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第五章 陰の日
4-3* 兄の逆鱗
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優美なる指に頬を撫でられ、リュセルは身を震わせる。
「口を開けなさい」
優しいが、抗いがたい命令を聞いたリュセルは、それに従うしか道はなかった。
恐る恐るというように開かれた唇。レオンハルトは満足そうに笑うと、差し出されたそれを荒々しく塞いだ。
「ん……ッんう……」
熱と激しさに呻いた弟の口内を味わいながら、レオンハルトは苦々しく眉をしかめる。やはり、本当にわずかだが、誰か見知らぬ者の気の流れを感じる。
誰かが、この唇に触れたのだ。
散々リュセルを翻弄した後、わずかに唇を離すと、まつ毛が触れる程近くで、レオンハルトは囁いた。
「私はもう、耐える事はやめるぞ。リュセル……」
その言葉と共に、リュセルは上着を一気に引き裂かれる。甘い香りが立ち込める中、ただそれを見つめているしかなかった。
月の、僅かな光しか差し込まぬ部屋には、二人分の荒い息遣いと、耐えるような声のみが響いている。
その日のレオンハルトは、容赦がなかった。
高められては追い落とされ、また高められる。彼の指と唇は、リュセルの欲望を高めるだけ高めて、意図を持って焦らし続けた。容赦のない行為に、リュセルは喘ぎ続ける事しか出来ない。
「はっ……ふッ、ん、ん……ぁ、あッ」
レオンハルトは、他の者に奪われた弟の唇にしつこい位に執着し、弄り続け、その一方でリュセル自身に濃厚な愛撫を加える。口腔と下肢、両方から淫らな水音が響き渡った。
「足をもっと開け」
「……ゃ……ッ嫌、だ……」
朦朧とした意識の中、やっとといった感じに呟いた弟に、レオンハルトはわがままな子供を相手するような口調で答えた。
「私が優しく言っている内に開くんだ。いつまでもそのままでいるつもりかい?」
「うう……」
それを聞き、苦しそうに呻いたリュセルは、そのまま兄の言葉に従う。
「はっ、……嫌だっ……嫌」
開かれた足の奥、繊細な場所を探られて、狼狽したように頭を振るリュセルの動きによって、月の光を編んだような銀糸の髪が舞った。
「嫌じゃないだろう?」
声も口調も優しいのに、爛々と妖しく光る金の瞳が美しくも恐ろしい。
そして、この甘い香り。
部屋の中に充満したそれは、あまりにも強過ぎて、リュセルの体にも移ってしまったかのようだった。この香りを嗅いでいるだけで、頭の奥がジンとして、体の奥が疼くのだ。
ディエラまでの旅の中、例の幽霊騒ぎを起こしたテイルの街で触れられて以来、口づけは何度も交わしたが、こんな風に触れられたりはしていない。
「嫌ッ……嫌だ……、そこっ…………、あ、触るなっ」
今まで一度しか許していない後腔を探られ、リュセルは、あの時受けた衝撃と感覚を思い出して啼く。
「…………」
そんな弟の拒否に無言で答えたまま、レオンハルトは更に指を増やす。
「!? ッぁん」
未知の行為に怯える心とは逆に、レオンハルトの指に暴かれ、熟れさせられていく体は、いつしかその刺激を悦んでいた。
もっと触れて欲しくてたまらない。信じられないような感覚だった。
そうして、己の香りと指と唇で、丹念に長い時間をかけて弟の体を開かせたレオンハルトは、その瞳をのぞき込んだ。
目の端に僅かに涙を浮かべた銀の瞳は、レオンハルトの姿を素直に映し出す。
今まで”陰の日”に抱いてきた女や少年達のように、その体は柔らかくない。女神の恩寵を受けた弟の肉体は、剣士でもないくせに程よく引き締まった体をしているのだ。
抱き心地としては、良くないはず。
でも、自分はこれを求めたのだ。ずっとずっと、産まれた時から、本能で求めてきた。それが真実。
脱げかけていた上着を肩から落とすと、レオンハルトは当然のようにリュセルの唇を奪う。そして、受け入れさせる為に、慣らし、焦らした弟の後腔に己自身を宛がった、次の瞬間、欲望のままに、その身を貫いたのだ。
上がったリュセルの悲鳴は、兄によって塞がれた口内へと消えていったのだった。
「口を開けなさい」
優しいが、抗いがたい命令を聞いたリュセルは、それに従うしか道はなかった。
恐る恐るというように開かれた唇。レオンハルトは満足そうに笑うと、差し出されたそれを荒々しく塞いだ。
「ん……ッんう……」
熱と激しさに呻いた弟の口内を味わいながら、レオンハルトは苦々しく眉をしかめる。やはり、本当にわずかだが、誰か見知らぬ者の気の流れを感じる。
誰かが、この唇に触れたのだ。
散々リュセルを翻弄した後、わずかに唇を離すと、まつ毛が触れる程近くで、レオンハルトは囁いた。
「私はもう、耐える事はやめるぞ。リュセル……」
その言葉と共に、リュセルは上着を一気に引き裂かれる。甘い香りが立ち込める中、ただそれを見つめているしかなかった。
月の、僅かな光しか差し込まぬ部屋には、二人分の荒い息遣いと、耐えるような声のみが響いている。
その日のレオンハルトは、容赦がなかった。
高められては追い落とされ、また高められる。彼の指と唇は、リュセルの欲望を高めるだけ高めて、意図を持って焦らし続けた。容赦のない行為に、リュセルは喘ぎ続ける事しか出来ない。
「はっ……ふッ、ん、ん……ぁ、あッ」
レオンハルトは、他の者に奪われた弟の唇にしつこい位に執着し、弄り続け、その一方でリュセル自身に濃厚な愛撫を加える。口腔と下肢、両方から淫らな水音が響き渡った。
「足をもっと開け」
「……ゃ……ッ嫌、だ……」
朦朧とした意識の中、やっとといった感じに呟いた弟に、レオンハルトはわがままな子供を相手するような口調で答えた。
「私が優しく言っている内に開くんだ。いつまでもそのままでいるつもりかい?」
「うう……」
それを聞き、苦しそうに呻いたリュセルは、そのまま兄の言葉に従う。
「はっ、……嫌だっ……嫌」
開かれた足の奥、繊細な場所を探られて、狼狽したように頭を振るリュセルの動きによって、月の光を編んだような銀糸の髪が舞った。
「嫌じゃないだろう?」
声も口調も優しいのに、爛々と妖しく光る金の瞳が美しくも恐ろしい。
そして、この甘い香り。
部屋の中に充満したそれは、あまりにも強過ぎて、リュセルの体にも移ってしまったかのようだった。この香りを嗅いでいるだけで、頭の奥がジンとして、体の奥が疼くのだ。
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「嫌ッ……嫌だ……、そこっ…………、あ、触るなっ」
今まで一度しか許していない後腔を探られ、リュセルは、あの時受けた衝撃と感覚を思い出して啼く。
「…………」
そんな弟の拒否に無言で答えたまま、レオンハルトは更に指を増やす。
「!? ッぁん」
未知の行為に怯える心とは逆に、レオンハルトの指に暴かれ、熟れさせられていく体は、いつしかその刺激を悦んでいた。
もっと触れて欲しくてたまらない。信じられないような感覚だった。
そうして、己の香りと指と唇で、丹念に長い時間をかけて弟の体を開かせたレオンハルトは、その瞳をのぞき込んだ。
目の端に僅かに涙を浮かべた銀の瞳は、レオンハルトの姿を素直に映し出す。
今まで”陰の日”に抱いてきた女や少年達のように、その体は柔らかくない。女神の恩寵を受けた弟の肉体は、剣士でもないくせに程よく引き締まった体をしているのだ。
抱き心地としては、良くないはず。
でも、自分はこれを求めたのだ。ずっとずっと、産まれた時から、本能で求めてきた。それが真実。
脱げかけていた上着を肩から落とすと、レオンハルトは当然のようにリュセルの唇を奪う。そして、受け入れさせる為に、慣らし、焦らした弟の後腔に己自身を宛がった、次の瞬間、欲望のままに、その身を貫いたのだ。
上がったリュセルの悲鳴は、兄によって塞がれた口内へと消えていったのだった。
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