ルーグ家の双子

シャオえる

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2人の力

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 真っ暗になった部屋
ベッドには、泣きつかれ寝ているクリス
その隣で、リズルがクリスを見つめている
眠ったのを確認すると、ゆっくりベッドを降り、そのまま部屋を出て、入り口にいる備兵に話しかけた

「すまない。クリスは寝てしまった。会議室へ向かうので、クリスが起きたら呼んでくれるか?」
「了解しました」


 クリスの部屋を出て廊下を歩くリズル
「どうしたものか…」
 一人言を呟いていると
「リズル」
 と前方から男性の声が聞こえた

「アーベル大佐、どうしてここに?」
「どうしてって、クリス・ルーグの様子でも見ようかと思ってな」
「へぇ、意外ですね。子供好きなんですか?外見からして、子供に怖がられて逃げられそうですが…」

リズル少佐の言葉に少しムッとした顔をしたアーベル大佐 
「失礼だな。嫌いではないぞ。まぁ逃げられるのは事実だが…」
 リズルはフフっと笑う

「で、どうだね?クリス・ルーグの様子は」
「今は寝ています。なので会うのは遠慮願います」

「そうか…では、何か情報は?」
「ええ、それを今から話しに行こうかと思っていた所です」
「そうか、でもさっき程会議が終わった所でな」

「そうですか…」
 少し考えこむリズル少佐

「まだ、上本部は残っていると思われる。連絡して、再度集まってもらうか」

「先ほどの会議の内容は?」

 アーベル大佐は、「ふぅっ」とため息をついた
「特に進展も何もない。とりあえず、アリス・ルーグは目覚めさせないように。となっただけだ。すまないが、リズル、上本部の人達を集めるのを手伝ってくれ」
 リズル少佐は頷き答える
「了解です」


 会議室へ向かう2人
アーベル大佐の少し後ろを歩いていたリズル少佐が、突然立ち止まり
「アーベル大佐」
 と声をかける
「なんだ?」
アーベル大佐も立ち止まり、リズル少佐の方を見る

「一つ気になることが…」

「どうした?」

「姉、アリス・ルーグは高い能力値があると感じられるのですが」

「そうだな、俺ら二人でも倒せるかどうか、だな」

「はい。ですが、妹、クリス・ルーグなのですが、何も感じられません。魔術の能力はほぼ0、皆無に等しいと思われます」

 アーベル大佐は驚いた様子で答える
「それは…本当か?」


 その頃、クリスが目を覚ましていた
「うーん…」
体を起こして辺りを見渡す
「リズルさん?」
 その言葉に返事もなく、誰もいない、暗く静かな部屋
 ガバッと頭まで布団を被り、再び横になる
 クリスの目には涙が溢れている
「……アリス、お母様、おばあ様」
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