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十一歳
体力勝負と精神力勝負
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翌朝、目が覚めたアリアはここがいつもと違う場所であることをうっかり忘れ、叫ぶところだった。本来の立場ならば、メイドたちの手を借りてきちんと着飾らなければならないが、今は『公爵令嬢』というよりも『クリスティアン王子の秘書』だ。そこまで着飾る必要はない。ぱっと見では派手に見えるが、着やすさを重視しているワンピースを羽織って、食事後にすぐに宿を出発できるように装飾品を整えた。
「おはよう」
昨晩、夕食をとった食堂まで行くと、すでにクリスティアン王子が待っていた。
「おはようございます。大変お待たせしました」
待たせたことに対する詫びをいれると、いいや大丈夫だと昨日の朝とは違って機嫌がよさそうだった。
「お前はああいうのに抵抗がないんだな」
朝食をとり、宿屋を出発したあとに王子がそう尋ねた。
「ああいうの?」
どのことを指しているのかわからなかったアリアは聞き返した。すると、お前、無意識にしていたのかと少し呆れられた。
「食事のことだ。普通、というか貴族って普段の食事内容じゃなければ、普段と同じものにしろとかっていうじゃないか。それをお前は一切、なにも言わずに食べた」
彼の疑問にそのこといついてかと納得した。言われてみれば、この世界に来てから初の畜産加工品のオンパレードに脳内はフィーバーしていたからか、特に疑問もなにも思わずに食事をとっていた。でも、それをそのまま言えるはずもない。
「そうね。もちろん、普段の食事の方が好きよ。でも、私たちをもてなすために作られた料理を無碍にするわけにはいかないじゃない? それに私はいずれ宰相になるという夢がある。だから、各地の、各国の料理を知っておくのも損じゃないと思うけど?」
少しこじつけが過ぎたかと思ったが、本当のことを言うよりも少しだけ信ぴょう性が高いことを言っておいた。クリスティアン王子はそうかと納得してくれた様子だった。
「ならいい。だが、無理はするな。食事が合わないから体調を崩す可能性だってある」
彼の心配にありがとうとにっこり笑い、殿下もねと返しておくと気遣いありがとうと彼も素直に返してくれた。
フェティダ領の都サリエルダには予定よりも少し早く、昼下がりと言っていい時間に到着し、そのまま公爵邸に入った。
「よくおいで下さいました、クリスティアン殿下ならびにスフォルツァ公爵令嬢」
頭を下げて歓迎のあいさつを述べる彼の声は、実際の年齢よりも幼く感じるものの、しゃべり方は公爵そのものだった。
「私がフェティダ家当主マクシミリアンです。この度は父にかわりまして当主を拝しましたこと、厚く御礼申し上げます」
彼は頭を下げたまま、丁寧に挨拶する。どうやら彼はクリスティアン王子が許可するまで頭を上げるつもりがなかったようだ。彼が頭を上げよと言うと、ゆっくりと上げた。
「父上から、お前のことは聞いている。災難だったな」
暗に彼の父親の件を労うと、いえとさっぱりとしたものが返ってきた。なにか父親に対して思うところがあるのだろうか。彼の表情からは読みとれなかったが、クリスティアン王子もアリアと同じことを思ったのか、少し言葉を詰まらせている。
「すでに会談の場を用意させていただきましたので、こちらへどうぞ」
そんな二人の葛藤に気づいていないのか、にっこりと笑ったマクシミリアンは王子を案内する。
「では、私は外で待っております」
なにも指示しなかったということで外で待つ気満々だったアリアがそう言うと、マクシミリアンは笑いながらあなたもですよと笑う。実際はアリアとクリスティアン王子よりも上のはずだ。それなのになんでだろうか。小さい子どもがキラキラとした目で見るようにこちらを見ている。
「殿下と僕の仲介役に来てください」
分かりましたわ。アリアは予想外の行動に少し戸惑いを隠せなかったが、せっかくならばとあることを試すために二人の会談の場に同席することにした。
「おはよう」
昨晩、夕食をとった食堂まで行くと、すでにクリスティアン王子が待っていた。
「おはようございます。大変お待たせしました」
待たせたことに対する詫びをいれると、いいや大丈夫だと昨日の朝とは違って機嫌がよさそうだった。
「お前はああいうのに抵抗がないんだな」
朝食をとり、宿屋を出発したあとに王子がそう尋ねた。
「ああいうの?」
どのことを指しているのかわからなかったアリアは聞き返した。すると、お前、無意識にしていたのかと少し呆れられた。
「食事のことだ。普通、というか貴族って普段の食事内容じゃなければ、普段と同じものにしろとかっていうじゃないか。それをお前は一切、なにも言わずに食べた」
彼の疑問にそのこといついてかと納得した。言われてみれば、この世界に来てから初の畜産加工品のオンパレードに脳内はフィーバーしていたからか、特に疑問もなにも思わずに食事をとっていた。でも、それをそのまま言えるはずもない。
「そうね。もちろん、普段の食事の方が好きよ。でも、私たちをもてなすために作られた料理を無碍にするわけにはいかないじゃない? それに私はいずれ宰相になるという夢がある。だから、各地の、各国の料理を知っておくのも損じゃないと思うけど?」
少しこじつけが過ぎたかと思ったが、本当のことを言うよりも少しだけ信ぴょう性が高いことを言っておいた。クリスティアン王子はそうかと納得してくれた様子だった。
「ならいい。だが、無理はするな。食事が合わないから体調を崩す可能性だってある」
彼の心配にありがとうとにっこり笑い、殿下もねと返しておくと気遣いありがとうと彼も素直に返してくれた。
フェティダ領の都サリエルダには予定よりも少し早く、昼下がりと言っていい時間に到着し、そのまま公爵邸に入った。
「よくおいで下さいました、クリスティアン殿下ならびにスフォルツァ公爵令嬢」
頭を下げて歓迎のあいさつを述べる彼の声は、実際の年齢よりも幼く感じるものの、しゃべり方は公爵そのものだった。
「私がフェティダ家当主マクシミリアンです。この度は父にかわりまして当主を拝しましたこと、厚く御礼申し上げます」
彼は頭を下げたまま、丁寧に挨拶する。どうやら彼はクリスティアン王子が許可するまで頭を上げるつもりがなかったようだ。彼が頭を上げよと言うと、ゆっくりと上げた。
「父上から、お前のことは聞いている。災難だったな」
暗に彼の父親の件を労うと、いえとさっぱりとしたものが返ってきた。なにか父親に対して思うところがあるのだろうか。彼の表情からは読みとれなかったが、クリスティアン王子もアリアと同じことを思ったのか、少し言葉を詰まらせている。
「すでに会談の場を用意させていただきましたので、こちらへどうぞ」
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「では、私は外で待っております」
なにも指示しなかったということで外で待つ気満々だったアリアがそう言うと、マクシミリアンは笑いながらあなたもですよと笑う。実際はアリアとクリスティアン王子よりも上のはずだ。それなのになんでだろうか。小さい子どもがキラキラとした目で見るようにこちらを見ている。
「殿下と僕の仲介役に来てください」
分かりましたわ。アリアは予想外の行動に少し戸惑いを隠せなかったが、せっかくならばとあることを試すために二人の会談の場に同席することにした。
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