お気楽、極楽⁉︎ ポンコツ女神に巻き込まれた俺は、お詫びスキルで異世界を食べ歩く！

おばちゃんと服

　カウンターにいるおばちゃんは、店に現れた変わった服装の俺をじっくり見て、瞳を輝かせた。それが俺には何の意味をするのかわからず、身構える。

　ガタッ！
　お、動いた。

「なんてステキな服なの！　あなたの、その服装をわたしに見せて！　うんまぁ～、わたしの目は間違っていないわ、デザインも縫製がいい！　ねぇお願い、もう少し見せてくれないかいかしら？　わたしが見ている間、この服をあなたに貸してあげる」

　おばちゃんは声を上げながら、早足でこちらにきて、俺の服を掴んだ。……お、おお！　おばちゃんの迫力に押されながら。まあ見せるだけならいいかと、店にある試着室で着替えた。

　試着室から出ると、おばちゃんは。

「この服すごいわ～、見たことがない生地と縫製……まあ！　ここをこの様に縫えばいいのね。ふむふむ、見れば見るほど素晴らしい！」

　と、カウンターの上で俺の服を引っ張ったり、裏返したりと、服の隅々を観察している。

（このおばちゃんは、服が好きなのかな？）

　もしかしてここの売り物は、おばちゃんの手作りか。店にある服を見ながら、おばちゃんを待っていた。

「この服、実にいい服ねぇ～わたしに売ってくれない。全部で銀貨5枚いや、金貨1枚払うわ」

　金貨1枚……いいのか悪いのかわからないが、この服と金貨1枚にしてもらうか。

「わかった、ついでにこの服とこのカバンが欲しい」

「服とカバン？　いいわよ、持っていきなさい！」

　いくらかわからない、金貨1枚と服とカバン俺を手に入れた。