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第6話 モブ同士のセックスに需要はない

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僕は空き教室に無理矢理連れ込まれてしまった。

四人の男たちは、射精感に見悶えているモブ仲間から金を受け取ると早々に去って行った。結構、酷い奴らだと思う。四人のモブの内の誰かがわざわざ鍵を掛けていったようだ。全く、面倒な事をする。

「くそ、射精感が半端ねーーー!!」
「もう少しで、アイリスに中だし出来るところだったのに・・残念だったね」
「ああ、全くだ。さっそく尻を出してくれ」
「それは問題があります。僕たちはモブ同士なのでできません」
「モブ??」
「つまり、不細工どうしという事でしょうか?」
「おまっ、まあいい。確かにこの学園に来て、俺は絶望した。俺もそれなりの容姿だと自負していたのに。何だこの学園は、キラキラ過ぎるだろ?腹いせに一番ビカビカ光ってる奴をやろうとしてこの始末だ・・尻を出せ」

なるほど。この学園に入学できたという事は、モブであろうとも地元ではモテまくっていたに違いない。何と言っても、色付きモブだ。灰色人間からさぞモテた事だろう。しかし待て、灰色人間とセックスは可能なのだろうか?もし僕がこの学園を卒業した後は、灰色の女性と結婚する事になるのか?

「貴方は、童貞ですか?」
「はぁー、そんな訳ないだろ。地元じゃ、女とヤリまくってた」
「あれ、女とやってたんですか?」
「男ともやったが、女の方が好みだった。胸があるからな」
「・・灰色さんとも楽しめるのか。なら卒業しても楽しみはあるな」
「尻を出せ・・限界だ」

モブな男はズボンをはだけて、赤黒くなった巨大ペニスを取り出した。確かに射精感が半端なさそうだ。だが、僕はここで問題に直面していた。僕は只のモブで、アイリスのようにはビッチ補正が掛かっていない。だから、こんなものを突っ込まれても『アンアン』できないはずだ。その事を説明しよう。

「僕はアイリスと違って、そんなものを入れられても『アンアン』できずに、怖くて泣き出して悲鳴を上げると思う。そんな事になれば、君はあまり気持ちよくはないのではないだろうか?」

「・・お前、男との経験が無いのか?」
「ありませんが・・何か?」
「珍しいな。お前は女専か?」
「は?いえ、童貞です」
「そうか、童貞か。では、俺は自慰行為ではなく、お前を抱く事にした」
「はい?」
「初めての奴に、自慰行為とは失礼な事を言った。まあ、地味顔だがお互いに地味顔だ。よく考えると、どうして俺は、あんなキラキラしいアイリス・スノードロップに襲いかかる気になったんだ?記憶が鮮明でないな・・」

ん、記憶が鮮明でない?

さっき、キラキラ憎くしで、腹いせに襲ったと自身自身が言っていたのに。

ひょっとしたら、このモブにもゲーム補正が掛かていたのかもしれない。凌辱設定されたモブは、その気が無くてもアイリスが傍に近づくと、発情して襲いかかる様になっているのか?

バッドエンドを支える凌辱モブは、重要な存在だからな。ゲーム補正には逆らえなかったか。モブ・・なんて扱いなんだ。

「名前は?」
「ライカ=ベラドンナ」
「俺は、コック・リングだ。よろしくな」

どこまで可哀そうなモブなんだ。名前が『コック・リング』とは。可哀そうすぎて、同情が勝った。本当は、凌辱エンドで主人公をものにできていたはずなのに。僕がその機会を潰してしまった。その責任は、体で返すべきだ。よく考えると、僕はアルフレッド・ノーマンに扉にぶつけられたが怪我はせず痛みも少なかった。

つまり、色付きモブにもそれなりの強靭さが備わっているという事だ。この可哀そうなコックさんの為に、尻ぐらい出したっていいんじゃないのか。

まあ、モブ同士の傷の舐めあいだな。


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