お気楽、極楽⁉︎ ポンコツ女神に巻き込まれた俺は、お詫びスキルで異世界を食べ歩く！

スキル確認

　幸運スキルがーーあと10分で効果がきれると言われた俺は、慌てて王城の外へと出て、王都の中を早足で歩く。

《幸運スキル終了。ただいまよりクールタイム（300分）です》

　また頭の中に、機械音が聞こえた。
　クールタイム300分？　
　約5時間のクールタイムか。
 　
　それが終わると、幸運スキルが発動するのか？　……このスキル面白い！　と街を歩く。人と建物が増えてきた、街の中心部か？

　俺は大勢の人混みに紛れて、気持ちが落ちつき、辺りを見る余裕ができた。

（へぇ～これが異世界の王都の街中か、小説で言われるとおり中世風だ）

　だが、異世界で俺のお出かけファッション、ジャケット、シャツとジーパン、リュック姿は、この街では目立っている。

　周りの目が気になってきた。

（質屋か、服屋で着ている服を売って、安い服を買うか……）

　それに服を変えるだけで、平凡な俺は街に溶け込みやすいだろうし。金が手に入ったら安い宿を探して、女神に貰ったステータスのチェックをしたいな。

　あの店はスイーツ、パン屋、大食堂、飲み屋……女神のおかげで、この国の文字と言葉は話せるみたいだ。

　俺はウキウキと街を歩き、服屋を何軒かみつけて「ここなら安いか？」大通りから奥に入った1番安そうな服屋の扉を開けた。

　カランコロンと、ドワに付けられた真鍮製のドワベルが鳴り。店の中から、おばちゃんの「いらっしゃいませ」と声が聞こえた。

（この店の店員はおばちゃんだ、女性か……苦手だな）

　と思いつつ、この服屋に入ることにした。