5 / 29
2人の力
しおりを挟む
真っ暗になった部屋
ベッドには、泣きつかれ寝ているクリス
その隣で、リズルがクリスを見つめている
眠ったのを確認すると、ゆっくりベッドを降り、そのまま部屋を出て、入り口にいる備兵に話しかけた
「すまない。クリスは寝てしまった。会議室へ向かうので、クリスが起きたら呼んでくれるか?」
「了解しました」
クリスの部屋を出て廊下を歩くリズル
「どうしたものか…」
一人言を呟いていると
「リズル」
と前方から男性の声が聞こえた
「アーベル大佐、どうしてここに?」
「どうしてって、クリス・ルーグの様子でも見ようかと思ってな」
「へぇ、意外ですね。子供好きなんですか?外見からして、子供に怖がられて逃げられそうですが…」
リズル少佐の言葉に少しムッとした顔をしたアーベル大佐
「失礼だな。嫌いではないぞ。まぁ逃げられるのは事実だが…」
リズルはフフっと笑う
「で、どうだね?クリス・ルーグの様子は」
「今は寝ています。なので会うのは遠慮願います」
「そうか…では、何か情報は?」
「ええ、それを今から話しに行こうかと思っていた所です」
「そうか、でもさっき程会議が終わった所でな」
「そうですか…」
少し考えこむリズル少佐
「まだ、上本部は残っていると思われる。連絡して、再度集まってもらうか」
「先ほどの会議の内容は?」
アーベル大佐は、「ふぅっ」とため息をついた
「特に進展も何もない。とりあえず、アリス・ルーグは目覚めさせないように。となっただけだ。すまないが、リズル、上本部の人達を集めるのを手伝ってくれ」
リズル少佐は頷き答える
「了解です」
会議室へ向かう2人
アーベル大佐の少し後ろを歩いていたリズル少佐が、突然立ち止まり
「アーベル大佐」
と声をかける
「なんだ?」
アーベル大佐も立ち止まり、リズル少佐の方を見る
「一つ気になることが…」
「どうした?」
「姉、アリス・ルーグは高い能力値があると感じられるのですが」
「そうだな、俺ら二人でも倒せるかどうか、だな」
「はい。ですが、妹、クリス・ルーグなのですが、何も感じられません。魔術の能力はほぼ0、皆無に等しいと思われます」
アーベル大佐は驚いた様子で答える
「それは…本当か?」
その頃、クリスが目を覚ましていた
「うーん…」
体を起こして辺りを見渡す
「リズルさん?」
その言葉に返事もなく、誰もいない、暗く静かな部屋
ガバッと頭まで布団を被り、再び横になる
クリスの目には涙が溢れている
「……アリス、お母様、おばあ様」
ベッドには、泣きつかれ寝ているクリス
その隣で、リズルがクリスを見つめている
眠ったのを確認すると、ゆっくりベッドを降り、そのまま部屋を出て、入り口にいる備兵に話しかけた
「すまない。クリスは寝てしまった。会議室へ向かうので、クリスが起きたら呼んでくれるか?」
「了解しました」
クリスの部屋を出て廊下を歩くリズル
「どうしたものか…」
一人言を呟いていると
「リズル」
と前方から男性の声が聞こえた
「アーベル大佐、どうしてここに?」
「どうしてって、クリス・ルーグの様子でも見ようかと思ってな」
「へぇ、意外ですね。子供好きなんですか?外見からして、子供に怖がられて逃げられそうですが…」
リズル少佐の言葉に少しムッとした顔をしたアーベル大佐
「失礼だな。嫌いではないぞ。まぁ逃げられるのは事実だが…」
リズルはフフっと笑う
「で、どうだね?クリス・ルーグの様子は」
「今は寝ています。なので会うのは遠慮願います」
「そうか…では、何か情報は?」
「ええ、それを今から話しに行こうかと思っていた所です」
「そうか、でもさっき程会議が終わった所でな」
「そうですか…」
少し考えこむリズル少佐
「まだ、上本部は残っていると思われる。連絡して、再度集まってもらうか」
「先ほどの会議の内容は?」
アーベル大佐は、「ふぅっ」とため息をついた
「特に進展も何もない。とりあえず、アリス・ルーグは目覚めさせないように。となっただけだ。すまないが、リズル、上本部の人達を集めるのを手伝ってくれ」
リズル少佐は頷き答える
「了解です」
会議室へ向かう2人
アーベル大佐の少し後ろを歩いていたリズル少佐が、突然立ち止まり
「アーベル大佐」
と声をかける
「なんだ?」
アーベル大佐も立ち止まり、リズル少佐の方を見る
「一つ気になることが…」
「どうした?」
「姉、アリス・ルーグは高い能力値があると感じられるのですが」
「そうだな、俺ら二人でも倒せるかどうか、だな」
「はい。ですが、妹、クリス・ルーグなのですが、何も感じられません。魔術の能力はほぼ0、皆無に等しいと思われます」
アーベル大佐は驚いた様子で答える
「それは…本当か?」
その頃、クリスが目を覚ましていた
「うーん…」
体を起こして辺りを見渡す
「リズルさん?」
その言葉に返事もなく、誰もいない、暗く静かな部屋
ガバッと頭まで布団を被り、再び横になる
クリスの目には涙が溢れている
「……アリス、お母様、おばあ様」
0
あなたにおすすめの小説
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
包帯妻の素顔は。
サイコちゃん
恋愛
顔を包帯でぐるぐる巻きにした妻アデラインは夫ベイジルから離縁を突きつける手紙を受け取る。手柄を立てた夫は戦地で出会った聖女見習いのミアと結婚したいらしく、妻の悪評をでっち上げて離縁を突きつけたのだ。一方、アデラインは離縁を受け入れて、包帯を取って見せた。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる