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第五章 陰の日
4-2 陰の香り
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リュセルは、眉をしかめたまま、部屋の窓を見た。
「窓……」
*****
「ふっ。一国の王子が、こそ泥の真似をするはめになるとはな」
真夜中、皆が寝静まるのを待って、リュセルはレオンハルトの気配のする部屋の窓の真下に来ていた。
そこは、いわゆる城の別塔だった。
アシェイラ王都に戻ったばかりの頃にリュセルが閉じ込められていた塔。あの場所のように城から少し離れている。
まあ、あれ程高さはないが……
せいぜいマンションの二階分程の高さだ。(それでも充分高い)
「やれやれ」
リュセルはため息をつくと、持って来たロープの先を放り投げ、バルコニーの手すりの柵に通し、うまくロープを調整して、通したロープの先を下に下ろした。そのまま、下からロープを操作して手すりの柵に結び、片方のロープを強く引っ張る。
そして、うまく柵に引っかかったロープに満足そうに頷いたリュセルは、そのロープを使って壁伝いに昇り始めた。
ユージンとの特訓が、こんなところで役立っている。
「まったく。なんで俺が、こんな夜這いのような事を」
今までの心配が、急に怒りに転じてきたリュセルである。ぶつぶつ愚痴をこぼしながらも壁をよじ登り、やっとの思いでバルコニーの手すりの柵を越える。
かなりきつかった。
ぜえぜえと肩で息をし、汗だくになったリュセルは、少し休んでから、窓の方へと向かった。
(やはり、開いている)
用心深いレオンハルトも、窓までは施錠していなかったようだ。
窓……、いや、バルコニーがある為、それは、窓というより、扉と言った方がいいかもしれない。部屋から直接バルコニーに出られるようになっているようだった。
ギイイ
鈍い音を立てて、ソロソロと硝子の扉を開け、素早く室内へと入り込む。キョロキョロと落ち着きなく、周りを警戒する様は、豪邸に忍び込む、泥棒の姿である。
入り込んだ室内は、ランプに火を焚いておらず、光石(こうせき)も使用していないのか、かなり薄暗い様子であった。幸い、今夜は月が出ているので、カーテンの隙間から月の光が漏れ出ているが。
それにしても……
(なんだ、この甘い匂いは?)
部屋中に、今まで嗅いだ事のないような甘い匂いが満ちていたのだ。
(香でも焚いているのか?)
暗闇の為、目を凝らしながら部屋の中を進んでいくと、部屋の中央にソファとテーブルが見えた。テーブルの上に燭台が乗っており、火が点けてあるらしく、テーブルの周りだけ、ほのかに明るい。
そのソファの端から、長い足がはみ出ているのが見える。おそらく、レオンハルトだろう。
(おいおいおいッ、ベッドで寝てなくていいのか!)
よけいこじらせるだろうが!と考えるリュセルの中では、既にレオンハルトは風邪になっていた。
そして、早く寝台で休ませ、暖かくさせてやらねばならないと、ズカズカと足早にソファに近づき、件の病人(?)を覗き込む。
「……?」
そこには、ソファの上で怠惰に体を伸ばし、横になっている兄の姿があった。琥珀の瞳は固く閉ざされて、眠っているのがわかる。
(え?元気そうだな)
リュセルは眉をしかめると同時に首を傾げた。
はっきり言って、熱に苦しんでいるようにも、頭痛に苦しんでいるようにも、喉を痛がっているようにも、関節が痛そうにも、見えなかった。
(病気じゃないのか?)
気配に聡いレオンハルトが、近くに人がいるのに目を覚まさない時点でおかしいのだが、リュセルは、まったくそれには気づかずに、三つ子の姫の勘違いかと納得してしまった。
顔色が悪いのが気にはなるが、その他は健康そうだったのだ。
艶やかな胡桃色の髪も、雪のように白い肌も、繊細な美貌も損なわれていない。想像とかけ離れた事態に拍子抜けしてしまう。
(壁をよじ登った、俺の苦労は一体……)
リュセルは己の苦労を振り返った後、ソファの上で眠るレオンハルトの、艶やかな美貌を見つめた。
顔を見るのは、5日振りである。
(……なんだか、姫君の寝室に忍び入ったような気分になるのは何故だろう)
あははははと、心の中で乾いた笑いを浮かべた後、ため息を一つついたリュセルは、踵を返そうとした。ここにいるのがばれたら、大目玉である。
病気というのもデマだったようだし、安心して帰ろうとした時、レオンハルトの顔にかかる髪が気になった。何も考えずにソファの近くに跪き、髪を払う為に手を伸ばす。
「っ!」
瞬間、伸ばしかけた腕を掴まれる。
リュセルは、目の前で琥珀の瞳が一気に見開かれるのを凝視した。レオンハルトが起き上がった瞬間、室内に満ちていた甘い芳香が更に強く香ったようだった。
(何だ? この匂い……)
つい、掴まれていない方の手で鼻を覆う。気を抜くと、あまりにも強く香る匂いに、頭がぼうっとしてしまいそうだった。
「リュセル?」
寝起きの為なのか、それとも、やはり病気なのか、ひどくだるそうな仕草をしたレオンハルトは、遠ざけたはずの弟の名を呼んだ。
「何故、ここにいる」
咎めるような口調でそう言われ、リュセルは黙り込んだ。
「出て行きなさい」
続いた、切るような言葉。その身も蓋もないような言い方にリュセルはムッとする。
「そんな言い方はないだろう!?」
こちらを見ようともしないレオンハルトの態度が、更に怒張を誘う。
言い方は気に入らない。気に入らないが……
「お前、やっぱりどこか悪いのか?」
目の前の横顔がやつれて見えた。
「…………」
無言のまま顔を背けるレオンハルトに対し、リュセルは眉間の皺を深くした。
(レオン?)
具合が悪いのは本当らしい。
しかし、リュセルは今までにない位、頑なな兄の態度に、どうしたらいいのかわからなくなる。しばらく二人共無言だったが、不意にレオンハルトがソファから立ち上がった。
また、例の甘い香りが強くなる……
「私はもう休む。お前も部屋に戻りなさい」
「レオンっ!」
いつものように説明もせずに寝室に消えようとするレオンハルトを見て、頭に血を上らせたリュセルは、兄を追って立ち上がった。
次の瞬間、足がもつれ、前に体が倒れかける。
「ッ!」
(げっ!)
こんな、コントのような倒れ方したくないっ!
しかし、そんな倒れかけたリュセルを支えたのは力強い兄の腕だった。
「す、すまない」
支えてくれたレオンハルトに謝ると、リュセルは目を瞬かせた。
なんだかフラフラするのだ。
(それに、この匂い)
目の前の兄から強く香っているような気がする。強過ぎる匂いから逃れる為に、レオンハルトから身を離そうとリュセルは身じろいだ。
「レオン?」
背に回された腕が離れる気配がまったくない。しかも、倒れかけた体を支えてもらっているという体勢なので、かなり苦しい。
(どうしたんだ? も、もしかして、吐きそうなのか!?)
リュセルの中の、レオンハルト風邪疑惑は晴れていなかった。
そんな風に兄を心配して眉をしかめているリュセルの顔に不意に影が差したかと思ったら、いきなり唇が重なって来る。
(っ!?)
しかし、それは一瞬の事で、リュセルが驚きに目を見開く前に、触れただけで唐突にレオンハルトは口づけを解いた。
「リュセル……。お前、誰に唇を許した」
「…………は?」
リュセルは目が点になった。
当然である。
彼は、娼婦に口づけられたという事実を、眠っていたが為、まったく知らないのであるのだから。
(……やはり、病気で頭がおかしくなってしまったのか?)
それ故に、リュセルは、レオンハルトの頭の心配をしていた。しかし、そんなのん気な考えも、目の前の兄の瞳が段々と金の色を帯びるにつれて薄れていく。
「く、……くくくくくッ」
急に笑い出したかと思ったら、レオンハルトは金の瞳を細めて微笑んだ。
「覚悟は、出来ているかい?」
その微笑は、まさしく、魔性の微笑み。
リュセルが恐怖のあまり固まってしまった程の、残忍さと恐ろしさを秘めた、美し過ぎる微笑だった。
「か……覚悟って、何のだ?」
あまりの迫力に顔を引きつらせながらも、勇気をもってリュセルは尋ねる。
その質問に対して、レオンハルトは無言のまま、リュセルを見つめている。金色の瞳に、感情の色は一切見られない。
恐ろしさに慄き、後ずさろうとした弟の腕を素早く掴むと、彼はそのままツカツカと移動して寝室へと引っ張り込む。そして、そのまま乱暴に寝室のベットの上へと、その体を突き飛ばした。
「ッ!」
上質な寝台の為、かなり乱暴に突き飛ばされたのにも関わらず、衝撃は少なかったが、いきなりの事だった為、受身をとる事も出来なかった。
起き上がろうとした体は、すぐに、上から覆いかぶさってきたレオンハルトによって戻される。
両腕を押さえ込まれ、体重をかけられたリュセルは、兄の体を自分から引き離そうと躍起になっていた。重いし、押さえつけられた腕がかなり痛い。今だかつて、レオンハルトにこんな乱暴に扱われた事のないリュセルである。
「レオンっ!」
抗議の意味も込めて、端麗なる兄の顔を睨みつけるが、無表情でいるかと思われたレオンハルトは、薄く妖艶に笑っていた。
瞬間、背筋がぞっとする。
抵抗を止め、自分を凝視するリュセルを見たレオンハルトは、おもしろそうに瞬きをしていた。
「どうした?」
「窓……」
*****
「ふっ。一国の王子が、こそ泥の真似をするはめになるとはな」
真夜中、皆が寝静まるのを待って、リュセルはレオンハルトの気配のする部屋の窓の真下に来ていた。
そこは、いわゆる城の別塔だった。
アシェイラ王都に戻ったばかりの頃にリュセルが閉じ込められていた塔。あの場所のように城から少し離れている。
まあ、あれ程高さはないが……
せいぜいマンションの二階分程の高さだ。(それでも充分高い)
「やれやれ」
リュセルはため息をつくと、持って来たロープの先を放り投げ、バルコニーの手すりの柵に通し、うまくロープを調整して、通したロープの先を下に下ろした。そのまま、下からロープを操作して手すりの柵に結び、片方のロープを強く引っ張る。
そして、うまく柵に引っかかったロープに満足そうに頷いたリュセルは、そのロープを使って壁伝いに昇り始めた。
ユージンとの特訓が、こんなところで役立っている。
「まったく。なんで俺が、こんな夜這いのような事を」
今までの心配が、急に怒りに転じてきたリュセルである。ぶつぶつ愚痴をこぼしながらも壁をよじ登り、やっとの思いでバルコニーの手すりの柵を越える。
かなりきつかった。
ぜえぜえと肩で息をし、汗だくになったリュセルは、少し休んでから、窓の方へと向かった。
(やはり、開いている)
用心深いレオンハルトも、窓までは施錠していなかったようだ。
窓……、いや、バルコニーがある為、それは、窓というより、扉と言った方がいいかもしれない。部屋から直接バルコニーに出られるようになっているようだった。
ギイイ
鈍い音を立てて、ソロソロと硝子の扉を開け、素早く室内へと入り込む。キョロキョロと落ち着きなく、周りを警戒する様は、豪邸に忍び込む、泥棒の姿である。
入り込んだ室内は、ランプに火を焚いておらず、光石(こうせき)も使用していないのか、かなり薄暗い様子であった。幸い、今夜は月が出ているので、カーテンの隙間から月の光が漏れ出ているが。
それにしても……
(なんだ、この甘い匂いは?)
部屋中に、今まで嗅いだ事のないような甘い匂いが満ちていたのだ。
(香でも焚いているのか?)
暗闇の為、目を凝らしながら部屋の中を進んでいくと、部屋の中央にソファとテーブルが見えた。テーブルの上に燭台が乗っており、火が点けてあるらしく、テーブルの周りだけ、ほのかに明るい。
そのソファの端から、長い足がはみ出ているのが見える。おそらく、レオンハルトだろう。
(おいおいおいッ、ベッドで寝てなくていいのか!)
よけいこじらせるだろうが!と考えるリュセルの中では、既にレオンハルトは風邪になっていた。
そして、早く寝台で休ませ、暖かくさせてやらねばならないと、ズカズカと足早にソファに近づき、件の病人(?)を覗き込む。
「……?」
そこには、ソファの上で怠惰に体を伸ばし、横になっている兄の姿があった。琥珀の瞳は固く閉ざされて、眠っているのがわかる。
(え?元気そうだな)
リュセルは眉をしかめると同時に首を傾げた。
はっきり言って、熱に苦しんでいるようにも、頭痛に苦しんでいるようにも、喉を痛がっているようにも、関節が痛そうにも、見えなかった。
(病気じゃないのか?)
気配に聡いレオンハルトが、近くに人がいるのに目を覚まさない時点でおかしいのだが、リュセルは、まったくそれには気づかずに、三つ子の姫の勘違いかと納得してしまった。
顔色が悪いのが気にはなるが、その他は健康そうだったのだ。
艶やかな胡桃色の髪も、雪のように白い肌も、繊細な美貌も損なわれていない。想像とかけ離れた事態に拍子抜けしてしまう。
(壁をよじ登った、俺の苦労は一体……)
リュセルは己の苦労を振り返った後、ソファの上で眠るレオンハルトの、艶やかな美貌を見つめた。
顔を見るのは、5日振りである。
(……なんだか、姫君の寝室に忍び入ったような気分になるのは何故だろう)
あははははと、心の中で乾いた笑いを浮かべた後、ため息を一つついたリュセルは、踵を返そうとした。ここにいるのがばれたら、大目玉である。
病気というのもデマだったようだし、安心して帰ろうとした時、レオンハルトの顔にかかる髪が気になった。何も考えずにソファの近くに跪き、髪を払う為に手を伸ばす。
「っ!」
瞬間、伸ばしかけた腕を掴まれる。
リュセルは、目の前で琥珀の瞳が一気に見開かれるのを凝視した。レオンハルトが起き上がった瞬間、室内に満ちていた甘い芳香が更に強く香ったようだった。
(何だ? この匂い……)
つい、掴まれていない方の手で鼻を覆う。気を抜くと、あまりにも強く香る匂いに、頭がぼうっとしてしまいそうだった。
「リュセル?」
寝起きの為なのか、それとも、やはり病気なのか、ひどくだるそうな仕草をしたレオンハルトは、遠ざけたはずの弟の名を呼んだ。
「何故、ここにいる」
咎めるような口調でそう言われ、リュセルは黙り込んだ。
「出て行きなさい」
続いた、切るような言葉。その身も蓋もないような言い方にリュセルはムッとする。
「そんな言い方はないだろう!?」
こちらを見ようともしないレオンハルトの態度が、更に怒張を誘う。
言い方は気に入らない。気に入らないが……
「お前、やっぱりどこか悪いのか?」
目の前の横顔がやつれて見えた。
「…………」
無言のまま顔を背けるレオンハルトに対し、リュセルは眉間の皺を深くした。
(レオン?)
具合が悪いのは本当らしい。
しかし、リュセルは今までにない位、頑なな兄の態度に、どうしたらいいのかわからなくなる。しばらく二人共無言だったが、不意にレオンハルトがソファから立ち上がった。
また、例の甘い香りが強くなる……
「私はもう休む。お前も部屋に戻りなさい」
「レオンっ!」
いつものように説明もせずに寝室に消えようとするレオンハルトを見て、頭に血を上らせたリュセルは、兄を追って立ち上がった。
次の瞬間、足がもつれ、前に体が倒れかける。
「ッ!」
(げっ!)
こんな、コントのような倒れ方したくないっ!
しかし、そんな倒れかけたリュセルを支えたのは力強い兄の腕だった。
「す、すまない」
支えてくれたレオンハルトに謝ると、リュセルは目を瞬かせた。
なんだかフラフラするのだ。
(それに、この匂い)
目の前の兄から強く香っているような気がする。強過ぎる匂いから逃れる為に、レオンハルトから身を離そうとリュセルは身じろいだ。
「レオン?」
背に回された腕が離れる気配がまったくない。しかも、倒れかけた体を支えてもらっているという体勢なので、かなり苦しい。
(どうしたんだ? も、もしかして、吐きそうなのか!?)
リュセルの中の、レオンハルト風邪疑惑は晴れていなかった。
そんな風に兄を心配して眉をしかめているリュセルの顔に不意に影が差したかと思ったら、いきなり唇が重なって来る。
(っ!?)
しかし、それは一瞬の事で、リュセルが驚きに目を見開く前に、触れただけで唐突にレオンハルトは口づけを解いた。
「リュセル……。お前、誰に唇を許した」
「…………は?」
リュセルは目が点になった。
当然である。
彼は、娼婦に口づけられたという事実を、眠っていたが為、まったく知らないのであるのだから。
(……やはり、病気で頭がおかしくなってしまったのか?)
それ故に、リュセルは、レオンハルトの頭の心配をしていた。しかし、そんなのん気な考えも、目の前の兄の瞳が段々と金の色を帯びるにつれて薄れていく。
「く、……くくくくくッ」
急に笑い出したかと思ったら、レオンハルトは金の瞳を細めて微笑んだ。
「覚悟は、出来ているかい?」
その微笑は、まさしく、魔性の微笑み。
リュセルが恐怖のあまり固まってしまった程の、残忍さと恐ろしさを秘めた、美し過ぎる微笑だった。
「か……覚悟って、何のだ?」
あまりの迫力に顔を引きつらせながらも、勇気をもってリュセルは尋ねる。
その質問に対して、レオンハルトは無言のまま、リュセルを見つめている。金色の瞳に、感情の色は一切見られない。
恐ろしさに慄き、後ずさろうとした弟の腕を素早く掴むと、彼はそのままツカツカと移動して寝室へと引っ張り込む。そして、そのまま乱暴に寝室のベットの上へと、その体を突き飛ばした。
「ッ!」
上質な寝台の為、かなり乱暴に突き飛ばされたのにも関わらず、衝撃は少なかったが、いきなりの事だった為、受身をとる事も出来なかった。
起き上がろうとした体は、すぐに、上から覆いかぶさってきたレオンハルトによって戻される。
両腕を押さえ込まれ、体重をかけられたリュセルは、兄の体を自分から引き離そうと躍起になっていた。重いし、押さえつけられた腕がかなり痛い。今だかつて、レオンハルトにこんな乱暴に扱われた事のないリュセルである。
「レオンっ!」
抗議の意味も込めて、端麗なる兄の顔を睨みつけるが、無表情でいるかと思われたレオンハルトは、薄く妖艶に笑っていた。
瞬間、背筋がぞっとする。
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