71 / 97
2章
2‐19 対魔物専門家「キール」
しおりを挟む
新しい仲間も増えたし、シルフィのおかげで輸送能力が大幅に向上した。
「村」からダンジョンへの道は整備の途中だが、大分進んでいるように見える。
とりあえず馬車の通れる道幅だけ切り開き、ちゃんとした整備は後回しにすることになったそうで。
「ダンジョンの手前まで道を通すことが出来たら、職人を派遣してもらえることになりました。」
「村」へ行くとカリーナさんはそう説明してくれる。
「どれくらいかかりそうですか?」
「具体的には…」
問題はないが、いかんせん労働者不足みたいだ。
「そのために来たんだ。」
そう、今日「村」まで来た目的の一つはアンナたっての願いで開拓の手伝をする事。
本当の目的は「木の伐採で得られる経験値」の確認と、労働疲労と体力強化のテスト、つまりは「聖水」を使ったアンナの作業効率の確認だ。
もう一つはシルフィの戦闘力の確認。
この島に「鑑定」系の高レベルスキル保持者はいないが、魔物の専門家が軍から派遣されている。
その人にシルフィの事を見てもらうつもりだ。
「こっちが終わったら手伝いに行くから。」
そう言ってアンナ・ミーシャ・ナツキと別れ、リーズとふたり作戦本部へ。
ーーーーーーーーー
「どうも、対魔物専門のキールです。」
カリーナが伝令を送ってくれていたおかげで話はすんなり通る。
立派な髭を蓄えた50代程の男性だ。
「ほう、シーズグリフォンですか、これまた珍しい…」
シルフィはシーズグリフォンという種族らしい。
「この子の状態なんかを知りたいんだけど、出来る?」
「私の「サーチ」はレベル7の為、「解体」してみないと詳しくは分からないのですが、レベルと歳ぐらいなら何とか…」
「サーチ」って探索系の名前っぽいけど…
「ええ、それであってます。
本来の使い方は強く念じた「対象」を魔力探知範囲内で検索するもの。
ですが冒険者ではなく魔物研修者の私の主な使い方は、魔力を流して「対象」の「構成情報を検索」する方法。
あまり魔力量の多くない私は「解体」「分解」して範囲を狭めてからやるのです。」
「つまり念じた情報が有るか無いかを一個ずつ調べてるってことですか?」
「そう言う事です。」
さらりと言っているが今のを聞いただけでとんでもない人だと分かる。
相当な知識が無ければ到底有益な情報を引き出す事は出来ない、「知らない事」までは「知ることは出来ない」。
「鑑定」スキルを得られなかった彼は、「サーチ」を応用することで似たような事をしている。
当然効率は悪いが、得た知識が無駄になる事はない。
スキルの使い方はまさに「想像力」次第といったところか…
うん、面白い。
ーーーーーーーーー
「ほう、すごいですね…」
シルフィを診て驚くキール。
「この子はすでにあなた達に貰った「シルフィ」が自分であると認識してます。」
「そりゃそうよ、頭のいい子なんだから。」
胸を張るリーズ。
「まだ2歳、レベルは…10ですね…
病気や呪いの類はありません…
風系統の魔法適性がありますが、レベルは分かりません…」
そう言って手を離して一息つく。
「すみません、分かるのはこれぐらいです。」
「十分よ、ありがとう!」
元々病気にかかってなかったのか「聖水」の効果なのかは分からないが、一安心だ。
「村」からダンジョンへの道は整備の途中だが、大分進んでいるように見える。
とりあえず馬車の通れる道幅だけ切り開き、ちゃんとした整備は後回しにすることになったそうで。
「ダンジョンの手前まで道を通すことが出来たら、職人を派遣してもらえることになりました。」
「村」へ行くとカリーナさんはそう説明してくれる。
「どれくらいかかりそうですか?」
「具体的には…」
問題はないが、いかんせん労働者不足みたいだ。
「そのために来たんだ。」
そう、今日「村」まで来た目的の一つはアンナたっての願いで開拓の手伝をする事。
本当の目的は「木の伐採で得られる経験値」の確認と、労働疲労と体力強化のテスト、つまりは「聖水」を使ったアンナの作業効率の確認だ。
もう一つはシルフィの戦闘力の確認。
この島に「鑑定」系の高レベルスキル保持者はいないが、魔物の専門家が軍から派遣されている。
その人にシルフィの事を見てもらうつもりだ。
「こっちが終わったら手伝いに行くから。」
そう言ってアンナ・ミーシャ・ナツキと別れ、リーズとふたり作戦本部へ。
ーーーーーーーーー
「どうも、対魔物専門のキールです。」
カリーナが伝令を送ってくれていたおかげで話はすんなり通る。
立派な髭を蓄えた50代程の男性だ。
「ほう、シーズグリフォンですか、これまた珍しい…」
シルフィはシーズグリフォンという種族らしい。
「この子の状態なんかを知りたいんだけど、出来る?」
「私の「サーチ」はレベル7の為、「解体」してみないと詳しくは分からないのですが、レベルと歳ぐらいなら何とか…」
「サーチ」って探索系の名前っぽいけど…
「ええ、それであってます。
本来の使い方は強く念じた「対象」を魔力探知範囲内で検索するもの。
ですが冒険者ではなく魔物研修者の私の主な使い方は、魔力を流して「対象」の「構成情報を検索」する方法。
あまり魔力量の多くない私は「解体」「分解」して範囲を狭めてからやるのです。」
「つまり念じた情報が有るか無いかを一個ずつ調べてるってことですか?」
「そう言う事です。」
さらりと言っているが今のを聞いただけでとんでもない人だと分かる。
相当な知識が無ければ到底有益な情報を引き出す事は出来ない、「知らない事」までは「知ることは出来ない」。
「鑑定」スキルを得られなかった彼は、「サーチ」を応用することで似たような事をしている。
当然効率は悪いが、得た知識が無駄になる事はない。
スキルの使い方はまさに「想像力」次第といったところか…
うん、面白い。
ーーーーーーーーー
「ほう、すごいですね…」
シルフィを診て驚くキール。
「この子はすでにあなた達に貰った「シルフィ」が自分であると認識してます。」
「そりゃそうよ、頭のいい子なんだから。」
胸を張るリーズ。
「まだ2歳、レベルは…10ですね…
病気や呪いの類はありません…
風系統の魔法適性がありますが、レベルは分かりません…」
そう言って手を離して一息つく。
「すみません、分かるのはこれぐらいです。」
「十分よ、ありがとう!」
元々病気にかかってなかったのか「聖水」の効果なのかは分からないが、一安心だ。
0
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる