異世界で愛され幸せに生きる話【改訂版】

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目を覚ますと、またふかふかのベッドの上にいた。
柔らかくて、あたたかくて、まるで夢の中みたい。

昨日、途中で眠っちゃったから、きっとルーが運んでくれたんだ。  

そう思うと、胸の奥がふわっとあたたかくなる。

けれど、部屋を見渡すと、誰の姿もない。

「……ルー、どこ?」

声に出した瞬間、ひゅっと胸の奥が冷たくなる。 

昔はひとりなんて当たり前だったのに、今はちょっとでも離れると寂しくてたまらない。  

指先がそわそわして、シーツをきゅっと握りしめた。

「ルー」

そう呟いて、ベッドの端からそっと足を下ろそうとしたとき――

ガチャ、と扉が開いた。

「モモ、おはよう。まだ寝ててよかったのに。」

顔を上げると、ルーが立っていた。
朝の光を受けた金の髪が、きらきらと光っていて、まるで天使みたい。

「おはよう……ルー。……ぎゅーして?」

少し恥ずかしかったけど、言葉が勝手に出てしまった。
ルーは少し目を丸くしたあと、すぐに微笑んで手を広げた。

「ん? いいよ。おいで。」

ベッドの上からひょいっと抱き上げられる。
大きな手が背中を支えてくれて、そのまま首に腕をまわしてぎゅっとしがみついた。

やっぱり、ルーの匂いがする。
お日さまみたいに、あったかくて、落ち着く。

「どうしたの?」

背中をゆっくり撫でながら聞かれる。

「……起きたら、ひとりだったから。さみしかったの」

「そっか、ごめんね。じゃあ今日の夜からは、一緒に寝ようか。モモが嫌じゃなかったらだけど。」

「…いいの?うれしい……」

なんだか恥ずかしくて、でも嬉しくてほっぺたがふにゃってなる

もじもじしてたらルーが少し笑って髪を撫でてくれた。
 
**

「それでねモモ、昨日言ってた通り、今日は護衛と侍女を紹介しようと思うんだけど、会えそうかな?」

「ん……会ってみる。でもルーも一緒にいて?」

「もちろん。みんな、モモに会うのをとても楽しみにしているんだ。」

ルーに抱かれたままソファに連れていかれて、ふんわりと座らされた。

僕の今の格好は、白くて柔らかいルームウェア。袖が長くて、手の先がすっぽり隠れてる。

……これ、ルーが着替えさせてくれたのかな

袖を眺めていると、ルーが扉に向かって言った。

「入れ。」

びくっと肩が跳ねる。

思わずルーの袖をぎゅっと掴むと、優しい目でふわふわと頭を撫でられた。

「大丈夫だよ。怖くないからね。」

その一言だけで、少しだけ安心する。

***

「失礼いたします。」

入ってきたのは2人

「お初にお目にかかります。王国騎士団第一部隊隊長、オリビア・ミラーと申します。神子様の護衛を任されました。必ずお守りいたします。」

びっくりして口をぽかんと開けてしまう。

すらっとした姿勢に、きらきら光る鎧。かっこいい……!

……あれ?

「第一部隊……?」

それって凄く強いんじゃ…

「そうだよ。モモの護衛は特に優秀な者を厳選してるから安心してね。」

「……はぁい」


次にその隣の女の人が丁寧にお辞儀をした。

「メイドのメリッサ・アルカルトと申します。モモ様のお世話をさせていただきます。なんでもお申し付けください。」

優しい声と、やわらかい笑顔。

「メリッサは若いが優秀なんだ。モモが気軽に話せるよう、歳の近い者にしたんだよ。」

「……ルー、そんなことまで考えてくれたの?」

ルーが微笑んで頷く。

あ、そうだ……僕もあいさつしなきゃ

「えっと……ぼ、僕はモモです。たぶん……16歳?です。……あの、わがまま言ってもいい?」

「もちろんです。どうぞお気軽に。」

「じゃあ……あんまりかしこまらないでほしいの。僕、そんなにすごい人じゃないから……」

うつむいて小さく言うと、メリッサがすぐにしゃがみ込んで、まっすぐ目を見つめてくれた。

「そんなことないです、モモ様!」

きっぱりと言われて、びくっと肩が跳ねる。
でも、まっすぐな言葉が嬉しくて、胸がじんわり温かくなる。

「その通りです。」
後ろでオリビアさんも頷いてくれた。

「どうかご自分を卑下なさらないでください。私たちはモモ様をお守りできることを誇りに思っています。」

2人の優しさが嬉しくて、自然と頬が上がる

「……ふふ。うん、ありがとう」

こんなに優しい人たちに出会えて幸せ……

それに今までお母さん以外と関わることがなかったからたくさんお話したいな。

改めて2人を見るとそろって固まっている

あれ……また変なこと言っちゃったのかな。

「二人とも。モモが困ってるだろう?」と、ルーが笑いながら言う。

「……これは危険ですね、殿下。」
「だから言っただろう? モモは可愛すぎるって。」

目の前で交わされるよく分からない会話をはてなを浮かべながら聞く。

「モモ、おいで。」

呼ばれて近づくと、ふわっと抱き上げられた。


「知らない人に無防備になりすぎちゃだめだよ?」

「うん?……分かった……?」

「ほらね、この通り分かってないから。二人とも、よろしく頼むよ。」

「「はい、殿下。」」

むぅ。僕だけ仲間はずれみたい。

ぷくっと頬を膨らませてみせると、メリッサが「モモ様、可愛い~!」と叫んで、ルーとオリビアさんも笑った。


こうして僕の異世界生活の一日目が、にぎやかで、あたたかく始まった。
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