「お逃げ……、下さい」
ガクリと、そのまま気を失ったティルの体を支えたまま、綾香は周りを見回した。
「ッ!!」
廊下の中央に倒れ臥したユージンの肩に、剣を突き立てている見知らぬ男がいる。
(何だ、あれは?)
宝石で飾り立てた、その豪華な衣装も霞む程、男の周りに黒いもやのようなものが見えた。
「初めまして、女神の息子」
その言葉により、綾香はこの男が普通の人間でない事に気づいた。一見、普通の容貌の成金のお坊ちゃんという感じの男なのだが、その表情が普通ではなかった。背筋がぞわぞわするような恐ろしさを含んでいるのだ。
「せっかくここまで苦労して入り込んできたんだから、さっさとそこから出て来いよ。その部屋、結界が強過ぎて、人間の体を媒介にしても入れないんだよ」
男はにっこり笑うと、そう言って、今度はユージンの首に剣を向けた。
「待てッ!」
綾香はたまらずにそう叫び、部屋の外に足を伸ばした。
外に出ると、部屋にいた時には感じなかった、そのあまりの禍々しさに吐き気がした。普通の人間はこのあまりに強い邪気に耐えられないだろう。
邪気。そう、これが邪気だ。
なんという禍々しさ!
あまりの暗さに、背筋にじっとりと冷や汗が流れ落ちる。
それに、床に倒れたままのユージンが気になった。この邪気の中、果たして生きているのか。
次の瞬間
男はユージンの体を放り飛ばすと、音もなく綾香との距離を詰めた。
「!!」
目を見開く綾香の顔を、じっと見つめると彼は言った。
「お前をさらってくるように命令を受けてるんでな。おとなしくしていたら、優しく運んでやるよ」
「どこにだ」
じっと自分を睨みつけてそう言った綾香に、男は肩をすくめた。
「さてね」
まともに答える気は、さらさらないらしい。
(どうしたらいい)
目の前の男の不気味な脅威に、綾香は寒くなった。そうしている間にも、男の周りの黒いもやは、綾香を欲するように腕にまとわりついてくる。
「ッ!」
そのもやを払いのけようとした時、腕を男に掴まれた。
「邪気達はお前が気に入ったらしいな。まあ、女神の息子だから当然か。…………ッ……何?」
薄く酷薄な笑みを浮かべていた男は、だが、台詞の途中で、頭を押さえて苦しそうに身をよじり出した。
その好機に、綾香は彼の腕を振り払おうと身じろぎし、しかし、すぐに動きを止めた。男の瞳が、紫電の光を放っていたのだ。
本能が危険だと悲鳴を上げた、次の瞬間、男は綾香の体を強い力で床に押さえつけた。
「ひどいな、姉上」
その口から紡がれた声は、今まで聞いてた男のものではない。
もっと若々しい、少年の声。
「僕は、ずっと姉上に会いたかったんだよ?」
哀しげなその声に、綾香の脳裏を一人の少年の姿が駆け巡った。
姉上姉上姉上姉上、レイデューク姉上!
愛してる愛してる愛してる愛してる愛してるッ
お願いだから、僕だけ見て?
他のものは、見ないで
ずっと一緒にいて
離れないで…………
離れないで離れないで離れないで
離さない……
離さない離さない離さない
僕だけのモノでいて
僕を見捨てないで
僕だけを、愛してよおおおおおおおッッ!
遠い過去の少年の慟哭を思い出すと共に、綾香はその名を叫んだ。
「スノーデュークッッ!」
「ああ、やっぱり君が、そうなんだね」
自分の名を呼んだ綾香に、男は嬉しそうに微笑んだ。闇の微笑。美しくも禍々しい、目の離せない、無邪気な微笑み。
その瞬間、綾香を支配したのは暗い恐怖だった。
「姉上……」
うっとりと、銀の髪を撫でられて、身の毛もよだつ程ぞっとする。
恐怖のあまり声も出せないでいると、ふと何かが心に触れた。
「え?」
それは、闇の恐怖に震える綾香に、希望を与えんとする光だった。
「姉上?」
どこか遠くを見つめる目の前の青年に、男は首を傾げた。
「呼んでいる」
小さく綾香が呟いた時
ドオオオオオオンッ
地響きと共に、大地が大きく揺れた。
「っこれは、この力は……、姉上!」
男は絶望的な表情で綾香を見つめる。
「そうまでして、僕を拒絶するのですかっ!?」
その悲痛な叫びと共に、男の体が大きく傾き、綾香の体の上に落ちてきた。
「ぐえっ」
その衝撃に呻いた時、頭の中で声が響いた。
ー今よ、逃げなさい-
「え!?」
男の下から這い出た綾香は、その声に動きを止める。
「う……」
男が小さく呻く。
意識を取り戻しそうだ。
ー何をしておるのだ! スノーの意識は跳ね飛ばしたが、その人間にはまだ邪鬼がとり付いておる。早う逃げよ!-
聞いたことのあるような、その不思議な声に導かれて、綾香は慌てて立ち上がりふらつく足を叱咤しながら走り出した。
「くそ……。マスターもいつも突然なんだからな。まったく、こっちの身にもなれってんだよ!」
綾香が走り去った後、男は首を一回振ると、立ち上がり、ため息をついた。
「どこに逃げるつもりかわかんないけど、俺からは逃げられないぞ。まったく、剣主が戻ってくる前になんとかしなくちゃならんというのに、マスターのこらえ性なしが!」
そう喚いた男は、綾香を追う為、悪鬼の表情で歩き出したのだった。
大地が揺れた。
それは、アシェイラ全土を巻き込んだ広範囲による大きな揺れだった。
「リュセル?」
教会の浄化に力を注いでいたレオンハルトは、大きな地震に慌てふためく周りの反応をよそに、城へと意識を集中させた。
浄化への意識を薄める事になるが、仕方ない。
「ッ!」
集中させると同時に、レオンハルトは教会を飛び出した。
「殿下!?」
普段表情を変えない主が血相を変えて走り出したのを見て、レオンハルトに付き添って来ていた騎士の一人、アイリーンは、慌てて、もう一人の騎士、アントニオと共に主を追う。
今、この時、城を覆うこの禍々しい邪気を感じ取れるのはレオンハルトしかいない。
そして、レオンハルトが感じた邪気の中にまぎれて感じる弟の気配は、激しく移動を繰り返していた。おそらく、この邪気の持ち主から逃げ回っているのだろう。
街中を尋常ではないスピードで駆けながら、レオンハルトは城へと急いだ。
「逃げるったって、一体どこにだ!?」
レオンハルトが帰城を急ぐ中、彼の心配の元である綾香はというと、息を切らせながら走り回っていたのだが、どこに行けばいいのかまったくわからない。
叫びながら、彼は広い城内を右往左往していた。そんな中、城内にいた者が、皆、床に倒れ臥しているのを目にする。おそらく、邪気の影響だろう。
(なんてひどい)
(そうだ。今、レオンの部屋にいるのは、ここに結界が張られてて、その上、剣主の部屋だから、私にとって安全だからだろう?儀式を済ませれば正式に剣鍵とやらに認定されて、邪気もちょっかいかけて来られない)
って事は
(今の状況から脱却するという事か)
嬉しい!
かなり、嬉しい。
この三日間というもの、部屋の寝室に当然のごとくベットは一つしかなかった為(馬鹿でかいが)、ずっと夜は兄と一緒のベットで眠ってきた。半身だからか、一緒に眠るのは精神的に安定して、すぐ眠りの底に落ちられるし、よく眠れるからいいのだが。
(嫌だ)
あの心地よさに慣れそうで怖い
(しかし、儀式が終われば、そんな事もないだろうしな。儀式がどんなものかはわからないが)
ふふふふふふ
美貌の主人が不気味な笑いをその内心で漏らしているとは思いもしないティルは、薄い微笑みを浮かべたその美貌を見つめ、陶然としたため息をついた。
(リュセル様が魅惑的な微笑みを浮かべていらっしゃる。きっと、僕には考えも及ばないような高尚な事を考えていらっしゃるに違いない。)
そんな風にまったく見当違いな事をティルが考えていると、扉の外でドサリという何かが倒れた音がした。
「ユージン?」
妄想から我に返った綾香が、外の騎士に呼びかけるが返事はなかった。
「どうしたんだ」
立ち上がって扉に向かおうとした綾香をティルが止めた。
「いけません、殿下。何があるかわかりませんので、ここにいて下さい。僕が様子を見てきます」
「ああ」
あまり深く考えずに頷くと、ティルは恐る恐る扉に近づいて行き、声をかけた。
「ユージン様?」
「……」
反応のない騎士にティルは心配になり、扉を開けて外に出ると、すぐに扉を閉めた。
「ッ!!」
バッタンッ
中にいる者を守るように、勢いをつけて閉じられた扉。綾香はただごとではない事態を察した。
「ティル!」
扉に駆け寄って開けようとした時、外から鋭い声が響いた。
「開けてはいけませんっ、リュセル様!」
その声に動きを止めた瞬間、悲鳴が響き渡った。
「きゃあああああああっ!」
ティルの悲鳴に我慢できず、綾香は扉を一気に開けて叫んだ。
「ティル!」
その瞬間、ティルの小さな体が綾香の腕の中に飛び込んできた。
青い顔をして綾香を見た彼は、最後の力を振り絞って言った。
「お逃げ……、下さい」
ガクリと、そのまま気を失ったティルの体を支えたまま、綾香は周りを見回した。
「ッ!!」
廊下の中央に倒れ臥したユージンの肩に、剣を突き立てている見知らぬ男がいる。
(何だ、あれは?)
宝石で飾り立てた、その豪華な衣装も霞む程、男の周りに黒いもやのようなものが見えた。
「初めまして、女神の息子」
その言葉により、綾香はこの男が普通の人間でない事に気づいた。一見、普通の容貌の成金のお坊ちゃんという感じの男なのだが、その表情が普通ではなかった。背筋がぞわぞわするような恐ろしさを含んでいるのだ。
「せっかくここまで苦労して入り込んできたんだから、さっさとそこから出て来いよ。その部屋、結界が強過ぎて、人間の体を媒介にしても入れないんだよ」
男はにっこり笑うと、そう言って、今度はユージンの首に剣を向けた。
「待てッ!」
綾香はたまらずにそう叫び、部屋の外に足を伸ばした。
外に出ると、部屋にいた時には感じなかった、そのあまりの禍々しさに吐き気がした。普通の人間はこのあまりに強い邪気に耐えられないだろう。
邪気。そう、これが邪気だ。
なんという禍々しさ!
あまりの暗さに、背筋にじっとりと冷や汗が流れ落ちる。
それに、床に倒れたままのユージンが気になった。この邪気の中、果たして生きているのか。
次の瞬間
男はユージンの体を放り飛ばすと、音もなく綾香との距離を詰めた。
「!!」
目を見開く綾香の顔を、じっと見つめると彼は言った。
「お前をさらってくるように命令を受けてるんでな。おとなしくしていたら、優しく運んでやるよ」
「どこにだ」
じっと自分を睨みつけてそう言った綾香に、男は肩をすくめた。
「さてね」
まともに答える気は、さらさらないらしい。
(どうしたらいい)
目の前の男の不気味な脅威に、綾香は寒くなった。そうしている間にも、男の周りの黒いもやは、綾香を欲するように腕にまとわりついてくる。
「ッ!」
そのもやを払いのけようとした時、腕を男に掴まれた。
「邪気達はお前が気に入ったらしいな。まあ、女神の息子だから当然か。…………ッ……何?」
薄く酷薄な笑みを浮かべていた男は、だが、台詞の途中で、頭を押さえて苦しそうに身をよじり出した。
その好機に、綾香は彼の腕を振り払おうと身じろぎし、しかし、すぐに動きを止めた。男の瞳が、紫電の光を放っていたのだ。
本能が危険だと悲鳴を上げた、次の瞬間、男は綾香の体を強い力で床に押さえつけた。
「ひどいな、姉上」
その口から紡がれた声は、今まで聞いてた男のものではない。
もっと若々しい、少年の声。
「僕は、ずっと姉上に会いたかったんだよ?」
哀しげなその声に、綾香の脳裏を一人の少年の姿が駆け巡った。
姉上姉上姉上姉上、レイデューク姉上!
愛してる愛してる愛してる愛してる愛してるッ
お願いだから、僕だけ見て?
他のものは、見ないで
ずっと一緒にいて
離れないで…………
離れないで離れないで離れないで
離さない……
離さない離さない離さない
僕だけのモノでいて
僕を見捨てないで
僕だけを、愛してよおおおおおおおッッ!
遠い過去の少年の慟哭を思い出すと共に、綾香はその名を叫んだ。
「スノーデュークッッ!」
「ああ、やっぱり君が、そうなんだね」
自分の名を呼んだ綾香に、男は嬉しそうに微笑んだ。闇の微笑。美しくも禍々しい、目の離せない、無邪気な微笑み。
その瞬間、綾香を支配したのは暗い恐怖だった。
「姉上……」
うっとりと、銀の髪を撫でられて、身の毛もよだつ程ぞっとする。
恐怖のあまり声も出せないでいると、ふと何かが心に触れた。
「え?」
それは、闇の恐怖に震える綾香に、希望を与えんとする光だった。
「姉上?」
どこか遠くを見つめる目の前の青年に、男は首を傾げた。
「呼んでいる」
小さく綾香が呟いた時
ドオオオオオオンッ
地響きと共に、大地が大きく揺れた。
「っこれは、この力は……、姉上!」
男は絶望的な表情で綾香を見つめる。
「そうまでして、僕を拒絶するのですかっ!?」
その悲痛な叫びと共に、男の体が大きく傾き、綾香の体の上に落ちてきた。
「ぐえっ」
その衝撃に呻いた時、頭の中で声が響いた。
ー今よ、逃げなさい-
「え!?」
男の下から這い出た綾香は、その声に動きを止める。
「う……」
男が小さく呻く。
意識を取り戻しそうだ。
ー何をしておるのだ! スノーの意識は跳ね飛ばしたが、その人間にはまだ邪鬼がとり付いておる。早う逃げよ!-
聞いたことのあるような、その不思議な声に導かれて、綾香は慌てて立ち上がりふらつく足を叱咤しながら走り出した。
「くそ……。マスターもいつも突然なんだからな。まったく、こっちの身にもなれってんだよ!」
綾香が走り去った後、男は首を一回振ると、立ち上がり、ため息をついた。
「どこに逃げるつもりかわかんないけど、俺からは逃げられないぞ。まったく、剣主が戻ってくる前になんとかしなくちゃならんというのに、マスターのこらえ性なしが!」
そう喚いた男は、綾香を追う為、悪鬼の表情で歩き出したのだった。
大地が揺れた。
それは、アシェイラ全土を巻き込んだ広範囲による大きな揺れだった。
「リュセル?」
教会の浄化に力を注いでいたレオンハルトは、大きな地震に慌てふためく周りの反応をよそに、城へと意識を集中させた。
浄化への意識を薄める事になるが、仕方ない。
「ッ!」
集中させると同時に、レオンハルトは教会を飛び出した。
「殿下!?」
普段表情を変えない主が血相を変えて走り出したのを見て、レオンハルトに付き添って来ていた騎士の一人、アイリーンは、慌てて、もう一人の騎士、アントニオと共に主を追う。
今、この時、城を覆うこの禍々しい邪気を感じ取れるのはレオンハルトしかいない。
そして、レオンハルトが感じた邪気の中にまぎれて感じる弟の気配は、激しく移動を繰り返していた。おそらく、この邪気の持ち主から逃げ回っているのだろう。
街中を尋常ではないスピードで駆けながら、レオンハルトは城へと急いだ。
「逃げるったって、一体どこにだ!?」
レオンハルトが帰城を急ぐ中、彼の心配の元である綾香はというと、息を切らせながら走り回っていたのだが、どこに行けばいいのかまったくわからない。
叫びながら、彼は広い城内を右往左往していた。そんな中、城内にいた者が、皆、床に倒れ臥しているのを目にする。おそらく、邪気の影響だろう。
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