60 / 424
第六章 北の神童
2-1 ディエラ王都からの出立
しおりを挟む
「まったく、ローウェン。お前にはいつも驚かされるねぇ」
ジュリナはそう言うと、ローウェンの金髪を撫でくり回した。
「でも、ローウェンの行動力の早さは長所ですわ」
ティアラも、優しい眼差しをローウェンに注ぐ。
「っで? 何しにこいつはここに来たんだい? レオンハルト」
ローウェンの髪を乱しに乱した後、ジュリナは我関せずといった感じでジュリナとティアラの分の紅茶を準備していた幼なじみに尋ねた。
「アシェイラに転移装置を作りたいそうだ」
その言葉に、ジュリナは「マジか!?」と、今度はローウェンに聞いた。
「うん。アシェイラにも作れば邪気浄化任務の効率も上がるし、それに、いつでも、リュセル兄さんも婚約者のティアラ姉さんに会えて嬉しいんじゃない?」
いきなり話をふられたリュセルは、飲んでいた紅茶を噴出しそうになる。ティアラを見ると、彼女も照れたように頬を染めていた。二人の間に、最近ではそう珍しくもなくなった、甘酸っぱい空気が流れ始めていた。
「リュセル様」
そっと、優しく呼びかけられる。
「ティアラ姫」
その呼びかけに、リュセルは甘い微笑みで応じた。
何を言う訳でもなく、ただ……、無言のまま、視線を交わしあう。熱く見つめ合うそは、美男美女のカップルそのものだ。
リュセルは、ティアラの緑色の瞳に「なんて美しいのだろう。」と見惚れ、ティアラはティアラで、リュセルの銀の瞳に「綺麗な色」と見惚れていた。互いに半身がいるというのに、自分の婚約者に並々ならぬ好意を抱いている二人は、いつしか、まるで恋人同士のように寄り添っていた。
(う~ん、なんか、間に入り込めない空気だなぁ)
蕩けるような微笑でティアラを見つめるリュセル。うっとりとした瞳でそれに答えるティアラ。両方を見比べながら、ローウェンはもじもじしてしまう。見ている方が照れくさくなってしまうじゃないか。
しかし、そんな若い二人を良く思わない人物が、ただ一人。
「ひゅーひゅー、熱いねぇ」
ティアラの手をとろうとした矢先、ジュリナがそう言ってリュセルを睨んだ。タイミングを逃したリュセルは、ジュリナの睨みもあり、ティアラから手を引く。
最近、柔和になってきたと思われたが……。
(相変わらずだな、ジュリナ殿は)
リュセルはあきらめモードになりながらも、この一か月の付き合いでジュリナ耐性がついていたので、不敵な笑みを浮かべ、彼女の、女にしておくにはもったいない程に凛々しい美貌を見つめる。
「ふっ、嫉妬など見苦しいですよ。ジュリナ殿」
挑戦的なリュセルの態度に対し、ジュリナも面白いと言わんばかりに、口端を僅かに上げて、薄く微笑む。
「言うようになったねぇ、坊や」
バチバチバチッと火花を散らし始めたリュセルとジュリナ。それを見ていたレオンハルトは、小さくため息をついた。
彼は、後悔していた。
この一か月というもの、弟を、この腐れ縁の幼なじみに関わらせ過ぎた為、かなり影響を受けてしまっているのだ。
表情を変える事のないまま、どうしたものかと思案するレオンハルトと、火花を散らして臨戦態勢のジュリナとリュセル、おろおろと姉と婚約者を見守るティアラを黙って見ていたローウェンは、ソファに横になると、懐から、可愛らしい黒猫のワッペンの入ったアイマスクを出し、それを装着して寝転がった。
「ど~でもいいケド、僕、一眠りするから出立する時に起こしてくれる?」
かなりマイペースな事を言って、健やかな寝息を立て始めた天才少年に、リュセルは突っ込んだ。
「こんな状況で寝るなっ!」
しかし、ローウェンはもう起きなかった。
*****
「いつでもまたおいでなさいね。レオンハルト、リュセル。ディエラ国は、いつでもあなた達を歓迎しますよ」
出立時に対面したシルヴィア女王は、そう言うと、優しく慈悲深い微笑みを浮かべた。
「リュセル様~」
「行っちゃ嫌っ!」
「ずっと、ここにいて~!」
この一か月でリュセルにすっかり懐いた様子の三つ子の末姫達は、駄々をこねてリュセルを困らせた。
「また会いにきますよ、小さな姫君達。その頃には、きっとあなた達は、目も眩むような素敵な女性に成長しているのでしょうね」
年端もゆかぬ幼い姫君達相手に甘く微笑み、誘惑的な甘い声でささやくリュセルを横で見ていたレオンハルトは、苦虫を噛んだような顔になった。
すっかり、ジュリナの影響を受けている。
元々、すべての女性を魅了するような美貌の持ち主なのだ。それに、ジュリナ直伝の口説き文句が加わってしまって、リュセルはかなり危険な男(女性限定)になっていた。
「ジュリナ……」
氷点下に冷え切った声で、自分の名を呼んだ幼なじみにジュリナは慌てて答える。
「え!? これも、私の所為だと言うのかい!?」
濡れ衣だ! と首を大きく振るジュリナに、レオンハルトは冷たい目線を送る。その様子を見ていたシルヴィア女王は、目を丸くして嬉しそうに笑った。
「あなた達も、すっかり仲良くなったのね」
その言葉を聞いたレオンハルトとジュリナは、同時に衝撃を受ける。確かに、前よりは、お互いに話しやすくなったのは事実だが……。
「誤解です、おばあ様。何を好き好んで、私が、こんな男女と……」
「それは、こちらの台詞だ」
そう言い合ってしばらく睨み合っていた二人だったが、不意にジュリナが噴出した。
「くくくっ」
「ふっ」
そして、つられるように、レオンハルトも薄く微笑む。
「ではな、レオンハルト。道中気をつけろよ。今回、一緒に過ごせて楽しかったよ」
「ああ」
そう言って握手を交し合う、レオンハルトとジュリナの姿を見ていたリュセルは思った。
(元婚約者同士というよりも、戦友のような雰囲気をかもし出しているような気がするのは何故だ?)
それは二人共、いろんな意味でたくましいから。
じ~っとジュリナを見つめていたリュセルに、彼女はにやりと意地の悪い笑みを浮かべた。
「なんだい、妬いているのかい?」
「!?」
「大丈夫、お前の麗しのお兄様を奪ったりしないよ」
その言葉に、リュセルは冷静に言った。
「いや、まったく、あなた相手ではそんな事、思いもしなかったぞ」
ジュリナはそれを聞いた途端、にっこりと微笑むと、リュセルの足を思いっきり踏みつけた。
(いっ!)
そして涙目になりそうになるリュセルの頭を、ポンポンと軽く叩く。怪訝そうな視線を向けてくる妹の婚約者に、ジュリナは言った。
「お前は、男にしては見所がある。そのまま男を磨いていけよ、リュセル」
ジュリナらしい、別れの言葉だった。
「ああ、ジュリナ殿もお元気で」
そしてリュセルは、ティアラへと視線を向けた。
「ティアラ姫」
「リュセル様」
言いたい事は山ほどあるのに、何も言葉にならなかった。
「お元気で、ティアラ姫」
そう言って悲しそうに微笑むリュセルに、ティアラは両手を握り締め、小さく頷く。そうして身をかがめると、涙の溜まったティアラの瞼の上にリュセルは優しく口づけた。
可憐な姫君をなぐさめるように口づけを贈る美貌の王子の姿は、まるで一枚の絵のように美しい光景だった。
うっとりと見入る、ルカ、ルイ、ルナの目は焦点が合っていなかった程だ。
「では」
レオンハルトが一礼するとリュセルもそれに習って一礼し、二人は別れの場であった謁見の間を退出した。
「結局、ローウェンは挨拶に来なかったな」
ティアラとの別れを引きずり、落ち込みモードで言ったリュセルにレオンハルトは頷いた。
「先に馬車で待ってる、と言っていたよ」
長い廊下を進み、城を出ると、扉の前に横付けされていた馬車の近くにいた、三人の騎士に向かってレオンハルトは小さく頷いた。
主の合図に、アントニオが馬車の扉を恭しく開ける。
「殿下、ローウェン王子は、もう中でお待ちですよ」
ユージンの言葉を聞き、レオンハルトは言った。
「ああ、わかっている」
「いきなり、北の神童と一緒に帰国する事になったからびっくりしましたよ。それにしても、ローウェン王子って、初めて見ましたけど、すっごい美少年ですね!」
「……」
お調子者の騎士の軽口を聞き流したレオンハルトは、無言のまま馬車に乗り込んだ。
「ねえねえ、リュセル王子もそう思いませんか?」
返事がない為、今度は矛先をレオンハルトの後ろにいる自分に移したユージンに対し、リュセルは頷いた。
「まあな」
あれで、性格がああじゃなければ、完璧だったろうさ。リュセルはそう思いながら、乾いた笑みを浮かべたのだった。
そうして、リュセルが馬車に乗り込むと、一見天使のような金髪の美少年が、黒い背表紙の単行本を熱心に読んでいた。
「っ!?」
それは、かなりの衝撃だった。
自分の本は、確か、レオンハルトに取り上げられたままだ。つまり、少年の手の中の本は、彼の私物という事になる。
「黒猫ノンちゃんシリーズが、好きなのか?」
ここに、待望の同士が!
つい、勢いをつけて、目の前のローウェンに詰め寄ると、彼は驚いたように右の蒼い瞳を見開く。
「好きもなにも……、僕、この本の作者だから」
頭の中が真っ白になったリュセルを乗せて、馬車はアシェイラを目指して出立したのだった。
ジュリナはそう言うと、ローウェンの金髪を撫でくり回した。
「でも、ローウェンの行動力の早さは長所ですわ」
ティアラも、優しい眼差しをローウェンに注ぐ。
「っで? 何しにこいつはここに来たんだい? レオンハルト」
ローウェンの髪を乱しに乱した後、ジュリナは我関せずといった感じでジュリナとティアラの分の紅茶を準備していた幼なじみに尋ねた。
「アシェイラに転移装置を作りたいそうだ」
その言葉に、ジュリナは「マジか!?」と、今度はローウェンに聞いた。
「うん。アシェイラにも作れば邪気浄化任務の効率も上がるし、それに、いつでも、リュセル兄さんも婚約者のティアラ姉さんに会えて嬉しいんじゃない?」
いきなり話をふられたリュセルは、飲んでいた紅茶を噴出しそうになる。ティアラを見ると、彼女も照れたように頬を染めていた。二人の間に、最近ではそう珍しくもなくなった、甘酸っぱい空気が流れ始めていた。
「リュセル様」
そっと、優しく呼びかけられる。
「ティアラ姫」
その呼びかけに、リュセルは甘い微笑みで応じた。
何を言う訳でもなく、ただ……、無言のまま、視線を交わしあう。熱く見つめ合うそは、美男美女のカップルそのものだ。
リュセルは、ティアラの緑色の瞳に「なんて美しいのだろう。」と見惚れ、ティアラはティアラで、リュセルの銀の瞳に「綺麗な色」と見惚れていた。互いに半身がいるというのに、自分の婚約者に並々ならぬ好意を抱いている二人は、いつしか、まるで恋人同士のように寄り添っていた。
(う~ん、なんか、間に入り込めない空気だなぁ)
蕩けるような微笑でティアラを見つめるリュセル。うっとりとした瞳でそれに答えるティアラ。両方を見比べながら、ローウェンはもじもじしてしまう。見ている方が照れくさくなってしまうじゃないか。
しかし、そんな若い二人を良く思わない人物が、ただ一人。
「ひゅーひゅー、熱いねぇ」
ティアラの手をとろうとした矢先、ジュリナがそう言ってリュセルを睨んだ。タイミングを逃したリュセルは、ジュリナの睨みもあり、ティアラから手を引く。
最近、柔和になってきたと思われたが……。
(相変わらずだな、ジュリナ殿は)
リュセルはあきらめモードになりながらも、この一か月の付き合いでジュリナ耐性がついていたので、不敵な笑みを浮かべ、彼女の、女にしておくにはもったいない程に凛々しい美貌を見つめる。
「ふっ、嫉妬など見苦しいですよ。ジュリナ殿」
挑戦的なリュセルの態度に対し、ジュリナも面白いと言わんばかりに、口端を僅かに上げて、薄く微笑む。
「言うようになったねぇ、坊や」
バチバチバチッと火花を散らし始めたリュセルとジュリナ。それを見ていたレオンハルトは、小さくため息をついた。
彼は、後悔していた。
この一か月というもの、弟を、この腐れ縁の幼なじみに関わらせ過ぎた為、かなり影響を受けてしまっているのだ。
表情を変える事のないまま、どうしたものかと思案するレオンハルトと、火花を散らして臨戦態勢のジュリナとリュセル、おろおろと姉と婚約者を見守るティアラを黙って見ていたローウェンは、ソファに横になると、懐から、可愛らしい黒猫のワッペンの入ったアイマスクを出し、それを装着して寝転がった。
「ど~でもいいケド、僕、一眠りするから出立する時に起こしてくれる?」
かなりマイペースな事を言って、健やかな寝息を立て始めた天才少年に、リュセルは突っ込んだ。
「こんな状況で寝るなっ!」
しかし、ローウェンはもう起きなかった。
*****
「いつでもまたおいでなさいね。レオンハルト、リュセル。ディエラ国は、いつでもあなた達を歓迎しますよ」
出立時に対面したシルヴィア女王は、そう言うと、優しく慈悲深い微笑みを浮かべた。
「リュセル様~」
「行っちゃ嫌っ!」
「ずっと、ここにいて~!」
この一か月でリュセルにすっかり懐いた様子の三つ子の末姫達は、駄々をこねてリュセルを困らせた。
「また会いにきますよ、小さな姫君達。その頃には、きっとあなた達は、目も眩むような素敵な女性に成長しているのでしょうね」
年端もゆかぬ幼い姫君達相手に甘く微笑み、誘惑的な甘い声でささやくリュセルを横で見ていたレオンハルトは、苦虫を噛んだような顔になった。
すっかり、ジュリナの影響を受けている。
元々、すべての女性を魅了するような美貌の持ち主なのだ。それに、ジュリナ直伝の口説き文句が加わってしまって、リュセルはかなり危険な男(女性限定)になっていた。
「ジュリナ……」
氷点下に冷え切った声で、自分の名を呼んだ幼なじみにジュリナは慌てて答える。
「え!? これも、私の所為だと言うのかい!?」
濡れ衣だ! と首を大きく振るジュリナに、レオンハルトは冷たい目線を送る。その様子を見ていたシルヴィア女王は、目を丸くして嬉しそうに笑った。
「あなた達も、すっかり仲良くなったのね」
その言葉を聞いたレオンハルトとジュリナは、同時に衝撃を受ける。確かに、前よりは、お互いに話しやすくなったのは事実だが……。
「誤解です、おばあ様。何を好き好んで、私が、こんな男女と……」
「それは、こちらの台詞だ」
そう言い合ってしばらく睨み合っていた二人だったが、不意にジュリナが噴出した。
「くくくっ」
「ふっ」
そして、つられるように、レオンハルトも薄く微笑む。
「ではな、レオンハルト。道中気をつけろよ。今回、一緒に過ごせて楽しかったよ」
「ああ」
そう言って握手を交し合う、レオンハルトとジュリナの姿を見ていたリュセルは思った。
(元婚約者同士というよりも、戦友のような雰囲気をかもし出しているような気がするのは何故だ?)
それは二人共、いろんな意味でたくましいから。
じ~っとジュリナを見つめていたリュセルに、彼女はにやりと意地の悪い笑みを浮かべた。
「なんだい、妬いているのかい?」
「!?」
「大丈夫、お前の麗しのお兄様を奪ったりしないよ」
その言葉に、リュセルは冷静に言った。
「いや、まったく、あなた相手ではそんな事、思いもしなかったぞ」
ジュリナはそれを聞いた途端、にっこりと微笑むと、リュセルの足を思いっきり踏みつけた。
(いっ!)
そして涙目になりそうになるリュセルの頭を、ポンポンと軽く叩く。怪訝そうな視線を向けてくる妹の婚約者に、ジュリナは言った。
「お前は、男にしては見所がある。そのまま男を磨いていけよ、リュセル」
ジュリナらしい、別れの言葉だった。
「ああ、ジュリナ殿もお元気で」
そしてリュセルは、ティアラへと視線を向けた。
「ティアラ姫」
「リュセル様」
言いたい事は山ほどあるのに、何も言葉にならなかった。
「お元気で、ティアラ姫」
そう言って悲しそうに微笑むリュセルに、ティアラは両手を握り締め、小さく頷く。そうして身をかがめると、涙の溜まったティアラの瞼の上にリュセルは優しく口づけた。
可憐な姫君をなぐさめるように口づけを贈る美貌の王子の姿は、まるで一枚の絵のように美しい光景だった。
うっとりと見入る、ルカ、ルイ、ルナの目は焦点が合っていなかった程だ。
「では」
レオンハルトが一礼するとリュセルもそれに習って一礼し、二人は別れの場であった謁見の間を退出した。
「結局、ローウェンは挨拶に来なかったな」
ティアラとの別れを引きずり、落ち込みモードで言ったリュセルにレオンハルトは頷いた。
「先に馬車で待ってる、と言っていたよ」
長い廊下を進み、城を出ると、扉の前に横付けされていた馬車の近くにいた、三人の騎士に向かってレオンハルトは小さく頷いた。
主の合図に、アントニオが馬車の扉を恭しく開ける。
「殿下、ローウェン王子は、もう中でお待ちですよ」
ユージンの言葉を聞き、レオンハルトは言った。
「ああ、わかっている」
「いきなり、北の神童と一緒に帰国する事になったからびっくりしましたよ。それにしても、ローウェン王子って、初めて見ましたけど、すっごい美少年ですね!」
「……」
お調子者の騎士の軽口を聞き流したレオンハルトは、無言のまま馬車に乗り込んだ。
「ねえねえ、リュセル王子もそう思いませんか?」
返事がない為、今度は矛先をレオンハルトの後ろにいる自分に移したユージンに対し、リュセルは頷いた。
「まあな」
あれで、性格がああじゃなければ、完璧だったろうさ。リュセルはそう思いながら、乾いた笑みを浮かべたのだった。
そうして、リュセルが馬車に乗り込むと、一見天使のような金髪の美少年が、黒い背表紙の単行本を熱心に読んでいた。
「っ!?」
それは、かなりの衝撃だった。
自分の本は、確か、レオンハルトに取り上げられたままだ。つまり、少年の手の中の本は、彼の私物という事になる。
「黒猫ノンちゃんシリーズが、好きなのか?」
ここに、待望の同士が!
つい、勢いをつけて、目の前のローウェンに詰め寄ると、彼は驚いたように右の蒼い瞳を見開く。
「好きもなにも……、僕、この本の作者だから」
頭の中が真っ白になったリュセルを乗せて、馬車はアシェイラを目指して出立したのだった。
16
あなたにおすすめの小説
《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。
かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年
転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜
隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。
目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。
同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります!
俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ!
重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ)
注意:
残酷な描写あり
表紙は力不足な自作イラスト
誤字脱字が多いです!
お気に入り・感想ありがとうございます。
皆さんありがとうございました!
BLランキング1位(2021/8/1 20:02)
HOTランキング15位(2021/8/1 20:02)
他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00)
ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。
いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
【3/11書籍発売】麗しの大公閣下は今日も憂鬱です。
天城
BL
【第12回BL大賞 奨励賞頂きました!ありがとうございます!!3/11に発売になります、よろしくお願いします!】
さえないサラリーマンだったオジサンは、家柄・財力・才能と類い稀なる美貌も持ち合わせた大公閣下ルシェール・ド・ヴォリスに転生した。
英雄の華々しい生活に突然放り込まれて中の人は毎日憂鬱だった。腐男子だった彼は知っている。
この世界、Dom/Subユニバースってやつだよね……。
「さあ気に入ったsubを娶れ」
「パートナーはいいぞ」
とDomの親兄弟から散々言われ、交友関係も護衛騎士もメイド含む屋敷内の使用人全てがSubで構成されたヴォリス家。
待って待って情報量が多い。現実に疲れたおっさんを転生後まで追い込まないでくれ。
平凡が一番だし、優しく気立のいいsubのお嫁さんもらって隠居したいんだよ。
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
【蒼き月の輪舞】 モブにいきなりモテ期がきました。そもそもコレ、BLゲームじゃなかったよな?!
黒木 鳴
BL
「これが人生に三回訪れるモテ期とかいうものなのか……?そもそもコレ、BLゲームじゃなかったよな?!そして俺はモブっ!!」アクションゲームの世界に転生した主人公ラファエル。ゲームのキャラでもない彼は清く正しいモブ人生を謳歌していた。なのにうっかりゲームキャラのイケメン様方とお近づきになってしまい……。実は有能な無自覚系お色気包容主人公が年下イケメンに懐かれ、最強隊長には迫られ、しかも王子や戦闘部隊の面々にスカウトされます。受け、攻め、人材としても色んな意味で突然のモテ期を迎えたラファエル。生態系トップのイケメン様たちに狙われたモブの運命は……?!固定CPは主人公×年下侯爵子息。くっついてからは甘めの溺愛。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる