神様のあったかご飯。

にのまえ

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キャンプ道具とシロウさん

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 シゲさんとお花さんのお孫さんは、「使う日が決まったら連絡するから」と言い残し、店を後にした。

「九さん、本当によかったのですか?」

「うん、いいんだよ。僕は僕の目的をこなすだけ。あの子はあの子で、自分の目標に向かって進むんだろうし」

 僕には、はっきりとした目標がある。

 昔の僕のように、腐れ神になりかけて、ひとりで寂しさを抱えている神たちに、あったかい料理を届けること。そのために、もっとたくさんの料理を覚えたい。

 最終的には、“お弁当”というものを作れるようになれたらいい。

 けれど、おにぎりひとつ作るのにも、あれほど苦労した。

 きっと他の料理を覚えるにも、まだまだ時間がかかるだろう。まずは、シロウさんに教えてもらったおにぎりの握り方を、何度も練習して。少しでも上手になったら、贈ろうと思う。

 ⭐︎

 店でシロウさんと料理を作り、一緒に食べた翌日の早朝。彼は大きな荷物をいくつも抱えて、神社へとやってきた。

 そして僕に「ここを使ってもいいですか」と尋ねると、慣れた手つきでテントを張りはじめる。中には、寝るための寝袋まで敷いてある。

「社の中に、シロウさん用の布団もあるよ。中で一緒に寝ればいいのに」

「すみません。キャンプに憧れがありまして。雨が降ったときは、そのときはお願いします」

「キャンプ?」

「ええ。行きたくても、なかなか時間が取れませんでしたから。ここで、キャンプ体験をさせていただこうかと」

「それは、おもしろそうだね」

 僕もキャンプに興味が湧いた。けれど、僕はこの社の神様だから、ここを離れるわけにはいかない。もしかしてシロウさんは僕のために、ここにテントを張ってくれたのかな。

「九さんも一緒にキャンプしましょう。きっと楽しいですよ」

「やりたいです! それで、今からなにするの?」

「いまからですか? 今から、朝食を作ろうと思います」

 シロウさんは持ってきたカバンを開き、折りたたみのテーブル、フライパン、ケースに入った卵とソーセージ、ガスコンロを次々と取り出した。
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