【宝の鍵~金の王子と銀の王子~】本編 元平凡女性のイケメン王子は執着心強めな兄に溺愛される

月城はな

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第九章 怪盗イチゴミルク

9-2* 甘やかな仕置き

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それから……

 すぐにリュセルは、自分の言った言葉を後悔する事となる。



「……っあぅ、…………どう、どうして」

 確かに。……確かに、いじめていいと言ったのは自分だ。だが、これは、それ以前の問題じゃないのか?

 リュセルは自分の体に沿うように、背後から覆いかぶさっている兄の熱を感じながら荒い息を吐く。今夜のレオンハルトの手管は、いつもと違っていたのだ。

「何がだい?」

 わかっているくせに、淡々とした口調で尋ね返してくるレオンハルトの指の動きを感じながら、リュセルは唇を噛みしめて喘ぎ声を押し殺した。

「もう、そこ、やめ……っ」

 後ろから回された手で執拗に左右の胸の突起を弄ばれたリュセルは、今度は仰向けにされて、その片方を口に食まれてしまう。

「ん、んんっ……やあっ…………っ」

 男のまっ平らな胸なんて、もんでも楽しくもなんともないだろうに、レオンハルトはずっとそこに執着していた。反応しかけているリュセル自身に決して触れようとせず、赤く色ずいた胸元の突起を己の唇と指とで散々弄りながら、段々と右手をその体に沿って下ろしていく。

「あっ」

 そうして兄が触れたのは、リュセルが待ち望んでいた場所ではなく、その更に後ろだ。用意周到に懐に忍ばせていた小瓶を開け、中に納められていた潤滑油と共に指を差し入れられる。

 グチュっ

 卑猥な音が小さく響く。

「……あ、んん、っああぁあッ」

 レオンハルトの長い指の繊細な動きにリュセルの体は翻弄され、意識が飛びそうになる。

「ん…………ん、ーーーんぅッ」

 ゆるく頭を振って意識を止めるが、次の瞬間には再び意識を保てなくなってしまう……。

「あ、ああッ……、レオンッ」

「くく……」

 ひどく感じる場所を刺激されたリュセルの体は淫らに跳ね、レオンハルトを悦ばせた。

 しばらく、ゆったりとした、じれったい後ろへの愛撫に耐えていると、受け入れる為にそこがほころびかけるのが知れる。それでもまだ、レオンハルト自身を受け入れるには未熟すぎるそこを、次の瞬間、無遠慮に後ろから貫かれ、リュセルは悲鳴を上げた。

「ひぃッ…………ッああああああぁぁぁっ」

「ああ……少し、早かったね」

 いつもはもう挿れてくれと泣いて強請られる程、時間をかけて慣らしてからその身を暴いていた為、弟の内部の今だ熟れぬ感触を感じ、レオンハルトは熱い吐息をつく。
 そんな狭い内部の締め付けを楽しんでから、レオンハルトはリュセルの体の奥を抉じ開けて、突き上げ始めた。

「ぅ、……あ、あッ」

 ジャラッ

 レオンハルトが動く度に、手枷足枷に繋がれた銀の鎖同士がこする音が上がり、リュセルはそれにひどく興奮していた。

(ああ。俺、このままじゃ変態になってしまう)

 手枷足枷を兄にはめられ、寝台に鎖で繋がれて抱かれる事に悦びを感じるようじゃ、なんだか、人として終ってしまっているような気がする。

 その上

「今夜はこのまま、後ろだけで達きなさい」

 もう出来るだろう?後ろから首筋をなめ上げられ、そう甘くささやかれたリュセルは、上体を深く沈め、シーツを強く掴み、兄のもたらす快楽に耐ながら小さく首を横に振った。

「無理ぃ」

 嬌声を上げながらも嫌がる弟に対し、レオンハルトは聞き分けのない子に言い含めるように言った。

「大丈夫、出来るはずだ」

「嫌だ、嫌……、許してっ」

 狼狽して背後の兄に懇願するリュセルは、何とかそれを止めさせようと、一旦動きを止めていたレオンハルトから離れようとして身じろぎする。

「往生際の悪い子だね」

 ため息交じりにそう言ったレオンハルトは、前にずり上がって自分から逃れようとするリュセルの背中を押さえつけ、無理矢理その体を激しく揺さぶった。

「ひっ……あ、あ、あッ」

 ジャラ、ジャラ、ジャラッ

 足枷の鎖のこすれる音が、レオンハルトの激しい突き上げに呼応するように鳴り響く。

(も……、なんか、すごい)

「ぁ、ああっ、ん……んっぁんッ」

 額をシーツに擦りつけ、リュセルは喘ぎ続ける事しか出来ない。

 胸の突起をいじられ、前を慰められる事なく後ろを攻められて、これではまるで女だと、快楽で霞んだ思考の隅で考えた。
 ひどく男として屈辱的な抱かれ方をしているのに気付くが、それに抗えぬ程、自分の体はレオンハルトのもたらすそれに悦んでいたから始末が悪い。

「ん? イイのか?」

 熱く締め付けてくるリュセルの後腔の感触に、わずかに息を乱しながら、レオンハルトは更に深くその身を穿った。

「っ~~~!! 嫌っあああ…………ダメだっ、ぁああ、イイッ」

「ふふ、一体どっちだい?」

 クスクスと面白そうに笑う兄の吐息が首筋にかかり、それにすら感じてしまう。

「そ、な……、奥…………ぁん、だめぇッ」

 少しの時間もじっとしていられずに、自ら腰を激しく揺らしてリュセルは啼いた。

「レオンっ、レオ……、はっ、ダメ、もっ…………、嫌だ、達く…………、あ、あ、ぁぁあああっ、達くぅーーーッッ」

 段々と舌ったらずになるリュセルがそう叫んだと同時に、レオンハルトは散々翻弄した目の前の肢体を強い力で抱き込んだ。

「…………っ」

 声にならぬ悲鳴を上げてリュセルが達した、耐えがたいその締め付けを受け、僅かに眉をひそめ、レオンハルトも体を硬直させる。

「ぁ、ぁ…………、ぁう」

内部に注がれる熱さに呻いた弟の、汗に濡れた銀髪をよしよしと撫でながら、レオンハルトは優しく言った。

「よく出来たな」

 偉かったぞと、子供を褒めるような口調で髪や背中をさすられて、リュセルは恥も外聞も捨て、むせび泣いた。

「どうした? ちゃんと出来たのに、何故泣くんだい?」

 うつ伏せにしていた体を仰向けに裏返し、それこそ子供のように泣いている弟の頬に伝う滴を優しく拭ってやる。

「こ、こんな……、これでは、俺は、まるで女のようじゃないかっ」

 ぼろぼろと涙を流しながら、力ない声で抗議した自分に、次の瞬間、目の前の麗しき鬼畜なお兄様が言った台詞は、リュセルを凍らせるものだった。

「お前が女だったら、即効で子供を産ませて、私から逃げられないようにするだろうね。そうだな……、ああ、三十人は欲しいものだ」

 空恐ろしい、そんな本気台詞をささやいたレオンハルトの濃厚な口づけを受けながら、リュセルは自分が男であったという事を創世の女神に感謝していた。

 教訓:レオンハルトを本気で怒らせてはならない。

 リュセルは再び自分を組み敷いてきた兄に逆らう事なく、体の力を抜きながら、そう改めて心にそれを刻んだのだった。

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