神様のあったかご飯。

にのまえ

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料理作りは続く

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 シゲさんと花さんが営んでいた花シゲの厨房で、シロウさんに習いながらおにぎりを握っていくと、気付けば形のいびつな“個性的なおにぎり”が並んでいた。

 だけども、初めての料理に満足の僕と、個性的なおにぎりを見たシロウさんは笑った。

「そろそろ、俺は油揚げを焼こうかな。九さん、フライパンある?」

「フライパン? フライパンは……確か、ここだったかな?」

 流し台の下の扉を開けると、大小さまざまな鍋やフライパンがぎっしり詰まっていた。どれも、配達業の鬼人・キジマさんが揃えてくれた店の調理器具だ。

(うわぁ……たくさん入ってる)

 その中からフライパンを一つ取り出し、シロウさんに差し出す。

「えっと……シロウさん、これでいいかな?」

 彼は軽くうなずくと、当たり前のように水場へ向かい、手際よくさっと洗って水気を切り、コンロへ置いた。

 その一連の動作に、思わず感心する。

「シロウさんって、こういうの慣れてるよねぇ」

「それはそうですよ。もう何年も、人の中で暮らしていますからね。だけど俺は妖怪なので、食べ物はあまり必要ありませんが……いなり寿司と油揚げは別です」

「いなり寿司と油揚げ? シロウさんも好きなの? ――わぁ、一緒だね。僕も大好きだよ」

 そう言ったら「同じですね」と、シロウさんはほんの少しだけ口元を緩めた。

 ⭐︎

 カウンターには僕とシロウさんとで握ったおにぎり。シロウさんが香ばしく焼いた油揚げ、それから買ってきたいなり寿司、湯気の立つインスタントのお味噌汁とシロウさんが漬けた、白菜の浅漬け。

「わぁ……とても美味しそう」
「さぁ九さん、食べましょうか」
「はい」

 シロウさんと並んでカウンターに腰を下ろし、手を合わせる。

「いただきます」
「いただきます」

 はじめて握ったおにぎりを食べようとしたとき、店の扉が開き「九、ここにいるのかい? お、いい匂い」と旅狐のミズキさんが現れた。
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